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OB/OGが語る

【JICA】採用担当者と若手活躍職員が語る、意義のあるOB/OG訪問をする上で大切なこと

「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもと、「人間の安全保障」と「質の高い成長」を実現することをミッションとして開発途上国に対する国際協力を展開するJICA。豊富なキャリアを積んだ採用担当者と1年目の若手職員のお二人に、就職活動の経験談やOB/OG訪問の活用法をインタビューしました。

企業紹介
独立行政法人国際協力機構(JICA/Japan International Cooperation Agency)は、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に担う実施機関。技術や経験を伝える専門家の派遣や研修員・留学生の受け入れをおこなう技術協力、有償資金協力(円借款、海外投融資)、無償資金協力、民間連携その他のアプローチを通じて日本の国際協力を包括的に実施する。開発途上国における貧困、不十分な教育や医療、食糧不足、未整備のインフラなど、世界中のさまざまな社会課題の解決に取り組んでいる。


人物紹介
独立行政法人国際協力機構(JICA)
人事部人事企画課
大河原 誠也
2015年入構後、南アジア部南アジア第一課に所属し、インドの上下水衛生・高等教育・森林分野における案件形成など数々の業務を担当。2017年より2年間、経済産業省への出向を経験。2019年からエジプト事務所へ駐在。帰国後、2022年9月より人事部人事企画課にて採用業務に携わる。

独立行政法人国際協力機構(JICA)
人間開発部保健第一グループ保健第一チーム
鈴木 真由
2022年入構。学生時代は商学部で新興国マーケティングを専攻、3年次には1年間英国留学を経験する。卒業後は英国大学院に進学し、開発学(開発と人道危機)修士課程を修了。就職活動では、「開発途上国の人を主体とした国際協力に携わりたい」という想いから、JICAを志望。現在は人間開発部にて主にアフリカと中東・欧州地域の保健医療案件を担当する。


現場に近いポジションで、途上国の社会課題解決に取り組む

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―――まず、ご自身の就職活動について聞かせていただけますか?


大河原:世界の気候変動に関心があり、国際社会において解決に向けた一翼を担いたいという想いがありました。中学時代から外交官という職業に憧れを抱いていたこともあり、就職活動では国家公務員試験を受験。幸い合格しことで、もう一度民間企業を中心に他の選択肢を考えるための時間がとれました。その中で出会ったのがJICAです。職員の話を聞いているうちに、具体的な仕事内容ややりがい、自分の成長したい方向性、社会貢献の仕方が自分のイメージするものにフィットする感覚があり、ここで働きたいと考えるようになりました。

―――かなり大きな方向転換ですね。すぐに決断できましたか?


大河原:もちろん国家公務員も意義のある仕事だと考えていたので最後の最後まで迷いました。ただ、自分にとって政策というのは関わるレイヤーが高く、まだまだ現場のリアリティを知らない自分にとって価値を届ける相手に距離があるのではと感じてしまって。一方で、JICAの仕事は政策と現場のちょうど中間にあります。日本の政策を踏まえながら、より現場に近いポジションで途上国の人たちの課題に自ら向き合うことができる。そのJICAの立ち位置や働く職員の目線が自分のイメージにぴったりだったことが、最終的な決め手になりました。

―――鈴木さまの就職活動はいかがでしたか?


鈴木:私はもともと一人旅をするのが好きで、学生時代には途上国にもよく行っていました。旅先で各国の現状を目の当たりにし、何かをしなければという想いが芽生えたのがはじまりです。一方、それぞれの国特有の幸せの形に触れる中で、外部の人が途上国を「発展させる」という考え方にも同時に違和感を覚えました。どうすれば世界がより良い方向に進むのかと開発協力の在り方を模索し、学問としての開発を学ぶためイギリスの大学院に進学した経緯もあります。そうしたことから、就職活動で大事にしていた軸はグローバル、そして社会課題の解決に貢献できること。最終的にはJICAが第一志望ではありましたが、他にも総合商社や総合系コンサルティングファームも考えていました。

―――JICAに決めた理由は何だったのでしょうか。


鈴木:社会課題の解決にはいろんな手法や切り口がありますが、一般企業だとどうしてもビジネスを通じた協力ゆえ事業による収益が目的となってしまうんですよね。私は収益に縛られず、相手が求めていることに真摯に向き合った国際協力がしたかった。それをできるのがJICAだと考えました。職員の話を聞いていくと、背景や原動力は人それぞれ違うものの、みんなが社会課題の解決に貢献したい、そして途上国のニーズに応えたいという同じ方向を向いているのが印象的で。多様性の中で想いを共有し合える雰囲気があり、ワクワク感も感じました。



OB/OG訪問で自分の認識をすり合わせ、得た感覚を信じること

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―――ご自身の就職活動の中で、OB/OG訪問をどのように活用しましたか?


鈴木:ビズリーチキャンパスを利用し、トータルで10人ほどにお会いしました。私のOB/OG訪問の一番の目的は、事業を具体的に知ること。次に、人を知ることです。今はネット上ですぐに情報が手に入りますが、そうしたオープンソースからはわからないような事業のリアルやその背景まで、企業への理解を深めるために活用しました。また、自分の持つ認識とギャップがないか、自分がやりたい仕事はそこで実現できるのか、そしてそもそも自分に向いているかを見極めるためにも重要だったと思います。志望動機を伝えて、簡単にフィードバックをもらうこともありました。

大河原:僕の時代は今のようにOB/OG訪問のサービスも充実していなかったので、アナログで人伝いにお会いしていましたね。カフェの店長や旅を通じて出会った人も合わせると、50人ぐらいの方と1対1でお話ししたと思います。企業への社員訪問としてはJICAのほかに、総合商社や金融機関の方々にも時間をいただきました。僕の場合はもっとざっくり、働くってどういうことだろう、自分の人生にとって豊かさとは、その中で仕事を通じた成長とは何かということ考えるために、もう少し広く長い視点で大人とお話してみたいと考えていたかもしれません。

―――しっかりと話を聞くために気を付けたこと、意識したことなどはありますか?


鈴木:ある程度の基本情報がわかっていないと、やみくもに聞くだけになってしまうので、会社や事業のことなど最低限の情報は事前に調べて臨みました。その上で、自分の想像しているイメージとすり合わせをしたり、実際に働いている方がどういう目的や想いを持っているのか深堀りして聞くことを意識していました。

大河原:たくさんの方に話を聞いているうちに、数ある質問のなかで自分にとって最も大事にするべき「問い」が定まっていきました。それが、「これまで働いてきた中で、最も感情が高ぶった・揺さぶられた瞬間のエピソードを聞かせてください(映像を共有してください)」というものです。大変な仕事を数々乗り越えてきた長いキャリアの中で、どんな瞬間に、やっていてよかった、報われたと感じたのか。その人の体験を自分も想像しながら、その瞬間に立ち会いたいと共感できるのか。これが僕にとっては大事だと気づき、いろんな会社で働く方に同様の質問をして比較検討の材料にしていました。

―――実際にJICA職員の方の話を聞いて、いかがでしたか?


大河原:先ほどの問いに関して、国家公務員の方は「国際会議の準備をし、各国の大臣がズラリと並んだ瞬間、この場で何が生まれるのかという高揚感を感じた」、と。総合商社の方は「自分の携わった大規模エネルギー分野のプロジェクトが新聞に載り、家族に報告した時だ」、と。そしてJICAの方からは、「東南アジアの国の小学校で教科書をつくるプロジェクトに携わった時、嬉しそうに教科書を手にした子どものお母さんからありがとうと言われた瞬間だった」という回答がありました。

どの話も素敵だと共感できましたが、中でもJICAでは現地の人から感謝を伝えられた瞬間だという方が多かった。その瞬間のために仕事をしていくというのが、一番自分に合っているなと確信しました。自分にとって成長とは専門性やスキルよりも、世界中の人とつながる豊かさや人間力を育んでいくことだ、と。それが求められるJICAで成長していきたいという想いが高まりました。

鈴木:私は、こんな人たちと働きたいと思える方にたくさん出会えたという印象があります。JICAは若手の方から年配の方まで、徐々に年次を上げて5人ぐらいの方にお会いしました。ビズリーチキャンパスでは直近のキャリアも書いてあるので、自分の関心のある分野を経験している方に話を聞くことができます。JICAの職員は青臭いことを真剣に、キラキラした目で話してくださる方が多くて、自分もそんな風に楽しく、誇りをもって仕事をしたいと感じました。理解を深めるだけでなく、新たな魅力を知るためにも、生の声を聞くことには大きな意味があると思います。

大河原:年配の方でも熱い想いを語ってくれる方が多いですよね。幅広い年次の方と話をすることはすごく大事だと思います。ビズリーチキャンパスでOB/OG訪問を受け付けているJICA職員は200人以上。そのキャリアの多様さが魅力ですが、多様すぎて訪問すべき職員の選択に悩んでしまう学生の方も多いと思います。そのため若手職員、駐在経験あり(中堅以上)、理系出身など、さまざまなグループ分けを取り入れているので、それらの基準を活用しながら話を聞いていただくのもおすすめです。どうやって人事ローテーション(部署異動)のなかで自分の思い描くキャリアを歩んでいるのか、リアルな部分もぜひ聞いてもらえたらと思います。

―――大河原さんは、昨年人事部に異動されたとお聞きしました。新卒採用を担当してみていかがですか?


大河原:省庁への出向や駐在を経験し、次は組織全体を見渡し、貢献できる仕事がしたいと思い、希望を出して人事部へ異動しました。採用活動は担当となって間もないですが、強いやりがいを感じています。今後、どんどん新しいことにもトライしていきたいと思っています。日々実感することは、職員の多くが採用広報に対して非常に協力的なこと。学生と向き合うことで自分を見つめなおす機会にもなったという声があるほど、職員にとっても有意義に感じてもらえているようです。そうした風土が、組織の魅力でもあるのかなと実感しています。



よりよい世界をつくるために。葛藤の中で生まれる、大きなやりがい

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―――これまでどんなお仕事を担当されてきたのかも、聞かせていただけますか?


鈴木:私は入構以来、人間開発部で保健医療分野を担当しています。アフリカ地域、中東・欧州地域、南米地域(主にウガンダ、モルドバ、ブラジル)など、地域はさまざまです。日本の専門家を現地に派遣して医療技術を教えたり、現地の病院に医療機材を供与したり、相手国が真に必要なものは何かを考えながら医療サービスの向上に努めています。まだ1年目ではありますが、夏にはウガンダへの出張も経験しました。ウガンダの地方病院に医療機材を届けるプロジェクトで、年次に関係なく、担当者として相手国政府と直接協議をし、案件形成に向けた合意を得るという大きなミッションを任せてもらえたことには正直驚きましたね。毎日必死になりながらも、現地で長年築かれた二国間の信頼関係のおかげもあり、大きな問題もなく無事にやり切ることができました。

大河原:初出張でトラブルがないなんて、珍しいかもしれません(笑)。僕は1年目からインドを担当する部署に所属し、2年目に円借款プロジェクトの案件形成のために初めての出張を経験しました。インド州政府の森林プロジェクトを担当するベテランの専門家と対等に議論する立場になり、とにかく追いつこうと必死にしがみついていった記憶があります。あわただしく出発し、飛行機の中でも資料の準備をし、現地でもその日に議論したことをすぐに文書にしてと、とにかくバタバタで。若手にここまでまかせてもらえるのかと、驚きを覚えながら、非常に大きなやりがいを感じました。

―――そのほかに、最もやりがいを感じた仕事について教えてください。


大河原:やはり直近駐在していたエジプト事務所での経験は大きいですね。日本の教育システムを導入したいというエジプト側の期待を背負って、日本側の省庁や専門家の意見を仰ぎながらエジプト政府と交渉・調整していくプロセスがあり、自分の小さな働きかけひとつで結果を大きく左右する重責を感じました。当時ゼロからのスタートだったこのプロジェクトは、現在もまだ試行錯誤が続いている長い道のりです。ただ、現地と日本の間で葛藤しながらも一歩ずつ前に進み、駐在期間に次の方向性を示すまでに至れたのは、僕にとって重要な経験になりました。

鈴木:先ほどお話した、ウガンダへの初出張が印象深いです。私はずっと、一方的な開発支援ではなく、現地の人が主体となる協力を届けたいという想いがありました。このウガンダでのプロジェクトでも、相手政府もはじめはJICAがやってくれるプロジェクトだ、自分たちは供与される機材を待っていれば良いという認識だったと思うんです。しかし、相手のニーズを聞き取り協議を重ねていった結果、最後に病院の院長から「これはJICAだけのプロジェクトではなく、自分たちも共にやっていかなければいけないんだ。日本の協力をこれからにつなげていくから」という言葉をいただき、本当に嬉しかったです。私のしたかった仕事はこういうことなんだ、と思えた瞬間でした。

―――それでは最後に、お二人から学生に向けて就職活動のアドバイスをいただけますか?


大河原:人と対話することを大事にしてほしいですね。僕自身、そこで得られた情報や感覚が最終的な決断の根拠にもなりました。ただ、新卒の就職活動時点での決断がすべてではないとも思います。会社に入ってから自分自身の取組み次第で新しいものに出会う可能性も多分にあります。そういう将来への期待も含めて、前向きに、自ら悔いのない選択をしてほしいと思っています。

鈴木:就職活動は、自分を見つめなおすチャンスでもあります。自分の中でこうだと決めていても、人の話を聞いているうちに「そんな切り口もあったのか」と、新しいことを知る機会もたくさんある。いろんな人に会って、いろんなものを見て、その仕事は本当に自分がやりたいことなのかをフラットな目で見極めてほしいと思います。あとは、今は情報が溢れていて他者の就職活動の成功体験に触れることも多いので、つい人の言葉をそのまま借りたくなってしまうこともあると思うんです。でも結局は、自分の言葉じゃないと相手に何も伝わりません。かっこいいエピソードが受かるわけでもないし、正解なわけでもない。正直に、素直に、等身大で挑むことが何よりも大事だと思います。

大河原:たしかに。一般的なカッコいいエピソードより、自分を素直に表現できるエピソードの方が相手に伝わるなというのは、過去の経験からも思いますね。JICAは途上国の人たちと接する仕事のためか、人の話を聞くのが好きな職員が多いと感じます。僕自身、JICAの面接が一番話を聞いてくれる感覚がありましたし、だからこそ一番正直でないといけないなというのも感じました。面接が終わった後は、すごく清々しい気持ちで帰ったのを今でも覚えています。JICA職員がどんな風に話を聞いてくれるのかというところにも、他との違いを感じてもらえるかもしれません。納得感のある就職活動にしていただくためにも、ぜひOB/OG訪問を活用してほしいと思います。

―――職員の方にお会いするのが楽しみになりますね。本日はありがとうございました!


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