就職活動でニュースについて聞かれるのはなぜ?
そもそもなぜ就職活動の面接の場で、ニュースを聞かれることがあるのでしょうか。その理由は大別すると2つあります。 ひとつは応募者が世の中の流れや業界の動きに関心を持っていて、積極的に情報を収集しているのかどうかを知るためです。特に営業職や企画・開発職は情報収集が不可欠な職種であるため、あえて時事問題について問いかける面接官も少なくはありません。2つめは応募者の物事に対する価値観を知るためです。ひとつのニュースに対して、どのような考えを持つのか、自分なりにかみ砕く必要があります。
情報に対する感度を測るため
就職試験でニュースについて聞かれる理由としてまず挙げられるのが、「求職者の情報に関する感度を測るため」です。世間で起きているニュースに対して、どの程度関心があり、どの分野にどんなアンテナを張っているのかを面接官は確認しています。
社会人として仕事をしていく中で、今後さまざまな情報を取捨選択しなければならなくなります。そうした場合に、必要な情報をいかに正確にキャッチアップできるかが大切なのです。また、情報収集するだけでなく、その情報をどのように仕事に活かすのかも大切になってきます。
価値観を知るため
面接で最近のニュースについて質問する理由のひとつが「価値観を知るため」です。 特定の出来事に対し、どのように感じるかはその人によってさまざまです。例えば同じ映画を10人で観ても、それぞれ映画への感想は異なるでしょう。それはニュースでも同じで、同じニュースを見ても、それに抱く感情や感想は人によって異なります。
こうした価値観は、企業にマッチした人材かどうかを判断するためにもとても重要なポイントです。自社が求める価値観と相違があると、早期離職につながったり、業務を進める上でトラブルになりやすいためです。そうした面でも就職試験の場では、価値観を知るために話題のニュースについての質問がされ、その人の価値観や感性を確認しています。
社会への意識がどれほどあるかを知るため
入社後は、今まで以上に社会の動きに目を向けなくてはなりません。これまでは、興味ある分野のみに関心を寄せていればよかったものの、就職する企業の業種や関連事業についての情報、世界情勢についても情報収集をしていく必要があるでしょう。
企業はそれぞれ「経営理念・企業理念」を掲げており、それぞれのやり方で社会貢献に努めています。その一員として働くためにも、世間の事情を把握してそれに合わせた意識改革も大切です。社会への関心を持ち、責任感のある人材であることをアピールしてみましょう。
面接に活かせるニュースの選び方は?
面接の回答として取り上げるニュースは、自分が関心を持てるものだけを選べばいい、というわけではありません。例えば宗教や政治などはあまり適切なニュースとは言えないでしょう。スポーツ、芸能などエンタメ系のニュースも思慮が浅そうに捉えかねないので避けましょう。どうしてもそのニュースがいいと思う理由があり、その理由は面接の貴重な時間の中で必ず共有しておくべきだと思うなら発言してみるのもありかもしれないですね。 最も 好印象 を与えられるのは 志望業界にまつわるニュース です。志望動機や自己PRにも絡めやすいので仕入れておきましょう。ただし業界ニュースでも、ネガティブな記事は面接官も対応に困ってしまうので避けた方が賢明です。もしピンとくる業界ニュースがなければ社会・経済ニュースでも構いません。ニュースは最新のものほど情報感度の高さをアピールできるのでおすすめです。インターネット上には多くのニュースサイトが存在しますが、その中でも「Newspicks」は就職活動に活かせる記事が数多く掲載されています。NewspicksのツイッターをフォローするとX(旧Twitter)を開くタイミングで必ず見るはずなので特におすすめです。
半年以内のものを選ぶ
最近のニュースに関する質問への回答で迷った際には、半年以内のものを選びましょう。 採用面接で「最近のニュースで気になる話題はありますか?」と聞かれた時は、どのくらいの期間までさかのぼってもよいものなのか迷うこともあるでしょう。「最近のニュース」として、特に期間の指定がない場合は、できれば半年以内のものを選びます。
可能な限り最新のものをピックアップできればよいですが、直近半年程度で大きな話題になったニュースに触れることもおすすめです。話題になった時期から現在どうなったかまで言及することができるからです。1年前になると、情報の感度が低いと見られてしまうケースもあるため避けた方がよいでしょう。
情報元の信頼性を確かめる
人と被らないために認知度の低いニュースを取り上げて差別化を図ろうと考える人もいますが、このときに情報元の信頼性を確かめることが大切です。近年ではX(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSでも情報収集できます。しかし、これらに投稿されている内容は、信ぴょう性に欠けるものや、フェイクニュースなども混ざっているため注意が必要です。
まずは、新聞社やテレビなどの大手メディアが母体になっている情報や、官公庁など信頼できる情報元から情報収集しましょう。その上で、情報に誤りがないか、複数のメディアで事実確認をすることが大切です。
社会情勢に関係するものを選ぶ
社会情勢に関係するニュースも就職試験の場ではおすすめです。社会情勢に関係するものは、業界を問わずどの企業でも活用できるでしょう。日本や世界のどんな話題に興味を持っており、その話題に対してどのような意見を持っているか、自分なりの解釈を交えて具体的に述べましょう。
自分の暮らしや企業にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、またどのようにすれば解決できるのかまで言及できればなお良いでしょう。
経済に関係するものを選ぶ
経済に関するニュースは、就職試験の場では扱われやすい話題です。特に日本のGDP、円安ドル高の影響、社会保障などの税金関連などは、どの業界でも出題されやすい傾向にあります。
特に、製造も行っている企業であれば、昨今の円安ドル高の影響は避けられず、原材料の高騰により製品の値上げなどで企業としても苦労しているところです。経済動向を知ることは、企業の利益に直結するため普段から経済に関するニュースに注目しておきましょう。
志望企業の業界に関係するものを選ぶ
志望企業の業界に関係する話題についても面接の場で扱いやすいでしょう。例えば消費財メーカーであれば、物価高によって消費者の購買意欲にどのような影響があったのか、同じ業界で最近値上げされたものなどは特に注目しておきたい話題です。
業界のニュースは企業のホームページで取り扱っていることもありますし、業種別に注目のニュースを扱っているサイトもあります。話題の選定に困る時は、そうした情報も活用してみましょう。
面接では避けたいニュース
就職試験の場で話題のニュースを扱う時、面接では避けておきたいジャンルもあります。それが「芸能関係」「宗教・政治関係」「個人的な話題」です。それぞれを解説します。
芸能関係
芸能関係のニュースは朝のワイドショーやSNSでも取り上げられやすく、自分の考えをまとめやすいため、指定がなければ取り扱いたい人もいるでしょう。しかし、テレビ業界や制作会社を除く企業では避けた方が無難です。
特に、芸能人の不倫や不祥事などのネタ選びは、「ゴシップ好き」といったマイナスな印象を与えやすいため注意しましょう。 仮に、その企業と関連している芸能人がいる場合で、その人が直近で何か功績を残している場合であれば扱うこともできます。ただし、この場合もまずは政治や社会情勢などの話題を扱った後にしましょう。
宗教・政治関係
宗教や政治のネタも面接の場では避けたいニュースです。政治や宗教ネタはそれぞれ支持する政党や信仰が異なるため、ネガティブな話題に触れるのはリスクが大きいでしょう。面接の場に、自分が意見を述べた宗教団体や政党に好意を持っている人がいるかもしれません。
デリケートな話題に触れることで、面接官やその場にいるほかの人に不快感を与えてしまう可能性もあるので、取り扱わない方が無難です。
個人的なもの
個人的なニュースは、ビジネスシーンには向きません。身内であれば、関心を寄せるニュースであっても、関係を構築できていない人にとっては興味がないものです。個人的なニュースを挙げてしまうと、幼い印象や、TPOをわきまえない人だというイメージを与えてしまうため要注意です。
ニュースは、誰もが知る話題や企業に関連するものである方が、面接官の理解も得られやすいでしょう。
ニュースを知る媒体はどんなものがある?
話題のニュースを選定するためには、以下の4つの媒体から情報収集することができます。
・新聞
・テレビ
・ビジネス雑誌
・ニュースサイトやアプリ
それぞれを解説します。
新聞
新聞は地域の情報から世界情勢まで幅広い話題を扱っており、自分が求める情報をピックアップしやすいでしょう。また、コンビニなどでも販売されていることから、必要な時にいつでも手に取ることができます。
また、通勤中や休憩中などにさっと新聞を取り出して、気になる部分を読み直しもできます。必要があればその情報をさらにネットで詳しく調べることもできるためネタ集めにはピッタリです。
最近では、アプリでも新聞を読むことができます。有料である場合が多いものの、経済新聞など経済情報に特化した媒体もあることからネタ集めもしやすいでしょう。
テレビ
テレビニュースも話題のネタを知るにはよい媒体です。朝や昼はワイドショーに寄ったものが多いですが、夜は経済情報や世界情勢を中心に扱うニュース番組もあります。新聞とは異なり、自分で文字を読む必要がないため、家で課題や勉強をしている時にニュースを流し見・聞き流しもできます。
テレビニュースを見る時のポイントは、コメンテーターに専門家がいる番組を選ぶことです。専門家による詳しい解説を聞ければ、より理解を深められるでしょう。専門的な立場から解説してくれるため、非常に分かりやすいものです。なお、テレビが自宅にない場合は、ネット配信でもニュースを視聴できます。
ビジネス雑誌
ビジネス雑誌は経済や金融専門の情報が載っている雑誌です。イラストや図版を用いて解説しているため、文章だけでは難しいと感じる人や、正しく情報を紐解けているか不安な人におすすめです。難しい文章に慣れていない人でも、比較的さらさらと読めるため、トレンドを把握しやすいでしょう。
特に、「日経ビジネス」「週刊ダイヤモンド」「東洋経済」などは、各業界のトレンドを分かりやすく解説しているため、ぜひ参考にしてください。またオンラインでも閲覧できるため、通学時間などにもさっと読めるでしょう。
ニュースサイトやアプリ
ニュースアプリやニュースサイトを利用すれば、新聞や雑誌を購入する必要がなく、手軽に情報収集できます。また、自分が興味のある分野に絞ってニュースを表示させたり、検索したりできるため、タイパを意識する就活生にとってはメリットが大きいでしょう。
先ほど紹介した「NewsPicks」をはじめ、「SmartNews」「Google ニュース」「Yahoo!ニュース」「大学生とつくる就活応援ニュースゼミ」などは、就活生が扱いたくなるような情報も満載です。複数のサイトで情報収集しながら、あらゆる角度からニュースに触れてみましょう。
ケース別!面接でニュースについて聞かれた時のフレームワーク
面接でニュースについて聞かれる場合、以下のように聞かれることが多いです。
・最近のニュースで気になったものは何ですか?
・「〇〇」のニュースについてどう考えていますか?
・今日の新聞で気になった記事は何ですか?
###「最近のニュースで気になったものは何ですか?」のフレームワーク ①概要
②そのニュースを選んだ理由
③そのニュースに関する仮説
例文(運輸業界の場合)
最近気になったのは、「宅配便大手業者のヤマト運輸が個人向け運賃を値上げした」というニュースです。運輸業を志望する私にとって、人材不足や賃金改定は昨今の業界を取り巻く大きな問題であると感じました。やはり今後はドローンやRBTなどを用いた宅配が進むと思いますし、そういった活動を応援したいですね。」
「〇〇」のニュースについてどう考えていますか?」のフレームワーク
① 抽象的な質問の場合は最新のニュースを引用する
②①を踏まえて考えを述べる
時には難しいテーマや知らないニュースについて聞かれ、答えにつまる可能性もあります。そんなときでも、無理に取り繕ったり、知ったかぶりしたりするのではなく「勉強不足です。今後勉強します。」と素直に伝えましょう。
例文
「トランプ政権が与える経済的影響についてどう思いますか?」外資銀行の面接より
「アメリカファーストを掲げるトランプ政権では経済的な政策にも力を入れており、各国に対し排他的な政策を行うと思っておりましたが、先日TPPへの復帰を検討しているとの記事を拝見しました。アメリカなしの経済は考えられないのである程度は迎合する姿勢も必要ですが、アメリカ主導ですべて物事が進みそうなのでそのバランス感覚を大切にするべきだと思います。」
「今日の新聞で気になったニュースは何ですか?」のフレームワーク
①最新のニュースを答える
②自分の考えを述べる
さまざまな新聞社が発行していますが、就職活動では日本経済新聞を読んでおくことをおすすめします。新聞を読んでいなかったら、素直に謝り、最近のニュースから答えるようにしましょう。
例文
今朝の〇〇新聞に掲載されていた「世界時価総額ランキング」が目に留まりました。ベスト10はアップルやマイクロソフト、アマゾンなど有名なIT関連企業が占めていて、アメリカの企業力を実感しました。また、テンセントやアリババグループなど、中国企業の台頭も気になっています。」
難易度は高いかと思いますが後半二つの場合は業界や会社への影響を鑑み、「もし自分が貴社の社員であれば」という考えを伝えるのも効果的でしょう。
2024年度のニュースの答え方:例文を8個紹介
ここからは2024年に注目されたニュースの例文をジャンルごとに計8個紹介します。
社会系
まずは、社会系のニュースを2つ例文付きで取り上げます。
能登半島地震
私が2024年に気になった社会ニュースは、やはり石川県で起きた「能登半島地震」です。元旦であったこともあり、家族や親戚と過ごしていたのですが、テレビを見ていると「緊急速報」が流れ、番組が次々に報道ニュースに切り替わったことをよく覚えています。
私は震災が起きる1年前に石川県に旅行したことがあり、実際に能登半島にも滞在しました。輪島の朝市に行ったり、御陣乗太鼓などの伝統に触れたりしたことがあり、個人的にも思い入れのある素敵な町でした。そんな伝統ある素敵な町に住む人が、大きな被害に遭われていて、とても心を痛めました。
そして、自分に何かできないかと考えた時に、大学で有志を募りボランティア活動に行くことにしました。実際に輪島に行くと1年前とは変わり果てた姿にショックを受けたことを覚えています。しかし、そこで暮らす方々はとても前向きで、ボランティアとして参加した私にたくさんの労いの言葉をかけてくださいました。
自分たちの活動は本当に微力ではありますが、このような行動が誰かの行動の後押しになればいいなと考えています。入社後も「自分が今できること」をしっかりと考えて、企業に貢献していきたいと考えています。
日本の被爆団体がノーベル平和賞を受賞
今年の10月に、被爆者の立場から核兵器の廃絶を訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞したことにとても興味を持ちました。
なぜなら、私の祖父母は、広島出身で当時を良く知る当事者であるからです。私自身、小学校・中学校・高校と広島で過ごしており、平和教育を受けてきました。平和記念公園や平和資料館にはこれまでも何度も訪れており、そのたびに、当時の状況と核兵器の恐ろしさに心を痛めてきました。
現在、ウクライナとロシアで争いが続いていますが、このことに対しても強く憤りを感じています。平和実現は個人で取り組むには限りがありますが、今回のノーベル平和賞を受賞した団体の活動を見ると、私にも何かできることがあるのではと考えます。
それは、人々の暮らしを豊かにすることで生まれる余裕かもしれませんし、ほかのことかもしれません。御社での業務を通じて、国民の一人ひとりの満足度を高められるような取り組みができるような行動をしていきたいと思っています。
国際系
次に国際系のニュースの例文を2つ取り上げます。
ウクライナ侵攻、2年経過し日本もロシア非難へ
私が気になっているのは、ロシアがウクライナ侵攻を開始して2年が経過し、日本を含めた世界各国が改めてロシアを非難したという話題です。2月に開催された国連安保理で、2年経った今もなお、ウクライナ侵攻を止めないロシアに対し世界50各国以上の代表が、改めてロシアに向けて厳しく非難する声明を出していました。
このウクライナ侵攻による影響は、ウクライナとロシアに限ったものではありません。日本でも石油価格に影響が出たり、ロシアをメインに行っていた製品の輸入品に大きな影響が出たりするなど、我々の生活にも影を落としています。
私にできることは、本当に微々たるものですが、それでもウクライナのことを思わずにはいられません。微力ではありますが、現在も募金活動を続けています。入社後もこの考えを忘れず、企業を通じてウクライナなどの情勢が厳しい地域への何かしらの活動ができればと考えています。
米民間企業が無人月面着陸成功
2024年2月にアメリカの宇宙企業である「インテュイティブ・マシンズ」の無人月着陸船が、月の南極地に着陸したというニュースに興味を持ちました。御社は重工業メーカーとして、宇宙分野の事業にも取り組んでおられることから、このニュースを見た時に真っ先に御社の名前が浮かびました。
民間企業による月面着陸は今回が初めてということもあり、今後ますます宇宙開発の分野が活発になっていくと予想します。私は御社で、研究・開発職を希望しています。そのため、宇宙分野の製品開発においても、理工系の知識を活かして新しい視点を持って取り組みたいと考えています。
現在の目標は日本企業として、宇宙分野の製品で何らかの功績を残すことです。御社のメンバーの一員として、自分の知識を大いに生かしていければと思っています。
経済系
次に、経済系のニュースの例文を2つ取り上げます。
日銀がマイナス金利を解除
最近気になっているニュースは、2024年の3月に日本銀行がマイナス金利を解除したことです。金利が引き上げられたのは実に17年ぶりとのことで、2013年に始まった大規模緩和が事実上終了したことになります。私は、ここから日本の経済がどのように動くのか非常に興味を持っています。
マイナス金利が解除されたと言うことは、プラスの面では預金の金利が上昇しますが、マイナスの面では住宅ローンの金利が上昇します。コロナの影響も相まって物価高になっていますが、住宅ローンの向上でじわじわと生活にかかるお金の負担が増すのではないかと心配しています。企業にとっても大きなお金の融資を受けるのに、金利が上昇することも考慮しなくてはなりません。
このマイナス金利の解除は、メリットがある一方で、消費者にとっても大きな影響を与えることを理解して、「消費者から選ばれるために企業として何をすべきか?」を自分なりに考えて行動していきたいです。
日経平均株価がバブル期の最高値を更新
一番印象に残っているニュースは、日経平均株価がバブル期の史上最高値を34年ぶりに更新したというものです。2024年の3月4日には、史上初の4万円台を記録しており、8月には歴史的な相場の乱高下も起きています。
34年ぶりに日経平均価格が最高値を記録したことは、とても喜ばしいことだとは思います。一方で、一国民の意見としては物価高や税金などの影響もあってその恩恵をあまり実感できていません。世界からの注目が集まっていることから、一国民としても安定して経済状況が維持できるように努めたいと考えます。
社会人としては、御社への入社後は、少しでも業績アップに貢献できるよう努力したいと考えています。国民が少しでも豊かになったと実感できるように、企業の一員としてできることに取り組んでいきます。
テクノロジー系
最後にテクノロジー系のニュースを2つ取り上げます。
データセンター向けAI半導体市場規模が加速
私は2024年8月に公表された英国の市場動向調査会によるデータセンター向けのAI半導体市場規模が急加速していることについて非常に興味を持ちました。
AIの領域は猛烈な勢いで成長している分野ですが、2022年には100億ドル弱から2024年には780億ドルまで成長しています。また、2029年には最終的に1510億ドルまでに達すると予想されており、日本でも同様に半導体需要はますます高まることが予想されます。
御社では、半導体分野にも取り組んでいることから、世界のトレンドに合わせた革新的な技術開発ができるのではないかと思っています。私が希望しているのも技術開発であるため、これまで培ってきた知識とスキルを活かして御社に貢献していきたいと思っています。
都内でライドシェアが始動
私がここ最近、一番興味を持ったのは「都内でライドシェアが始動した」というニュースです。ライドシェアにより、一般のドライバーが自家用車を使って、タクシーのように乗客を乗せられるようになり、東京を皮切りに今後は京都などの一部地域でも運用が開始されるようです。
現在、タクシー業界は激しい人手不足で悩んでいる状況であるため、そうした課題解決に一役買うのではないかと予想しています。今回のライドシェアをきっかけとして、日本のタクシー業界の高齢化や人手不足の問題を解消する方法のひとつになるのは、ライドシェアを利用する人だけでなく、日本経済にとっても喜ばしいことだと思います。
私も御社に入社した際には、こうした社会課題の解決につながるような製品・サービスの開発や商品の改良に携わりたいと考えています。
業界別のニュースの答え方:例文を紹介
最後に業界ごとのニュースの考え方について、例文を交えて紹介します。また注意すべき点も解説します。
外資系投資銀行
【質問】
最近のニュースで気になっているものを教えてください。
【回答例】
私が最近気になったニュースは、服飾ブランドの大手である「Michael Kors」が、こちらも高級靴ブランドとして知られる「Jimmy Choo」を買収したことです。
興味を持った理由は、有名ブランド同士がブランドを統合したことがきっかけです。高級ブランド業界は、フランスを中心に経営統合してひとつの大きな企業グループになる事例が増えていました。しかし、近年は「Coach」などの高級ブランドの失速が懸念されていたかと思います。
御社は、外資系投資企業としてこの件にも関心を寄せている話題かと思いますが、私もこうしたM&A案件には常にアンテナを張っていきたいと思っています。
注意点
外資系投資銀行では漠然と話題のニュースを聞かれるよりも、「M&A案件」「昨日の日経平均は?」などの、業界に関連した具体的な質問がされやすい傾向です。そのためニュース対策をする時は、幅広いジャンルを浅く広く網羅するよりも、業界の細かな質問に答えられるよう、経済情報を把握して対策しましょう。
総合商社
【質問】
今日の日経は読みましたか?
【解答例】
はい。本日の日経新聞を読んで気になったのはA社が新しい半導体技術を開発したというニュースです。このニュースに注目した理由は、A社は御社の主要取引先の一つだからです。
今回開発された半導体は、業界全体に革命を起こすのではないかとの見方が示されています。新しい半導体技術の登場で、御社でもこの商材を活かした製品開発をしていくと予想し、私もその一員として活躍できる人材になりたいと考えています。
注意点
商社では、面接当日に商社に関連するニュースがあると知った上で「今日の日経を読みましたか?」と投げかけられることがあります。知識量を問う外資系の投資銀行とは異なり、志望度合いを見ているため、そのニュースを選んだ理由を答えましょう。ニュースを述べた上で、会社として何をすべきかを盛り込めば、当事者意識をアピールできるでしょう。
広告代理店
【質問】
最近のニュースについて、気になっていることがあれば教えてください。
【回答例】
SNS「スナップチャット」がニュース番組の配信を開始したというニュースが気になりました。現在YouTubeやInstagramでも1分以内の短い動画が好まれる傾向にあり、今後も短編動画へのニーズがさらに高まるのではないかと考えたからです。
若い世代は、タイパの観点からも文字情報よりも動画を好む傾向にあり、倍速視聴も一般的になりつつあります。10秒までの動画しか送れないスナップチャットの流行も背景かと思います。スナップチャットのニュースも3~5分の短い時間で配信されることから、今後はこうした短いニュース配信がスタンダードになっていくはずです。御社でこれから広告作りに携わる上でも、短時間で心を動かす広告を制作できればと考えます。
注意点
広告代理店のニュースの質問は、業界に必要な着眼点と論理性を持っているか、トレンドを把握しているかを評価しています。そのため、業界のトレンドを加味した解答ができると良いでしょう。ただし媒体に関するニュースは人と被ってしまいやすいため、複数の話題を用意しておきましょう。
メーカー企業
【質問】
最近のニュースで気になる話題を挙げてください。
【回答例】
私が気になっているニュースは、物流の共通化に関する話題です。「味の素」や「ニチレイ」などの大手メーカーは、物流の効率向上やドライバーの負担軽減などを目的に共同配送システムを取り入れて、顧客の商品を混載して一括配送するシステムを取り入れることを発表しました。
私は、このシステムを取り入れることで、昨今の物価高による商品の値上げを緩和させつつ、従業員の負担緩和にも取り組めるよい方法であると感じました。御社へ入社できた際には、こうした顧客と従業員がどちらもメリットがあるような、従業員の負担にならない体制作りを構築していきたいと考えています。
注意点
メーカー企業の場合は「この企業に入りたい」という明確な意思表示のために、話題のニュースを活用しましょう。面接先のメーカーではどのようなことを行っているかを把握しておき、直近のポジティブなニュースを取り上げるのもひとつです。
不動産
【質問】
気になっている最近のニュースは何ですか?
【回答例】
私が気になっている最近のニュースは、マンションの価格高騰です。特に都市部では、限られた土地と住宅に対する高い需要が価格を押し上げている要因の一つになっていると考えています。
不動産業界は、普段から手頃な価格で質の高い住宅の提供に取り組んでいますが、さらに新しい戦略を考える必要があるのではと考えます。狭小でも機能的な住居の設計や、長期持続が可能な建材の使用などコストを抑えながら、顧客にその魅力をアピールすることも大切だと考えました。
御社に入社した際には、このような市場分析や戦略立案にも貢献していきたいと思います。
注意点
不動産業界も、市場のトレンドや業界の内情を踏まえたニュース選定と回答が求められます。特に不動産業界は、入社後も資格取得に向けた勉強が必要で、早い時期からの資格取得が欠かせません。
そのため、不動産のトレンドを把握しているという姿勢を見せながら、継続した勉強への意欲を見せるようにしましょう。
まとめ
更新頻度が高いニュースは、日々チェックしておく必要があります。しかし、就職活動中は何かと忙しいものですが、隙間時間を有効活用して、こまめにニュースをチェックしておきましょう。回答の方法次第では、自己PRとは違う角度から、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
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