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OB/OGが語る

「絶対的な総合力」と「自由闊達な風土」のシナジーで挑む、鉄鋼の新たなビジネスフィールド

専門商社をわかりやすく紹介する「3分でわかる専門商社の魅力」シリーズ。今回は、鉄鋼を扱う専門商社の伊藤忠丸紅鉄鋼。大手総合商社の事業統合によって誕生した「鉄鋼総合商社」とも呼ばれることもある同社の強み、そして働く魅力とは。

企業紹介
2001年10月1日、伊藤忠商事の鉄鋼部門と丸紅の鉄鋼製品部門が分社・統合して誕生したのが伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI)だ。“2つ”の総合商社の一部門を担う会社だからこそ成し得る、広範囲かつ専門性の高いサービスを提供し、52カ国88拠点に及ぶ強力な海外ネットワークで、グローバルに事業を展開。設立20年となる今、新企業理念として「鉄を商う。未来を担う。」というステートメントを掲げ、鉄鋼ビジネスの新たなフロンティアに挑戦する。

人物紹介
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
経営戦略・人総本部
人事総務部長代行(兼)採用・ダイバーシティ推進チーム長
赤松 久木
1993年、丸紅(株)入社以来、鉄を販売する営業に従事。事業統合後、2004年に伊藤忠丸紅鉄鋼に転籍。2018年から2年間、シンガポールの現地会社にて副社長就任。2020年4月より、現職に至る。
※内容は、2021年9月取材時点のものになります。

専門商社でありながら、総合商社の鉄鋼部門でもある

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―――はじめに、会社概要についてご紹介をお願いします。

伊藤忠丸紅鉄鋼は、2001年10月に伊藤忠商事(株)の鉄鋼製品事業室と丸紅(株)の鉄鋼製品事業部が分社化して統合した会社になります。鉄鋼の専門商社というよりも、総合商社の一部門であるという考え方から、鉄鋼総合商社という呼び方をすることもありますね。総合商社としての総合力を維持しつつ、両社の事業基盤、人材、ネットワークを活用することで、それまでには成し得なかった多彩な機能・サービスを全世界のマーケットに提供することを可能にしています。

―――総合商社の強みをもった専門商社というわけですね。具体的な事業内容について教えてください。

大きく分けて、「トレーディング」と「事業投資」があります。トレーディングというのは、仕入先から製品を買って、お客様に売るという商社のベースともいえるビジネスのこと。もう一つの事業投資は、価値のある事業会社に対して資金や人材、経営ノウハウなど様々なリソースを投入して事業経営に参加、長期的なサポートをしながら最終的に利益や配当を得るビジネスです。バリューチェーン構築に価値のある事業会社をつくることで、より付加価値の高い製品をお客様に届けることができる。その結果として、トレーディングにおける鉄の取扱量を増やすことを目指しています。この両方を組み合わせて、大きく事業を進めていることが当社の特徴です。

―――鉄鋼を扱う面白さを、ご自身ではどのように感じていますか?

鉄って、どこの国に行っても同じものが売れるんですよ。新興国の発展のためには必要ですし、生活になくてはならない素材として、世界規模で今後さらに需要は伸びて行きます。さらに、地球を構成する元素で一番多いのが、実は鉄なんです。そのため産出量も豊富で、ゴミだと思われているスクラップもリサイクル可能な資源になります。様々な用途に形を変えられる素材で、キロ単価はペットボトルの水よりも安く、硬く地味なイメージがあるかもしれませんが、可能性のまだまだある素材なんです。そうしたところに、鉄を扱う面白さを感じています。

鉄鋼業界が挑む、カーボンニュートラルへの取り組み

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―――今後の事業戦略について聞かせてください。

ちょうど2021年に中期経営計画を策定しまして、そこで掲げているのは「量から質への転換」です。今、事業投資によってできた事業会社は100社以上。まずはここを整理しながら体質強化を図っていきます。そして、機能・サービスの強化に繋げていくことで、我々の存在価値を高めてお客様の未来にも貢献したいと考えています。また、国内の鉄鋼需要低下が見込まれる今、新興国をはじめとした海外への積極的な展開も引き続きの重点施策です。そして昨今、鉄鋼業界が直面している大きな課題といえば、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みでしょう。日本の二酸化炭素排出量のうち、およそ15 %が鉄鋼業によるものということもあり、業界に対する風向きが微妙に変わってきている背景があります。ただし、鉄に代わるものはありませんから、鉄が廃れるということもありません。今までやってきたことをそのまま正とするのではなく、新しい施策に取り組んでいくことが求められています。

―――具体的な取り組み例を教えていただけますか。

今伸びているのは電気自動車ですね。当社では自動車鋼板や電磁鋼板といったモーターのコアになる部分を取り扱っていますが、こうした環境配慮型の自動車に注力していく動きはあります。また、車体の軽量化に伴ってアルミ素材の加工需要が増えるなどニーズも変化していますので、ただ鉄を売るのではなく付加価値のあるものを作っていく動きも大きくなっています。もうひとつは、再生可能エネルギー分野。太陽光発電に加えて、洋上風力発電市場にも力を入れており、環境に配慮した事業へと大きくシフトチェンジをしかけているところです。採用活動においては、これまで鉄と言えば石油掘削に使われるラインパイプのようなダイナミックな事業が人気を集めていましたが、今では再生可能エネルギーに関心を寄せる学生が多いですね。我々の時代とは大きく変わったなと思います。

若手が早くから活躍できる文化、風通しの良さが魅力

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―――貴社で働く魅力について聞かせてください。

企業理念に掲げたMISI FRONTIER SPIRITSに「自由闊達」という言葉があるように、風通しの良さは大きな特徴と言えます。今は上の人間も現場の声を大事にしてくれているので話もしやすく、聞いてもらえる環境はすごくありますね。入社1年目の社員が社長に報告をしに行くこともあるのですが、総合商社の時代には考えられないことだったと思います。そしてもう一つは、若手が早くから活躍できる環境があること。ほかの鉄鋼専門商社と比べると、売上規模に比べて社員数がそこまで多くありません。その分、チャンスがあるということ。若いうちからいろんな役割を与えてどんどん表に出していこうという文化も根付いています。

―――鉄鋼業界、専門商社というと“硬い”ようなイメージがありますが、実際の雰囲気はいかがですか。

先日、1・2年目の社員と社長の懇談会があったんです。入社前と後のギャップを聞いたところ、「もっと体育会系でガツガツ仕事するものだと思っていたけど、意外にも柔らかい人が多くてびっくりしました」ってみんなが言うんですよ。以前までは、トレーディングとして製品を売るだけでよかったのが、今では事業投資に向けて経理や財務、法務の知識が必要とされ、これまでとは違う専門商社のスキルが求められていることも雰囲気が変わってきた理由なのかもしれません。20時以降の残業禁止や休暇の取得など、働き方改革の制度も整備されているので、働きやすさにもつながっていると思います。

―――貴社で活躍する人材とは、どういう方が多いでしょうか?

まずはチャレンジ精神がある人ですね。考えすぎたり、理屈をこねたりして動かないという人よりは、まずはやってみようというマインドがある人は成長が早い気がします。そしてどんな局面であっても、一人で抱えこまないこと。壁にぶつかったらチームのみんなを巻き込んで、最後までやり遂げる。そういう人は大いに活躍しているなと感じます。

―――最後に、就活生へのアドバイスをお願いします。

就職活動は、千載一遇のチャンスです。こんなにいろんな企業の人の話が聞ける機会はこのときだけ。社会人になると、他の会社の人にここまで本音は話してくれませんから。時間がかかったとしても、多くの企業をまわって自分に合ったところを見つけ出すことが必要なのかなと思います。周りの意見や情報に踊らされることなく、自分の目や耳で確かめて、自分の考えをもって決めてほしい。もし、当社のことで不安に感じることがあれば、なんでも直接社員に聞いてみてください。ビズリーチキャンパスでも当社の社員がたくさん載っていますので、OB/OG訪問にどんどん活用してください。後悔しない就職活動になるよう全力で臨むことが大切です。

―――ぜひ多くの学生に、大手鉄鋼商社のイメージとは違う貴社の魅力を直接感じてほしいですね。本日はありがとうございました!