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企業研究

「日本郵船」にOB訪問をしよう|効果的な企業研究の方法とは

海運業界のトップを走る日本郵船。就活生からの人気も高く、就職の難易度はかなり高いことが現実です。もし海運業界、または日本郵船への就職を考えているのならば、OB訪問に行ってみてはいかがでしょうか。その際に押さえたいポイントをみていきましょう。

日本郵船とは?

日本郵船は、総合物流企業として陸・海・空にまたがる物流網を提供し、また企業の課題解決のための大規模な投資を行う船会社です。日本初の株式会社であり、伝統ある企業の一つとして就活生にも人気があります。日本郵船に入社することを考えている人は、一度日本郵船のOB訪問に行ってみてはいかがでしょうか。
今回は、日本郵船のOBの社員の方を訪問する前に行うべき企業研究に必要な情報、さらにOB訪問での質問内容や準備まで紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

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企業概要

日本郵船はどのような事業を行っているのでしょうか。詳しくみていきましょう。

事業内容

日本郵船は国際的な海上輸送事業として、総合物流事業やバルク・エネルギー輸送事業を展開しています。

一般貨物輸送事業
定期船事業:私たちの生活に欠かすことができない食料品や日用品、電化製品などの生活必需品をコンテナ船で輸送する「コンテナ船部門」、日本・アジア・北米・欧州・豪州の各地域に拠点を展開してコンテナ船・自動車用専用船・客船などのターミナル荷役サービスをお客さんに提供する「ターミナル関連部門」に分かれています。

航空輸送事業:日本郵船の連結子会社である「日本貨物航空(株)」が北米・欧州・アジアとの国際航空貨物輸送事業を行っているのがこの航空輸送事業です。安全運航が徹底されており、コスト・品質の面でも世界トップクラスの貨物専業航空会社に成長することを目指します。

物流事業:世界38カ国に447カ所の物流事業拠点を展開し、複雑化するサプライチェーンマネジメントに海・陸・空の複合ソリューションで対応しています。北米・中国・アジア各地の物流センターにてお客さんの貨物や商品に対して収拾・保管・検品・仕分け、ラベリングや再包装などの物流加工、指定先への配送、管理、ITによる情報管理サービスを提供しています。


不定期専用船事業
不定期専用船事業は、世界最大である約120隻の船隊と輸送技術で高付加価値のサービスを提供する自動車船部門、原油・石油製品・ケミカルLPGを世界の大手石油・石油化学・エネルギー会社をお客様として提供するリキッド部門、世界の経済活動に不可欠となる鉄鉱石、木材、穀物などの天然資源を輸送するドライバルク部門に分かれています。安全・高品質の輸送サービス、グローバルな営業ネットワークでお客様のニーズに応えているのです。

自動車船部門:近年は自動車メーカーの海外生産シフトに伴って三国間輸送の対応を進めており、さまざまな地域に対しての沿岸輸送網の構築、各地の完成車専用ターミナルの構築、他社に先駆けたインフラ整備などに取り組んでいます。

ドライバルク部門:鉄鉱石、石炭、木材チップなどのバルク貨物と呼ばれるものを長年安全に輸送することに取り組んできた日本郵船。日本だけでなく、中国・アジアや欧州の鉄鋼会社、電力会社、製紙会社と長期にわたる輸送契約を結ぶなどの営業ネットワークの拡大を目指しています。

リキッド部門(原油・石油製品・ケミカル・LPG):リキッド部門のうちでも原油・石油製品・ケミカル・LPGを扱う部門では、原油を輸送するVLCC、石油製品を輸送するプロダクトタンカー、LPG /アンモニアを輸送するLPGタンカーなどを輸送しています。VLCCとはVery Large Crude Oil Carrierと呼ばれるもので、かなり安定性の高い収益構造を誇っています。このVLCCの運行は日本をはじめとする世界中の大手石油会社などの特定のお客さんを相手に長期輸送契約を結ぶことで運営されており、将来の需要を見込んだ船隊整備を図っています。

リキッド部門(LNG):LNGは、近年クリーンエネルギーとして世界的な規模で需要が増えています。特に北米のシェールガスの開発が加速されていることや、非在来型ガスの開発、ポートフォリオLNGの増加によって今後もLNGの需要は見込まれています。このLNG輸送の特徴としては、お客さんとの契約が15~20年と長期的である点です。そのため、常に景気変動に影響を受けやすい海運業ですがLNG輸送は市況から影響を受けにくく安定した収益を得ることができる事業として位置づけられています。

リキッド部門(海洋事業):こちらの部門は2008年に設立され、ちょうど設立後10年ほどを迎えています。現在、天然ガスや原油の採掘はほとんどが陸上か浅い海底で行われています。しかし、その生産量にかつての勢いはなく、可採地域も限られてきていることが現状です。今後、海底油田が拡大領域として期待されているため、将来の成長に向けた布石を打つための海洋事業への参入を果たしています。


客船事業
日本郵船グループの「郵船クルーズ(株)」が日本市場を対象にクルーズ客船の「飛鳥ブランド」を展開しているのがこの事業です。 1991年に就航した「飛鳥」から2006年に「飛鳥II」に引き継がれており、クルーズ専門誌で長期にわたり総合1位を獲得するなど、多くの人々に愛されています。クルーズ文化の浸透・拡大を目指しているのです。


不動産業
日本郵船グループ会社が保有する不動産を有効活用し、事務所ビルや住宅の賃貸などの事業を展開しているのがこの不動産業です。日本郵船というと、輸送事業や物流事業が浮かぶ人も多いかと思いますが、実は不動産業も行っているのです。これらは、事業効率化を目的に「郵船不動産(株)」に集約されています。

過去3年間の売上/利益推移

(単位/億) 2016年度 2017年度 2018年度
売上 22,723 19,238 21,832
営業利益 489 -180 278
当期利益 182 -2,657 201
営業利益率 1% -14% 1%

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海運業界は市況の影響を受けやすいといわれています。リーマンショック後の海運業界は原油価格の高騰と船の需要ギャップにより低迷しました。というのも船は発注から竣工まで数年かかり、その間の需要の減少には対応できないからです。
しかし、平成24年末ごろから円安が進み、海運業界の収益を押し上げる形となりました。また、シェールガス輸送の需要の高まりによりLNG船の需要が増し、平成26年まで業績は回復の兆しにありました。
しかし、平成27年になると中国をはじめとする新興国の景気が減速。海運業界の業績は再び悪化します。現在に至っては徐々に回復傾向にありますが、荷主の動向や世界経済の影響を受けやすく安定のしにくい業界ともいえます。
参考:https://www.stockclip.net/companies

次年度の戦略

日本郵船は2018年から5年にわたる経営計画として、「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」というものを挙げています。持続的な成長を遂げるための戦略として示されたこの計画は、まずはじめの段階として、「市況耐性の高い事業ポートフォリオの確立」を挙げています。
具体的には、ドライバルク事業の抜本的見直しや、コンテナ船事業統合会社(ONE)の成功です。また次の段階として、「運賃安定型事業の積み上げ」を挙げています。
自動車船、自動車物流事業の強化や、LNG・海洋事業の強化が具体的な目標です。さらに最終段階として、「効率化・新たな価値創出」です。これは技術力・情報力・ネットワーク力にさらに磨きをかけ、次世代の成長分野を切り拓くとしています。

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2018年の日本郵船に関するトピックス

日本の海運業界をリードする代表的な企業といっても過言ではない日本郵船は、その知名度からニュースに上がることも多い企業です。ここでは、2018年に取り上げられた日本郵船のトピックスについてご紹介します。

日本郵船含む3社が合弁会社を設立、自動車関連物流事業を本格展開

日本郵船、郵船ロジスティクス、中国の安吉汽車物流は、合弁会社としてで中国における自動車関連物流事業を展開することを明らかにしました。
この合弁会社は2004年に安吉物流が51%、日本郵船が49%出資して設立した合弁会社「NYKANJI」が前身で、これまで中国国内で完成車輸送サービスを提供してきました。今後は3社それぞれの技術・ノウハウを活かし、高品質な自動車関連物流のサービスを提供していくということです。

日本郵船、トルコで完成車輸送事業に参入

日本郵船は、トルコのコングロマリットであるOYAKグループ傘下の港湾運営会社と合弁会社を新設し、トルコ・イスタンブール近郊にて完成車専用ターミナルを建設し、運営すると発表しました。新設するターミナルは日本郵船が岸壁建設から携わり、2019年半ばにイスタンブール近郊で初となる大型ターミナルとして完成する予定です。

海運業界の動向

海運業界の研究としてみておくべきポイントは、市場規模の大きさと労働者の数です。海運業界は、他業界を見ても比較的大きな市場規模をもつ業界ですが、その規模に比べ労働者が少ないのです。つまり、少人数で大きな市場を動かしている業界だといえます。
業界シェアは1位・日本郵船、2位・商船三井、3位・川崎汽船となっており、これらの企業だけで市場規模の9割近くを占めています。
これからの課題としては、1つめに挙げられるのが「省エネ性能の高い機材を導入すること」です。近年、世界中で地球温暖化問題やエコが叫ばれる中、省エネ性能の高い機材を導入することが求められています。海運業界としての結果を残しつつ、環境に配慮した機材の開発・導入をしていくことが今後の課題といえるでしょう。

海運業界はこれからも安定の見通し

平成17年~19年にかけては、順調な伸びを示していた海運業界ですが、平成24年からは本格的に回復傾向にあります。これは、平成24年からの円安傾向が大きく関係しているといわれています。
将来性としては、これからも安定した業績を残すと思われます。その大きな理由として挙げられるのは、アメリカのシェールガスです。近年、アメリカではシェールガスを増産し多くの国へ輸出しています。この輸送のために、LNG船の需要がますます高まっているのです。
ただし、景気の影響を受けやすいのが海運業界。これからも世界情勢には気を付けてみていく必要性があります。

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日本郵船へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目

日本郵船へOB訪問へ行く際に準備しておきたいことについて、押さえておきましょう。

日本郵船の事業内容を理解しておく

OB訪問では、当たり前ですが時間は限られたものです。事業内容などの、HPに書いてあるような情報は予め調査をしていきましょう。その上で、自分が気になったこと・聞いてみたいことをOB社員の方にぶつけるのがOB訪問の目的です。
日本郵船の事業の中には、学生にはイメージのつきにくい事業もあるかと思います。そのようなものであれば、「どのような事業なのですか?」といった質問をしてみてもよいでしょう。

質問をノートにまとめる

OB訪問では会社の説明会と違い、完全に学生側のペースにより進んでいくことが多いです。そのため、OBの社員の方の時間を割いて頂いているにも関わらず「何も用意してこなかった…」、「質問が尽きてしまった…」となっては失礼にあたります。
あらかじめ、聞きたい内容はノートにまとめ、その質問に対する答えをまとめながら話を聞くことができるようにしましょう。日本郵船のことだけではなく、訪問する社員の方のキャリア観や展望を聞くのも自分のキャリアを考える上で参考になるでしょう。

競合他社との違いを調べておく

海運業界において、日本郵船の競合となり得る会社の事業について知っておくとなおよいでしょう。海運業界への就職を考えている方は、その競合他社と比較して日本郵船についての話を聞くことができるからです。日本郵船の強みとすること、弱みとすることを学べるよい機会になるでしょう。

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OB/OGへの質問を準備

具体的な質問例について、ピックアップしてみました。

業務について聞くことのできる質問

-出社してから帰るまでの一日の流れを教えてください。

これは、自分がもし日本郵船で働いたらどのような日々を過ごすのか、イメージをすることができる質問です。社員の方はあくまで一例ですが、自分の将来の日々をイメージする参考にしてみましょう。

-業務内容はどのようなものですか?

事業が分かったところで、具体的にどのような業務をしているのか知ることができれば、さらに深い企業研究になるでしょう。その業務内容から、自分の適性と合うものかどうか照らし合わせて考えてみるとよいでしょう。

業界内での日本郵船の立ち位置について

-企業の課題としてはどんなものが挙げられますか?

説明会等では企業の悪い部分を聞くことは少ないですが、社員の方が思う企業の課題を聞いてみることでポジティブイメージだけでなく企業のマイナスの部分も把握することができます。この課題を踏まえて、他の海運業界の企業と比較してみるのもよいですね。

-あなたがこの業界で働く理由はなんですか?

OB社員の方が、なぜ海運業界で働くことを決めたのかを聞いてみましょう。その動機を聞くことで、自分と重なる部分があったり、また逆に自分とは違うなと考えさせられる部分もあるでしょう。いずれにしろ、自分の海運業界で働くことに対する興味とOBの方の話を照らし合わせて考えてみましょう。

企業文化について

-社風はどのように感じていますか?

実際にOBの社員の方が働いていて感じる社風は、企業のパンフレットや説明会で聞くものよりもよりリアルで信ぴょう性の高いものです。現場で働く社員が、実際にどのような雰囲気だと感じているのか聞くことができるのは、OB訪問での重要なポイントの1つといえるでしょう。

-どのようなタイプの人が多いですか?

これは企業文化の大枠について捉えることができる質問です。「体育会系の人が多く~…」、「真面目で慎重な人が多く~…」といったように、どのようなタイプの人が多いかによって自分のタイプと合う企業文化なのか知ることができるでしょう。

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日本郵船のOB訪問に行ってみよう

日本郵船は海運業界では常にトップを走り、就活生にとっても人気の企業の一つです。そのため競争率も高くなりますが、OB訪問をして企業の研究を深めることが、他の学生との差をつけることに繋がります。
海運業界はBtoBの事業でもあることからイメージが湧きにくい人もいるかもしれませんが、予め日本郵船のホームページをよくみて調べておくこと、また分からない点は明確にしておくことを忘れないようにしてください。日本郵船で働きたい人、海運業界で働きたい人、業界研究がしたい人は、ぜひ日本郵船のOBの社員の方を訪問してみてください。

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