まずTOEICとは?
TOEIC(トーイック)は、「Test of English for International Communication」の略で、英語によるコミュニケーション能力を測るための試験です。ビジネスシーンでの実用的な英語力を評価するため、就職活動でも広く活用されています。
主に「Listening & Reading(L&R)」と「Speaking & Writing(S&W)」の2種類があり、企業でよく求められるのはL&Rのスコアです。マークシート方式で、990点満点。特別な英語力ではなく、"聞く・読む"の基礎力が問われるため、大学生でも取り組みやすいのが特徴です。
就活でTOEICを取得しておくと有利になる?メリットは?
TOEICのスコアは、英語力の客観的な証明として、多くの企業で評価されます。とくにグローバル展開している企業や、海外とのやり取りがある職種ではよりアピール材料になるでしょう。履歴書に書ける資格のひとつとして、エントリー時の印象アップにもつながります。
英語力のアピール
TOEICのスコアは、自分の英語力を客観的にアピールできる強力なツールです。
とくに、海外との取引や出張、現地拠点との連携がある企業では、英語ができる=グローバルに活躍できる人材として期待されやすくなります。実際、「将来的に海外進出を考えている」「外国人スタッフとのやりとりがある」といった企業では、英語力を持つ人材に対して好意的な評価をする傾向があります。英会話が苦手でも、まずはTOEICで基礎的な英語力を示すだけで、可能性を広げるきっかけになるでしょう。
努力や向上心を評価される
TOEICのスコアは単なる英語力の指標にとどまらず、「目標に向かって努力できる人かどうか」を企業が見る材料にもなります。限られた時間の中で勉強を継続し、スコアアップを目指したプロセス自体が、努力や自己成長への意欲を示すものとして評価されるのです。
特に文系・理系問わず「学生時代にこれだけはやりきったこと」として、ガクチカの一部に組み込むことも可能。英語が得意でなくても、「苦手を克服しようとした姿勢」や「計画的に学習を進めた過程」まで含めて伝えられれば、採用担当者にポジティブな印象を与えられるでしょう。スコアだけでなく、そこに至る背景もアピール材料になるのです。
昇進候補として見てもらえることがある
実はTOEICのスコアは、就職後にも影響を与える場面があります。
多くの企業では、昇進や海外赴任の条件として一定のスコアを求めているケースがあり、特に600点や730点を境に基準を設けている企業も少なくありません。そのため、学生のうちにハイスコアを持っていると、「将来の幹部候補」として早い段階から意識されやすくなります。もちろん入社後の実力や実績も重要ですが、TOEICでの高得点はその“土台”として信頼されやすいのです。
将来、グローバルなポジションで働くことを見据えている人にとって、TOEICのスコアは就活時から価値ある武器になるでしょう。
企業が求めるTOEICのスコアは何点?
就活において多くの企業がひとつの目安としているのは「600点以上」です。これは、基本的な英語の読み書きやリスニングができる水準とされており、履歴書に書いて十分アピールになるラインです。
さらに外資系や総合職を狙う場合は、730点以上が評価の対象になることもあります。
求められる基本的なスコアは600点以上
前述の通り、求められる基本的なスコアは「600点以上」が一つの指針となっています。
これは、日本のTOEIC公開テストの平均スコアが直近の公表値ではおおよそ561点(2023年)ほどのため、企業側もこの“平均帯以上”を一つの目安に、「最低でも600点程度は欲しい」と考えているケースが多いためです。
600点あれば、一定の英語力があると判断されやすく、履歴書にも自信をもって記載できます。ただし、まだ600点に届かない場合でも、470点以上あれば「学習に取り組んでいる姿勢」を評価されることもあります。とくに理系職や専門職では、英語力よりもスキルや専門性が重視されるため、努力の証としてスコアを記載しておくのも有効です。
英語力をよりアピールするなら?
TOEICのスコアで英語力をしっかりアピールしたいなら、目安は730点以上となります。
ビジネスの場でもある程度スムーズに英語が使えると判断されるレベルで、実際に採用基準として730点以上を求める企業もあります。特に商社やグローバル展開しているメーカー、外資系企業などでは、海外とのメールや会議対応が日常的にあるため、このスコア帯は強い武器になるでしょう。
「英語を武器にして仕事がしたい」と考えている就活生は、まずこの730点を一つの目標にするとよいでしょう。
企業がTOEICを求める理由
企業がTOEICを重視するのには、いくつかの理由があります。
・実務で英語を使う機会があり、一定の英語力が必要なため
・英語試験の中でも知名度が高く、多くの受験者がいて比較しやすいため
・スコアによって英語力のレベルが明確にわかるため
これらの理由から、TOEICは選考基準や昇進条件として導入されることが多いのです。
TOEICを重視する企業とは?
TOEICが特に重視されるのは、英語でのやり取りが日常的にある企業や、海外との関係が深い業界です。中でも商社やグローバルメーカー、外資系企業では、一定以上のスコアが応募条件になっていることもあります。
業務で英語を使用する
商社やグローバルメーカー、外資系企業などでは、日常的に英語でのやり取りが発生します。
例えば、海外の取引先とメールや電話で連絡を取ったり、英文の資料を読んだり、海外出張や赴任の機会がある場合も。こうした環境では、一定の英語力が求められるため、TOEICのスコアが評価の基準として使われることが多いのです。
外国人雇用をしている
外国人社員を多く採用している企業では、社内の共通言語として英語を使う場面も少なくありません。チーム内のコミュニケーションや会議、資料の共有などで英語が必要になるため、一定の英語力がある人材が求められます。
また、国籍や文化の違いを尊重できる“グローバルな感覚”も重視される傾向があり、その素養を示す材料としてTOEICスコアが活用されることがあります。
TOEICを求められる業界
TOEICはすべての業界で必要というわけではありませんが、海外との関わりが多い業界ではスコアが重視される傾向があります。特に取引先や拠点が海外にある業界では、英語力が選考や配属に影響することがあるのも事実です。
①商社
商社業界は、商品や資源、サービスを国内外に流通させるビジネスを担っており、海外との交渉・取引・物流調整が日常的です。実際、商社は「商品を流通させるために国内だけでなく海外とやり取りする機会も多い」ため、英語力が必須とされています。
このため、TOEICで一定水準のスコアを持っていることが、商社の採用で重要視される傾向があります。スコアはただの数値ではなく、「英語を道具として使える能力」の証として扱われるのです。
②マスコミ
マスコミ業界(テレビ局・新聞社・出版社など)では、海外支局への派遣や海外取材というケースがあるため、英語力が求められる場面が存在します。
例えば、現地で情報収集をしたり、外国人インタビューをとったり、海外ニュースを日本語に翻訳する機会があるからです。実際、就活用サイトによれば、マスコミ各社のエントリーシートにはTOEICスコア欄が設けられていることも多く、一定のスコアが“評価される武器”になり得るとされています。
③メーカー
メーカーでは、製品の輸出入や部品の調達、生産拠点の管理などで海外とのやり取りが多く発生します。技術資料の共有や納期調整、品質に関する報告などを英語で行うケースもあり、英語力が実務に直結する場面が多いのが特徴です。
そのため、TOEICスコアが一定の水準に達しているかどうかが、採用時や配属判断の材料として活用されることがあります。
④金融
金融業界では、海外の経済ニュースや市場レポート、企業情報を英語で読み解く場面が多くあります。特に証券、銀行、資産運用といった分野では、国際的な動向を把握するための情報源が英語であることが一般的です。
また、外資系企業との取引や海外投資案件を扱う部署では、英語でのやり取りも求められるため、TOEICスコアを英語力の指標として重視する傾向があるのです。
⑤IT
IT業界では、技術文書やマニュアルが英語で書かれていることが多く、日常的に英語を読む機会があります。また、海外エンジニアとの共同開発や外資系クライアントとのプロジェクトなども増えており、英語力があると任される仕事の幅が広がります。
そのため、TOEICのスコアが英語対応力の目安として活用されるケースが少なくありません。
TOEIC対策はいつから始めるべき?
TOEICのスコアは一朝一夕では伸びないため、なるべく早く動き始めることが肝心です。まずは現時点の実力を把握するために一度本番を受けてみることをおすすめします。そこから弱点を見つけて対策すれば、スコア向上の道筋が見えてくるでしょう。
企業への提出を考えるなら、エントリー開始前までには手元にスコアを揃えておきたいので、大学3年の秋までに本番経験を持っておくのが現実的な目安です。実際、TOEIC受験を複数回行うことで点数が上がる傾向も確認されており、早めに受験機会を確保しておくと安心です。特に学業やインターン、卒論などと重なりがちな時期を考慮しながら、逆算でスケジュールを組むことが重要です。
TOEICの勉強法【スコア別】
TOEIC対策は、今のスコアや英語力に合った方法を選ぶことが大切です。基礎固めが必要な人と、スコアをさらに伸ばしたい人とでは、効果的な勉強法がまったく異なります。
ここでは「600点未満」「730点前後」「800点以上」など、スコア帯別におすすめの学習法を紹介します。
600点以上
TOEICで600点を目指すには、現在のスコアにもよりますが、一般的には「100点アップにつきおおよそ200〜300時間の学習時間が必要」といわれています。まずは今の実力を把握し、そこから逆算して、1週間あたりに確保できる勉強時間を見積もることが大切です。
なお、直近の公表値では日本の平均は561点(2023年データ)です。そのため、600点は平均を上回る目安として履歴書での説得力が増す”1つの目標”ともいえるでしょう。
【リーディング対策】
リーディング対策としては、高校英語レベルの文法と語彙をしっかり固めることが先決。文法問題集や単語帳を繰り返しこなすのに加えて、長文読解では「構文をつかむ精読」と「時間内に読み切る速読」をバランスよく取り入れましょう。
Part5・6の短文問題を毎日解く習慣も効果的です。
【リスニング対策】
リスニングは、基礎的な語彙と文法の理解ができた上で、本格的に対策を始めるのが効率的。音声を何度も聞きながら、スクリプトを確認したりシャドーイングを取り入れることで、聞き取れない部分を着実に減らせます。
焦らず、インプットと復習を丁寧に重ねることがスコアアップの近道です。
730点以上
TOEICで730点以上を目指すには、基礎力に加えて応用的な処理力が求められます。
前述の通り、スコアが600点前後の場合は目安として200〜300時間以上の追加学習が必要になることもあります。ポイントは、ただ「量をこなす」のではなく、「どこで落としているか」を正確に分析し、弱点に絞って対策を練ることです。
【リーディング対策】
リーディング対策では、語彙のレベルアップに加え、Part7の長文問題を時間内に正確に解く力が鍵になります。設問ごとのパターンに慣れ、文章の構造を素早くつかむ練習を積みましょう。
また、文法や語法の細かなミスも得点差につながるため、精度を高める訓練も欠かせません。
【リスニング対策】
リスニングでは、ナチュラルスピードの英語を負担なく理解できるように、聞き取りの“質”を上げることが必要です。単に音を流すのではなく、シャドーイングや音読、スクリプト精読を組み合わせ、意味の塊ごとに理解する力を養っていきましょう。
高得点層では、細部の理解と集中力が勝負を分けます。
800点以上
TOEICで800点を超えるには、基礎の定着はもちろん、問題処理の精度とスピード、さらに実践的な英語対応力が求められます。
600〜700点台からのスコアアップには300時間前後の集中的な学習が目安とされており、効率的な計画と弱点の見極めが不可欠です。
【リーディング対策】
リーディングでは、Part7の長文を時間内に処理するスキルが重要になります。単語や文法の知識を「使えるレベル」にまで引き上げ、設問形式ごとの対応力を磨きましょう。
解く順番や時間配分も意識しながら、本番形式に近い問題演習を重ねていくとよいでしょう。
【リスニング対策】
リスニングでは、話の流れを先読みしながら聴けるようになることがカギになります。
音声の細部まで理解するには、スクリプトを確認した上での精聴やシャドーイング、音読が有効です。聞き流しでは伸びにくいゾーンなので、インプットとアウトプットをセットで行う学習を習慣にしていきましょう。
900点以上
TOEICで900点以上を目指すには、正確さ・スピード・集中力のすべてが高いレベルで求められます。800点台からのスコアアップには、100~200時間程度の戦略的な学習が目安とされており、すでに身につけた知識を「本番で落とさない力」へと昇華させることが大切です。
【リーディング対策】
リーディング対策では、全体の読解速度と精度をさらに高める必要があります。時間を区切ってPart7の問題に取り組みつつ、設問の意図や引っかけパターンを見抜く練習を繰り返しましょう。
語彙の細かなニュアンスにも敏感になることがスコアに直結します。
【リスニング対策】
リスニングでは、会話の文脈を先読みして回答できるレベルを目指します。特にPart3・4では「設問を先に読み、情報を待ち構える」スタンスが有効。聞き取るだけでなく、内容を瞬時に理解し、判断する力が求められるため、実戦形式の演習を重ね、試験特有のテンポに慣れておきましょう。
TOEIC取得を自己PRでアピールしよう!
TOEICのスコアは、英語力だけでなく「目標に向かって努力できる姿勢」を伝える有効な材料です。特に就活では、資格欄に書くだけでなく、自己PRの中で”どんな力を磨いたのか”を具体的に語ることで、より説得力が増すでしょう。
①計画性
TOEICの取得を自己PRに活かす上で、勉強過程を通じて見せた“計画性”は大きな武器になります。特に、「いつまでに何点を取る」といった目標を明確にし、そこから逆算して日々の学習時間や対策方法を調整した経験は、仕事にも通じる力として評価されやすいポイントです。
アルバイトや授業と両立しながら、継続的に取り組んだ姿勢を伝えることで、優先順位のつけ方や時間管理能力といった社会人としての基礎力をアピールできます。勉強の成果だけでなく、その過程をどう設計し、やり抜いたかに注目してもらうことがカギなのです。
②行動力
TOEICの学習に取り組んだ経験は、自ら目標を設定し、行動に移す力の証明にもなります。「英語力が必要だと感じてすぐに参考書を買った」「模試やアプリを使って独学を始めた」といったエピソードは、主体性やスピード感のある行動力としてアピールできるでしょう。
特に、明確なきっかけをもとに、自分で情報を集め、勉強方法を選び、試験に臨んだという流れは、どんな仕事でも求められる“自走力”の裏付けになります。ただ勉強しただけではなく、“自ら動いたこと”を具体的に伝えるのがポイントです。
③継続力
TOEICのスコアアップには、日々の積み重ねが欠かせません。そのため、学業やアルバイトと並行して、コツコツと英語学習を続けてきた経験は、継続力のアピール材料として有効です。「毎日30分だけでも継続した」「スコアが伸び悩んでも工夫して学び続けた」など、地道に取り組んだエピソードは、粘り強さや成長への意欲を印象づける要素になります。
成果だけでなく、「スコアを伸ばすためにどれだけ継続したか」というプロセスを丁寧に伝えることで、信頼感のある自己PRにつながるでしょう。
まとめ
TOEICは、スコアそのものだけでなく、そこに至る努力や姿勢を含めて評価される資格です。就活で有利とされるのは600点以上、外資系や総合職を狙うなら730点以上が目安になりますが、大切なのは今の自分に合った目標を立て、着実に行動すること。スコア別の対策をもとに、自分なりの成長ストーリーを描きながら、TOEICを自己PRの武器にしていきましょう。
早めに対策をしていけば、就活本番での自信にもつながっていくでしょう。
よくある質問
TOEICは何点から就活に使える?
一般的に、TOEICは600点以上から就活でアピールしやすくなります。これは多くの企業が英語の基礎力があると判断する目安ラインです。
ただし、スコアが満たない場合でも、学習の継続や伸びしろを伝えれば評価につながることも。履歴書には470点以上あれば記載して問題ありませんが、志望業界や職種に応じて“どう見られるか”を意識することが大切です。
TOEICで何がアピールできる?
TOEICでは「英語力の客観的な証明」ができるのはもちろん、継続力や計画性、目標に向けて努力する姿勢もアピールできます。特に、自分で学習計画を立ててスコアを伸ばした経験があれば、仕事でも活かせる力として評価されやすいです。
スコアだけでなく、勉強の過程や工夫した点も伝えると、より説得力のある自己PRになります。
人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!
ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
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