国際教養大学とは
国際教養大学は、秋田県秋田市に本部を置く日本の公立大学です。日本で初の地方独立行政法人の運営による単科大学で、1990年に開校し2003年に閉校した米ミネソタ州立大学機構秋田校の旧校舎や宿舎等の施設を利用して開学しました。
初代学長の中嶋嶺雄の方針の下、海外とのコミュニケーション能力を重視し、グローバルビジネス課程とグローバルスタディズ課程の専攻を有します。
理念として「英語をはじめとする外国語の卓越したコミュニケーション能力と豊かな教養、グローバルな専門知識を身に付けた実践力のある人材を養成し、国際社会と地域社会に貢献すること」を掲げています。
そのため、国際教養大学の卒業要件には最低1年間の海外留学が含まれ、芸術や体育など授業はすべて英語で行われます。
入試に関していえば、国際教養大学の偏差値は66、東京大学が71、京都大学の偏差値は66となっていることから非常に難易度の高い大学ということが伺えます。
学生は多様化しており、全国各地から集まっています。さらに留学生も多く受け入れており、日本語の全く話せない学生も数多くいます。全員が日本人学生と一緒に学寮や大学近くのアパートに住んでいて、日本人学生と留学生との距離が近い学風を有しています。
国際教養大学の就職・就活状況
確かな目標をみつけ、それに向けて努力する学生一人一人に対して、キャリア開発センターのスタッフがきめ細かく支援してくれます。通常の大学生の就職活動は、インターン参加やOB訪問などの準備期間も含めて、学生たちは三年夏~四年春に行うものです。ただ、国際教養大学の生徒たちはこの時期海外留学をしています。
そんなビハインドをものともせず、就職率100%を継続出来ているのは、大手企業の採用担当者がわざわざ秋田の同大学まで出向きリクルーティング活動を行っているからです。秋田にいながら日本を代表する企業について深く学ぶことができます。国際教養大学の卒業生は、それだけ価値ある人材として評価されている証拠です。
国際教養大学の学部別就職状況
学部 | 業界 | 企業 |
国際教養教育 | 製造 | 三菱重工業・川崎重工業・IHI・ソニー・旭化成 |
建設 | 鹿島建設・大林組・竹中工務店・東洋エンジニアリング | |
不動産 | 三菱地所・森ビル | |
マスコミ・出版 | 日本放送協会(NHK) | |
商社 | 三菱商事・住友商事・丸紅 | |
通信 | 日本マイクロソフト・電通 |
国際教養大学には学部が一つしかありません。公式HPをみると、卒業生の主な就職先として誰もが知っているような大手企業が名を連ねています。2007年から就職活動の一環として、学内企業説明会「仕事研究会」を開催しています。
このプログラムは、同大学のキャリア開発センターが中心となって県内外の企業に働きかけ、人事採用担当の方々をキャンパスに招き、各企業の「使命と強み」、「業界動向」、「求められる人物像」などを学生に紹介するユニークなプログラムです。
国際教養大学が製造業界に強い理由
文系の難関大ではメガバンクへの人気が高いのですが、国際教養大学では年一人しか就職者がいません。やはりグローバルな視点から、日本の強みであるメーカーへの就職者が多くなっています。
国際教養大学の生徒は4年かけて培った英語力を活かし、世界で幅広く活躍できるメーカーへの就職を希望する人が多いのです。メーカー側も過去の同大学の実績から、大学での企業説明会を行い、早期に優秀な生徒の確保に取り組んでいます。
国際教養大学が実施しているOB訪問に向けた取り組み
ここから国際教養大学がOB訪問に向けて、どのような取り組みをしているのかをみていきましょう。各大学で、生徒たちがいかに早期に希望している業界・企業の内定を獲得できるように思考を凝らした取り組みを行っています。
同窓会×キャリア開発センター共同開催の座談会を実施
国際教養大学では同窓会とキャリア開発センターが共同でOB・OG座談会を行っています。卒業生が同大学に出向き、これから就職活動を行う生徒たちとの懇談を行い、学生たちと卒業生が真剣そのもので話をしています。距離も近く、和やかに懇談する風景が伺えて、会場は熱気にあふれています。
卒業生は丁寧に社会人としての経験談や、自身が就職活動で苦労したこと、失敗したことなども包み隠さず話し、生徒たちもその話を今後に活かすために真剣に聞き入っている姿を見ると、この学校が就職率100%を誇っていることにも納得できます。
座談会だけなく、先輩たちから就職や進学についてアドバイスを受ける学生同士の相談会も活発に行われています。教職員だけでなく、先輩が後輩の面倒を積極的にみてくれるのも、少人数のアットホームな環境で学生生活を過ごす人間関係の賜物といえます。
国際教養大学のOB訪問に対する考え方
大学のOB訪問に対する考え方とはどのようなものなのでしょうか。自分自身の今後の就職活動に最大限に活かしていくために、ここでは学校の考え方や方針を理解しておきましょう。
OB訪問の目的
国際教養大学のキャリア教育の核を成すのは、仕事や職業に対する深い理解を通して、「自分はこれからどうやって生きていくのか」を考え、向き合える力を育むことです。
このため、必修科目であるキャリア・デザインのほか、キャリア・カウンセリング、インターンなど多彩なキャリア教育を提供しています。
在学中に習得した国際的な視野を伴う教養、優れたコミュニケーション能力、留学経験をもとに、世界を舞台に活躍できる企業に就職した先輩たちの貴重な話を聞き、自身のこれからの就職活動に活かし早期に内定をもらえるよう、大学もさまざまなサポートをしてくれます。
OB訪問をするときの注意点
OB訪問をする意味を考えましょう。友達ではなく客観的に捉えられる人に、「それはなぜ?」などと深堀りの質問をされることで、説明をするために自分の中で整理する必要が出てきて自己分析に役立つからです。
OBの方は忙しい時間を割いてOB訪問の時間を作ってくれています。貴重な時間を無駄にしないよう、事前準備を入念に行い、相手にも自分自身にも有意義な時間を過ごせるようにしましょう。
また、OB訪問でいわれることは人によって違うので、絶対ではないことを心に留めておきましょう。OBの方もそれぞれ自分の感覚で話をしてくれますし、人事が行う説明会とは違うので事前に話す内容を合わせたりもしていません。
そのため、信じすぎると失敗することもあるので、これは使えると思う部分はしっかり聞き、それは違うのではと思うところは流すようにしましょう。
国際教養大学とその他の大学の違い
国際教養大学とその他の大学の大きく違うところ、それはその他の大学の学生がOB訪問含め就職活動を行っている時期に国際教養大学の学生の多くは海外留学に行ってしまっている点です。
しかし、そんな不利な状況でも国際教養大学のキャリア開発センターのスタッフが忙しい学生のために、OBを学校に招いてOBによる座談会を頻繁に行ったり、学生の就職活動を丁寧に支援してくれるので安心です。
OB訪問へ行く前に準備すべきこと
次にOB訪問に行く前に準備するべきことを考えます。OB訪問を有意義な時間にするために事前の準備をしっかりしてから臨みましょう。
また、OB訪問終了後にOBの方がその企業の人事担当にその生徒の評価を提出することで選考が有利に進む場合も多くあるので、先輩に好感を持ってもらえる対応を心掛けましょう。
事前学習を入念に行う
OBの方に確保してもらった限られた貴重な時間に、できるだけ価値があり、会社について深く知ることができる質問をするのが理想です。そのために、何が価値のある情報なのかを事前に知っておく必要があります。
具体的な方法としては、まず業界の全体像を知り、その上で企業の特徴について理解を深めることをおすすめします。業界研究・企業研究・職種の視点から事前学習を深めると、みつからない情報が具体的にみえてきます。このみつからない情報こそがOB訪問で質問し、解決しておくべき点になります。
実際に社会に出て働くようになった時に、調べれば分かるようなことをすぐ上司や先輩に質問してしまい、自走出来ない人材と思われてしまわないように、OB訪問という機会に甘えず、取材する記者の気持ちで調べた上で疑問となった事項にフォーカスをあてて深堀りすることを心掛けましょう。
OB訪問の質問を事前に準備しておく
事前調査をしっかり行ったら、今度はOB訪問で聞きたい質問をまとめましょう。質問をするうえでおすすめなのは、「会社と自分がマッチするかを確認する質問」と「就活の実際の選考で役に立つ質問」が挙げられます。
質問の前にOBの方との会談の中で解決してしまう可能性もきちんと考慮して、質問は10個以上は考えておくようにしましょう。また、目的や意図のない質問はしないようにしましょう。OBに質問するということは、あくまでも手段にすぎません。質問によってその企業を深く知るという目的のために行います。しかし、質問することが目的になってしまうケースがあります。
その場しのぎでとりあえず何でも質問をして満足してしまう学生はあまりよい印象を持たれません。なぜならば、目的を持って行動ができない人材であることを伝えてしまっているようなものだからです。きちんと目的や意図が明確にある質問を誠意を持って考えることが重要です。
OB訪問前日にメールを送る
OB訪問で聞きたい質問がまとまったら、挨拶を添えて、事前に質問事項を送っておくことは好感が持てる行動といえます。OBの方に事前に聞きたいことを伝えておけば、どんなことを話そうか考えてくれる可能性が高まります。もしかしたら、その質問に詳しい人に聞いておいてくれることもあるかもしれません。
限られた時間の中で、どんなトピックについてどのくらいのボリュームで話せばよいのかをお互い共有できるため、面談する目的が明確になります。話が長引いてしまったり、脱線したりで聞きたいことを聞けない事態を防ぐことができます。
国際教養大学の学生がOBに聞いている質問内容
具体的な質問内容をみていきましょう。どのようなことを質問すればよいのでしょうか。
査定・評価の仕組みをわかる範囲で教えてください。
査定や評価の仕組みは、先輩が所属している会社がどのような評価基準を採用しているかを確認するための質問になります。
評価基準が明確になっていない会社の場合、入社してから不自然な人事や恣意的な配置転換などが行われ、自分の職務内容が不当に評価されない可能性があるためです。
入社を決める際には、今後のキャリアプランをきちんと考え、その企業でどのように活躍して昇進していくかを思い描くと思いますが、その障害にならないようにも、きちんと先輩に状況の確認をしておきましょう。
どのようなことをモチベーションに仕事をされていますか。
何をモチベーションに仕事をしているかを質問することで、先輩の仕事以外に対する考え方と、プライベートの過ごし方について質問しているといえます。
たいていの場合は、残業や取引先との飲み会などの時間を含めてかなりの長時間を会社の業務に拘束されているために、リフレッシュするために何をしているかを尋ねることは大切なことです。
先輩だけでなく、先輩の会社の同僚たちはストレス解消にどのような趣味を持っているのかを分かる範囲で教えてもらうのも大事です。周囲の人についても質問することで、先輩の会社で働く人にも興味を持っていることをアピールでき、好感を持たれる可能性が高まります。
先輩の内定までのプロセスを教えてください。
先輩の内定までのプロセスについて質問することは、先輩自身の就職活動がどのようなものであったかを知ることのできる質問です。
あなた自身が現在体験している就職活動を、先輩は何年か前に実際にやっていたので、その時にどのようなプロセスを経て今の企業に入社することになったかは、大いに参考になります。
国際教養大学は授業の出席率に厳しく、卒業するまでの単位の取得のために毎日忙しい学生生活を過ごしています。就職活動に割いた時間や課程を知ることで、安心して就職活動と卒業に向けての勉強を進めることができます。
競合他社と比べて御社の長所と短所は何だと思われますか。
競合他社と比べた時の先輩の会社の長所と短所を尋ねるのは、先輩の所属している会社が、業界内でどのような立ち位置にいるのかを確認するための質問です。
業界NO.1といった明確なアピールポイントはあるのか、それとも特にそういったポイントはないかを知ることは、会社の将来性の一端を知ることができる重要なポイントになります。
質問する際に注意するべき点は、企業の長所と短所は先輩が一番肌で体感しているため、あまり知ったかぶりや一般的な意見をいわないほうがいいです。先輩は自社のどんなところを自慢できるか、逆にここはよくないと思っているところを気持ちよく話してもらうことが、有益な情報を収集するための方法です。
全国から注目を浴びる大学
就職率100%を誇る秋田の国際教養大学の卒業生の就職先には有名企業がズラリと並び、就職難が続く今でも、全国から注目を集めています。そんな驚異の大学だけに、在校生たちの学生生活も少し普通とは違います。
1年次から「英語集中プログラム」というカリキュラムが存在し、このプログラムを終了しない限り進級できないという厳しいルールの中で生活しています。また、日本人学生も留学生も、初年度は全員寮生活を義務づけられており、常に英語に触れる環境に置かれています。
日々の課題の量も多く、1年間の海外留学も卒業するために必須となっていて非常にハードな4年間を過ごすようになりますが、このような外国人留学生との草の根交流によって、グローバルに活躍するために必須なコミュニケーション能力が鍛えられます。
内向きな学生が多いといわれている時代にあって、グローバル社会を生き抜く力を身に付けた国際教養大学の学生は就職でも高く評価されています。
学生の皆さんのキャリア選択を応援します!
ビズリーチ・キャンパスでは、早期から将来を意識し、キャリア選択に前向きな学生の皆さんを応援します!
対策や企業研究よりも前にやるべきことがある…それは「どんな生き方をしたいか?」を考えること。その方法はネットで検索することでも、内定者の先輩に聞くことでもありません。実際に働く社会人の先輩たちに聞くことです。