上智大学とは
上智大学は、東京都千代田区に本部を置く私立大学で、1928年に設置された歴史のある大学の一つです。また、総合人間科学部や総合グローバル学部などの9学部と、実践宗教学研究科や地球環境学研究科などの10の研究科を展開しています。
さらに、大学院や短期大学の他、四年制大学などで看護学を履修した人を対象とした助産学専攻科という一年制の専攻科があるなど、幅広い分野で学ぶことができます。ちなみに、本部と離れた大阪には、「大阪サテライトキャンパス」があり、関西地区の情報発信の拠点として活用されています。
ここでは、上智大学の受験性や在学生だけでなく、卒業生や地域の人々が交流し、「知的出会いの場」として、上智大学のノウハウを活かしたさまざまなサービスが提供されています。また、キャンパスは、主に利用されている四谷キャンパスの他に、目白聖母キャンパス、石神井キャンパス、市谷キャンパス、秦野キャンパスを展開しています。
上智大学が設置された経緯として、キリスト教の宣教師であったフランシスコ・ザビエルが来日した際に、日本の首都に大学を設立したいという意思を抱いていたことが起因しており、日本カトリック学校連合会の日本カトリック大学連盟に加盟しています。
そのため、上智大学の学部には、カトリック司祭を養成する過程もカリキュラムに盛り込まれており、キリスト教に関連する研究機関も付属機関として併設されています。さらに、広島県のエリザベト音楽大学の他、世界28カ国・114校のイエズス会系大学を系列校としています。
また、上智大学の著名な出身者は数多く、政界や学者の他、アナウンサーや実業家などを輩出していることでも知られており、さまざまな特徴を持つ上智大学ですが、その他の特徴は以下の通りです。
・上智大学からの留学者数:1,012人(2017年度)
・外国人の学生国籍:85カ国(2017年10月現在)
・外国語で行われている授業科目数:816科目(2016年度開講の授業)
・交換留学協定校や学術交流協定校の数:69カ国326校(2018年4月現在)
このように、外国語や諸外国との交流が著しく、外国語で行われている授業科目数においては、2016年度開講の授業数4,281科目のうち約二割を占めていることがわかります。
上智大学の就職・就活状況
上智大学の名前の由来は、「ソフィア」というギリシャ語で「知恵」という意味が込められているといわれています。そのため、上智大学では、「ソフィアが世界をつなぐ」をスローガンとして、世界を切り開く人材を養成することを目的としています。
また、現在の理事長である佐久間勤氏によると、文化や言葉、学問の分野などに囚われることなく、それを超える対話を通じて、より良い世界を構築することを目指しています。
このように、世界で活躍する人材の養成を目指している上智大学では、英語を中心とした語学力を活かしたさまざまな分野に就職して活躍しています。
上智大学の学部別就職状況
上智大学の2017年度における学部別就職状況は、以下の通りです。なお、各学部において、さまざまな業界へ就職している中で、特に多い業界を示しています。また、公表されている企業については、上智大学の「2017年度 卒業・修了者進路状況報告書」から代表的な企業を抜粋しています。
学部 | 業界 | 企業 |
神学部 | 調査・専門サービス | (国研)日本原子力研究開発機構 |
文学部 | 製造 | タカラスタンダード株式会社 |
総合人間科学部 | 運輸業 | 日本航空株式会社 |
法学部 | 金融 | みずほフィナンシャルグループ |
経済学部 | 金融 | 大和証券投資信託委託株式会社 |
外国語学部 | 製造 | 株式会社ブリヂストン |
国際教養学部 | 情報・通信 | 株式会社日本経済新聞社 |
理工学部 | 情報・通信 | 株式会社NTTドコモ |
総合グローバル学部 | 金融 | 株式会社三井住友銀行 |
この表を見ると、上智大学は、製造業界、金融業界、情報・通信業界への就職に強いということがわかります。また、語学力を活かせるグローバルな企業への就職が多いということがわかります。
なお、全学部で3名以上の就職先は以下の通りです。
・みずほフィナンシャルグループ:32名
・全日本空輸株式会社:24名
・株式会社三菱UFJ銀行:23名
・株式会社日立製作所:22名
・日本航空株式会社:20名
このように、就職先の人数で見ると、金融業界や航空業界が多いことがわかります。しかし、これらの企業は全てグローバルな企業であり、英語を中心とした語学力を活かすことができる企業だといえます。
ちなみに、上智大学の卒業者の中には、大学院などに進学している人も多く、上智大学大学院への進学が約70%と最も多い進学先となっています。この他には、海外の大学や大学院へ留学している人も約7%います。
上智大学が製造業界に強い理由
かねてから、日本の高い技術が世界に注目さており、さまざまな業界でグローバル化が加速しています。そのため、エネルギー産業や医療機器産業分野など、製造業における進化に益々の期待が高まっています。
しかし、就職活動においては、インターンに参加することが一般的となっている中で、内定を獲得するよりもインターンの選考の方が厳しくなっているのが現状です。
そこで上智大学では、英語を中心とした語学力の養成だけでなく、OBからの情報提供に加え、インターンの機会をより多くの学生に与えることを積極的に取り組んでいます。
従って、学生はインターンによって「ものづくり」を実際に体験することで、日本のものづくりの技術を世界に広めたいと感じることができる環境が整備されていることが考えられます。
キャリアセンターのサポート
上智大学の学生の就職率は高く、大学と大学院を合わせた就職率は72%となっています。このように高い就職率の実現には、学内のキャリアセンターのサポートが大きく影響しています。
上智大学のキャリアセンターでは、入学時に「新入生のための就職ガイダンス」を実施し、早いうちから就職に向けた意識を高めることを心がけています。また、就職活動の開始時期は、企業によって異なるため、就職活動をいつ開始しても対応できるようなプログラムを計画的に行っています。
さらに、企業の採用活動が本格的に始まる前には、「学内企業説明会」を開催し、およそ430社の企業が参加しています。この他には、個別相談や模擬面接などを実施し、就職活動を通じて大きく成長する学生のために、就職後のキャリア形成を考慮したサポートを積極的に行っています。
外国人留学生に対する就職対策
上智大学では、さまざまな国と地域からの留学生を受け入れており、日本での就職を希望する学生も増加の一途をたどっています。日本の企業では、外国人留学生を積極的に採用する企業も増加していますが、日本人の学生と同じ募集枠で先行されるケースが多いのが現状です。
そのため、外国人留学生に対しては、入学時に「日本での就職ガイダンス」や「キャリアセンターミニツアー」を実施し、できるだけ早い段階から就職に向けた準備を始めることを推奨しています。
また、外国人留学生を対象とした就職支援プログラムは、多数開催する他、留学生を対象とした合同企業説明会を学内で実施するなど、外国人留学生に対するサポート体制を強化しています。
上智大学が実施しているOB訪問に向けた取り組み
上智大学では、インターンに向けた取り組みだけでなく、より多くの学生がOB訪問の機会を得ることができるように、OB情報の収集や提供を積極的に行っています。
OB訪問は、WEBなどの情報網だけでは入手できない情報を知るための貴重な機会であるため、学内のキャリアセンターに設置されている専用端末からOB情報が検索できるようになっています。
就職活動報告書
上智大学では、学内のキャリアセンターに設置されている専用端末を使って、OBの就職活動報告書を閲覧することができます。この就職活動報告書は、OBの就職活動の体験記だけでなく、エントリーシートや面接での留意点など、就活活動を進める上でのアドバイスなどが具体的に掲載されています。
また、就職内定者は、進路決定届の提出時に、OB訪問の可否について回答することになっています。この情報があることによって、今後、学生がOB訪問しやすい環境が整備されているといえるでしょう。
個人面談を実施
OB訪問は、就職活動を進める上で、企業に対する理解を深めるだけでなく、志望動機を明確化するという目的もあります。そのため、上智大学では、就職活動をしている学生を対象として、キャリアセンターにて個人面談を実施しています。
個人面談では、OB訪問についての相談にも応じてくれるだけでなく、就職に関するさまざまな質問や相談に応じてくれます。なお、面談時間は、原則として一回30分となっており、予約制となっています。また、30分という限られた時間を上手に利用するには、面談内容を予め明確にしておくとよいでしょう。
上智大学のOB訪問に対する考え方
OB訪問に対する考え方は、大学によってさまざまです。企業の採用において、OB訪問が直接的な影響を及ぼすことは考えにくいですが、自分の考えを明確にすることや企業とのマッチングへの影響は大きいといえるでしょう。ここでは、上智大学のOB訪問に対する考え方や注意点などを順に解説していきます。
OB訪問の目的
上智大学では、OB訪問に対して、WEBなどの情報網だけでは入手できない情報を知るための貴重な機会であることに加え、自分が実際に働く姿をイメージできる貴重な機会であると考えています。
そのため、就職した卒業生にOB訪問の可否を確認したり、就職活動報告書の提供によって、OBの就職活動の体験記だけでなく、エントリーシートや面接での留意点などの情報を積極的に提供しています。
また、この就職活動報告書は、手軽に情報収集できるように、キャリアセンター内の専用端末で閲覧することができるので、有意義な就活活動を送るためにも、ぜひ、活用するようにしましょう。
OB訪問をするときの注意点
上智大学では、全学年を対象とした、就職活動に関するプログラムを定期的に実施しています。このプログラムでは、インターンガイダンスやOB訪問セミナーも盛り込まれており、早い段階から就職活動を意識することができます。
OB訪問においては、キャリアセンターでサポートを行っており、キャリアセンターが発行するリーフレットでも詳しく説明しています。また、OB訪問を希望する場合は、個人面談を利用するなど、早めの対策がポイントとなります。
また、OB訪問に行く際は、計画を立ててアポイントを取り、企業の繁忙期などと重ならないように留意するようにしましょう。
上智大学とその他の大学の違い
上智大学では、OB訪問を重視する他大学とは異なり、OB訪問よりもインターンに力を入れているという特徴があります。その理由としては、経団連の指針によって、インターンの日数制限が無くなり、企業の採用活動との区別がつかなくなるという懸念があることが挙げられます。
そのため、例え短期間であっても、インターンへの参加がスムーズな就職に繋がる面もあるということから、できるだけインターンに参加して、学生が就業観を得る機会が増えるようにサポートしています。
また、上智大学は、他大学と比較すると、外国人留学生の数が圧倒的に多いという特徴があります。そのため、外国人留学生に対しては、外国人留学生の採用を行っている企業へのインターンを推奨しています。
OB訪問前へ行く前に準備すべきこと
OB訪問は、これまでの企業研究では得られなかった情報を入手するための機会であることに加え、自分が実際に働く姿をイメージできる機会です。 また、OB訪問の選考が厳しくなりつつある中で、貴重な機会を有意義なものにするためには、OB訪問に行くにあたって、企業研究をの幅を広げるなど、事前に準備しておくようにしましょう。
国家公務員の専門職員として活躍するOBも
上智大学の卒業生は、さまざまな業種に就職し、幅広い分野で活躍しています。主に、製造業界や金融業界への就職率が高く、2017年度においては、半数以上がこれらの業界に就職しています。
また、企業の総合職や一般職の志願者が減少すると共に、公務員への志願者も減少しつつあります。しかし、外務省専門職員や防衛省専門職員として合格する学生もおり、上智大学ならではの語学力を活かした幅広い活躍が期待されています。
さらに、地方公務員においては、企業の就職活動と並行して採用試験を受けることができるため、公務員となったOBの就職活動を参考にするなど、民間企業への就職だけに囚われない就職活動も検討してみてはいかがでしょうか。
語学力がどの程度活かせるか
上智大学の学生は、英語を中心とした語学力を活かすことができる企業への就職が多いことが特徴です。しかし、外資系企業に就職したからといって、配属先によっては語学力が活かせないケースもあります。
また、日本の企業においても、社内公用語を英語にしている企業が増加しており、今後も増加が見込まれています。そのため、OB訪問に行く企業が、社内公用語を英語にしているのか、将来的に検討されているのかということを事前にリサーチしておくとよいでしょう。
職種の特徴を押さえておく
OB訪問時には、実際に企業で働くOBに質問することができます。しかし、採用している職種は総合職と一般職だけではなく、企業によってさまざまです。また、総合職の中でもコースが分かれている場合が多く、必要とされる専門性によってさまざまです。
そのため、企業が採用している職種について、OB訪問に行く前にリサーチしておけば、社内を見学する際にも業務に対して理解が深まりやすいといえるでしょう。また、インターンやエントリーシートの提出までに、希望する職種を明確にできるといえます。
上智大学の学生がOBに聞いている質問内容
ここでは、上智大学の学生が実際にOBに聞いている質問内容をみていきます。今後、OB訪問に行く予定がある場合は、ぜひ参考にしてみましょう。
志望動機はどのようなものでしたか。
就職活動において、企業への志望動機は人によってさまざまです。しかし、志望動機が曖昧なままでは、エントリーシートの記入だけでなく、面接の際にも困ります。また、OB訪問に行く時点では、自分がその企業に向いているのか、その企業に就職して何がしたいのかということが明確でない場合もあります。
従って、志望動機を明確にすることによって、その企業へ就職したいという意思を自分で確認し、就職活動をする上でのモチベーションを保つことができ、不安の多い就職活動も乗り切ることができるのではないでしょうか。
そのため、自分の志望動機とOBの志望動機の違いを比較し、どのような志望動機でその企業への就職を目指す人が多いのかということを参考にすると良いでしょう。その結果、説得力のある志望動機に繋がりやすくなると言えるでしょう。
大学時代の研究内容について教えてください。
就職活動において、企業の研究内容は人によってさまざまです。また、研究内容には正解がなく、自分に合った研究方法で進めていくとよいでしょう。しかし、自分が行っている研究内容について疑問を持ち、他の人の研究内容を参考にしたいと考える人も多いのではないでしょうか。
OB訪問は、自分が目指す企業で実際に働いている人に質問ができるため、大学時代の研究内容について質問してみるとよいでしょう。また、その研究内容が業務に活かせているかということを質問することによって、今後の研究方法の参考になるでしょう。
さらに、OBへの研究内容に関する質問は、インターンを見据えた企業研究へと繋がり、満足度の高いインターンを迎えることができるのではないでしょうか。
休日の過ごし方について教えてください。
最近は、政府が推進している働き方改革によって、残業時間や適切な休日の確保が見直されています。また、社会人として働いていると、学生の頃にはなかったさまざまなストレスを感じることが予想されます。
そのため、OBに就職して以来の休日の過ごし方を質問し、ストレスの解消方法や気持ちの切り替え方などを参考にするとよいでしょう。大学を卒業後は、社会人として働く期間は長く、仕事とプライベートのバランスを上手く調節することが大切です。
また、休日の過ごし方やストレス解消法について、大学時代との変化も質問し、中長期的な自分の姿をイメージしてみるとよいでしょう。
上智大学ではOBの就職活動体験記を活用しよう
上智大学では、インターンの期間が短縮された影響を受けて、OB訪問よりもインターンに力を入れている印象があります。また、大学一年次から参加できる就職プログラムも豊富で、より早い段階から就職活動を意識することができます。
また、就職活動は、体力的にも精神的にも疲労しがちです。その中でOBからのアドバイスは、就職活動に向けて精神的な支えとなることでしょう。OB訪問は、企業から採用を受けるために必須とはされていませんが、OB訪問によって得た就職観は、就職活動を進めるにあたって有意義なものになるのではないでしょうか。
場合によっては、OB訪問後にインターンに参加するケースもあります。そのため、OB訪問時には、インターンを見据えた質問をし、インターンに向けた不安を解消できるようにしておきましょう。
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