オリエンタルランドにOB訪問しよう
多くの人が一度は訪問したことのある「東京ディズニーリゾート」。このパークを運営しているのが、株式会社オリエンタルランドです。オリエンタルランドは米国のウォルトディズニーカンパニーとフランチャイズ契約をすることで東京ディズニーリゾートを運営しています。
「オリエンタルランド」という企業名を聞いただけで「ディズニーリゾートを運営している会社」と想像する人は多いかもしれませんが、実はそれは完全な正解ではなく、ディズニーリゾートの運営は事業の一つなのです。オリエンタルランドへの就職を考えている学生は、企業研究をしっかりしてからOB訪問へ行きましょう。
企業概要
オリエンタルランドのOB訪問に行く前に、まず企業の概要をつかむことは必要最低限の準備です。どのような事業をおこなっているのか、しっかりと調べておきましょう。
事業内容
オリエンタルランドの事業内容をみていきましょう。オリエンタルランドと聞くと、「ディズニーリーゾート」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、他にはどのような事業をおこなっているのでしょうか。
テーマパーク事業
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの経営・運営をするものです。米国のウォルトディズニーカンパニーとのフランチャイズ契約によるものであり、「オリエンタルランド=ディズニーの会社」ではないので注意が必要です。
とはいえ、この事業の連結売上高の構成比は80%を占めており、オリエンタルランドの事業の中でも最も大きな売上高をあげているものです。テーマパークのアトラクションからエンターテインメント、グッズ、メニューなど、ゲスト(来場者)の体験価値を高めていくことを目標として事業を行っています。
2018年には東京ディズニーランド(東京ディズニーリゾート)のは開園35周年を迎え、パークの拡大や新アトラクションの導入も控え、ますます拡大していくことが期待されています。
ホテル事業
オリエンタルランドの事業で代表的なものの二つ目がホテル事業です。株式会社ミリアルリゾートホテルズが経営、そして運営する「ディズニーアンバサダーホテル」、「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」及び「東京ディズニーランドホテル」の3つのディズニーホテルに加え、子会社である株式会社ブライトンコーポレーションが経営・運営する東京ディズニーセレブレーションホテル、浦安ブライトンホテル、京都ブライトンホテルなどを加えた合計8施設から構成される事業です。
前者の株式会社ミリアルリゾートホテルズは唯一ディズニーホテルの運営・経営をする権利を有しており、その3つのホテルは立地、キャラクター性などそれぞれの世界観が異なり、ディズニーリゾートを訪れた人をさらに楽しませる、また疲れを癒すなどの体験価値を提供しています。
その他の事業
その他の事業としては、東京ディズニーランドのすぐそばにある商業施設「イクスピアリ」の運営や、舞浜駅・東京ディズニーランド・東京ディズニーシー・オフィシャルホテルの4駅をつなぐディズニーリゾートラインと呼ばれるモノレールの運営です。モノレールはシーズンのイベントに合わせて装飾が変化したりと、移動においてもゲストを楽しませるような工夫がされています。
過去3年間の売上/利益推移
これからはオリエンタルランドの、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。
(単位/億) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 4,653 | 4,777 | 4,792 |
営業利益 | 1,073 | 1,131 | 1,102 |
当期利益 | 739 | 823 | 811 |
営業利益率 | 16% | 17% | 17% |
参考:http://www.olc.co.jp/ja/ir/achievement.html
次年度の戦略
現在、東京ディズニーリゾートは二つのテーマパーク合計で年間3000万人を迎えています。オリエンタルランドは2020年に向けて、高い満足度を伴った3,000万人レベルのゲストを迎えることを目標に、「中期経営計画」に取り組んでいます。
この「中期経営計画」は「長期持続的な成長に向けた事業基盤の強化」を方針とし、中長期的なファン(リピーター)を育成すること、訪日外国人ゲストの受け入れ態勢を強化すること、長期持続的な人財の強化を外部環境の方向性として、また想定を上回る入園者数の増加に対するスピード感ある開発計画の推進を挙げています。長期持続的な事業基盤を強化することで、3,000万人レベルの来場者の定着を目指します。
また2021年以降の方針として、「東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト」があります。導入時期としては2022年度中を目指しており、テーマは「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」。
人気映画、「アナと雪の女王」をテーマにしたエリアや、「塔のラプンツェル」、「ピーターパン」のエリアが新しく設けられます。また新しいディズニーホテルも設置される予定です。この大規模プロジェクトにオリエンタルランドは2,500億円を投資するとしており、新たな体験価値創出のため、さらなる成長のため投資を継続していきます。
また、長期の成長方針として東京ディズニーランドではファンタジーランドを含めた7つのテーマランドすべてを開発対象にエリア規模での刷新を行うなどインパクトある開発をすること、また東京ディズニーシーでは飛躍的な進化を遂げるべく大規模なパーク開発を行うことで、質・量ともに体験価値を大幅に向上させていくことを目標としています。
2018年のオリエンタルランドに関するトピックス
オリエンタルランドの2018年のトピックスには、どのようなものがあったのでしょうか。最近の出来事についても把握しておきましょう。
約2,500億円を投じるTDS拡張計画
オリエンタルランドの上西京一郎社長は、千葉日報社のインタビューに応じ2022年度の完成を目指す東京ディズニーシー拡張計画や、TDRの中長期展望を語りました。
TDSの拡張計画には約2,500円を投じる予定でありますが、上西社長は「2,500億円は大きいとはいえ、決して単独で捻出できない額ではない。自己資金でできる金額ではあるが、調達も含めて、会社にとって一番良い方法を検討している」と述べています。
TDSの新設の3施設が大型に
東京ディズニーシー拡張計画で新設する4つの施設のうち、3つが大型施設となることが明らかとなりました。TDSの拡張で約2,500億円をかけ、大ヒット映画「アナと雪の女王」などの世界観を再現したエリアを2022年に開業します。
パークの混雑を緩和し、顧客満足度をアップさせるのが狙いです。上西社長は「より多くの人にまた来たいと思ってもらえる開発にしたい」と述べています。
テーマパークNO.1の座
TDS大規模拡張計画において、世界初となる4つの新アトラクションやTDS内ホテルの新設で価値を高め、今後数十年にわたる持続的成長によってテーマパークNo.1の座を堅持する勝負に出たオリエンタルランド。
大規模拡張計画に伴って、米国ウォルト・ディズニー・カンパニーとのフランチャイズ契約についても2076年までと更新されることで合意に至りました。
少子高齢化で国内の来場者数が頭打ちの中、2020年東京オリンピックによる訪日外国人のゲストの獲得も狙っています。加賀見俊夫会長は、「世界中のお客さまを相手にするには、より高級なホテルも必要。シーは世界で唯一、海をテーマにしたパークで海外からの評価も高い」と語っています。
レジャー施設業界の動向
オリエンタルランドを含むレジャー施設業界の動向はどうなっているのでしょうか。志望している業界についても、しっかりと理解しておく必要があります。
レジャー施設業界の業績推移
レジャー施設業界の過去の推移を見ると、平成17年から19年は上昇傾向にあり、19年から23年は減少が続き、平成23年から27年にかけて再び上昇しています。
近年のレジャー施設企業の業績ではオリエンタルランドが独走状態であり、東京ディズニーリゾートの売上高は横ばい状態が続くものの高水準を保っています。近年では大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイが業績を伸ばしていますがオリエンタルランドの売上の三分の一になります。
レジャー施設業界の動向としては追い風状態が続いており、各社ともこの機運を活かしたいところです。
2020年東京オリンピックの影響を受けて業績は好調
2020年の東京オリンピックの開催に伴い、訪日外国人観光客が増加しており、レジャー施設業界全体としても機運が高まっています。これまで少子高齢化に伴い国内来場者は頭打ち状態にありましたが、海外からの来場者の増加や「コト消費(ある商品やサービスを購入することで得られる消費価値を重視した消費行動)」のニーズ拡大の傾向により業界には追い風状態が続きそうです。
オリエンタルランドへOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
オリエンタルランドへOB訪問に行く際、どのようなことを準備すればよいのでしょうか。詳しくみていきましょう。
オリエンタルランドの事業内容を理解しておく
これまで述べてきた通り、「オリエンタルランド=ディズニー」ではないことは理解した上で、さまざまな事業展開について予め調べてからOB訪問に向かいましょう。
またこれは有名な話ですが、「ディズニーが好き」なだけではオリエンタルランドには就職できません。自分の能力・スキルがオリエンタルランドという企業にどう貢献できるのかといった適正を見極められるようなOB訪問になるよう質問を準備しておきましょう。
ただし、ディズニーリゾートが好きでない人でもオリエンタルランドにとっては最も大きな事業。つまり、オリエンタルランドの事業内容を理解するにはディズニーリゾートに足を運ぶのも企業研究の一つになります。
その際は、ゲスト(来園者)として楽しむだけではなく、企業理念がどのようにディズニーリゾートに生きているのかも考えながら過ごすとよいかもしれませんね。
オリエンタルランドの企業理念についての理解を深めるための準備
オリエンタルランドは、企業理念に深い共感のある学生を求めています。OB訪問では、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供します。」 といった企業理念をもとに、どのような働き方、マインドを持っているのかリアルな声から探ることができます。選考の際の参考にもなるので、そのようなことを探るための準備をしておきましょう。
OB/OGへの質問を準備
オリエンタルランドのOB/OG訪問に際して、どのような質問を準備すればよいのでしょうか。具体例をみていきましょう。
業務について知ることのできる質問
-仕事で常に意識していることはありますか?
企業理念に対する理解が重要となってくるオリエンタルランド。OB/OGの方が、オリエンタルランドで働くにおいてどのようなことを意識して働いているのかというマインドを問うことで、企業理念をどのように理解しているのか知ることができます。
また、自分がもしオリエンタルランドで働いたらどのようなことが仕事において重要になってくるのかも探ることができます。
-どのようなときに仕事のやりがいを感じますか?
オリエンタルランドで働くOB/OGの方がどのようなときにやりがいを感じるかを知ることで、自分の仕事に対する価値観と照らし合わせることができる質問です。オリエンタルランドに就職した際、自分がやりがいをか感じること、また自分の価値観と仕事が一致するのかどうかを見極めるために聞いてみましょう。
企業文化について知ることができる質問
-どのような社風ですか?
自分の求める会社の風土とマッチするのかどうかを確かめることのできる質問です。説明会などで聞く社風の情報ではなく、実際に働くOB/OGの社員の方のリアルな声を聞くことで、こちらもより明瞭に自分がオリエンタルランドで働く姿をイメージすることができるでしょう。
-若いうちでも活躍できる環境がありますか?
若いうちから裁量を与えられて仕事で活躍したいと思っている方は必ず質問しましょう。オリエンタルランドでの教育制度やOB/OGの方がどのように企業において成長してきたのかを聞くことで、自分の成長可能性を考えることができるでしょう。
-社員同士の横のつながりや交流の場はどのようなものがありますか?
この質問により、自分が入社した際に周囲の人とどのようにかかわりながら仕事をするのかのイメージがしやすくなります。企業の雰囲気も分かるので、オリエンタルランドで働くことのイメージが湧きにくい場合は聞いてみるとよいかもしれません。
企業としての展望を知ることのできる質問
これはホームページをみたり説明会に参加することで得られるものではありますが、実際に働く社員の方の話を聞くことでより具体的に企業の展望を理解することができるようになるでしょう。
-御社をこうしていきたいという展望はありますか?
これは企業としての展望を含めた、社員の方の目標や夢なども関わる身近でリアルなこれからの話を聞くことができます。先述したような、オリエンタルランドの中期経営計画についての具体的な理解ができるようになるでしょう。
-これからチャレンジしてみたいことはありますか?
オリエンタルランドの展望の中で、OB/OGの方のキャリア観を伺うことができます。オリエンタルランドが企業単位として挑戦していくこと、そしてその中でOB/OGの方がどのように成長・達成してしていきたいのか、リアルなお話を聞いてみましょう。オリエンタルランドだけでなく自分のキャリア観についても影響を受けるかもしれません。
社員のキャリア観について分かる質問
オリエンタルランドで働く社員が、どのようなキャリア観をもって働いているのか知ることができる質問です。自分の価値観・やりがいと一致するのか比べながら聞いてみましょう。
-新卒でオリエンタルランドを選んだ理由を教えてください。
数ある企業の中で、なぜオリエンタルランドを新卒で入社することにしたのか聞いてみましょう。オリエンタルランドを他の企業と比較してOBの社員の方がよいと思った点を知ることが出来ます。
-あなたが思い描くキャリア観はどのようなものでしょうか。
オリエンタルランドで働く中で、社員の方がどのようなキャリアを描いているのかわかる質問です。そのキャリア観によっては、企業文化や雰囲気も分かるかもしれません。
オリエンタルランドのOB訪問に行こう
オリエンタルランドの企業理念は「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供します」です。この企業理念のもと、社員の方がどのように働いており、どのような目標を持って、そしてどのようなマインドを持って日々過ごしているのかについてOB/OG訪問によって知ることができます。
OB/OG訪問は、社員の現実の声を聞くことができ、より企業への理解を深めるチャンスです。オリエンタルランドの企業概要については最低限の調査を怠らず、しっかり調べてからOB/OG訪問に臨みましょう。しっかりと準備をしていけば、きっと就職活動の参考になることでしょう。
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