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業界研究

「ビズリーチ・キャンパスLIVE」特別企画『人事が本音で語るメガバンクのリアル』前編

これから就活を始める学生たちに向けて、ビズリーチ・キャンパス主催の特別企画『人事が本音で語るメガバンクのリアル』が開催されました。みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJ銀行を招き、本音を語っていただいています。変化が激しい世の中において、銀行がどう変わっているか、一方で変わらないコアコンピタンスは何かなど、ここだけのトークで盛り上がりました。現役人事から就活生の皆さんに対するメッセージもあり、金融志望の方はもちろん、志望業界がまだ決まっていない方も必見の内容です。

<登壇者>
■みずほフィナンシャルグループ
村岡昇(ムラオカノボル)
入社9年目
【経歴】
入社後は、中堅・中小企業を中心に、日本橋支店で約50社を担当。その後、大企業を担当する部署に異動した後、現在は新卒採用の全般的な企画・運営に携わっている。

■三井住友銀⾏
⻄村勇紀(ニシムラユウキ)
入社9年目
【経歴】
様々な業界の中堅・中小企業を約200社担当した後、国際部門に異動し、外資系大手企業に対する営業に従事。現在は、主に新卒採用の広報やグローバル採用の企画に関わっている。

■三菱UFJ銀⾏
⽜牧博志(ウシマキヒロシ)
入社14年目
【経歴】
アパレルや医療機器メーカー等の中堅・中小企業を担当後、企業再生に従事。その後、上場企業の海外進出やM&A案件などに関わる。現在は、採用関連全般の企画・運営を担う。

それではまずは、就活中を振り返っていただき、入行理由についてお聞かせください。

西村(三井住友銀行):
私は学生時代の経験から「仕事の幅広さ」と「グローバルな環境」を重視して就職活動をしていました。ただ、初めから選社軸が定まっていたわけではないです。様々な業界を見ていく中で、どの業界にも魅力を感じてそう考えるようになりました。結果として、色々なビジネスに関わりながら国内だけでなく海外でも働く機会がある、活躍できるフィールドの大きなメガバンクに惹かれました。その中で、最終的にはご縁に恵まれたSMBCに決めました。

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牛牧さんはいかがでしょうか。

牛牧(三菱UFJ銀行):
大きな軸は「社会に何かを還元したい」でした。何かインパクトを残したいという思いが強かったですね。そのような観点でいうとお金という軸で社会と関われるメガバンクに行きたかった。実は、メガバンク3社全てにエントリーシートを出させていただいてまして、、、で、SMBCさんだけご縁がなかったんです(笑)。先輩社員の方からお電話いただいていたのかもしれませんが、運悪く電話に出れずに接点が持てず、、、面接すら受けれなかったんですよ。西村さん(笑)!!

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西村(三井住友銀行):
それはすみませんでした、、、(笑)

牛牧(三菱UFJ銀行):
そんな中で最終的な決め手になったのは、僕の軸に対して現役の行員さん方が共感してくださるとともに、どんな言葉をくれるかという点でした。たまたまMUFGに先輩が働いていたのですが、「俺と一緒に世界を変えようぜ」と言ってくれたんですね。そういう経緯で入行を決めました。

村岡さんはどうでしょう。

村岡(みずほ):
僕は元々メガバンク志望ではありませんでした。いわゆる就活人気業種を中心に見ていました。学生時代に海外に行った経験から、改めて日本の良さに気付いたタイプでして。インフラ設備もバツグンで食事もおいしい日本っていい国だなと。将来的には新興国の経済成長に貢献できる仕事に就きたいと思っていました。そんな中で、自分のキャリアを考えたときに「この商材を極める」というのが決めきれなかった。西村さんの理由と重なりますが、幅広い業界に携われて国内だけでなく海外も視野に入れられるということで、金融業界、その中でも銀行にシフトしていきました。で、なぜみずほなのかというとですが、、、僕の父親が三菱UFJ銀行で働いていたので、父親とは違う会社にしようかと。なのでエントリーシートはSMBCさんとウチだけ提出しました。その中でご縁があり、みずほに入行したという流れになります。

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皆様様々な経緯でご入行されたとのことですが、入ってからのギャップはありましたか?

牛牧(三菱UFJ銀行):
ギャップといいますか、、、最初の入社3年目くらいまでは想像してた以上にむちゃくちゃしんどかったですね。なぜかというと、インプットの量が尋常じゃない。銀行業って、専門用語からお客さまの業界動向やファイナンス知識と、とにかく覚えることや吸収しなければいけない知識がたくさんあるんです。なので最初は非常に大変。やってる仕事へのイメージややりがいは思った通りだったんですが、そこに至るまでのしんどさみたいなものは印象深く覚えています。

村岡さんはいかがですか。

村岡(みずほ):
牛牧さんと同じで、とにかくインプットが多かったことはギャップですね。教科書みたいなものもあるんですが、出てくる用語が初めてのものばかりなので何が書いてあるか分からないレベルでした(笑)そこは結構ストレスでしたね。お客さまの課題を見つける力や解決する力ってすぐに身に付くものではないので、最初の頃はお客さまに仕事や業界のことを教えていただきながら、とにかく量をこなしてインプットし続ける毎日でした。持って行った提案が全て空振りになったり、失敗を繰り返しながら徐々にかすり始めていった感じでした。業務上のギャップで言うと、働き方改革の影響もあって限られた時間で成果を出すことが求められているなという点。僕は同じく行員だった父親の働き方を見てきているので、ああ時代が変わると同じ業種でもこんなに違うのかという感じでした。

西村さんはどうでしょう。

西村(三井住友銀行):
銀行は幅広い経営課題を解決できるというイメージがありましたが、銀行だけだと解決できないこともあるというのが実際に法人営業をしていく中で感じたギャップでした。そこで、グループ会社や様々なパートナー企業の協力があれば、できることが限りなく広がっていくことを学びました。例えば、SMBCグループが提供できるソリューションで解決できない場合はお客さま同士を繋げるビジネスマッチングで解決できることもあり、その顧客基盤やリレーションを握っていることがメガバンクの本当の武器だと感じましたね。メガバンクがハブとなって様々な企業を巻き込み、手数を増やすことで多岐にわたる経営課題の解決が実現できるんだなという気付きがありました。

皆様が特に印象深かった仕事のエピソードを教えていただけますでしょうか。

村岡(みずほ):
2部署目で配属された時に新規で発掘したスタートアップ企業の支援が印象的です。2015年くらいからベンチャー企業が急激に成長してきておりまして、単純におもしろそうと思ったのが行動のきっかけです。ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すためのイベントに参加するなど接点の取り方は工夫しました。新しいことを考えている方々のアイデアのシャワーを浴びるのは刺激的で楽しかったです。その中でも印象深いのが「持ち運べる車」を作っている会社との出会いですね。私と同い年の社長さんなのですが、その会社の立ち上げから並走して、事業戦略の検討や資金調達まで様々なシーンでお客さまのビジネス展開を支援できたことは非常に面白かったですね。

西村さんはどうでしょうか。

西村(三井住友銀行):
私は、シンガポールの企業が初めて日本に進出するインバウンドの案件に携われた経験が印象深いですね。日本に関する知識があまりない企業でしたので、どういった場所に拠点を構えるべきか、人の採用はどうするのかなど、ファイナンスの前段階からのコンサル依頼を受けたんです。そこで銀行が持っている情報を提供しながら様々なプロセスを並走していくことで、日本でビジネスが始まる瞬間に立ち会えたことを印象深く覚えています。グループ会社を巻き込みながら、外資企業の新たな事業の立ち上がり全てに携われたことは非常に良い経験となりました。日本にいてもグローバルな仕事はできるんだなと感じました。

牛牧さんはいかがでしょう。

牛牧(三菱UFJ銀行):
自分の仕事を振り返ると、「銀行員としていくら儲けた」よりも「価値あることをした」という仕事の方が思い出すことが多いですね。私は以前に企業再生の仕事をしていました。企業再生ってコンサル主導で進めていくイメージが一般的かと思いますが、実はお客さまと銀行が主導で進めていくものなんですね。経営とお金は両輪なので、お金という蛇口の開け閉めって銀行にしかできないじゃないですか。どんなにコンサル側で良い提案があっても、「お金」がなければ絵にかいた餅になってしまいます。そういう意味で企業再生とは銀行がドライバーズシートに座らなければいけない。
私が以前、再生を担当した会社は八方手を尽くして、再生するまでに3年かかりました。その後その会社はスマホのある部品の素材メーカーとして世界トップシェアの企業になってるんです。あのときのお客さまがここまで到達したのかと思うと、非常に感慨深くなりました。社長さんや従業員の方々からも感謝のお言葉を頂けて、価値のある仕事ができたなという思い入れ深い仕事ですね。

学生から質問が来ています。「様々な経営者と関わるという観点ではコンサルと銀行は似ていると思うのですが、経営への関わり方はどのように違うのでしょうか」という質問です。

西村(三井住友銀行):
実行支援の際に資金提供ができるところが大きな違いですね。そして、融資だけでなく、グループ企業であったり、顧客ネットワークであったり、多くの関係者を巻き込んだ支援ができるところも銀行ならではの関わり方だと思います。また、普段の入出金や従業員への給与支払いなどで企業が銀行を利用するシチュエーションって多いので、お客さまにとって銀行はとても身近な存在なんですよ。だから、何かあると気軽に相談していただける。コンサルティングファームは依頼するとフィーが発生する、という印象を持たれている方も多く、お声かけのハードルが高くなりがちと思っていて。その点銀行は気軽に色々聞いていただけるのかなと感じています。

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村岡さんはどうですか。

村岡(みずほ):
ビジネスの構造自体が違うのかなと思います。コンサルは、期間が決まっていてアウトプットを提供してフィーをもらうフロービジネス。一方で銀行は基本的にはストックビジネス。なので「これからの企業経営をどうするか」みたいな柔らかい部分から関われますし、その相談自体にお金はかからないので、気軽にお声がけいただけるんですよね。ファイナンスはあくまでも最終的な支援手段なので、その前段階、ビジネスのごくごく初動の部分から長期的なご支援ができるところは銀行ならではですね。お客さまと一緒につくった事業計画に対してお金を貸すということは、銀行もそこに責任を持つということ。つまり、リスクシェアするモデルなので、めざすべきベクトルも必ず一致する点も大きな違いだと思います。

また新しい質問です。今日、どんどん来てますね。「銀行ではどういう方が活躍される傾向にありますか」という質問です。牛牧さん、いかがでしょうか。

牛牧(三菱UFJ銀行):
能動的で主体性のある人が求められますね。銀行を志望される方の中には、お客さまを支えたいというサポーティブなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれないですが、銀行員として頭一つ抜きに出ている方の多くは「社会を変えていきたい」「お客さまをこう動かしていきたい」という能動的な気持ちを持っています。社会と金融って表裏一体なので、社会が変われば金融も変わるし、その逆もまた然り、「金融が変われば社会も変わる」ので。なのでそういう思いがあった方が、銀行業務にはカチっとハマるかなと思います。あとは成長意欲や挑戦志向の方も多いですかね。何か一つでも他者には負けないものを持っていると良くて、銀行には必ずその個性を活かせる仕事があります。

西村さんはどう思われますか。

西村(三井住友銀行):
法人営業の観点でお話すると、仲間と一緒に何かを成し遂げたいという気持ちの強い方は活躍していると感じています。法人営業って「顧客のニーズ・課題把握」と「ソリューション提供」という2つのフェーズに分かれていて、前者には知的好奇心、後者にはチームワークが重要です。特に後者では、自分1人で対応可能な領域は限界があるので、チームワークを発揮してどんどん周りを巻き込んでいかないと価値のある提案ってできないんですよ。なので逆を言うと「個人で自分のペースで仕事をしていきたい」という方だともしかしたら合わないところも出てくるかもしれないですね。

村岡さんはいかがですか。

村岡(みずほ):
お二方がおっしゃる通りだと思います。幅広いお客さまを担当するので、自分の知らない分野に触れることも多々あります。だからこそ、お客さまのサービスや会社そのものなど、相手のいいところを見つけられることは大事かなと思います。あとは、分からないことに飛び込んでいける勇気も重要だと思います。知らないことを貪欲に吸収しようとする姿勢が将来の自身の引き出しを増やすことになりますし、お客さまに信頼されていると思います。

後半に続く

https://br-campus.jp/articles/report/1003