街を創る野村不動産について
野村不動産は総合不動産会社として大きな存在感があります。分譲住宅事業をはじめ、賃貸住宅、オフィスや、商業施設や物流施設など、不動産に関する事業を幅広く展開しています。そのため、毎年多くの就活生が志望企業にしているのです。
ただ、ライバルが多ければそれだけ選考を突破するのはむずかしくなります。勝ち抜くには、情報をたくさん集めることが大事でしょう。情報は、自分と野村不動産との相性を見極めるためにも大切な材料です。
その情報収集の一環として、OB訪問を充実されることは大切です。OB訪問でよりよい情報を集めるには、何に注意し何をポイントにすればよいのか把握しておきましょう。
企業概要
野村不動産は、1957年(昭和32)に野村證券から分離独立しました。当初は、ビルの賃貸や管理をメインとした不動産事業を行っています。1959年に仲介業務をスタートさせ、1961年に、鎌倉・梶原山の開発を契機にデベロッパー業務をはじめました。
2018年現在はマンション分譲事業をはじめ、戸建の分譲、法人仲介、投資・開発、ビルディング、建設設計、資産運用など、幅広い事業を行っています。
事業内容
OB訪問へ行くなら、事業内容の詳細を理解しておきましょう。野村不動産に興味を持っているのに、何も知識がなければOBにも失礼です。OB訪問は、企業研究を深めるために行います。ただ、OBもボランティアではありません。
忙しい時間を取ってくれていることは覚えておきましょう。それでもOB訪問を受けるのは、野村不動産にふさわしい、興味深い、面白い人材の助けをしたいと考えているからです。そのことを考えると事業内容などの基本情報はしっかり押さえておきましょう。それはOBに対する最低限のマナーなのです。
住まい
野村不動産は、分譲住宅、シニア向け住宅、賃貸住宅事業など住まいに関する事業全般を取り扱っています。「プラウド」は一般的にも知られるマンションブランドです。2002年に第1号が発表され、首都圏や関西圏を中心に展開しています。製・販・管の一貫体制が大きな強みです。
野村不動産が手がけた住宅事業におけるノウハウを背景にした賃貸住宅の提供も行っています。商品企画や運営管理はグループ一貫体制で行われるのが特徴です。ブラウドフラットや、都市型賃貸マンションなどが商品としてあります。
シニア向けの住宅も重要な事業です。シニアレジデンス「OUKAS」や介護有料老人ホームなどは、代表的な商品でしょう。
オフィス
オフィス事業として、中規模ハイグレード型オフィスの「PMO」や新宿野村ビルがあります。日本橋室町野村ビルや、横浜ビジネスパーク、野村コンファレンスプラザがあげられるでしょう。また、野村不動産グループの賃貸オフィスに関することを検索して調べられるオフィスビル情報を提供しています。
商業施設・ホテル
大型商業施設をはじめ、都市型商業施設の開発を行っています。「GEMS」「bono相模大野 ショッピングセンター」「ミラザ新宿」「日本橋室町野村ビルYUIT」などがあげられるでしょう。大規模商業施設は街の活性化に貢献しています。また、人々のライフワークにも影響を与えるものです。
また、2017年10月17日には野村不動産ホテルズ株式会社が設立されました。外国人の増加が背景にあり、成長マーケットとして位置づけられたのです。ホテル事業に新しく参入するため、野村不動産ホールディングス株式会社が決定しました。2018年秋頃の開業が予定されています。
物流施設
物流施設も多く手がけています。「Landport」という名称で首都圏や関西圏を中心に、物流事業を行っています。コンサルティング、開発、管理、運営まで対応しています。例えば、事前の情報収集や調査などを行い、賃貸サポートを行っているのが特徴です。
建物自体にも免震装置を設置し、メザニンラック増設もできるなど高い利便性を持った倉庫です。また、カフェテリアやワーカーを対象にしたイベントを開催します。
企業向け不動産サービス
企業向けの不動産サービスなども積極的に行っています。不動産売買をはじめ、不動産戦略のサポートなどを行うだけではなく、テナントビル、オフィスビル賃貸についても対応しています。
投資用不動産や事業用不動産に関しても、相続や試乗承継の問題が生じます。債権回収なども頭を悩ませる問題です。企業不動産サービスではそのような問題に対するサポートを行います。さらに、投資ファンド、海外投資家を対象にした日本国内の不動産投資サポートも業務の1つです。
事業再生サポートや新規出店、業務拡大についてもサポートしています。不動産全般のコンサルティングサービスといってよいでしょう。
その他の住宅や住まいに関する事業
その他の住宅事業としてマンションの建て替え、市街地再開発、土地活用などを取り扱っています。他にも、マンション管理、住宅情報の提供、賃貸マンションの紹介するサイト「ノムコム」を運営しています。
リフォームやインテリアサービス、水回りや電気設備など、住まい関連のトラブルに対する駆けつけサービスも行っています。中古住宅や自宅へのリノベーション、さらに、リノベーションをしたマンションも販売する事業です。
過去5年間の売上/利益推移
単位/億 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 5,695 | 5,696 | 6,237 |
営業利益 | 809 | 772 | 766 |
当期利益 | 471 | 470 | 460 |
営業利益率 | 8% | 8% | 7% |
2012年東日本大震災の影響で住宅分譲市場では供給が抑えられました。ただ、事業環境自体は堅調に推移しています。2013年は、住宅分譲市場での低金利が好要因となり契約率は高水準。2014年は住宅ローン控除の拡充や低金利が良い影響となって契約率が高めでした。
2015年は住宅取得支援策が継続。低金利で堅調な流れです。2016年は、低金利で都心部の物件に関し需要が堅調でした。2017年は、住宅取得需要が中古住宅市場に向かった傾向です。
物流施設やホテルを中心に物件取得が増えました。そのため、資産規模に関し堅調な状態という流れだったのです。(端数は四捨五入をしています。野村不動産ホールディングスのデータです)
次年度の戦略
野村不動産グループとして「中長期経営計画(2016.4-2025.3)~ Creating Value through Change ~」を策定しています。
基本方針
- デベロップメント分野での事業量・事業領域の拡大
- サービス・マネジメント分野での差別化、競争力の発揮
- グループ連携による顧客基盤の拡充
野村不動産ホールディングス中長期経営計画より引用
重点的な戦略として、事業量や事業領域を拡大することが掲げられています。例えば、事業エリアや事業手法や商品のカテゴリーを通し、賃貸事業や住宅分譲事業の成長を目指します。また、街づくりとして「都市型コンパクトタウン」への取り組みを積極的に行うなどを目指しているのです。
他にも、資産運用や仲介や運営管理でニーズに合わせたサービスを生み出し提供することも掲げられています。外部ノウハウを取り入れ、M&Aの活用などの検討。また、顧客基盤を構築し、拡充することで、グループ全体の事業機会を広げて収益を得ることも、中長期計画に盛り込まれました。
2018年野村不動産に関するトピックス
野村不動産についてのニュースもチェックしておきましょう。OB訪問で近年何が起きたか知っていることは、話のネタにもなるからです。
GEMS新横浜店がオープン
8月27日、JR横浜駅近くに野村不動産が手がける「GEMS新横浜」がオープンしました。GEMSは、飲食店に特化している商業施設です。今回、神奈川県でオープンするのは初めてとなります。
商業施設に開くのは初めてのお店ばかりです。ビジネスマンをはじめ、イベントやライブに来た人や新幹線を利用した人たちがメインターゲットになります。横浜には、中華街やみなとみらいなどのグルメスポットがあります。その中でGEMSは食に関する新たな選択肢の1つになりそうです。
宇都宮東口地区整備事業の優先交渉者に決定
宇都宮東口地区整備事業に関し優先交渉者が決定しました。優先交渉者として選ばれたのは、野村不動産を代表企業とした17社が参画する「うつのみやシンフォニー」です。このグループが、宇都宮市と基本協定書の締結を行いました。
宇都宮駅東口地区整備事業は、宇都宮市と民間業者が連携し、コンベンション施設を中核とした開発を行うものです。うつのみやシンフォニーの案では、商業施設や高度専門医療が行える拠点病院、ホテルやオフィスやライフサポート、さらに分譲マンションが、コンベンション施設と共に整備するという大規模なプロジェクトです。
女性視点で便利なサービスプロジェクト「OSEKKAI」がスタート
6月29日、野村不動産が「OSEKKAI」というプロジェクトを、長谷工コーポレーションと共に開始したことを公表しました。なぜ「OSEKKAI」という一見ネガティブに感じられる名称なのか?それは、マンションの設計やデザインに係る合同チームが女性だからです。その女性の視点から見た気遣いに対し、おせっかいという名称がつけられました。
このプロジェクトでは、女性視点の「あったらちょっぴり嬉しくて元気になれる」アイデアが盛り込まれる予定です。野村不動産では建築関連部署で女性が積極的に働いています。長谷工も女性の登用に力を入れています。企画の時から女性視点のモノづくりという提案があり、実現化しました。
不動産業界の動向
不動産業界には大手企業がひしめいています。三井、三菱、住友の旧財閥系だけではなく、他にも多くの企業がしのぎを削っています。その中で野村不動産を志望するなら、業界全体を見た上で情報を得る必要があるでしょう。そのためには、近年の不動産業界の動向をチェックしておくことも大切です。
不動産業界の業績推移
平成17年から平成27年まで、不動産業界の規模や業績についての流れはどうだったでしょうか。平成17年から20年までは、順調に増加しました。
しかし平成21年に減速し、そこから23年まで増加が見られません。増加ではなく、多少減少という流れだったのです。その雰囲気が変わったのは、平成24年からで、以降、平成27年まで増加という流れとなっています。
大型プロジェクト需要が減ったが24年辺りから回復傾向に
平成17年から20年までは不動産業界も活気に溢れていました。この背景にあるのが、都心部のオフィス事業や、郊外型アウトレットモール開発が拡大していからです。このような大型プロジェクトの需要が多くありました。
ただし、平成20年頃に起きた金融危機が不動産業界に打撃を与えています。多くの企業がダメージを受けたため、都心オフィスの需要も減りましたし、大型複合型施設を求める声も少なくなりました。
その流れを変えたのは、金融危機から多少回復の傾向が見られたこと、同時に政権交代があったからです。それが24年であり、25年では消費税アップ前の駆け込み需要によって、住宅やマンションへの需要が増加しました。
さらに、オフィスビル需要も復活しました。また、大手企業が海外進出の動きを見せ始めていることも無視できないでしょう。
野村不動産へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
野村不動産のOB訪問では、失礼がないようにマナーには注意するのは大前提です。持ち物も忘れないようにしましょう。もちろん、事業内容も理解する必要があります。それ以外にも準備しておきたいポイントを押さえておきましょう。
野村不動産の情報をまとめましょう
野村不動産のホームページや資料について情報を得たら、ノートにまとめておくことが大切です。OB訪問の前に企業研究はある程度、しておかなければなりません。OB訪問では、その情報から、もう一步深い部分に踏み込むことができます。前提として、企業研究をどれだけ行ったかが大切です。
ただ、企業の情報を知っただけで終わってはいけません。ノートにまとめましょう。まとめた情報は、OB訪問へ持っていくこともできます。質問や情報を忘れたら読み返すことも可能です。情報をまとめたノートを持っていくことで、いざという時、安心できます。
どうして志望企業にしているのかを考えましょう
不動産会社は、野村不動産以外にもあります。それなのに、どうして野村不動産に興味を覚えたのでしょうか。その点を深く考え、OBに質問されても明確な理由を答えられるようにしておきましょう。
OBの中には、OB訪問を依頼してきた就活生に興味を持っている人も少なくありません。同時に、OB訪問の結果を、人事部に情報として上げることもあります。その時、志望動機が重要視されるのです。
野村不動産にはさまざまな事業があります。オフィス関連、住まい、企業向け不動産サービスでは、業務内容も違います。志望動機を整理しておけば、OBに聞かれても、スムーズに答えられるでしょう。
自己分析もしっかり行ってください。野村不動産で働く人間として、ふさわしいかどうかが見えてきます。逆に野村不動産と相性がよいか悪いか、判断する材料にもなるでしょう。さらに自己分析の結果は、OB訪問で質問する内容にも影響を与えます。
野村不動産の企業理念や行動指針をチェックしておくことが肝心です。社員1人1人に求められる理念や行動指針と、自分を比較してみてください。また、不足している部分を準備段階で見つけることができれば、OBにアドバイスをもらうことができます。
OB/OGへの質問を準備
OBやOGへ質問をするなら、事前にしっかり準備をしましょう。どんな質問をするか準備していなければ、その場で考える必要があります。それでは、深い質問ができないですし、ホームページなどをチェックすれば分かる質問ばかりになりかねません。では、どんな質問をすればよいのか一例を出しますので、参考にしてみてください。
マッチング度をはかれる質問
野村不動産とはこのような企業だと、イメージを膨らませている人も多いでしょう。ただ、入社しても相性が悪かったり、自分のイメージと異なっていれば後悔する場合もあります。そのためマッチング度をはかれる質問もしましょう。
- 育成制度が充実していると思います。その育成制度により成長できた部分はどんな所でしょうか?
野村不動産では、育成制度にも力を入れています。例えばジョブローテーションという複数の業務を経験できる異動が行われます。他にも、階層別、選抜型の研修や、資格取得支援制度など充実しています。また、アジアビジネスをリードできる人材を作るための海外研修もあります。
野村不動産で自分のレベルアップを重視したい人にとっては、育成制度も気になる部分でしょう。OBは育成制度を受けているはずです。その中でどんなことを得られたのか、質問をして確認しましょう。
- ジョブローテーション制度があると思うのですが、よかったこと悪かったことをそれぞれ教えてください。
野村不動産では、ジョブローテーションという制度があります。これは、入社してから10年間で、複数の業務を経験できる異動制度です。ただ、人によっては、ずっと同じ仕事をしたいと考えている人もいるでしょう。
しかしOBの話を聞けば、複数の業務を経験できるジョブローテーションのメリットを感じられるかもしれません。よいことも悪いことも質問すれば不安も消えるでしょう。
企業研究に役立つ質問
OB訪問は、企業研究を深めることも大きな目的の1つです。そのため企業についての情報を得る質問をしないのはもったいないです。
- 海外事業を拡大すると聞きました。海外で仕事の経験を積みたいと考えていますが、語学力やスキルはどの程度のレベルが求められるでしょうか?
野村不動産では、海外事業の拡大も検討されています。海外志向が強い人にとっては気になる部分でしょう。ただ、海外志向が強くても能力が不足していてはいけません。
海外志向が強くても、日常生活ができる程度の語学能力とビジネス用語が交じるようなコミュニケーションを求められるのであれば、通用しない場合もあります。
また、野村不動産の社員として海外に派遣されるわけです。どの程度の能力が求められるかも気になる所でしょう。この点もOB訪問で深く聞いてみるのもよいです。
- 建築系の総合職が第一志望ですが、運営管理に携われる仕事にも興味があります。他にも開発系や商業施設系で総合職を募集していますが、それぞれで不動は異なるでしょうか?
野村不動産では、営業や運営管理、企画設計や用地取得に係る総合職があります。ただ、建築系や複合開発、再開発のプロジェクト推進、さらに商業施設関連やホテル、新規企画開発、福岡の法人営業などの総合職に分けられています。
それぞれどのような風土があるのかは未知数でしょう。もちろん野村不動産全体の風土はありますが、事業部ごとに異なる風土かもしれません。それを知ることで、どの事業部を志望したいのか検討する材料になるでしょう。
選考に役立つ質問
野村不動産に入社をしたくても、選考を突破しなければ意味はありません。選考を突破するためには、野村不動産がどんな人材を求めているのか、深く理解する必要があります。選考に役立つ質問もOBにぶつけましょう。
- 野村不動産では、仕事で失敗をしたりつらいことがあった時、どのような対応ができる人間を求めているのでしょうか?
企業研究をする上で、野村不動産が求めている人材とはどのようなイメージか、ある程度、分かるでしょう。より深く知るためにはもう一步踏み込んだ所にある情報を、OBから聞けるはずです。例えば失敗することもあるでしょう。
仕事で失敗することは誰でもあります。また、野村不動産では非常に大きなお金も動きます。そのプレッシャーは大きいでしょう。失敗した時、どのような対応ができる人間が求められているのか知れば、選考対策としても役立ちます。
- 挑戦を大事にする社風だと思います。その挑戦についてですが、支持されるアイデアや支持されないアイディなどはあるでしょうか?
一見、無謀だと思われるアイデアを思いつく場合もあるかもしれません。また、多くの人に支持されるアイデアを思いつける場合もあります。ただ、挑戦的なアイデアでもさまざまです。
野村不動産で求められている挑戦やアイデアの傾向を知ることで、野村不動産が求めている人材を探るヒントになります。どんな挑戦的なアイデアを発想できるかは、人間性や人間力も関係するためです。野村不動産が考える挑戦やアイデアの発想ができる人は、選考でも高評価につながる可能性があります。
事業内容や求められる人材を深く理解しよう
野村不動産は街を作り、人それぞれが暮らす住居を生み出します。大規模なプロジェクトなら、数百億円レベルのお金を動かすことになるかもしれません。
そのような仕事を経験したことのあるOBは、プロフェッショナルです。同時に野村不動産が求めている人材も分かっているでしょう。自分は野村不動産にふさわしい人材か、それともなにか不足しているのか、OB訪問で良質の質問をして確かめてみましょう。
学生の皆さんのキャリア選択を応援します!
ビズリーチ・キャンパスでは、早期から将来を意識し、キャリア選択に前向きな学生の皆さんを応援します!
対策や企業研究よりも前にやるべきことがある…それは「どんな生き方をしたいか?」を考えること。その方法はネットで検索することでも、内定者の先輩に聞くことでもありません。実際に働く社会人の先輩たちに聞くことです。