インターン後のお礼状の送り方
面接のお礼状と基本的に考えかたは同じです。
-いつ送る?:インターン終了後の当日~翌日中
-送り方は?:メールまたは直筆の手紙
-何を書けば良い?:直接担当をしてくれた方の名前を記載した上で、実体験から得た知見とお礼
以上、3点を忘れずに書きましょう。とはいえ、素直に自分が感じたことを書けば良いのです。
インターン後のお礼状の必要性
ほとんどの大学生は、複数のインターシップを経験しています。そのため、すべての企業へ向けてお礼状を送ることについて「面倒くさい」と思うことも当然です。けれど、そのひと手間をやるか、やらないかで、人間としても自身にとってもプラスになり、他者とも差がつきます。
受け入れてくれた会社や担当者へ感謝を伝える
インターンは1日~数日です。けれど、インターン生を受け入れてくれた企業の方々は、日々の自分の業務もある中で、教えてくれています。そのことに対する感謝とお礼を伝えよう、伝えたいと思うかどうかで、社会人としての基礎的な資質の有無にもつながります。
自分の経験を振り返ることができる
実際の現場経験を通じ、実用的な知識や技術が身につき、「自分に必要なことは何か?」が明確になります。また学生時代とは違い、さまざまな年代の人とコミュニケーションが多くあるため、新しい発見から、未来への選択肢が増えることにもなります。
インターン後のお礼状のメールと手紙の違い
どちらが良い、悪いということよりも、「なぜ、自分はこの企業にお礼を伝えたいのか」ということを理解していないと意味がありません。単なる「作業」として書かれたものは、メールだとしても、手紙で書いたとしても、全く意味も価値もありません。
丁寧な印象を与えるのは手紙
大手企業や商社等の就活生が殺到しそうな企業や、昔ながらの格式ある企業に対しては、手紙で送ると良い傾向にあります。また、自分の中で志望度が高い企業へも手紙で送ることで、良い印象を持ってもらえます。 自分の手で書いた文字には、書いた人の温度や気持ちが入ります。個人間でも手紙を書く習慣が少なくなったからこそ、伝わるものは大きいです。「字がうまくないから」、「文章を考えるのが苦手」という人も、まずが一通書いてみましょう。きっと、伝わります。
スピード優先ならメールでも良い
外資系、IT通信、ベンチャーといった企業は仕事にも効率と迅速力が求められます。このような企業は、すぐに確認できるメール文書で送るほうが相手の印象も良いですし、好ましいです。感謝とお礼を伝えようという心が大切です。
インターン後のお礼状の送り方
冒頭でも記載した必須項目の「いつ送る?」「送り方は?」「何を書けば良い?」ということについて、具体的にはどのようにすれば良いのか、例文を交えて説明していきます。
送るタイミングは当日か翌日がベスト
これも面接のお礼状と同様に、早い対応が好ましいです。会社では、朝にメールチェックをします。インターン終了当日中に送付すれば、翌日には見てもらえます。手紙ならばメールに配達日数も開封までの時間もかかります。メール以上に早めの行動をしましょう。 何事も、the sooner、the betterです。
インターン後のお礼状の書き方とマナー
送る相手は友達でも知人でもないということを忘れてはいけません。「本文は簡潔に、分かりやすく」が基本です。作文を書いてるのではないので「長文だから良い印象」にはなりません。実際のビジネスの場でも、いかに明確でコンパクトに意図を第三者に伝えられるか?というスキルが求められます。 また、出だしの挨拶で自分の名前を名乗り、文を締めた後に自身の署名を記載することを忘れないようにしましょう。これは、お礼状に限ったことではありません。基本的なマナーです。 そして、見落としがちなのが、メールで送る際の「件名」記載です。手紙であれば必要ありませんが、メールの場合は受信するときに、何を目的として送信されたメールなのか?が一目でわかるように書きましょう。 「Re:」や「Fw:」が残っていたら、これも忘れずに消してください。
インターン後のお礼状で伝えるポイント
最も重点を置いて書くであろう本文。さまざまな経験を経て、書きたいことや伝えたいことがたくさんあるかと思います。それを簡潔にまとめたい場合、以下3点のポイントを書き出してみましょう。 ・印象に残っている経験、体験は何か? ・経験、体験から学んだこと、得られたことは何か? ・学んだこと・得られたことは、今後にどのように活かそうと考えているか? これらがつながると、文章にストーリー性が生まれ、整合性も見えるので、読んだ相手の心にも、スッと入っていきます。せっかくお礼状を送るのですから、相手の記憶に残る文章を書きたいですよね。
インターン後のお礼状の例文
以下、本文例の他に、メール・手紙のそれぞれの場合の注意点を紹介していきます。
本文例
×月×日~〇月〇日の期間、貴社■■部署のインターンに参加させていただきました、〇〇大学×学部■学科の(自分の名前)と、申します。 期間中は、貴重な機会と経験をさせていただき、誠にありがとうございました。 今回、〇〇様からご教示いただきながら従事させていただいた、××や■■の経験は初めてでしたが、貴社の事業をより身近に感じると共に、とても興味と魅力を持つ経験となりました。同時に、自身の弱みと強みも実感いたしました。 この経験から、仕事だけでなく、学生生活に於けるチームで同じ目標に向かって行く時に「自分は何をするべきか?」と考えることができる様になりました。お忙しい中、貴重なお時間を割いて受け入れてくださったこと、心より感謝いたします。 まずは、この度のインターンのお礼を申し上げたく、取り急ぎ、お便りをご送付させていただきました。
メールの場合に注意すること
「件名」と「本文」の宛名・書き出し・末尾の署名に注意してください。 以下で紹介するような内容を参考にすると良いでしょう。 【件名】インターシップのお礼 【本文:宛名】 株式会社〇〇〇〇 人事総務部 インターシップ担当 〇〇様 【本文:書き出し】 お世話になっております。 (「お世話になっております。」という書き出しのあとは、上で紹介した本文を記入します。) 【本文:署名】 〇〇大学×学部■学科 (自分の名前) 連絡先電話番号 連絡先メールアドレス
手紙の場合
手紙の場合は「縦書き」の白無地便せん1枚に執筆していきます。本文では書き出し・締めに気を付けて書くとよいでしょう。 【本文:書き出し】 拝啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 (「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」という書き出しのあとは、上で紹介した本文を記入します。) 【本文:締め】 末筆ながら、貴社の益々のご発展と〇〇様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。 敬具 平成〇年〇月〇日 住所 〇〇大学×学部■学科(自分の名前) 株式会社〇〇〇〇 人事総務部インターシップ担当 〇〇様
インターン後のお礼状の注意点
無事、お礼状を書き上げられましたでしょうか。さあ、すぐに送ろう、と焦ってはいけません。文章の見直しましょう。 誤字、脱字、敬語の使い方、言葉の選び方は適切でしょうか?また手紙の場合は、「縦書き、白無地、白封筒」で書いてますか?見直しをして、問題なければ完成です。送る時も、気持ちを込めてお礼状を送付しましょう。
インターン後のお礼状に関する疑問
ここでは、実際に現場で遭遇する場面を想定した時に直面する疑問について書きます。 普段の生活ではあまり気にしていないことですが、こうした「ちょっとしたこと」にも気遣いができるくらい気持ちの余裕があると、仕事での評価や、人間関係も自ずと良好になっていきます。 では、さっそく見ていきましょう。
飲み会や食事会でごちそうになったときのお礼
インターン中、ランチや飲み会等でご馳走になることもあります。その場合も、口頭だけでなく、当日中にメールでお礼をお伝えしましょう。
メールの例文
件名:本日のお礼(自分の名前) 本文: 〇〇様 お疲れさまです。〇〇です。 本日はお食事にお誘いいただき、ありがとうございました。 〇〇様の経験を踏まえたお話は、社会にこれから出ていく自身にとって、とても有難く、心に残りました。 本当にありがとうございました。また明日からも頑張りますので、ご指導今後ともご指導の程、よろしくお願いいたします。 〇〇大学×学部■学科 (自分の名前) 連絡先電話番号 連絡先メールアドレス
使用するメールアドレスで注意すべき点
メールは履歴が残ります。手軽なツールですが、安易に扱っては自分自身にとってもリスクがあります。企業の方へ送る際は、以下の4点を常に意識しましょう。
-PCと携帯、2つのアドレスで確認できるようにする
-件名を入れる
-本文には宛名と署名を入れる
-メールアドレスはプライベートな情報を感じさせないようにする
たった一通の何気ないメールが、自分自身の未来につながることもあるのです。送る相手の立場になれば大丈夫です。気遣いのできるスマートな人になりましょう。
お礼メールの宛先を複数にしたい場合の書き方
インターシップで直接担当してくださった方だけでなく、配属された部署の社員全員にもお礼を述べることも大切です。その場合、一人一人に送ることができるのがベストですが、人数の多い部署の場合は困難です。 本文の宛名表記を、「インターン関係者各位様」とし、企業または担当部署のメインアドレス宛に送りましょう。
お礼メールへの返信が来なくても心配は無用
会社、とくに人事関連の部署には毎日、想像以上に多くのメールに対応しなければならないため優先度が高い内容から対応します。 そのため、お礼のメール一つ一つに返信するということが困難であるということは想像できますよね。もし、返信が来た場合も、それに再返信する必要もありません。
インターン後のお礼は感謝の気持ちを伝える
たくさんの注意事項や、ポイントを書いてきましたが、一番の目的は、「感謝の気持ちと、お礼を伝える」ということです。相手のことを考え、伝えようという想いがこもったメッセージは、たとえどのような形であれ、相手には伝わるものです。 作り物や、借り物の言葉では、どんなに体裁が素晴らしくてもそこに本当の感情は含まれません。人と人のコミュニケーションです。すべての行いは自分自身に返ってきます。正直で飾りのない、素直な姿勢で送りましょう。