インターンに通過するESってどんなもの?志望動機の正しい書き方を実際にインターンに通過したESの例文付きで詳しく解説します。
合格する「志望動機」盛り込むべきポイント
インターン応募時に提出するESの項目のなかでも、志望動機は特に大切です。合格するために盛り込むべきポイントを紹介いたしますので、ぜひ活用してください。
何を伝えるの?
企業に伝えるべきは、①自分がなぜその企業を志望するのか、②その企業の求める人物に自分が合致している点の2つです。
よくある設問例
・業界を志望する理由
・職種を志望する理由
・企業を志望する理由
人事が見る評価のポイント
人事が志望動機を評価する際のポイントは、「自社に合っているか」「意欲が高いか」の2点です。企業としては、入社後のミスマッチをゼロに近づけ、自社で活躍して欲しいという思いを持って選考します。そのため、自社に合った人材か、意欲的かどうかを非常に重視します。
具体的な評価ポイントは、下記の通りです。
会社での仕事を通して何を実現したいか
実現したいことを見つけたきっかけは何か
業界や会社選びの軸は自社とマッチしているか
同業他社ではなく自社を選んだ理由があるか
上記のポイントを満たすためには、しっかりとした企業研究と自己分析が重要です。
合格する「志望動機」具体的な書き方
しっかり企業研究する
企業研究を通して、その企業に自分があっているのか、どんな人材を企業が欲しているかなどを知ることができます。志望動機を書くうえで非常に大切なプロセスなので、しっかり行いましょう。
どんな企業なのか?
企業研究をする際は、以下のような切り口で研究するとスムーズです。
・その企業の業界は?
業界によって企業のカラーは大きく違います。例えば、金融系であれば堅実かつミスをしないことが求められ、IT業界ではスピード感とトライ&エラーをする姿勢が求められる傾向にあります。
このように、業界について知ることは、企業理解への近道といえます。また、企業の業界内での位置づけから、その企業の強みや将来性をはかることも可能です。
・事業は?
志望する企業が扱っている商品やサービスについて知っておくのはもちろん、競合他社との比較など深堀しておきましょう。志望動機を考えるうえで、企業の事業のどこに興味を持ったのかは必須項目。もし、事業への理解が薄いと、合格からは遠のいてしまいます。
また、BtoB(企業や法人を相手としたビジネス)の企業なのか、BtoC(一般消費者を相手としたビジネス)の企業なのかも知っておく必要があります。誰を相手にしている企業なのかによって、同じ業界・職種でもマッチする人材は異なります。
・今回応募するインターンの内容は?
参加を希望するインターンの内容を理解して、どの部分に興味を持ったのかを志望動機に盛り込むことで、説得力が増します。
また、インターンの内容は、企業の実際の仕事に非常に近いものも多く、どんな仕事をするのかを知る材料にもなります。
・どんな社員がいるの?
穏やかな社員が多い、論理的思考力に優れた社員が多いなど、会社によって働く社員のカラーは大きく違います。自分と似たタイプの社員が多い企業であれば、マッチする可能性は高いといえるでしょう。
また、入社してからの実務においても、周りの先輩がどんな人なのかは非常に重要なので、しっかり相性を見極めましょう。
インターンと就活、志望動機の違いはある?
インターンと就活の最大の違いは、インターンがある程度優秀な学生であれば受け入れることが多いのに対し、就活の場合は企業とのマッチ度や意欲の高さがより重視されることです。
そのため、インターンの志望動機では、自分の学生時代の経験などを書くことで、ある程度の能力があることを示すことが重要です。逆に就活での志望動機では、「どうしてもこの企業に入りたい」という明確な意思を示せるかがポイントとなります。
合格する「志望動機」具体的な書き方
合格する志望動機を書くには、次の5つのポイントをおさえるのがポイントです。志望動機の具体性や説得力を増すために、ぜひ実行してください。
①志望動機の文字数は規定の8割以上が目安
志望動機は内容ももちろん大切ですが、分量にも気をつけたいところです。規定の文字数の8割以上は必須といえます。あまりにも文字数が少ないと、読み手は「うちの会社にあまり興味がないのかも」「熱意がないのかな」と思ってしまいます。
②具体的な数字を盛り込む
多くのなど曖昧な表現よりも、具体的な数字を出すことで説得力は格段に増します。例えば、学生時代のリーダー経験を志望動機と絡めて書く場合にも、「多くの部員をまとめた」と書くよりも「50人の部員をまとめた」と書いた方が、読む人の興味を引きつけられます。
③入社後のビジョンを示す
企業研究と自己分析をもとに、入社後に自分のどんなスキルを活かして、何をしたいのかを書くことが大切です。例えば、調整能力の必要な職種であれば、「学生時代に調整役をしていた経験を活かしたい」といったように具体的に書くことで、読み手にこの人は活躍してくれそうというイメージを持ってもらいましょう。
④何に興味を持ったかを書くときは、「変わらないもの」を書くのがベスト
志望動機に具体的な事業内容を盛り込むのは、非常に良いアピールになります。ですが、最近始めたばかりの事業のことだけを書くのはマイナスとなる場合もあります。新規事業はストップする可能性も少なくないので、「状況が変わったら辞めてしまうかも」と思われるからです。
もちろん新規事業について書くのは良いのですが、合わせて企業理念やコア事業などその会社で変わらないものも合わせて書くと良いでしょう。
⑤カタカナ単語を多用しすぎない
「グローバル」「モチベーション」といったカタカナ単語はかっこいい印象があるので、つい使いたくなりますが、多用しすぎは禁物です。もちろんしっかりした裏付けやロジックがあればよいのですが、なんとなく使うと軽薄で曖昧な印象を与えてしまいます。
志望動機の構成
志望動機を書く際は、①企業と自分の接点 ②オリジナルの企業分析 ③自分がどう企業に貢献するかの3つを盛り込むよう意識すると、説得力が増します。
また、①→②→③の順で書くとことで、時系列に沿った流れとなり、志望動機が伝わりやすくなります。
①企業と自分の接点
どこに興味を持ったかだけではなく、自分のこれまでの経験や、専攻などとの接点を書くとよいでしょう。実際に商品やサービスを利用した、自分の専門が活かせるといった具体的な内容があれば、志望度の高さをアピールできます。
②オリジナルの企業分析
企業説明会やHPの内容をそのまま書く就活生が多いので、同業他社との比較や、将来性といった自分なりの視点を盛り込むと差をつけられます。OB訪問で聞いた情報を書くのもおすすめです。
③自分がどう企業に貢献するか
企業にとっては社員の成長も大切ですが、それ以上に社員がどう自社に貢献するかが大切です。自分の成長だけではなく、成長して企業のために何ができるかについてしっかり述べましょう。
実際にES通過した志望動機
SIer業界(397文字)
ITの力を活用し社会を豊かにしたいとの思いから、この度貴社のインターンシップを志望しました。近年、変革期の金融分野や、人材不足の物流分野、高齢化等でより重要となる医療分野など、数多くの分野において、社会に豊かさをもたらす価値創造が求められています。そのためには、単に顧客の要望に応える商品やサービスを提供するのではなく、顧客とともに課題について深く考え、自らのノウハウやリソースを超えたソリューションを顧客とともに構築していくことが必要であると考えます。B to Bの事業にありがちなのは「顧客のニーズを深掘った提案」であると思いますが、私はエンドユーザーの利用シーンやその後の社会への普及まで視野に入れたソリューションを生みだしたいと考えています。そこで国内で大規模な事業を展開している貴社のインターンシップで、社会のニーズを見据えたソリューションを創出する現場に身を置く機会を得たいと思っています。
商社業界(386文字)
総合商社のビジネス創出の現場に身を置く経験を得たいと思い、この度貴社のインターンシップを志望しました。私は、先進国としての課題を多数抱える我が国において、世界に先立つビジネスを生み出したいと考えています。そのためには課題を発見し、それを実際に解決できる能力が必要です。そして貴社には様々な課題についてのリアルデータの収集において、リテール等の川下の領域で広範な接点がある上、ビジネスとしてのバリューチェーンを構築する際の上中下流におけるリソースにおいても、他社にはない幅があります。こうした理由から貴社を志望しておりますが、実際に大規模かつ先進的なビジネス創出に関わる機会はそうありません。そのためインターンシップに参加させていただけた際には、ビジネスに必要不可欠なこの両者がどう生かされ、またどのような事業がいかに創出されているのかを、現場の最前線で学びたいと思います。
損保業界(299文字)
私は、損害保険業界が私の思いを本当に実現できる場かどうかを確かめるために、貴社のインターンシップに応募しました。私には、「夢やアイデアを持つ人々の挑戦を後押しすることで、社会を変える原動力になりたい」という思いがあります。そして、リスクマネジメントという形で挑戦を支える損害保険業界は、この思いの実現が可能な場であると認識しております。しかし、この認識は説明会やWeb上の情報のみで受動的に形成した不確かなものです。そこで、この認識と実態との齟齬がないかを確かめるには、インターンシップを通じて私が自分の体でそのダイナミズムを体感することが最適な行動だと考え、このインターンシップへの応募を決めました。
メガバンク(446文字)
私が貴社のインターンシップに参加する目的は2つあります。1つ目は、メガバンクが私の思いを実現できる場であることを確かめることです。私は学生時代の経験から、「絶対的な支えとして他企業に寄り添い続ける」ことと、「責任感の大きいビジネスに数多く携わること」の2つを実現できる職場で働きたいという思いを抱いています。そして、メガバンクの法人RMとなれば、お客様の成功をサポートしながら数々の企業の変革点に携わることで、その思いが実現できると考えています。このインターンシップを通じて実際の行員の方々の思いを体感し、その認識に齟齬がないかを確かめたいです。2つ目は、行員の方々の本当のお人柄に触れることです。「実際の銀行員は一般的に持たれているイメージとは異なる」と説明会等でよく伺います。そこで、インターンシップで実際に議論の参加やサポートをなさっている時の社員の方々の言葉や姿に自ら触れることで、その本当の姿を知りたいと考えました。以上の2点から、私はこのインターンシップへの応募を決意いたしました。
経営コンサル業界(398文字)
多数の業界のリーディングカンパニーを経営という手段で外部から支える経営コンサルタントの魅力を、実体験をもとに学びたいと思い、貴社のインターンシップを志望致しました。私は大学で経営学を専攻しており、近年の日系企業の経営に関する多くの学説に触れてきましたが、その多くが「モノづくりは得意だがそれを売るのが苦手」というものでした。このことから、将来的には会社経営に関わりたいという思いを持つようになり、その観点から就職活動も進めてきました。しかし、飛躍のための変革を必要としている企業や業界は今や多岐にわたり、事業会社に身を置くことで本当に私の思いを達成できるのかと疑問を持つようになりました。そこで、他業界では類を見ないほどキャリアの初期から大規模な会社経営に数多く携わることのできる経営コンサルタントについての知見を、実際に肌で感じながら得られる貴重な機会だと思い、この度応募させていただきました。
アミューズメント業界(372文字)
人々の心を大きく動かせるビジネスに携わりたいとの思いから、この度貴社のインターンシップを志望しました。貴社は中核事業であるテーマパーク事業において、企画等の上流から、小売等の下流まで、バリューチェーンを包括的に自社内で運営していると認識しております。自身やともに働く仲間のアイデアや努力が結実し、顧客の心を動かす場面を見届けたいと考えている私にとっては、貴社の特徴は大変魅力的です。しかし、そういった思いをどうビジネスに変換し、多くの人々に届けていくのか、またテーマパークという非日常の空間がどう設計・運営されていくのかなど、調べているだけでは不明瞭なことは数多くあります。そこでインターンシップを通じて、貴社の理念や社員の方々の思い、そしてどういった強みが多くの人々に感動を与える源泉となっているのかを、実体験をもとに学びたいと考えています。
ご紹介したように、インターンに合格する志望動機にはいくつかのポイントがあります。慣れないうちは少し大変に思うかもしれませんが、しっかりポイントをおさえて書くことで、合格にグッと近づけます。
ぜひ活用して、憧れの企業でのインターンを勝ち取ってください。