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OB/OGが語る

株式会社野村総合研究所 人事担当者が語る、人生100年時代のキャリア選択とは

健康寿命が延び、これからは人生100年時代が来ると言われる。働き方も多様化し、人生そのものも多様化している現代において、“最初の就職先”を選ぶ時に考えるべきこととは。株式会社野村総合研究所で16年間コンサルタントを経験し、現在は人事の仕事を総合的に手がけている田口氏にお話を伺った。

<企業紹介> 国内最大級のコンサルティングファーム。日本初の民間シンクタンクである野村総合研究所と、システムインテグレーターの草分けである野村コンピュータシステムの合併により誕生。未来を洞察し広く社会に提言する力、お客様の立場で考え徹底して品質にこだわる姿勢など、それぞれの前身から受け継いだDNAを融合し、時代を先取りする企業活動を進めてきた。企業理念は「未来創発」。予測、分析、政策提言などによる問題発見から解決策を導くまでの「ナビゲーション」と、その解決策を業務改革やシステムの設計、構築、運用によって実現する「ソリューション」の2つを相乗的に機能させることで、新たな未来を創り出している。

<人物紹介> 田口 孝紀 コンサルティング事業本部 コンサルティング人材開発室 グループマネージャー 2001年入社

入社1年目のローテーション制度で2つの部署を経験した後、コンサルタントとしてインフラ業界を担当。その後、業界を問わずクライアントの戦略立案から実行に至るまで幅広くご支援する業務系のコンサルティングを経験。近年は新規事業立ち上げやCX改革、働き方改革の領域で構想策定から業務・システム設計、実行支援までの一気通貫のコンサルテーション手がける。2017年4月よりコンサルティング人材開発室へ。コンサル本部内の人事制度設計や運用を中心に、新卒・キャリア採用や人材育成、働き方改革と人事業務を幅広く担当し、社内の業務効率化や生産性向上も手がけている。

面接と言うより、ディスカッション。

ー本日はよろしくお願いいたします。まずは、ご自身の就職活動について教えてください。

学生時代は理系のマスターで、経営工学・経営システムの研究を行っていました。卒業生の多くは製造業の生産管理や品質管理部門に就職する学科ですが、特に私の研究室ではIE※の研究を行っており、企業へのインターン活動を積極的に実施しておりました。たとえば、夏休み期間中に特定企業の工場に送り込まれて、学生数人だけでゼロから問題点をヒアリングし、2週間で生産ライン改善プランを提案するなどのコンサル活動をしておりました。こうした活動を10数社経験するうちに「第三者の立場から様々な提言を行う活動も面白い」と感じたことが、コンサルティングという仕事に興味を持ったきっかけです。 注)IE…Industrial Engineering の略

ー現在のインターンの先駆けのような研究室ですね。

そうですね。担当教授がこうした実践活動を重視しており、研究室OBとのつながりを大切にしてきた中で生まれた活動です。インターンの経験も踏まえ、自身の就職活動ではコンサル一筋に絞り、面接やOB訪問でいくつかの企業の方と会いました。その中で、弊社の社員が一番熱量を持っており、且つ、面接がとても面白かったのを記憶しています。本来であれば聖域である自身の研究の話をしても「なぜそういう評価関数を用いたのか?」「こういうモデルは組めなかったのか?」という鋭い質問が矢継ぎ早にきて、面接というよりも現役コンサルタントとディスカッションをしている感覚でした。こういう人たちと仕事ができたら刺激的な人生が送れるだろうと思い、内定が出た瞬間に就職活動を終えました。

ー現在は面接する側になりましたが、

私も学生の皆さんとディスカッションするように心がけています。ビジネストピックや研究内容など、ディスカッションのテーマは何でもOKです。なるべくリラックスして欲しいので、学生には「試される」「テストされる」ではなく「現役コンサルタントと30分間ディスカッションする」くらいの気持ちで来て欲しいと思っています。そういうスタンスで来る学生の面接はとても盛り上がりますし、ディスカッションの中で学生にとっては想定外の質問をすることで、彼らの素の反応や考え方を見たいと思っています。

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自分の好きなスタイルで仕事をする。

ー入社してコンサルタントになり、学生時代の想いを実現できましたか?

しばらくは、なかなか殻を破れない時期が続きました。入社2-3年目までは、コンサルという仕事は「お客様に対して客観的な立場から、鋭い切り口でスマートに提案する仕事」だと思っていました。実際にそういう先輩もいて、「あの人みたいにならなければいけない」と思い込んでいました。そうした中、入社4年目に某不動産ディベロッパーの中期経営計画をつくる仕事でプロジェクトリーダーを担当し、これが転機となりました。先方の部課長クラスの方と日夜膝詰めでディスカッションをしながら、4~5ヶ月掛けて全社の経営計画を策定するというプロジェクトです。

ー入社4年目で、そこまで任されるのですね?

プロジェクトリーダーとして、ここまで大きな仕事を任されたのは初めてでした。最初は今まで通り「客観的な立場でスマートに進めよう」としていました。ところが途中から「田口さんもウチの一員なんだから」「戦友なんだから」とお客様に言われ、徐々に同じ目線でお客様と一緒に中身を作っていくスタイルに変わって行きました。本当の社員のように受け入れていただき、夜中まで一緒に議論して、経営からのフィードバックを受けては議論し直し、ということを繰り返した数ヶ月でした。その結果、お客様から「田口さんがいたから、これだけ盛り上がって議論できた」と言っていただき、その後の当該社の業績拡大に少しはお役に立てたのではないかと思っております。そのお客様からはその後も事あるごとにご指名をいただき、これまでに中計策定だけで4回ほどご支援をさせて頂いています。当時のお客様は役員となられ、今でも飲みに行く関係を続けさせて頂いております。まさに戦友です。

ーそのプロジェクトを経験して何か得たものはありますか?

「コンサルという仕事は自分の得意なスタイルでやっていいんだ」という気付きを得ました。それからは「お客様の懐に飛び込み、チーム全体をモチベートする」「計画立案だけでなく、実行まで一緒にやりきる」という自分が得意なスタイルで仕事をできるようになり、「コンサルは天職だ」と思えるようになりました。

スキルに値段をつけ、商品棚に乗せる。

ー「人生100年時代」と言われていますが、現代をどう捉えていますか?

私が学生の頃は「60歳で現役を引退して余生を楽しむ」と言われていましたが、時代が変わったことを実感しています。NRIを定年で卒業される方を見ても、多くの方が次の職場へ行かれて、新たなチャレンジをしています。

ー働き方の変化については、どう考えていますか?

まず、テレワークで「働く場所」は問われなくなっています。また、シェアリングエコノミーの考えに基づくと、BtoCの世界ではモノやサービスを「所有する」流れから、必要に応じて必要な期間「利用する」、いわゆるサブスクリプション型の消費スタイルへの転換が始まっています。BtoBの世界でも同様の流れが始まっており、例えばコンサルティングで言えば特定の知識を提供したり、スポットでプロフェッショナルサービスを提供するという仕事のやり方が増えてくると思います。 実際に私の父は70歳を超えていますが、まだ現役のITアドバイザーとして働いています。彼の働き方を見ていると実に楽しそうで、「これまでに得た知識や人のつながりという資産を、若い人に活用してもらいたい」という意識があるのだと思います。これからの時代には、こういう特定領域での専門性や人脈を活かして長く働くスタイルの人が増えるのではないかと思います。

ーそういった社会の中で、個人として大切にするべきことは何でしょうか?

自分のスキルや知識に値札をつけて、商品棚に乗せられるかどうか。そう意識し続けることがどの業界でも大切なのではないでしょうか。また時代が移り変わる中で今のスキルは陳腐化するので、問題意識を持って常に学び続け、商品棚の中身を回転させて行くことも重要になります。そのためにも、日々の仕事で経験したことをしっかり積み重ねていくべきだと思います。コンサルティングで言えば、一つのプロジェクトを経験した時に「ただこなして終わる人」と、「アナロジーを効かせて別のプロジェクトにも応用できる人」では大きな差が生まれます。若いうちはみんな忙しいのでその差は分かりにくいのですが、入社5年目くらいから大きな差がつくので、若手のうちから自身の経験を言語化する習慣を付けておいた方が良いと思います。

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自分が心の底からやりたいことを。

ー社会人として最初に就く仕事を、どう選ぶべきだと考えますか?

「どの会社に行きたいか」はもちろん大事ですが「どんな仕事をやりたいか」で職を選ぶことがこれまで以上に重要になってくると思います。会社に育ててもらうのではなく、まず自分自身が何をやりたいか、どういう人間になりたいかというWillを持ち、そのWillを実現できそうな会社か、必要なスキルや専門性を得られそうな会社かを意識して1社目を選ぶべきだと思います。もはや「大きい会社だから入る」という時代ではなくなっていますので。 「10年後に1番力が付いていそうなのでNRIに入りたい」と面接で話す学生もいます。もちろん自己成長の観点もとても大事ですが、それだけではなく、コンサルタントになって「何をやりたいか」のWillの部分が何よりも大事。その実現のためのスキルなり専門性だと思うので、Willの部分をまずは考えて欲しいと思います。

ーご自身は学生時代、どのようなWillを持っていましたか?

私が就職した2001年は景気が悪かったこともあり、「日本の製造業を復活させたい」という想いを持っていました。その軸があったからエネルギッシュに就職活動ができましたし「だからコンサルになりたい」と嘘偽りなく真正面から説明することができました。ただ実は、入社してから製造業はほとんど手がけていません。入社1年目のローテーションで様々な仕事を経験する中で、エネルギーや不動産などインフラ系の業界の面白さや「この人たちと仕事をしたい」と思える人が多くいて、そちらを希望しました。

ー実際の仕事を経験する中で、シフトチェンジが起きたのですね。

そうですね。入社後にこれまでは全く知らない業界を見たことで、学生時代に見えていた景色がさらに拓けて、その中でよりチャレンジしてみたい領域を見つけることが出来ました。ただ業界こそ変わりましたが、業界を良くしたい、日本を良くしたいというWillは入社した後も変わりませんでした。入社後にローテーションと言う形で「新しい世界を見てこい」と言ってくれる懐の深さも、弊社に就職を決めた大きな要素となりました。

ー最後に学生にメッセージをいただけますでしょうか。

学生時代は「就職に有利と言われることをやる」のではなく、サークルでも研究でもアルバイトでも、自分が「心の底からやりたいことをやる」べきだと思います。そして就職活動でも、まずは難しく考えずに「自分は何をしているときに一番気持ちが高まるか」を考えて仕事を選ぶべきだと思います。あとは就職活動を楽しんで欲しいですね。就職活動は様々な企業から素の情報を得られる最後のチャンスだと思います。ビジネスマンになると他社の素直な声を聞ける機会はそうそうありません。社会を見渡す、企業をよく知る良い機会と考えて、色々な社会人とのディスカッションを楽しんでほしいと思います。

ー本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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