コンサルティングとは
一般にコンサルティングファームで働くコンサルタントの仕事は「クライアントの経営課題を明らかにし、問題解決をすること」です。
大企業の海外事業拡大の支援や会社の買収支援など大規模なものから、上場企業のガバナンスの改善や会社の経理部門の業務を効率良くしたいというものまで、それぞれの企業が抱えている課題の規模はさまざまであり、コンサルティングファームはそのような課題に対する最適解を提供するということをしています。
コンサルティングファームは何を売っているのか
メーカーは工場で製造したものを、銀行や保険会社は金融商品など、世の中にある会社は基本的に売っている「モノ」があります。ではいったいコンサルティングファームは何を売っているのでしょうか。
コンサルタントの仕事は「クライアントの経営課題を明らかにし、問題解決をすること」と前述しましたが、その言葉通りコンサルティングファームは会社が抱える課題・問題の「解決策」を売っています。製品やサービスを売っているのではなくコンサルティングそのものを売っているのです。つまり経営課題を明らかにすること、問題解決の支援をすることそのものがコンサルティングファームの商品なのです。この意味でコンサルティングファームは「頭脳」を売っているという表現をする人もいます。
コンサルティングファームの種類
企業の問題解決といっても戦略、人事、財務、ITなど領域は多岐にわたり、そのうち1つの領域に特化しているファームもあれば、複数の領域をカバーしている総合コンサルティングファームも存在します。主に以下のようなコンサルティング領域が存在します。
◆戦略コンサルファーム
欧米やアメリカ合衆国に本社を構える外資系のファームが多く、大企業はもちろんのこと政府・官公庁に対してもコンサルを行うことも少なくない。企業の全社事業戦略、成長・経営戦略を手掛ける。コンサルの就活をしたことがある人なら誰もが一度は耳にしたことのある「BIG3」も戦略コンサルティングファームに当てはまる。
[ファーム例]
マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニー、A.T.カーニーなど
◆人事系コンサルファーム
企業における人事戦略・人事制度設計・改革や組織トランスフォーメーションに特化したファーム。上場会社のコーポレートガバナンスを手掛けることもある。
[ファーム例]
マーサージャパン、リンクアンドモチベーション、タワーズワトソン
◆財務系コンサルファーム
組織の会計・経理・税務などの財務アドバイザリーやM&A、事業売買に関するアドバイザリーを行う。粉飾決算など現在問題になっている不正会計調査・分析も手掛ける。会計監査法人を親会社にもつ総合コンサルティングファームの系列会社が多い。
[ファーム例]
PwCアドバイザリー、KPMGFAS、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、EYTAS、GCA
◆シンクタンク
日系ファームがほとんどであり、大手証券会社・メガバンクを親会社に持っていて、金融機関によって案件が依頼されることが多い。経営コンサルティングや官公庁などの公的機関に向けのリサーチ・SI業務を行う。
[ファーム例]
野村総合研究所(NRI)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日本総合研究所
◆IT系コンサルファーム
ITを活用した業務改善・改革やITシステムの要件定義、システムの導入から実装に特化したファーム。デジタルトランスフォーメーションが各企業で必要とされている中、IT系コンサルティングファームの需要は拡大すると考えられる。
[ファーム例]
フューチャーアーキテクト、キャップジェミニ、ワークスアプリケーションズなど
◆総合コンサルティングファーム
名の通り上記コンサルティングファームが持つ機能を総合的に有しているファーム。あらゆる領域の戦略立案から実行フェーズまでコンサルティング領域が広い。BIG4と呼ばれるファームは総合コンサルティングファームに属する。
[ファーム例]
PwCコンサルティング、KPMGコンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、EYアドバイザリー、アクセンチュア、アビームコンサルティング、シグマクシス