適性検査とは?
まずは、「適性検査」の定義から確認しましょう。実は、「適性検査」という場合に、2つの意味が使われていることがあるのです。
▼意味その1
言語分野テスト、計数分野テストに代表される「知力検査」と、性格や価値観、仕事に関する能力などを測定する「適性検査」のすべてを含めて、「その企業の仕事の適性に合っているか」を検査する「総合適性検査」を意味している。
▼意味その2
上記の総合適性検査のうち、性格や価値観、仕事に関する能力などを測定する「適性検査」のことだけを意味している。
今回ご紹介している記事上では、意味その2「性格や価値観、仕事に関する能力などを測定する適性検査」についてご紹介していきます。
なぜ適性検査が行われるの?
適性検査で測られる性格や能力、行動特性などは、もともと面接で確認される部分です。面接では判断が難しい学力や知的能力を測る言語・計数分野以外に、なぜ企業は適性検査を採用選考試験に導入するのでしょうか。それは、複数の面接官で判断することになる面接では、統一の基準で、客観的に学生を評価することに限界があるためです。数百人~数千人規模の学生を効率的に、客観的に評価できるツールとして利用されています。
適性検査で何がわかるの?
適性検査は、種類によってさまざまな評価項目があります。その代表的な項目についてまとめました。
性格的な特徴
どの種類の適性検査でも必ず表記される項目と言えます。その人の持つ性格的な特徴、例えば持続性(継続して物事に取り組むか)、慎重性(計画的に物事に取り組むか)、内向性(物事を深く考えるか)、身体活動性(体を動かすことが好きか)、といった、特徴的な項目について数値で表します。
意欲的な傾向
目標達成意欲や、活動意欲について数値で表します。性格と別に、能動的な姿勢・行動習慣について判定します。
将来の可能性
「職種適性」という表現であらわされます。分類の仕方はそれぞれの適性テストで異なりますが、およそ8~12程度の職種的特徴に関して、性格的特徴と対応させて向き不向きを数値で表現します。「営業職・研究職・クリエイティブ…」といった職種に対して適性を表すタイプと、人と関わる仕事、周囲と協力する仕事、活動的に動く必要のある仕事、突発的な出来事への対応力が必要な仕事、自発的に考えて行動する仕事、想像力が必要な仕事、複雑な問題をロジカルに解決する仕事といった仕事内容の特徴に対して適性を表すタイプがあります。これらは、大学などで受験できる、学生向けの「職務適性テスト」などでもよく目にすることができるでしょう。
適応する組織のタイプ
どのような企業風土や組織の仕組みにより適応するかを表します。「新しい事業にチャレンジしたり、積極的に革新してゆく企業タイプ」、「各自の目標、ノルマが明確に決まっている企業タイプ」、「チームとしての強みを大切にする企業タイプ、決められたルールに従って全体を統率する企業タイプ」などの項目があります。
情緒の安定性
抑うつ感情を経験しやすい、劣等感情を抱きやすい、不信感・不満感が強いかどうかといった、安定した情緒を持っているタイプかどうかを判断するために特徴をあらわします。
ストレス耐性
多くの適性テストで結果に反映されているのがストレス耐性です。特に、営業職など、結果を求められる職種をメインに採用する企業が好んでストレス耐性を判定するテストを採用します。
リーダーシップ特性
仕事に必要な能力の中でも、リーダーシップについて特別に数値評価をするケースもあります。サークルの部長やアルバイトリーダーといった「ポジション経験」だけではないリーダーシップ特性についてチェックしたい企業は多数あります。
適性検査の種類
適性検査にはさまざまな種類があります。そのなかでも受験することの多い、3種類の適性検査について、その概要をご紹介します。
SPI3で実施される適性検査
就職活動でもっとも使われている「総合適性検査(上記の、意味その1)」であるSPIにも適性検査があります。SPI3では「性格検査」と呼ばれています。
仕事をする上での人柄、職務への適応性、組織への適応性について結果計測されます。
設問数:約300問
回答時間:30分~40分(Webテスティング、テストセンター、マークシート方式などの受験スタイルによって変わる)
玉手箱で実施される適性検査
日本SHL社のWebテスト版総合適性検査のうちのひとつ、「玉手箱」では、適性検査にいくつかの種類がありますが、最もよく利用されているのが「パーソナリティ(OPQ)」です。入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性、将来のマネジメント適性、「営業」「研究/開発」などの8つの職務適性について予測します。
設問数:約200問
回答時間:30分
TG-WEBで実施される適性検査
株式会社ヒューマネージの総合適性検査に含まれる適性検査は1種類ではありません。複数の適性検査から、企業ごとに1~3種類程度の適性検査を組み合わせて、企業ごとに適した検査項目をカスタマイズして使用します。複数回受験しても、毎回内容が違うケースもあり得ます。
なかでもよく利用される3つの適性検査をご紹介します。
▼Another 8(A8) …コンピテンシー検査
個人の「強み」を判定するテストです。
設問数:156問
回答時間:30分
▼G9…コーピング適性検査
遭遇するストレスに対処できるかを判定するテストです。
設問数:60問
回答時間:10分
▼T4…エンゲージメント適性検査
「仕事へのめり込む力」と「どのような仕事にのめり込むことができるか」を判定するテストです。
設問数:35問
回答時間:10分
総合適性検査で落ちる人
さまざまな適性テストがありますが、実は、「総合適性検査」の結果で落ちる人は少数派。その理由と、少数の「総合適性検査の結果のせいで落ちる人」の特徴について理解しましょう。
知的能力検査の結果で不合格になっている
基本的に総合適性検査の「適性検査部分」で合否を判定する企業よりも、「言語・計数などの知的能力検査部分」で足切りラインを設定している企業がほとんどです。エントリーシート→Webテスティング→一次面接、というスケジューリングの企業はたくさんありますが、一次面接の前にWebテスティングを実施して、結果表をもとに面接時の質問の参考にできるといった理由があるからです。企業によっては「ストレス耐性が〇ポイント以下の方は不合格」などと適性検査部分でも足切りラインをもうけるところもありますが、全体としては少数派。総合適性検査について対策するのなら、やはり知的能力検査部分に時間を使いましょう。
一貫性がない
適性検査の結果をコントロールしようとして、不合格の対象になってしまうケースがあります。意識して自分をよく見せる回答をした結果、生じた矛盾についてはほとんどのテストで「結果信頼性」「虚偽回答の傾向」といった項目で評価されるようになっています。志望企業の求める人材像に自分を寄せようと虚偽の回答をしたり、結果をコントロールしようとするのはやめましょう。
適性検査に臨む心構え
「結果をコントロールしたい、なんてつもりはないけれど、自分のことを悪く回答するのは抵抗がある…」という方も多いですよね。なかには、正直に回答しようとした結果、余計に混乱してしまった、という学生さんもいらっしゃいます。
結局、自分の能力と適性を企業側に適性に伝えることで、面接の手助けとなったり、入社後の配属でより自分の能力を活かせる部署に配属になる可能性が高まったりと、「素直に回答した適性検査」が最も自分の役に立ちます。最後に、そのような適性検査結果を導くための「心構えとコツ」をご紹介します。
嘘はつかず、自分に正直たれ
基本的な方向性として、「自分にはあまり感じられない要素」を「ある」、と表現するのはやめましょう。設問は、同じような内容が少しずつ表現を変えて何度も繰り返し出題されます。そのたびに、「これはどういう風に回答したっけ?」と、思い出したり、ペーパーテストで前の回答を確認しようとしたりすると、設定時間内に回答を終えることは不可能です。知的能力テストと異なり、最後まで受けることはできますが、信頼性に大きな疑問が付くのは間違いありません。
基本的に「反射的に選んだ回答」を選ぶ
回答の意味を深く考える必要はありません。問題を読んだら1秒で回答する、くらいのペースを心がけましょう。
迷う回答があったら
なかには、「そんなの場合によるよね…」「どちらとも言えないな」と迷う回答もあるでしょう。そのときは、「理想とする自分」の方向で回答する、と決めておけばより自分の価値観を良い方向に強調できるかもしれません。
先輩学生の中には、「元気で、明るくて、前向きで、逆境に強い自分を演出して受かった!!」などという人もいるでしょう。繰り返しますが、「性格適性検査」で合否をつけること企業は少数です。性格適性検査の結果を面接で確認し、企業が「元気で、明るくて、前向きで、逆境に強い人」だと判断したら、それに合った職場に配属になるでしょう。それが本当に「あなたの望み通りの状況」になるか、という長い視点で判断してください。
一次情報を得て、自分の未来を見つけに行こう
採用ホームページやニュースなどのメディアを読んで、業界・企業研究に励むことはとても大事なことです。 しかし、それらの多くは二次情報に過ぎません。何かしらのバイアスがかかっており、正しい情報であるかどうかは自身で選択していかなければなりません。
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