<企業紹介>
「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)と「人に近づく」という経営の方向性のもと「人」を軸とした多様な事業を展開。テレビやカメラ、オーディオ、半導体をはじめとしたエレクトロニクス、ゲームや音楽、映画をはじめとしたエンタテインメント、さらに金融など、どの分野においても質の高い商品やサービスを世界中に届け、さらに新たな領域へ挑み続けている。
<人物紹介>
現場社員:平野智久
商品企画部
2019年入社
慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科を卒業
現在は商品企画としてワイヤレスイヤホンを担当するほか、オーダーメイドのイヤホンなどオーディオ領域でのテクノロジーを用いた新規事業にも携わる。
内定者:石松瑶
プロダクト&サービスプランニングコース・ 内定者
慶應義塾大学 総合政策学部 総合政策学科 4年生
大学では景観におけるサインや広告、街と人のコミュニケーションなどランドスケープデザインを研究するほか、インターン先での社内起業も経験。
自分の理解が正しいのか、確かめたかった
——— 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。まずは石松さんが就職活動を始めた当初のことをお聞かせください。
石松瑶さん(以下、石松):
大学のゼミでランドスケープデザインを研究していたので、最初はその分野に近い不動産やデベロッパー、ほかには外資系コンサルなどを中心に考えていました。そして就職活動を進めるうちに、ものづくりをしている企業やブランド価値の高い企業に魅力を感じ、メーカーも検討。そこからは、自分が本質的にいいと思えるものをつくっている会社で、生活者の新しい体験を生み出したり、考えをアップデートするきっかけを提供したいという想いが軸になりました。
———その中で、ソニーさんを志望したきっかけは何だったのですか?
石松:
自動車や化学系など様々なメーカーを検討していく中で、ソニーの1dayインターンに参加したのがきっかけです。新しい商品を企画してプレゼンする内容だったのですが、それがとても楽しかったんです。メンターとして付いてくださった方のフィードバックが本質的で、私のプレゼンに対して「本当に使う人が、本当に欲しいと思う機能だけを前面に押し出して、ユーザーファーストにした方がいい」などのアドバイスをいただきました。このインターンを通じて、ユーザーのことを深く考え、生活体験に根付くものづくりをしている会社であることが強く伝わってきました。
———その後OBOG訪問で平野さんとお話したということですか?
石松:
はい。選考を進めるに当たり、私が抱いているソニーへの理解が正しいのかを確かめたかったのと今後ソニーが作るべき新しい商品を企画しプレゼンするという課題があったので、自分の考えがずれていないかフィードバックをして欲しかったんです。また私自身がこれまで学んできたことや、インターン先で社内起業としてヘルスケア分野の事業の経験などを聞いていただきました。
———平野さんは石松さんと最初にお会いしたとき、どのような印象でしたか?
平野智久さん(以下、平野):
これまでの経験も商品企画の企画書も非常にハイレベルでしたし、自分が何をしたいのか、OBOG訪問の場で何を聞きたいかという意思も明確に感じました。商品企画をやりたいという学生は多いのですが、その裏付けとして「こういう能力がある」と言える人は多くありません。その点、石松さんはインターンでの社内起業の経験もありましたし、企画書も私のフィードバックを受けて補填した上で、さらに自分なりのアレンジも加えてブラッシュアップができていました。これは先輩として、気が抜けないなと思いましたね。
目的を明確にすることで、得られるものが変わる
※平野さんオススメのワイヤレスイヤホン、WF-XB700。手ごろな価格でSonyの重低音が楽しめるのが魅力
———石松さんがOBOG訪問をする際に、心がけていたことはありますか?
石松:
実際に働く社員の方にしかわからない情報を取りに行くことを、常に意識していました。面接の最後に「会社について何か質問がありますか?」と逆質問をする機会がありますが、その時に言えることを増やしたいと思っていたんです。必ず聞くようにしていたのは、社内がどういう状況で、何を考えていて、今後どういう風に展開していく兆しがあるのか。女性がどれだけ活躍しているのか、社内では実際にどのようなコミュニケーションが交わされているのかという点です。
———石松さんのような意識や準備は、OBOG訪問を受ける側である平野さんも、大切だと思いますか?
平野:
そう思います。ひとりひとりの自己分析の完成度にもよりますが、聞きたいことを明確にしないままOBOG訪問を受けるのは、もったいないです。社会人も同じですが、会議の目的を明確にしないまま進めると、有意義な時間になりません。学生自身が「何を目的にして、この人から何を聞き出したいのか」を明確にした状態で話を聞きに行くことはとても大事なことです。
———石松さんは、それができていたのですね。
平野:
はい。ただ、もちろん学生には慣れていない面もあるので、質問を受けた中から「こういった事を聞きたいのだろう」とこちらが汲み取り、ある程度の軌道修正をするのは社会人側の役割でもあると考えています。自分のできる範囲でいいので「この人からどんな情報を取りたいのか」「OBOG訪問が終わったら、自分はどういう状態になっていたいのか」を考えてから受ければ有意義な時間になるし、今後の人生の方向性が決まることだってあると思います。
年次に関係なく、世界中の人々に喜びを提供できる
※石松さんが国際問題を啓発する学生団体でインドに取材旅行したときの写真
———石松さんはOBOG訪問を受ける前後で、意識の変化がありましたか?
石松:
はい、大きく変わりました。平野さんから入社後のことをたくさん聞かせていただいたことで、プロ意識を持ち、自分の手で商品を世に送り出すことのやりがいや面白さを知ることができて「もうこの会社しかない」と思うようになりました。
———平野さんはどのようなことを話されたのでしょうか?
平野:
ソニーでの仕事は、消費者のことを考えた上で、世界中の人達に感動を提供していくことです。例えば私はワイヤレスイヤホンを担当していますので、音楽を聴く楽しさを多くの人に提供できます。特に石松さんのように商品企画として採用されるということは、未来の商品におけるコンセプトやお客様に対する価値を1年目から自分で考え、カタチにしていけるということ。そのやりがいはとても大きいでしょう。企画の仕事は、デザイナーやマーケターなど異なるバックグラウンドを持ったスペシャリストたちと関わり、プロジェクトを取りまとめ、メンバーをリードしながら商品をつくっていく醍醐味があります。
———確かにやりがいが大きそうですね。女性社員の活躍についてもお話しましたか?
石松:
はい。育休後の復帰率が100%などのデータは見ていたのですが、実際に時短でバリバリ働いていらっしゃる方のお話など、平野さんから実情を聞くことができて安心しました。
平野:
弊社には「男性だから」「女性だから」という考えで判断することはほとんどなくて、私の周りではそのような会話を耳にしたことはありません。むしろ女性の方が強いくらいですね。実力で評価されますし、何より裁量権がある会社なので、根拠がしっかりしていれば若くても意見が採用されます。そういう意味では、年次に関係なく世界中の人々を幸せにするようなプロダクトをつくることができる。その点もソニーの魅力だと思います。
自分はどんなときに、幸せを感じるのか
———平野さんが考える、OBOG訪問の価値とはどのようなことでしょうか?
平野:
私の個人的な意見ですが、就職活動は自分の持っている能力や人間性と、企業が求めている能力や人間性のマッチングだと思っています。そこの正確な擦り合わせは、実際に働いている人と会うことで初めて実現できるのではないでしょうか。ネットなどで得られる情報は限られますし、内情は実際に人に会い、詳細を深堀りしていかないと得られません。私自身が就職活動をしていたときもその点を強く意識し、60名を超える社会人の方々にOBOG訪問をしました。
———その「正確な擦り合わせ」のために、学生が持っておくべき視点はありますか?
平野:
「どんな仕事をするのか」はもちろん重要なのですが、それだけでなく「自分はどういう状態のときに幸せを感じるのか」「どんな人と一緒に働いたら幸せなのか」という視点も重要で、それが抜けてしまっている学生が多いように感じています。
———なるほど、その視点があるとマッチングの精度が高まりそうですね。
平野:
そう思います。ほかにも、OBOG訪問は自分に足りているもの、足りていないものを正確に見極める場にもなりますし、学生にとって面接の練習にもなると思います。私が就活していたときはOBOG訪問の場で思ったことを正直に話したときの反応を見ることが、その会社が自分に合っているかどうかを深掘りするきっかけになり、考えの整理に役立ちました。
———ご自身がOBOG訪問の大切さを実感しているからこそ、今も多くの学生にお会いになっているのですね。
平野:
はい。でもそれだけではなくて、私自身のプラスになることも多くあります。商品企画の仕事をする上では、学生や若い世代が考えていることに触れる機会はとても貴重です。学生たちと話すことで、自分が就活をしていた頃を思い返し「この想いは変わっていないな」とか「ここが変わってしまったから、働き方を改めよう」とか、現在の自分の進捗度合を確認できる。今の学生は僕らの頃よりもレベルが高いので、ひとりの人間としてしっかり向き合う時間が、自分自身のためにもなっています。
———石松さんは、ご自身の就活を振り返ってみて、やはりOBOG訪問は重要でしたか?
石松:
自分が就職する上で、イキイキと働けることはすごく大事な要素だと考えています。それを一緒にやっていける社員の方々がいるのかを知るために、OBOG訪問は必須だったと思います。ソニーという会社はとてもブランド力があり、フラットかつ自由でカッコいいイメージがあったのですが、平野さんのお話を聞くことで、スマートなイメージを塗り替えるほどの熱意やプロ意識、使命感を持って仕事をしていることを実感。ソニーという会社を通じて自分に何ができるのか、社会とどうつながれるのか、社会にどんな価値を届けられるのかがクリアになりました。その結果、志望度を120%に高めて面接に臨むことができたので、やはりOBOG訪問はした方がいいと思います。