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企業研究

武田薬品へOB訪問前に押さえるべきポイント|企業情報と業界動向

武田薬品は、就職先として学生から非常に人気のある企業のひとつです。選考を有利に進めるためのOB訪問を何の準備もせずに行うのでは意味がありません。有意義な時間を過ごせるようにするためのポイントをきちんと押さえてから臨むようにしましょう。

武田薬品とは

武田薬品とは、日本の医薬品企業(製薬メーカー)として国内売上高1位の企業であり、世界でみても2016年には16位に入るほどの最大手です。アステラス製薬、第一三共、大塚ホールディングス、エーザイと共に国内5大医薬品メーカーのひとつに入ります。
武田製薬の連結売上高をみると、約9割が医療用医薬品売上が占めており、消化性腫瘍治療薬と制癌剤が主力製品となります。かつては農薬やウレタン樹脂、動物医療薬品、調味料なども手掛けていましたが、現在では合併会社に移管をしています。
「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」ことを企業理念としています。またグローバル化の推進により、経営の基本精神として、「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を掲げています。 画像

企業概要

OB訪問を行うにあたり、企業の事業内容は押さえておくべきポイントのひとつです。武田薬品ではどのような事業展開をしているのかをみていきましょう。

事業内容

医療用医薬品事業
まず、武田薬品の売上の大半を占めるのが医療用医薬品になります。消化器系や癌をはじめとする医薬品の製造・販売・研究・開発を行っています。

コンシューマーヘルスケア
総合ビタミン剤をはじめ、「アリナミン」などのビタミンB₁誘導体製剤などのヘルスケア商品の開発・販売を行っています。
「戦後の食糧難からくる人々の栄養不足を救いたい」という想いを原点として、優れた商品と適切な情報を通じて、人々の健康に貢献していくという信念をもっています。

その他
試薬や臨床検査薬及び化粧品等の製造や販売を主とした事業になります。

過去3年間の売上/利益推移

これからは武田薬品の、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。

(単位/億) 2016年度 2017年度 2018年度
売上 18,073 17,320 17,705
営業利益 1,308 1,558 2,417
当期利益 801 1,149 1,868
営業利益率 4% 7% 11%

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売上高は、着実に伸びています。要因として、武田薬品が成長ドライバーと位置付けている「消化器系疾患」、「がん」、「中枢神経系疾患」、「新興国事業」がけん引し好調だったことが挙げられます。

次年度の戦略

武田薬品は総額7兆円弱でアイルランドの製薬大手シャイアーの買収を決めています。武田薬品単独での成長の限界が露呈してしまっている中、巨額買収で最大市場の米国で販売を伸ばし、欧米大手との格差を埋める戦略に出ます。
国内での売上に陰りが出てきた理由として、特許の切れたブランド薬が国の方針もあり後発薬(ジェネリック医薬品)が開発され、ブランド薬より3~5割程度安い価格にて発売されてしまうことが大きいようです。国内の製薬メーカーは、この後発薬の普及により苦戦を強いられているため、グローバル化が今後さらに進んでいくようです。

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2018年の武田薬品に関するトピックス

武田薬品に関する記事は多く、世間に注目されている企業だということが伺えます。気になるいくつかのニュースをみていきましょう。

「イクメン増加」社内の男性育休取得率の向上

武田薬品では、2016年から「年休取得で社会貢献 プログラム」をスタートさせています。このプログラムは、全社員の年次有給取得率に応じて会社が選定したNPO法人へ寄付するというユニークなものです。働き方改革が、社内や個人レベルでプラス効果をもたらすだけでなく、社会的インパクトにまで波及する仕組みになっています。
開始から2年目、社内年休取得率目標(対新規付与日数70%)を達成したことで、無事寄付が完了しました。組織全体で年休を取得しやすい社風づくりへと進め、社内の意識も大きく変わってきました。男性社員の休暇に対する意識も大きく変わり、もともと18%だった育休取得率が、なんと現在70%程度まで向上しています。

薬剤師が選ぶ製薬企業イメージ調査1位

薬剤師450名を対象に「薬剤師が選ぶ製薬企業イメージ調査ランキング」が発表されました。本調査は「コールセンター」、「営業力」、「開発力」、「好感度」、「社会貢献」、「情報発信」の6テーマからなり、見事第1位に武田薬品がランクインしました。
営業・販売力の強いイメージのメーカー1位として選ばれ、薬剤師向けに情報提供や勉強会など積極的に行っているイメージのメーカーという人材育成の面での質問に対しても、第一三共に次いで2位に選ばれています。

ウェバー社長の手腕が試されるシャイアー買収

次年度の戦略にもなっているアイルランドの製薬会社シャイアー買収に業界全体が注目しています。グローバル企業としての社内体制を着実に整えてきた武田薬品は、買収が実現すれば製薬業界で世界のトップ10入りを果たします。
前社長時代から10年以上かけて進めてきたグローバル化を完遂するために不可欠な決断となりますが、巨額買収に見合うだけの成果を得られるのか、ウェバー社長の手腕が試されることになります。
医薬品業界では、大型薬の特許切れへの備えや、研究開発費の高騰などを背景に、有望な新薬候補を手に入れるためにM&Aへと動く企業が多い中、今回の買収が成功すれば日本最大額でのM&Aとなり、日本だけでなく世界からも注目を集めています。

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製薬業界の動向

製薬業界全体の動向もみていきましょう。業界のこともしっかり把握することで、就職活動にも活かすことができます。

製薬業界の業績推移

製薬業界の大手の売上額は、ゆるやかな上昇を続けています。しかし、国内市場は悪化をたどっており、今後も生き残りをかけ「海外展開」の流れが一層加速していくと考えられます。
近年、国内の医薬品メーカーが積極的にM&Aを進めてきた中で、武田製薬のシャイアー社買収を業界全体が注目しています。この買収が成功しても失敗したとしても、業界内への衝撃は大きいといわれています。大きな再編の動きへと繋がる起爆剤となる期待もあります。
4月から開始した薬価改定に加え、来年から始まる薬価改定の隔年から毎年実施への変更など、製薬業界は暗いニュースが多い半面もありますが、大手の買収が成功することで業界が明るくなる兆しもみえてきていますので、今後の動向にもしっかり注目していきましょう。

日本の製薬業界に再編・統合・買収の兆し

製薬業界は近年、再編、統合、買収を繰り返す企業が増えています。こうした背景には理由として2つ考えられます。
1つめは、海外メガファーマの存在です。ノバルティス(スイス)やファイザー(米)、ジョンソン&ジョンソン(米)など、世界には売上高が3兆円を超える巨大製薬会社が10社もあります。
国内首位としては武田薬品になりますが、売上高としては1兆8,000億円程度で、世界的にはまだまだです。いかに、世界の製薬会社の規模が大きいかが分かります。
製薬会社は、新薬の研究・開発など莫大な費用がかかります。こうした点から、資金力の大きな企業ほど開発がしやすく、規模の優位性が働きます。日本の企業が再編を繰り返す背景には、こうした海外のメガファーマの存在が大きいのです。
2つめは、国内の社会保障費抑制の働きがあります。近年の日本は、少子高齢化の影響で社会保障費が年々膨れ上がっています。政府は社会保障費の抑制に全力で取り組んでおり、その流れの一つとして薬価の引き下げが挙げられます。
政府は平成32年度中には後発薬(ジェネリック医薬品)のシェアを80%以上にする目標を掲げています。現在の割合は56%ほどで、後発薬のさらなる普及が見込まれています。後発薬の割合が増えることで、特許切れの新薬の販売が減ることになり、製薬メーカーは苦戦を強いられることに繋がります。
このように、今後高齢化が進む日本において社会保障費抑制はさらに進むことが考えられ、薬価のさらなる引き下げも避けられない事態となるでしょう。製薬業界全体にとって厳しい状況が続いています。

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武田薬品へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目

武田薬品をもっと深く知り、内定を優位に進めたいと考えている学生は多いです。その中でも事前に準備をしておくことで、OBにも好印象を与えることができます。ここでは準備を推奨する3つの項目を確認していきましょう。

親身になってアドバイスをくれるOBを探す

OB訪問をする際に、OB探しは重要になります。ネットで簡単に調べることも可能ではありますが、決して手を抜かないでください。できればゼミやサークル、家族や親せきなどの身内から探すか紹介してもらえるとチャンスです。
OBの方たちも、学生の就職活動が始まる時期には多くのOB訪問を受けていることが考えられます。忙しい仕事の合間に貴重な時間を作って会ってくれていることを忘れず、真摯な態度で臨むよう心掛けましょう。自分自身のやる気をきちんとみせれば、OBの方も誠実に応えてくれるはずです。
事前にメールにて質問内容を送り、訪問後もきちんとしたお礼メールを送るなど、基本的な社会人としてのルールを守ることで、OBの方からの印象もよくなります。社風が合っているか、自分が働いていることがイメージできる企業かの見極めを行い、お互いにとって有意義なOB訪問にできるよう努力をしましょう。

企業研究・業界研究を怠らない

企業のこと、業界全体のことをきちんと調べてきている人の質問は明確なものが多く、OBの方たちもすぐに分かります。ネットで会社のホームページをみる程度で質問を考えたところで、OBの方に直接聞かなくてもネット上で解決できる内容のことしか思いつきません。それではせっかくのチャンスを台無しにしてしまいかねません。
OBの方への質問は自分の疑問点を解決するだけでなく、自分をアピールする絶好のチャンスにもなりますので、最大限に活用することをおすすめします。
企業の今後の方向性や業界の動向をきちんと把握することで、自分の興味のある分野や事業が分かり、考える質問も今後の選考活動に意味のあるものになります。OBの方にも勉強をしてきていることがアピールでき、お互いにとって有益な時間を過ごすことができます。

充実の人材育成を知る

人材育成の面でも武田薬品は充実しています。ひとりひとりのスキル・知識をさらに高める人材育成プログラムを立ち上げ、未来の武田薬品と製薬業界をけん引するリーダーの育成に注力しています。

プレジデントフォーラム
次世代リーダー育成を目的に、社長をはじめとする経営幹部と討論や一対一のコーチングを通じて学ぶことのできるリーダー研修です。

アクセラレーター・プログラム
高いポテンシャルを持つ従業員を選出し、国際経験や部門横断的な業務経験を積むことで、早期からキャリア形成を加速させるための研修になります。

タケダ・リーダーシップ・プログラム
各部門のリーダーを集めた人材育成研修で、活発な議論やビジネスシミュレーション、討論などを通じてリーダーシップ能力の強化を計ります。
その他にも全社新人研修やMR新入社員導入研修、各種英語研修、ダイバーシティに関する研修等、幅広く自分のキャリアプランに合った研修を受けることができる環境が整っています。
研修制度を理解することで、自分の将来に向けてのキャリアプランを立てやすく、そのために自分が今やるべきことを明確にすることができます。

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OB/OGへの質問を準備

OB・OGへの質問をしっかり考えておくことで、不安・疑問に思っていることの解消や、自分の熱意のアピールにも繋げることができます。意味のある質問を考えて、今後の就職活動に役立てていきましょう。

企業とのマッチング度が確認できる質問

- 先輩からみられて、武田薬品の風土を一言でいうとどのようなイメージですか。
自分の希望している企業が、自分自身の思い描いているものと合っているかを確認する大切な質問になります。製薬メーカーでも最大手の武田薬品の雰囲気は、実際に働いている方でないと分からない部分もあると思います。しっかり質問をすることで、入社後にギャップを感じてしまうことのないようにしましょう。

- 海外で活躍をしていける人材になるためには、どの部署を希望するべきですか。
グローバル化が急速に進んでいる企業だからこそ、海外で活躍できるチャンスは多くあります。そのための育成プログラムも数多く用意されていますので、より理想に近づくための近道となる部署を聞くということは、将来的に海外を見据えた仕事をしたいという大きなアピールになります。

企業研究に役立つ質問

- 武田薬品で実際に働いてみて感じる業界の課題と将来性は何ですか。
製薬業界の日本市場が厳しい状況にある中、実際に働いている方が感じ考える課題と将来性を聞けるのは非常に貴重といえます。
面接の際に業界研究・企業研究が足りていないと判断されてしまう学生も多いので、現状をきちんと把握して面接対策を立てることは大事です。

- グローバル化が進んでいる御社では海外経験もできるような研修が整っていると思いますが、チャレンジするために必要な語学力はどの程度になりますか。
社長をはじめ、経営陣にも外国の方が多くいらっしゃる武田薬品では、英語は今後仕事をしていくうえで必須になると考えられます。社員の方の語学力のレベルを確認することで、今後の自分自身の語学対策に役立てることができます。

就活の進め方に役立つ質問

- 武田薬品以外でどんな企業と、どんな点で悩みましたか。
この質問で、先輩がなぜ武田薬品に入社したのか、その動機やきっかけを聞くことができます。自分自身が武田薬品を希望する際に志望動機の参考となる場合がありますので、しっかり確認をしておきましょう。もしかしたら企業研究ではみつけられなかった魅力を発見できるかもしれません。

- 御社を希望している場合に、製薬業界の中でここをよく勉強しておいた方がよいといったアドバイスを頂けますか。
ネットなどで確認できる製薬業界のこと以上に、現場の方たちは日々熱心に研究をされています。細かいところまで知る彼らだからこそ、実際に仕事を始める前に知っておいた方がよかったこと・勉強しておいた方がよかったことがあるはずです。具体的な話を聞くことができれば、これから自分がやるべきことを知ることができる近道になると考えられます。

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高い志を持つ学生を武田製薬は求めている

会社説明会や採用ホームページ上では得られない情報を知るために、業界や企業のリアルな実態や現場社員の本音を聞くことができるOB訪問は学生にとって貴重な機会になります。
限られた時間の中で、質の高い情報をいかに引き出せるかがOB訪問の最大の鍵です。OB訪問を有意義なものとして今後の就職活動に最大限活かすため、事前の準備は念入りに行いましょう。
経営の基本精神である「タケダイズム(誠実:公正・正直・不屈)」を掲げ、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することを目指し、高い目標の実現に向けて挑戦してくれる学生を武田製薬は求めています。
世界で約30,000人いる武田製薬の社員は、それぞれの役割を通して、世界中の患者さんの健康に貢献しています。つまり、日本でも世界でも力を存分に発揮できる環境は整っているのです。これからのキャリアプランを考えることはもちろん、具体的なイメージをもって今後の就職活動に臨むことが大切になります。