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企業研究

国際協力機構(JICA)の OB訪問|存在目的と理念を把握しよう

国際協力機構(JICA)への就職を検討している人はHPや資料を読み企業研究を行うのは大前提ですが、実際に、JICAではたらいている人へ質問ができるOB訪問も大切です。OB訪問を上手に行うため、基礎知識や質問例を知っておきましょう。

国際協力機構(JICA)とは

国際協力機構(JICA)で働きたいと考えている人も多いのではないでしょうか。国際協力機構(以降JICA)は、日本政府開発援助ODAを取り扱い、開発途上国を対象にした国際協力を行います。就活生の中には、日本だけではなく、世界中で困っている人や国のために役立ちたいと考える人もいるでしょう。その夢を叶えたいなら、JICAに興味を持つのは不思議ではありません。
ただ、JICAの職員になるには、企業研究をしっかり行う必要があります。ホームページなどを熟読するのは必須ですが、直接的に意見や話を聞けるOB訪問もしておいたほうがよいでしょう。
OB訪問をするなら、マナー違反と指摘されないためにも、JICAがどのような事業をしているのかも含め、基礎知識を理解しておく必要があります。

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企業概要

JICAは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う機関です。世界には195の国のうち、150カ国以上は、開発途上国と呼ばれています。世界には多くの問題があり、代表的なのは貧困、紛争などが考えられます。
貧困はその国を不安定にさせ、衛生状況の悪化による感染症などの病気につながり、環境汚染も引き起こします。さらに、教育を受けられない子どもたちも増え、将来的にも貧困が続くことになるのです。結果、治安の悪化だけではなく、社会が不安定になり、紛争につながることも少なくありません。
JICAは開発途上国の政府がその国の人々を守って、行政サービスなどを受けられるように支援しつつ、人々が自立して問題を自分たちで解決できる状態になるように協力を行っています。

事業内容

OB訪問の前に、まず事業内容知りましょう。OB訪問ではさまざまな質問を行えますが、事前準備を行っていないようでは、本気度も疑われてしまいます。最低限の知識を把握しておくのは当然のことです。

技術協力
開発途上国は、農業開発、保険医療、給水など、社会インフラの整備が不十分です。このような問題に対し、施設や設備の整備を提供するだけではなく、開発途上国が自ら問題を改善できるような技術能力の向上が必要となります。
その点においてJICAでは、専門家の派遣、日本内外での研修、必要な機材の供与などを通じて協力を行います。ほかにも、開発途上国の政策立案、公共事業計画の策定もサポートをし、調査や分析の方法まで、技術提供を通して協力するのです。

有償資金協力
開発途上国も発展を望んでいるのですが、経済的な問題があれば困難です。経済的な問題があれば、有償資金協力を行います。条件についてもきびしいものではなく、低金利、返済期間も余裕ができる長期的なものです。資金面でも、途上国の発展をサポートしています。

無償資金協力
有償だけではなく、無償資金協力も行っています。資金の贈与を通して、経済社会を開発するための施設整備、資機材の調達を支援して協力するのです。条件は無償資金ですから、返済義務がない協力であることが特徴。開発途上国でも、とくに所得水準が低い国に対して資金協力を行っています。
具体的には、病院の建設や給水施設、学校、農村や農業に関すること、道路や橋建設のためのインフラ関連など、さまざまな分野に渡っています。

海外協力隊派遣
JICAでは、ボランティア派遣事業にも力を入れています。志を持った人たちを、開発途上国に派遣することで、課題の解決に貢献をする事業です。実際に、現地の人たちと生活も行い、文化、習慣も理解しながらその国の発展をサポートします。
ボランティアの選定方法は、開発途上国からのニーズに合わせた技術と知識や経験を持った人が対象です。選考や訓練を行ったあと、ニーズに基づいて派遣されることになります。

国際緊急援助
大規模な災害は世界各国で発生しています。開発途上国の場合、大きな自然災害が起きると、経済的、社会的な基盤が十分ではないため先進国と同レベルの救援活動を行うことはできません。そんなとき、日本は国際緊急援助により支援を行っているのです。
支援の方法として、人的援助や物資、資金援助などさまざまな形があり、JICAには国際緊急援助隊事務局があり、計画や調査、人の派遣、訓練の実施や、機材の調達から輸送などを行っています。

民間連携
日本の民間企業はさまざまな分野において、質の高い製品や技術を持っていることに注目した上で、開発途上国の問題解決のために民間連携も行っています。
JICAはODAを通じて開発途上国政府と親密なネットワークを構築しており、それを活用し、民間企業の海外展開のサポートを行うのです。実際、国内外、多数の拠点もあることが魅力です。

科学技術協力
JICAでは、地球規模の課題に対応するため、多種多様な研究機関と連携を行って科学技術協力事業を行っています。地球規模の課題として、例えば、資源、エネルギー、環境、防災、感染症などがあげられます。
多種多様な研究機関として、大学などの国内研究機関などがあげられます。国際的な科学技術協力の強化が期待できると共に、課題解決のための技術や、知識の獲得、さらに、開発途上国の自律的な研究開発能力をアップさせる取り組みや、課題解決のために持続的に活動ができるような体制の構築などを行っています。また、日本の人材育成と共に、開発途上国とのネットワークの形成にも役立つ取り組みといえます。

開発パートナーシップ
グローバル化した世界全体をみたとき、開発に関わる課題はより複雑なものになっています。解決のためには、開発資金や人材や技術が必要です。このような点を背景にして、JICAは、国際開発期間、米国の開発協力実施機関などと連携し、パートナーシップを構築してきました。
また、援助を受ける国に対して援助する側をドナーと呼びます。このドナーにも得意な分野や技術があるので、それぞれ補完できる関係を築き、困難な課題に対しては協調しています。このような点においても、JICAの開発パートナーシップ事業は重要な取り組みといえるでしょう。

市民参加
JICAは国際協力を日本の文化にするという理念を持っており、市民参加協力事業を、積極的に取り込むことを検討しています。日本は単独ではなく、海外との相互依存の関係により成り立っているのだと考え、助け合いという価値観を、途上国にも広げていく取り組みを行っているのです。そして、国際協力をし合うことが当たり前となるような社会を目指しています。
そのため、JICA単独ではなく、NGOや自治体、大学や民間企業と協働し、市民の国財協力活動が開発途上国にまで届く経過をサポートしています。

調査研究
ODAのような日本の開発協力には、60年以上の歴史があります。日本は開発協力を通じて、国際社会に大きな貢献をしています。また、日本の開発協力は国際的にどのような意味を持つのか、特徴や変遷を研究し、どのような評価を得ているのかなどの研究を行っています。その研究結果を書籍にまとめて提供しています。

次年度の戦略

2015年2月に、開発協力大綱が閣議決定されました。基本的に開発協力大綱に基づいて事業を展開していく方針です。具体的には質の高い成長と共に、貧困を撲滅して格差を是正するための支援を行います。 また、弱い立場にある人々として、子供や女性や障害者や高齢者、難民、国内避難民、少数民族などがあげられるでしょう。このような弱い立場の人々に対し、食料や安全保障などについて支援を行っています。
また、平和の構築や人道支援への対応強化や、地球規模の課題、持続可能な開発目標などについて、議論の深化に貢献して事業内容に反映させることも掲げられています。
ほかにも、戦略的なパートナーシップを拡大、進化させることや、開発途上国での女性活躍や社会進出への支援について取り組むことが盛り込まれました。

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2018年の国際協力機構(JICA)に関するトピックス

JICAのOB訪問をする上で、2018年、どのような取り組みをしたのかは知っておく必要があります。それはOBとの話を広げるよいきっかけになるかもしれないからです。もちろん、企業研究を行う上でも、必要な情報でしょう。JICAの取り組みについて、みていきましょう。

インドの点滴かんがい導入による園芸強化事業

10月8日「ジャルカンド州点滴かんがい導入による園芸強化事業」の開始式典が開かれました。JICAはこの事業において、インド政府との間で約46億円を限度にする円借款契約を結んでいます。
この事業は、点滴かんがい施設の設置、園芸作物の生産性を向上するための技術支援などを行う取り組みです。ジャルカンド州では、7割以上の人々が農業に従事していますが、72%が零細農家という状況です。JICAがこの事業に取り組むことで、農家の生活が向上すると共に、女性の社会参加の促進が期待されます。

アフリカの研修生が日本の技術力に感銘

10月15日、JICAの研修生が山口県宇部市の宇部工業機械を訪問し、産業機械や鉄溝向上の見学を行いました。橋梁の組立作業なども見学し、日本ではどのようにものづくりが行われているのかを体感してもらおうという取り組みです。
研修生はアフリカの7カ国となり、都市道路を担当する技術系の行政官。日本の交通安全対策から環境、道路施設全般をふくめたメンテナンスについて勉強しました。ナイジェリアの研修生は、感想として、技術レベルの高さや、はたらく人の熱意について感銘を受けたと語っています。

地震に見舞われたインドネシアの復興計画に協力

9月末にインドネシアスラウェシ島で、大地震と津波が生じ、多くの命が失われました。JICAはこの未曾有の天災被害を受け、インドネシア政府に復興計画の協力を策定することで、正式な合意に達しています。
改めて国家開発企画庁の長官と、JICAの理事長が協議を行いましたが、インドネシア側から支援の要請があったようです。17日には日本、インドネシア両国の専門家が被災地の調査をはじめ、1カ月で復興計画を作る予定です。

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国際協力業界の動向

JICAは独立行政法人であり、通常の企業のように、商品やサービスを販売し、利益を得るという形ではありません。世界に貢献することが目的となっていることは忘れないようにしましょう。JICAを取り巻く環境はどのようなものだったのかを知っておいても損はありません。

国際協力業界の業績推移

JICAは日本のODAの実施機関となるため、政府や政府機関の予算がどれだけついたかが重要になります。平成17年では約131億ドル、18年は約135億ドル、19年では約76億ドルという流れです。20年に約96億と少し上がりましたが、21年にはまた減少。平成22年に110億ドルと支出され、その流れは平成25年まで続きましたが、26年に再び減少し、28年でまた100億ドルに戻りました。

業績については高い評価となっています

平成19年度では、JICAは改革プランを遂行中であり、中期目標や中期計画で目標設定以上に自己改革に取り組みました。その取組について、外務省独立行政法人評価委員会での総合評価では、改革方針による実績が上がっているという高い評価を得ています。
平成29年では、中期計画に基づいた目標を達成していますが、財務内容の改善に関すること、内部統制の強化については目標を下回っていると、外部有識者を含む機構内部での検討会や理事会などで評価されています。

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国際協力機構(JICA)へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目

JICAのOB訪問へ行く前には準備が重要です。準備をせずにOB訪問へ臨めば、失敗をするリスクが高まります。そうなると、OBからマイナス印象を持たれてしまうかもしれません。では、どのようなことを準備すればよいのでしょうか。

ホームページのよくある質問をチェックする

JICAのホームページには、採用に関して学生などからよくある質問が紹介されています。OB訪問では、簡単に調べてわかるようなことは、頭に入れておいたほうがよいでしょう。OB訪問での質問で、ホームページで少し調べればわかるようなものは省いたほうがよいです。
よくある質問の中には、学生時代、国際協力のボランティアをしていたほうが有利かどうかという内容があります。JICAの答えは、留学経験も含めて「問わない」としています。このように、ホームページには多くの情報が掲載されています。OB訪問前には、事前に目を通しておくようにしましょう。

一般企業との違いを理解する

JICAは独立行政法人国際協力機構であり、一般の企業とは大きく異なります。JICAが設立されている目的は何か調べた上で、どのような存在なのかなどをよく整理しておきましょう。開発途上国とはどのような国か、なぜ、日本が協力しなければならないのかも含めて理解して、自分なりの答えをみつけておきましょう。

環境への取り組みや拠点数や人材研修について知る

事業内容以外の部分にも、しっかりと目を通しておきましょう。JICAは国際協力とあるように、海外で仕事を行う可能性もあります。仕事をする場が日本以外である場合、これまでの常識が通じないこともあるかもしれません。また、治安の悪い国で業務をしなければならないことも多いでしょう。そのため、安全対策への取り組みもホームページには掲載されています。
ほかにも、環境への取り組みや、組織概要、拠点、人材研修などにも目を通しておくことが重要です。業務以外の点から、JICAとはどういう組織であるのかもみえてきますので、自分の中で整理しておくことが大切です。

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OB/OGへの質問を準備

JICAへOB訪問へ行く際には、どのような質問をすればよいのでしょうか。内容によってはマナー違反だと思われてしまう可能性もあるので、慎重に質問しなければなりません。

マッチング度をはかれる質問 

JICAと自分がマッチングしているかどうかを見極めることは大切です。志を高く持って入社をしたのに、深く知ると、自分がイメージしていた仕事と違っていたでは、お互いにとってよくありません。

-開発途上国の発展のために仕事をしたいと考えています。日本とはまったく異なる発展途上国で仕事をする中で、どのような点に一番やりがいを感じられるでしょうか。

開発途上国の発展のために仕事をするといった業務内容は、ほかではなかなかみられません。そのような特殊な業務のなかで、どのようなことにやりがいを感じるのか質問してみましょう。
たとえば、最初は心を開いてくれなかった人たちが、だんだんと協力的になったという話がよくあります。そのようなところに感動して、やりがいを感じている人もいるかもしれません。OBはなににやりがいを感じているのか聞いてみることで、仕事内容をイメージすることができます。

-JICAで仕事をする上で、海外へ行くことが多くなると思います。その中で一番気をつけたいことや、覚悟をしなければならないことはありますか。

JICAにも、さまざまな部署があり、海外出張なども多いでしょう。その中で、どのようなことに気をつけなければならないのか、現役のJICA職員に話を聞くことで、仕事への姿勢や取り組み方、具体的な内容などがみえてきます。

企業研究に役立つ質問

企業研究に役立つ質問もよいでしょう。OB訪問は企業研究を深めるために行います。JICAのことがより深く理解できるような質問をしてみましょう。

-JICAには専門性を高める人材育成制度が充実していると感じています。その中でも、仕事で一番役に立った研修、これだけは受けたほうがよい研修などがあれば教えてください。

JICAの職員として海外で仕事をするなら、専門性を高めるのは必要不可欠です。JICAでは、海外研修や海外OJT、学位取得支援などさまざまな研修や留学制度を設けています。
コアスキル研修という専門能力を強化するものや、階層別の研修も用意されています。実際に研修を受けたOBに、研修の必要性や内容などを聞いてみましょう。

-女性職員の約三割が出産しても仕事を続けていると聞きました。また、子供を伴う海外赴任などを経験している女性も多いと聞きます。職場内でもそのような状況を助け合う風土があるようですが、実体験として、仕事と家庭、育児の両立に関して意見をお聞かせください。

家庭と仕事の両立を目指している女性は、海外出張などもたくさんあるJICAでの就職は難しいのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。JICAは出産や育児に対するものだけではなく、介護や短時間勤務、時差勤務など、さまざまな働き方を提案しています。
仕事と家庭の両立をサポートする制度についてOBはどのように感じているのか質問してみましょう。

選考に役立つ質問

JICAに就職し、世界中で開発途上国や援助する土地に住む人々を助けたいと願っている人は多くいるでしょう。ただし、選考を突破しなければ意味はありません。選考に役立つ質問をして、採用に一歩近づきましょう。

-JICAで仕事をする上で、責務や挑戦、情熱が重要と聞きました。実際にそのような能力が発揮できている人の、具体的なエピソードなどがあれば教えてください。

JICAの職員になるということは、日本を代表しているということを自覚しなければなりません。また、問題を解決するためには、挑戦をしなければならないことも出てくるでしょう。JICAで仕事をする一番のモチベーションになるのが、情熱ではないでしょうか。具体的なエピソードを聞くことで、自分の働く姿をイメージできたり、何が必要なのかを知ることができるでしょう。

-JICAで活躍している人に共通するものがあれば教えてください。

求められる人材になるためには、実際に活躍している人にどのような共通点があるのか知っておいたほうがよいでしょう。求められる人材には、どのようなことが必要なのかがみえてきます。
もしかすると、想像もしていなかった答えが出てくるかもしれません。その点を知ることは、選考突破だけではなく企業研究を深めるための材料にもなるでしょう。

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情熱と責任感と挑戦に怖がらない気持ちをもつことが大事

JICAでは、日本を代表する立場として、開発途上国の発展に関わる仕事などに従事します。そのため、OB訪問前には、JICAについて理解を深めておくことは大切です。
また、単純に海外で仕事をしたいという動機以外にも、情熱なども重要となるでしょう。もちろん困難なことでも挑戦する勇気も必要です。OBからJICAに関する生きた情報を教えてもらい、選考面接などに役立ててください。