日本最大規模の航空会社である全日本空輸(ANA)
ANAホールディングスの中核を担うANAホールディングスは、国内最大級の航空会社です。多彩な事業を展開し、国内だけではなく、国外への空の旅を快適にしてくれる企業です。そんな全日本空輸(ANA)の企業情報や最新のニュース、OB訪問での質問内容についてみていきましょう。
企業概要
全日本空輸(ANA)は航空会社として有名ですが、ANAグループ全体では、多岐にわたる事業を展開しています。どのような事業を手掛けているのか、そして、どれくらいの規模であるのかも併せて取り上げていきましょう。
事業内容
ANAグループの事業は、大きく分けて4つです。航空事業、航空関連事業、旅行事業、商社事業を軸に、さまざまな事業やサービスを手掛けています。それぞれに特徴がありますので、詳しく説明していきます。
航空事業
ANAグループの主軸となる航空事業。売り上げの7割がこの事業によるものです。国内線、国際線、貨物の領域を手掛けていますが、国内線と国際線において、2016年には、売上高、旅客数、旅客キロ、座席キロがナンバーワンとなりました。
国内のマーケットシェアもトップクラスです。全日本空輸だけではなく、ANAウイングス、エアージャパン、LCCのバニラ・エアにより航空事業を盛り上げています。
航空関連事業
航空関連事業は、空港地上サポートや航空機の整備、物流、お客さまをサポートするコンタクトセンターなどを担っています。ANAテレマート、ANAエアポートサービス、ANAベースメンテナンステクニクスなどがこの事業を展開しています。
旅行事業
ANAセールスグループにより、旅行事業も展開しています。旅行事業は、航空券を販売している航空セールス事業、パッケージツアーをリリースしている旅行商品事業の2つです。エイチ・アイ・エスと一緒に会社を作り、今後も旅行領域に注力していくでしょう。
商社事業
全日空商事などによる商社事業では、航空機やその部品の輸出入、リース、調達、機内で販売する用品や提供するサービスの企画、空港売店の管理、ネットショッピングの運営など、多岐にわたる事業を手掛けています。
過去3年間の売上/利益推移
これからは全日本空輸(ANA)の、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。
(単位/億) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 17,911 | 17,652 | 19,717 |
営業利益 | 1,364 | 1,455 | 1,645 |
当期利益 | 781 | 988 | 1,438 |
営業利益率 | 4% | 6% | 7% |
ANAホールディングスの売上/利益推移です。売り上げは右肩上がりに伸びています。上記の表にはありませんが、2018年には、1兆9,717億9,900万円の売り上げを突破しました。売り上げだけではなく、利益も上昇傾向にあります。
次年度の戦略
ANAホールディングスは、さまざまな戦略を立て、今後の売り上げ・利益増加を図っています。まずは国際線の強化です。新たな航空機の導入、路線の拡大、人材確保などに力を注いでいきます。また、中距離路線に進出するほか、VRなどを利用した新しいサービス事業も手掛ける予定です。
2018年の全日本空輸(ANA)に関するトピックス
全日本空輸(ANA)は2018年、どのような話題を世に振りまいてきたのでしょうか。まずは、ANAグループによるSNS「Instagram」でのサービスを提供。国際線においてグルテンフリーの米粉パンを開発。また、政府による「空飛ぶクルマ」実用化プランにも参画するといわれています。それぞれについて、確認していきます。
ANAセールスによるトレンドメーカー制度
ANAグループのANAセールスは、Instagramで「ハヤリタビ」という旅情報を発信するアカウントを運営しています。昨今、「トレンドメーカー制度」をスタートさせ、「いいね」の数に合わせて割引を行ったり、フォトコンテストの当選者には、旅行券などが贈られます。こうしたSNSによるキャンペーンは、若い世代を中心に人気があります。
グルテンを使用しないパンを提供
全日本空輸(ANA)は、事前予約が必要なものの、国際線全クラスでグルテンを使用しない米粉パンを提供するサービスを開始しました。
こうしたパンは、小麦たんぱくによるアレルギーを引き起こさせないもの。コスモバイタルという調理器具メーカーと一緒に開発したパンであり、グルテン以外にも、乳化剤なども使っていません。さまざまな食のニーズに応えられることも航空会社の強みです。
空飛ぶクルマを実現させるために
日本政府が空飛ぶクルマを実現させるために、航空会社やメーカーなど、各業界のトップランナーを集め、定期的に会合を開くことを明らかにしました。ANAホールディングスも参画する企業として含まれており、渋滞、災害、観光などにおいて活躍し、次世代の産業として成長が期待されています。
航空業界の動向
全日本空輸(ANA)含め、航空業界の動向もチェックしましょう。OB訪問に行く際、業界動向もおさえておくべきです。航空業界は、ANAホールディングスともう一社の「2強」といわれている業界です。
規模自体は他の産業と比較するとそこまで大きなものではありませんが、就活生から人気を集め、入社したいランキングの上位を連ねています。こうした航空業界の業績推移やその上昇理由を取り上げていきます。
航空業界の業績推移
2005年から2007年まで、航空業界の業績は順調に伸びていました。しかし、2008年から2010年にかけて、大きく下降していきます。2011年ごろから、再び増加傾向に。東京五輪の開催などを背景に、今後も業績好調が続く見込みです。
上昇理由は格安航空会社の台頭など
一度は下降したものの、再び増加傾向に転じた理由は、格安航空会社の台頭などが挙げられます。格安航空会社とは、「LCC」と呼ばれ、サービスなどは劣化するものの、安さを武器にマーケットが拡大。航空会社によって差別化も図られ、搭乗員が増加する結果となりました。
他の上昇理由を挙げるとすれば、アジア勢の経済成長や国際線の増加です。オリンピックを背景に、近年ではますます成長が期待されている業界ですが、長期的には、パイロット不足などの問題があります。
全日本空輸(ANA)へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
全日本空輸(ANA)へOB訪問に行くチャンスに恵まれた際、なにを準備すべきでしょうか。まずは、全日本空輸(ANA)のホームページや資料などをしっかりと読み込んでおきましょう。
上記で解説したような業界動向も併せてチェックしてください。次に気になることをリストアップし、できれば質問内容を事前にOBに送付しましょう。国内のいたるところに事業所がありますので、部署や住所なども確認してください。
全日本空輸(ANA)について深く知る
全日本空輸(ANA)へOB訪問に行く前に、会社についてとことん研究しておきましょう。ホームページや資料だけではなく、口コミなども要チェックです。全日本空輸(ANA)のような大きな組織の場合、短時間で調べ終えるとは限りません。事業内容だけではなく、職種や企業が力を入れている取り組み、グローバル展開など、さまざまな角度から研究しましょう。
企業研究と同時に、業界動向も確認してください。他社の話を当日する必要はありませんが、業績の上昇理由や、将来の展望など、知っておいても損はありません。OB訪問に行った際、もっとも避けるべきことは、調べてすぐにわかるようなことは質問しないことです。そのため、しっかりと企業・業界研究をして、当日にそなえてください。
気になることをリストアップ
企業・業界研究を進めていくうちに、気になることや質問したい内容が生まれます。現場の社員でしかわからない情報はさまざまありますので、できるだけ質問内容は多く作っておきましょう。できれば、事前にその項目をメールにて送付しておきたいものです。
全日本空輸(ANA)のような大企業の場合、現場の仕事内容ならばまだしも、事業内容についての細かい質問は、当日すぐに返答できるとは限りません。OB訪問に行った際、時間の許す限り質問しても構いませんが、「これだけは絶対に聞きたい」という内容については、訪問前に知らせておきましょう。
拠点の場所をチェック
全日本空輸(ANA)は、国内のさまざまな場所に事業所を構えています。そのため、OB訪問する前に、住所を改めて確認しておきましょう。
集合時間に遅刻してまえば、担当者にわるい印象を与えてしまい、就活に影響が出てしまう可能性は否定できません。集合場所が大規模な施設などであれば、どこの位置に集まればよいのかも詳しくヒアリングしてください。
OB/OGへの質問を準備
全日本空輸(ANA)のOB/OGへの質問を準備することは重要です。では、どのような質問内容にすればよいのでしょうか。まずは、仕事内容について聞いてみましょう。
キャビンアテンダントやパイロットを目指している人は、それぞれの業務について質問してください。また、現場の社員でしかわからない会社の雰囲気も聞くべきです。グローバル企業だからこそ、海外赴任についても質問してみましょう。
キャビンアテンドやパイロットについて
キャビンアテンドやパイロットは、航空会社の花形職です。これらを志望している人は、ぜひ仕事内容は1日のスケジュール、選考プロセスなどをヒアリングしてください。
- キャビンアテンドのキャリアをお教えください。
航空機に乗ってさまざまなサービスを提供するキャビンアテンド。現場の人しかわからないような仕事内容や1日をスケジュールを質問するだけではなく、キャビンアテンドのキャリアについて聞いてみましょう。
客室乗務職は、スタッフアドバイザーとして地上勤務も可能であり、インストラクターとして若手社員を教育するポジションもあります。こうした仕事に関する質問をすることで自分のキャリアプランを明確に描くことができるでしょう。
- パイロットの業務でつらいと感じるポイントはありますか?
パイロットを目指している人は、パイロットのやりがいだけではなく、つらいと感じるポイントも聞いてみてください。パイロットになるためには、まずは総合職のようにさまざまな地上勤務を数年間経験し、その後訓練をスタートさせます。
そして副操縦士昇格を目指しますが、このプロセスの中で大変なことや、機長としてのつらさなども聞けるとよいでしょう。乗客の命を預かり、安全な運転を求められる仕事ですので、楽しいと感じる面だけではなく、つらいと実感する仕事内容も質問し、有益な情報を入手してください。
職場の雰囲気を知ろう
全日本空輸(ANA)の職場の雰囲気をつかむためには、文字だけの情報で納得するのではなく、現場の人に直接聞くことでより具体的にイメージすることができます。OB/OGにどのような質問をすればよいのでしょうか。
- 入社前と入社後では、企業のイメージが変わりましたか?
全日本空輸(ANA)の社風でよくいわれることは、「体育会系」、「風通しがよい」、「自由に仕事できる」などの評価があります。こうした評価が当てはまるのか、実際には異なるのか、部署や職種によっても違うのか聞いてみましょう。
職場の雰囲気に合う・合わないは、長期的なキャリア形成において無視できないことです。転職を避けるためには、入社前に知りたいことです。
- 御社がもっとも注力している事業をお教えください。
答えてくれるかわかりませんが、現在、全日本空輸(ANA)がもっとも注力している事業などについて質問してみましょう。もしかしたら、ホームページや資料、口コミなどにない情報を提供してくれるかもしれません。
事業内容だけではなく、ダイバーシティ推進などの情報であれば、会社の雰囲気をつかむことも可能です。全日本空輸(ANA)は、「ANAグループD&Iフォーラム」という講演会を開催したり、女性管理職比率15%を2020年度末までに目指す数値目標を掲げていますので、このあたりの話も具体的に聞いてみましょう。
海外赴任の実態
世界各国に事業所を構えている全日本空輸(ANA)。「外国で働きたい」という人は、ぜひ海外赴任の実態や英語力などについて質問してみてください。
- 海外赴任はできるのでしょうか?
全日本空輸(ANA)に入社した際、海外勤務することも可能です。国外で働きたい人は、外国で働く際の手続きや英語などの他国言語のレベル、現場の雰囲気などを聞きましょう。
海外実務研修員公募制度やグローバルスキルアップトレーニング、リーダー育成のためのエクスチェンジプログラムなど、グローバルで活躍できる制度がありますので、海外勤務も夢ではありません。
- 英語力はどれくらいのレベルが必要でしょうか?
入社に必要な英語レベルや入社後にどれくらい英語を使用するのか聞いてもよいでしょう。たとえば、全日本空輸(ANA)には、「グローバルスタッフ職(事務)」というさまざまな部署での業務経験を重ねることのできるプロフェッショナルな仕事があります。選考プロセスでは総合的に評価されるものの、海外で活躍する機会もありますので、英語は必須といえるでしょう。
どれくらいのレベルが必要なのか、現場の声を参考にしてください。「グローバルスタッフ職(技術)」という技術系の仕事においても、海外メーカーとやりとりするため、英語力が必要です。入社後にも英語を学べる環境ではありますので、どれくらい英語を勉強しているのか質問してみましょう。
全日本空輸(ANA)のOB訪問で就活を有利に
全日本空輸(ANA)へのOB訪問でレアな情報を入手するためには、訪問前に企業研究からはじめましょう。全日本空輸(ANA)グループは、国内最大規模の航空事業を担い、旅行事業や商社事業も展開しています。
近年では、売り上げも利益も上昇し、空白だった中距離へ進出するほか、国際線の強化に努めている状態です。2018年のトピックとしては、SNSを活用したキャンペーン、グルテンを使用しな米粉パンのリリース、政府による「空飛ぶクルマ」へのコミットなどが挙げられるでしょう。
こうした企業について理解を深め、航空業界全体についても調べておいてください。2011年以降、業績は順調であり、格安航空会社の躍進、国際線の増加、アジア勢の経済成長などの要素もあり、今後も成長する見込みです。
全日本空輸(ANA)へOB訪問に行く前に準備すべきほかのことは、質問したい内容をリストアップし、拠点の場所をチェックすることでしょう。質問内容は、仕事内容のディテールや職場の雰囲気、海外赴任の実態などがおすすめです。現場の人だからこそわかる内容がベターです。当日は、しっかりとマナーを守り、よい印象を与えられるような言動を心がけましょう。