アメリカに本社を置くP& Gジャパンとは
洗剤、化粧品、紙おむつなどでおなじみのP&Gジャパン。正式名称は「プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社」となりますが、アメリカに本社を置く業界トップクラスのグローバル企業です。
本記事では、就活に役立つP&Gジャパンの情報を取り上げていきます。企業概要や2018年のトピックス、OB訪問に行く前に準備すべき質問などについて解説していきます。
企業概要
P&Gジャパンという企業について詳細をみていきましょう。日用品メーカーであるP&Gジャパンは、多彩な商品をリリースしています。多くの商品がなじみ深いものですので、参考にして、企業理解を深めてください。
事業内容
P&Gジャパンの事業内容は、「日用品」というカテゴリーになるものの、さまざまな商品をリリースしています。できるだけ細分化して確認していきましょう。
洗剤・柔軟剤・エアケア
衣料用洗剤であれば、「アリエール」、「ボールド」はとても有名な商品です。近年では、ジェルボールの洗剤が話題となり、「使いやすい」、「洗剤が固まらない」と話題。ボールドは柔軟剤入りでよい香りがしますので、多くの人が愛用しています。
また、無添加の洗剤「さらさ」、柔軟剤の「ふんわりさらさ」も定番商品です。他の柔軟剤であれば、「レノア」があります。台所用洗剤であれば、「ジョイ」は有名でしょう。エアケアでは、「ファブリーズ」もP&Gジャパンの目玉商品です。
紙おむつ
紙おむつもP& Gジャパンの商品ラインナップにあります。「パンパース」と聞いて、知らない人はほとんどいません。使い捨ておむつからスタートしたパンパースは、粘着テープの採用、バリューパック、履き心地の改良、弱酸性など、時代に合わせて進化を続けています。
ヘアケア
P&Gジャパンの手掛けているヘアケア商品も有名です。「パンテーン」、「h&s」、「ヴィダルサスーン」、「ハーバルエッセンス」は、とても知名度が高い製品です。それぞれのアイテムが各ターゲットに合わせて最適な商品をリリースしています。
化粧品
P&Gジャパンは美容に欠かせない「SK-II」にも携わっています。SK-IIは、洗顔料・クレンジング、化粧水、乳液・クリーム、美容液、パック・マスク、日焼け止めなどを手掛けているコスメブランドです。
その他
上記のような消費財だけではなく、男性用シェーバー、女性用シェーバー、電気シェーバー、美容家電なども手掛けていることがP& Gジャパンの特徴といえるでしょう。電動歯ブラシなどオーラルケア用品もリリースしています。
過去3年間の売上/利益推移
これからはP&Gジャパンの、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。
(単位/億) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 652 | 650 | 668 |
営業利益 | 134 | 139 | 137 |
当期利益 | 105 | 153 | 97 |
営業利益率 | 16% | 23% | 14% |
上記の表にはありませんが、1998年は371億だった売り上げが、2008年には835億まで伸びています。売り上げとともに利益率が上昇していることもポイントでしょう。現状では、売り上げや利益が安定した状態を保てています。(上記の表はP& G本社の売上/利益推移であり、すべて「円」ではなく「ドル」です。)
次年度の戦略
2018年6月期決算においても、売り上げ668億3,200万、営業利益137億1,100万と好調をみせたP&G。「SK-II」や「オレイ(OLAY)」など、ビューティやヘアケアは順調に売り上げが伸びています。
今後はビューティブランドに注力し、目玉商品である「パンパース(PAMPERS)」の価格を上げる見込みがあります。
2018年のP&Gジャパンに関するトピックス
2018年、P&Gはさまざまな動きをみせました。まずは、製品強化のために植物学研究機関と提携したことが挙げられます。国内では生理用品「ウィスパー」の販売を終了したことも要チェックです。コンビニでの広告動画でも新しい試みをはじめました。こうしたP&Gに関するトピックスを取り上げていきましょう。
ロンドンのキューガーデンとパートナー締結
キューガーデンは、ユネスコ世界遺産に登録されているロンドンの植物園です。この施設と提携することにより、ナチュラルビューティを強化させる見込みです。また、天然成分・植物成分の商品に注力するだけではなく、オンラインで香料の成分のほとんどを公開する予定があります。
ロングセラー商品「ウィスパー」の終焉
「ウィスパー」は、日本国内の生理用品の中で定番アイテムでしたが、販売を終了すると発表がありました。強い吸収力、羽根付き、超薄型など、さまざまな強み・種類を誇っていたウィスパーは、他社商品にシェアを奪われることに。生理用品マーケット自体は低迷していないものの、P&Gのウィスパーは売り上げを落とし、販売終了となりました。
コンビニでの新たな試み
コンビニエンスストアのローソンと提携し、店舗にて新たな広告サービスを展開することに。その内容は、商品棚付近にカメラとモニターを設置し、顧客の性別や手にした商品からモニターに流す広告を変える試みです。仔細なマーケティングも可能であり、結果次第では、国外でも実証してみる考えがあります。
トイレタリー業界の動向
P&Gジャパンは、トイレタリー業界に分類されます。P&Gジャパンのような外資系企業だけではなく、日本の大手メーカーも多数在籍し、競い合っている状態です。そんなトイレタリー業界の業績推移やその上昇・下降理由などを解説していきましょう。
トイレタリー業界の業績推移
2005年~2007年までは順調に伸びていましたが、2008年以降は、業績は伸び悩みます。2013年以降に、増加傾向がスタート。昨今では、国内マーケットはほとんど飽和している状態であり、海外進出がキーとなっています。
横ばいが続いた原因とは
2008年以降、横ばいが続いた原因は、プライベートブランドの台頭、原材料の高騰、世界的金融危機などといわれています。その後の回復傾向は、「爆買い」などによるものでしょう。
そもそもアジア人を中心に、日本のトイレタリーは大変人気があります。訪日外国人客だけを対象にするのではなく、海外事業の拡大が今後の業績推移に影響がありそうです。
P&GジャパンへOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
業界のトップランナーとして躍進するP&GジャパンへOB訪問に行く際、準備すべき項目が3つあります。それは、本社含めP&Gジャパンについて理解を深めることやP&Gの商品を使用すること、上から目線にならないような質問を作成することです。
本社含めP&Gジャパンについて理解を深める
訪問する前には、P&Gジャパンについて調べておくことは必須です。国内事業についてはもちろんのこと、アメリカ本社について知っておいても損はありません。
1837年設立という歴史ある大企業ですので、どのような出自なのか、業績はどうなのか、主力商品はなにがあるのか、将来の展望など、頭に入れておいてください。また就活であれば、採用ページも要チェックです。
P&Gの商品を使用する
P&Gジャパンの商品を使ったことのない人は、OB訪問に行く前に、一度使用してみてください。「アリエール」、「ボールド」、「さらさ」、「レノア」、「ファブリーズ」、「パンパース」、「パンテーン」、「ヴィダル サスーン」、「SK-Ⅱ」など、さまざまなヒット商品がありますが、日用消費財のため、それほど高い値段ではありませんし、入手しやすいものも多いです。
P&Gジャパンはメーカー企業であるため、商品について話は多くなるでしょう。そのため、使用感を知っておいた方がよいです。
上から目線にならないような質問作成
OB訪問では、就活生から質問する機会が多くなります。そのため、事前にP&Gジャパンについて調べ、質問を作成しておくべきですが、上から目線にならないような内容にしましょう。
「○○という商品を作ったほうがよい」、「もっと海外マーケットを意識したほうがよい」など、こちらから事業を提案するような内容は避けてください。
質問する内容は、入社後に役立つことなどがおすすめです。そして、できるだけ事前にOBにメールなどで質問を送付しておきましょう。当日に先輩たちがすべて会社のことを答えられるわけではありません。質問内容を送っておけば、資料を用意してくれたり、答えを準備してくれる可能性があります。
OB/OGへの質問を準備
OB/OGへの質問を準備する際、どのような内容にすればよいのか考えておきましょう。まずは、外資系企業で働く際の楽しさやつらさや、海外勤務について質問することをおすすめします。
メーカー企業のやりがいについても聞いてみましょう。人材育成制度に力を入れている会社でもありますので、その点について質問してみてもよいかもしれません。
グローバル企業の実態
業界トップクラスであり、グローバル企業でもあるP&Gジャパンは、国内企業とは異なる社風や働き方などがあるかもしれません。ぜひ外資系企業の楽しさやつらさを質問してみましょう。
- 入社前後で会社へのイメージが変わったことはあるでしょうか?
P&Gジャパンは、「大手外資系企業」、「日用品メーカー」のイメージがありますが、実際に現場で働くとなると、企業へのイメージが変わることもあるでしょう。
OB/OGが答えてくれるかはわかりませんが、楽しいと感じることやよい面だけではなく、つらいと実感することなどもぜひ聞いてみてください。外国人がたくさんいる職場でもありますので、会社の雰囲気についても質問してみましょう。
- 海外派遣ではなにをするのでしょうか
P&Gジャパンでは、海外勤務も可能ですので、もし海外で働いていた経験のあるOB/OGであれば、どのような業務に従事していたのかを質問してみましょう。入社前に、TOEIC600点程度以上の実力があるのかどうかテストを行い、英語のコミュニケーションスキルも問われます。
そして入社後にも各人に合わせた英語力向上のプログラムが用意されていますので、その内容について聞いてみるのもわるくありません。いずれにせよ、外資系企業だからこそ海外勤務や英語について質問することで、有益な情報を得ることができるでしょう。
メーカー企業でのやりがい
グローバル企業の実態をつかむような質問だけではなく、メーカーでのやりがいについても聞き出してみましょう。研究や開発を行う部署、戦略を立てるセクション、マーケティングを行う部門など、それぞれで仕事のやりがいが異なります。
- ○○という仕事のやりがいについてお教えください。
現場の声にしっかりと耳を傾けたいのであれば、OB/OGの部署や職種に関する質問内容がベターです。「営業」、「広報」、「経営管理」、「人事」、「マーケティング」、「生産」、「研究」など、多岐にわたる事業部がありますが、それぞれどのような仕事内容なのか、やりがいを感じるポイントなどを聞いて、就活の参考にしましょう。業界トップクラスのメーカー企業だからこそ、スケールの大きな話を聞ける可能性があります。
- 仕事終わりにはなにをしていますか?
仕事外についても聞いてみましょう。休みの日にはなにをしているのか、平日はどう過ごしているのか聞くことで業務の忙しさやプライベートの時間を把握することができます。
こうしたプライベートの質問は、入社後のイメージが湧きやすいのでおすすめです。もちろん聞き方や質問内容によっては、相手を不快にさせてしまうリスクがありますので、丁寧な受け答えをしてください。
人材育成制度について
P&Gジャパンは、チーフ・エグゼクティブ誌にてリーダーシップ育成ランキングにてトップに選出されるほど人材育成制度に力を注いでいる企業です。内部昇進制や充実の研修制度について聞き、より企業理解を深めましょう。
- 内部昇進制の実態をお教えください。
P&Gジャパンでは、内部昇進制という制度を採用しています。これは、社外などから役員を登用するのではなく、社内の人間をしっかりと育成して管理職にするものです。この内部昇進制の実態について聞いてみるのもわるくないでしょう。入社後のイメージやキャリアプランがつくりやすくなります。
P&Gジャパンは、2012年1・2月号のチーフ・エグゼクティブ誌による「リーダーシップ ディベロップメント(育成)」ランキングでトップに立ち、フォーチュン誌による「グローバル・トップカンパニー・フォー・リーダー」ランキングでは3位にランクイン。ほかにもさまざまな媒体によるランキングで上位を連ね、人材育成制度のリーディングカンパニーです。
- 入社後の研修についてお教えください
無理なく仕事を続けられるのかチェックするために、入社後の研修についても聞いてみましょう。P&Gジャパンは、OJT、部門別研修、全社研修、自己学習などさまざまなプログラムがあります。
具体的な研修内容や、受けてみて業務にどれほど役に立つのか質問してみてもわるくありません。グローバルで役立つ知識やスキルも学べる研修ですので、詳しく聞いてみてください。
こうした研修制度以外にも、さまざまな福利厚生について質問することもおすすめです。休暇制度、産休・育休、時短勤務、住宅手当など、気になるところは聞いてみましょう。こうした福利厚生について知ることにより、会社のサポート体制がしっかりしているのか把握することができます。
P&GジャパンへのOB訪問がおすすめ
P&GジャパンへOB訪問する前には、P&Gジャパンがどのような事業をしている企業なのか知り、業績推移などをチェックしておきましょう。アメリカに本社を構えるP&Gジャパンは、洗剤、柔軟剤、エアケア、紙おむつ、ヘアケア、化粧品などをリリースしている日用品メーカーです。
2018年、ロンドンの植物園と提携し、ナチュラルビューティに注力することや生理用品「ウィスパー」の販売終了のニュースなどが話題になりました。
P&Gジャパンを含むトイレタリー業界の動向や、その浮き沈みについても理解を深めておきましょう。実際にOB訪問する前には、本社含めP&Gジャパンについて理解を深め、使用したことのない人はP&Gの商品を使用して、上から目線にならないような質問を作っておいてください。事前に質問内容は、メールで送付することをおすすめします。
質問する内容は、外資系企業で働く際の楽しさやつらさや海外勤務について、大手メーカー企業での仕事のやりがい、最高峰の人材育成制度についてがおすすめです。当日は、OB/OGに失礼のないように、社会人としてのマナーを守り、欲しい情報を入手してください。