エントリーシートで企業が研究内容から知りたいこと
研究内容欄は、研究テーマそのものより「取り組み方」を読み取るための設問です。過程の再現性、関心の軸、仕事へのつながりが伝わると評価されやすくなります。
・思考力や問題解決能力
・興味関心や専門性
・入社後の貢献意欲
これらの”企業側の意図”を整理しましょう。
思考力や問題解決能力
企業が研究内容から見ていることの一つは、テーマの難易度というより「筋道立てて前に進める人かどうか」です。
例えば、想定した結果が出なかったときに「測定条件がぶれたのか」「前提となる仮説がずれていたのか」を切り分け、追加データを取り直したり、変数を一つずつ動かして原因を特定したりする。この一連の動きに、論理的思考力が表れます。
さらに、改善策を試したあとに再検証し、次の打ち手まで言語化できると、問題解決の再現性が伝わります。
ESでは、『背景→目的→手法→結果→考察』の流れに沿って「迷った場面と判断理由」を一言添えると、プロセスが具体的になるでしょう。
興味関心や専門性
「興味関心や専門性」という観点で見られるのは、知識量そのものよりも、関心の深さが行動に落ちているかという点です。
例えば「なぜそのテーマを選んだのか」を、自分の問題意識や先行研究との違いに触れながら説明できると、関心が一過性ではないことが伝わります。知識レベルの評価では、専門用語を並べるより、要点をかみ砕いて相手に伝える力や、仮説・方法・結果のつながりを自分の言葉で整理できているかが見られがちです。
さらに、研究の限界や次の打ち手(追加検証・改善案)まで言及できると、理解が表層でない印象になります。読み手が専門外でも筋が追える文章にすることが、専門性の見せ方としては堅実でしょう。
入社後の貢献意欲
研究内容欄で「入社後の貢献意欲」を示すコツは、研究で培った力を“職場の場面”に置き換えて語ることです。
例えば、実験や分析が想定どおりに進まないときに、原因仮説を立てて条件を切り分け、追加検証で再現性を確かめた経験は、業務でも『課題の特定→打ち手→検証』を回す姿勢として伝わります。加えて、指導教員や共同研究者との調整、期限やコストの制約下で優先順位をつけた工夫は、チームで成果を出す働き方のイメージにつながります。
ESでは「研究で身についた姿勢・スキル」→「応募職種のどの業務で活かすか」→「どんな価値を出したいか」の順に書くと、意欲が具体化します。
エントリーシート研究内容の書き方手順
研究内容欄は、長く書くより「何を・なぜ・どう進め・何を得たか」を順番にそろえるのが近道です。
・研究テーマを簡潔に説明する
・研究目的や背景を伝える
・取り組み内容を具体的に書く
・研究から得た学びを述べる
このように、読み手が専門外でも流れを追える形に整えると、内容の説得力が上がります。
研究テーマを簡潔に説明する
研究テーマの説明は、専門用語を並べるより「誰が読んでも状況が想像できる一文」に置き換えるのがコツです。
まずは
①対象(何を)
②観点(何を見たい)
③手段(どうやって)
④狙い(何に役立つ)
を1文に収め、どうしても必要な用語だけを括弧で補います。
例えば、「SNS上の感情極性分析」なら、
「X(旧Twitter)などの投稿文を集めて、商品やサービスへの反応が“好意的か否定的か”を分類し、炎上や不満の兆しを早めに捉える方法を検討している(感情分析)」
のように書くと、研究のイメージが伝わりやすくなります。読み手が理解できる言葉で言い切った上で、専門語は“補足”に回すと、テーマの輪郭がぶれません。
研究目的や背景を伝える
研究目的・背景は、「なぜその研究に取り組むのか」を読み手に納得してもらうパートです。
書き方のコツは、
①社会や現場で起きている課題(背景)
②その課題を放置すると何が困るか(影響)
③自分の研究で何を明らかに/改善したいか(目的)
④そのテーマを選んだ個人的動機(理由)
を、短い順番でつなぐこと。
社会的意義は“壮大な話”に寄せるより、「誰にとって」「どんな不便が減るか」「何が良くなるか」を具体化すると説得力が出ます。例えば、「医療の質向上」ではなく、「検査データのばらつきを抑え、判断の遅れを減らす」のように、改善点を一段落とすイメージです。最後に一文だけでも「この知見は〇〇領域の効率化に応用できる可能性がある」と添えると、目的が閉じずに広がります。
取り組み内容を具体的に書く
取り組み内容は、「何をやったか」だけでなく、どう考えて進め、どこで自分が動いたかが伝わると評価につながります。
書くときは、
①仮説を立てる
②方法を決める
③データを集めて検証する
④結果を踏まえて改善する
の流れでプロセスを並べ、その中で自分の担当範囲を主語つきで明確にしましょう。
例えば、共同研究なら、
「私は測定条件の設計とデータ前処理を担当し、外れ値が多い原因を切り分けるために条件を3パターン比較した」
のように、行動と判断をセットで書くと具体性が出ます。成果が途中段階でも、うまくいかなかった局面で何を疑い、どう立て直したかまで示せれば、再現性のある問題解決として伝わります。
研究から得た学びを述べる
学びの段落は、研究の話を「自分の強み」として相手に渡すパートです。
ポイントは、身につけたスキルを抽象語で終わらせず、研究中の行動に結びつけた上で、応募先の仕事に置き換えること。例えば、「分析力」なら、どんな指標で比較し、どの条件を固定して検証したのかまで触れると説得力が増します。
書き方は、
①得たスキル(結論)
②そう言える根拠となる経験(具体)
③今後の活用方法(仕事への接続)
の順が自然です。
活用方法では「御社で活かしたい」で止めず、「仮説を立てて検証を回す」「関係者の前提をそろえて合意形成する」など、業務での使いどころを一段具体化しましょう。研究成果そのものよりも、再現できるスキルとして言語化できるかが、評価の分かれ目になります。
研究が始まっていない場合の書き方
研究がまだ始まっていなくても、空欄にせず「これから何を深めたいか」「その根拠になる学びは何か」を整理して書けば十分伝わります。
・研究予定の内容を伝える
・関連する学修経験を述べる
このような点を意識し、確定している範囲を丁寧に示し、見通しと準備状況を言語化しましょう。
研究予定の内容を伝える
研究が未着手の場合は、「未定」で止めず、現時点で言える計画を“見通し”として示すのが基本です。
書き方は、
①関心領域(何に注目しているか)
②問い(何を明らかにしたいか)
③方法の当たり(どう調べる想定か)
④得たい示唆(何に役立てたいか)
を、決め切らない言い方で並べます。
例えば、
「消費者の購買行動に関心があり、店頭での表示が選択に与える影響を検討したい。授業で扱ったアンケート設計を踏まえ、質問紙調査と既存データの比較で要因を整理する予定」
のように、“根拠のある仮置き”にすると自然です。ポイントは、断定よりも筋の通った仮説と準備状況を伝えることでしょう。
関連する学修経験を述べる
関連する学修経験を書くときは、ゼミや授業を「研究の縮小版」として整理すると伝わりやすくなります。ポイントは、単に「○○を学びました」で終わらせず、『テーマ→問い→進め方→アウトプット』までを一度セットにすることです。
例えば、ゼミの文献講読なら
「地域観光の需要変化を扱い、コロナ後の回復要因を先行研究で整理。統計資料と記事データを突き合わせ、仮説を立てて発表で検証した」
のように、取り組みの筋道を示します。授業レポートでも、使用したデータ、比較軸、結論に至る根拠を書けば十分“研究内容”になります。研究テーマが未定でも、現在の学びを土台に関心領域を深めている姿勢は評価につながるため、空欄にせず書ける範囲を具体化しましょう。
エントリーシート研究内容の例文【文字数別】
文字数が変わると、同じ研究でも「どこまで説明できるか」「何を優先して残すか」が大きく変わります。
ここでは200字・400字・600字の例文を通して、要点のまとめ方と情報の取捨選択を具体的に確認していきましょう。
200字程度の例文
【例文】
『私は、地方商店街の来店頻度を高める要因を研究しています。来街者アンケートと店舗への聞き取りを実施し、価格だけでなく「回遊しやすさ」や「目的店舗の有無」が購買行動に影響する仮説を立てました。想定と異なる結果が出た際は設問を見直し、欠損データの原因も確認して再集計。要因を整理し、改善策の方向性まで提案しました。入社後も、現場の声とデータを往復しながら課題を特定し、打ち手を検証していきたいです。』
【ポイント】
200字では「研究の全体像」を細かく説明するより、
①テーマ(何を)
②手法(どう調べた)
③工夫(想定外への対応)
④示唆(何が分かった)
を一直線でつなぐのがコツです。
特に、結果が外れた場面で「設問見直し→再集計」といった立て直しを入れると、思考のプロセスが伝わります。最後は入社後の活かし方を一文で締め、仕事への接続を明確にしましょう。
400字程度の例文
【例文】
『私は、駅前の混雑を減らすために、改札周辺の人の流れを可視化し、滞留が起きる条件を特定する研究を行っています。大規模改修が難しい駅でも、運用面の工夫で改善できないかが背景です。現場では「出口を増やせば解決する」と考えられがちですが、時間帯や目的地によって滞留の位置が変わる点に着目しました。私は調査設計を担当し、大学構内の通路で通行量を計測、進行方向を色分けした動線マップを作成。誘導表示の位置・高さ・文言を組み合わせて3パターンを試作し、混雑度(通過時間・滞留人数)で比較しました。差が出ない日が続いた際は、天候やイベント有無でデータを分け、サンプル数を確保して再計測。結果として、文言より「設置高さ」と「曲がり角手前の距離」が滞留に影響する可能性を示しました。入社後も、仮説→検証→改善を粘り強く回し、現場で使える提案につなげたいです。』
【ポイント】
400字は、テーマだけでなく「背景・目的」「取り組み」「結果・学び」まで一通り入れられる分量です。
背景を一文添え、取り組みは“自分の役割”と“工夫”を中心に書くと、プロセスが立ち上がります。専門外の読み手を想定し、用語は補足、指標は1つ置くと具体性が増します。目安は背景・目的2割、取り組み5割、結果と学び3割です。
600字程度の例文
【例文】
『私は、食品スーパーの値引き設計が「廃棄削減」と「売上維持」を両立できる条件を研究しています。背景には、値引きが早すぎると利益が減り、遅すぎると廃棄が増えるという現場のジレンマがあります。私はPOSデータ(時間帯別の販売数・在庫・値引き率)と売場観察を組み合わせ、仮説として「来店ピーク前の小刻みな値引きは廃棄を抑えつつ客単価を維持しやすい」と設定しました。まず対象商品を惣菜3カテゴリに絞り、曜日・天候で需要がぶれる点を補正するため、前年同週との比較と移動平均を用いて基準線を作成。次に、値引きタイミングを3パターンに分け、終売時点の残数、粗利、買い合わせ率を指標に検証しました。初回分析では外れ値が多く結論が出なかったため、私は欠損の原因(棚替え・欠品)を店舗ヒアリングで確認し、対象日を再定義して再集計しました。結果はカテゴリで差が出たため、要因を「購買目的の強さ」と「代替商品の有無」に分解し、追加でレシートデータから代替行動を推定。最終的に、夕方ピーク前は惣菜よりベーカリーで効果が大きい可能性を示し、運用案として「カテゴリ別の値引き開始時刻」と「POP文言」の改善を提案しました。また、分析結果はグラフ1枚に要約して店長会議で説明し、運用に落とし込むまでを意識しました。入社後も、制約条件を洗い出し、現場と数字を往復しながら施策の優先順位を決め、改善を継続したいです。』
【ポイント】
600字では、『背景→目的→取り組み→結果→考察→活かし方』を一通り入れつつ、「自分の役割」と「判断の根拠」を厚めに書けます。採用担当が専門外の場合もあるため、専門用語は最小限にし、指標(粗利・残数など)を1〜2個置くと具体性が出ます。うまくいかなかった場面(欠損確認→再集計)を入れると、問題解決の再現性が伝わります。
分量配分は、背景・目的2割、取り組み5割、結果と学び3割が目安です。
文字数制限をクリアするコツ
文字数が少ないほど、情報を足すより「順番」と「削り方」で差がつきます。
・結論から書き始める
・不要な表現を削る
これらのポイントを意識し、伝えたい核を先に置き、余計な言い回しを落とすだけで、読みやすさと説得力が両立します。
結論から書き始める
文字数が限られるESでは、「結論から書く(PREP法)」が最も崩れにくい型です。
PREPは「P結論→R理由→E具体例→P結論」の順で、最初に研究の要点を置くことで、読み手が迷子になりません。
例えば、研究内容なら、
P「○○の要因を明らかにする研究です」
R「△△の課題解決につながるため」
E「アンケートと分析で仮説検証し、結果が外れたため設問を修正して再集計」
P「検証を回し切る姿勢を培いました」
のように組み立てます。
前置きの背景説明を短くでき、同じ文字数でも“中身”が濃く見えるのが強みです。
不要な表現を削る
不要な表現を削るときは、「意味が増えていない語」を落とすのが基本です。
まず、一文を短くします。「〜のため」「〜ですが」でつなげると長文化しやすいので、文を分けて主語と動詞を立てるだけでも読みやすくなります。次に、あいまい語・二重表現を間引くのが効果的です。例えば、「〜だと思います」「〜することができます」「非常に/とても」などは、削っても意味が通りやすい一方で文字数を消費します。言い切りが気になる場合は「〜と考えています」の1回に集約すると自然です。
最後に、削る順番は「飾り→繰り返し→補足」の順が安全です。迷ったら、各文を見て「この一文がなくても伝わるか」を基準に大胆にそぎ落とすと、密度の高い文章に整います。
エントリーシート研究内容のNG例
研究内容は書き方次第で印象が大きく変わります。
・専門用語が多い
・成果のみを記載
・企業との関連性がない
このような、評価を落としやすい“つまずき方”を先に押さえ、読み手に伝わる形へ整えるポイントを確認します。
専門用語が多い
専門用語が多すぎると、採用担当が内容を追えず「結局何をやった研究なのか」が伝わりにくくなります。
例えば、「回帰分析・分散分析・有意差検定を用いた」と並べるだけでは、手法は分かっても目的や結論が見えません。改善するなら、「アンケート結果から購買行動に影響する要因を統計的に確かめた(回帰分析など)」のように、まず“何を明らかにしたか”を先に置き、必要な用語だけを括弧で補足します。専門外でも評価しやすい文章になるように注意しましょう。
成果のみを記載
成果だけを書くと、「たまたま上手くいったのか」「何を考えて動いたのか」が見えず、企業が知りたい再現性(思考力・問題解決力)につながりません。
例えば、「精度を○%改善した」「学会で発表した」と結論だけ並べても、背景・仮説・工夫が分からなければ評価材料が薄くなります。
改善策は、成果を一文で示した上で、
①課題設定(なぜ必要か)
②取ったアプローチ(何を試したか)
③つまずきと修正(何を見直したか)
を短く添えること。
結果が途中でも、検証の組み立てや立て直しが書けていれば、仕事に近い力として伝わります。
企業との関連性がない
研究内容がどれだけ面白くても、応募企業の仕事と結びつかないと「うちで再現できる強みは何か」が見えにくくなります。研究そのものを寄せるより、得た力の“使いどころ”を示す意識が大切です。
【事業・職種で求められる力に翻訳する】
(例):
データ分析→「仮説検証で施策を改善」、実験→「条件を切り分け再現性を確かめる」など、業務場面に置き換える。
【企業研究の一言を添える】
(例):
「○○領域では△△が課題と知り、研究で培った□□で改善に貢献したい」のように、接点を一文で作る。
【“研究テーマ一致”にこだわり過ぎない】
直結しない場合は、内容より過程・工夫・学びを強調し、仕事への再現性でつなぐ。
まとめ
ESの研究内容は、成果の大きさを示す場ではなく、考え方や取り組み姿勢を伝えるための設問です。
大切なのは、読み手が専門外でも流れを追えるよう、何に向き合い、どう進め、何を得たのかを整理して示すこと。文字数に応じて情報の優先順位を決め、結論から簡潔に書けば、同じ内容でも伝わり方は変わります。研究が未着手でも、関心や準備を言葉にすれば十分評価対象になります。
自身の研究内容が企業に伝わる書き方を意識し、内定獲得に向けて一歩を踏み出しましょう。
人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!
ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
・誰もが知る人気大手企業から、特別座談会・選考免除・特別選考ルートなどのスカウトが届く
・人気大手企業によるビズリーチ・キャンパス限定のインターンシップ
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