JTのことを知り就職しよう
JTは知名度の割に、分からない部分が多いのではないでしょうか。記事ではJTのOBへの訪問する方法を、詳しくみていきます。JTは保守的な面もありますが、魅力もあります。記事ではJTの魅力の内容についても、触れていきます。
JTは専売公社の期間を含めたら古い企業です。しかしチャレンジ精神がある、面白い会社ではないでしょうか。JTに就職したい人は、記事を参考にOBを活用して、内定を勝ち取りましょう。
企業概要
1985年4月に設立した日本国内でかなり大きなたばこ企業になります。またそれ以外にも医薬事業や、加工食品事業など様々な事業展開をおこなっています。
事業内容
JTはどんな事業をおこなっているのか詳しく紹介していきます。
たばこ事業部
JTの英語での表記はJAPAN TOBACCO INCですが、略せば JTになります。日本語での正式名称は、日本たばこ産業株式会社になります。名前からも分かると思いますが、たばこを販売している企業です。JTは日本だけでたばこの販売を行っているのではなく、現在では130以上の国と地域で販売しています。
世界を股にかけてたばこを販売しているJTですが、海外での売上も多いです。しかしたばこの害が世界中で叫ばれてきたせいか、JTではリスクが低いたばこを開発するようになってきました。
2016年3月に福岡市で発売を開始したプルーム・テックは、たばこの煙のにおいがしない、周囲の空気を汚さない、火を使わないので灰も出ないというたばこですが、新しいたばこの未来を感じます。プルーム・テックのようなたばこが多く販売されるようになると、喫煙者は増加する可能性があります。
医薬事業部
JTの医薬事業部では、鳥居薬品株式会社とのパートナーシップを通じて、オリジナル新薬の創出に挑み続けています。JTが販売している医薬品には下記のものがあります。
- デシコビ配合錠LT、デシコビ配合錠HT。
- ゲンボイヤ配合錠。
- アレルゲンスクラッチエキス陽性対照液「トリイ」ヒスタミン二塩酸塩。
- リオナ錠250mg。
- スタリビルド配合錠。
- エムトリバカプセル200mg。
- ツルバダ配合錠。
- ビリアード錠300mg。
- ビラセプト錠250mg。
- セロトーン錠10mg。
- セロトーン静注液10mg。
JTは医薬業界では新しい企業ですが、10種類以上の製薬を開発しています。新しい製薬の開発はコストがかかりますが、JTでは今日も新薬の開発に挑戦しています。
保険料が年々高くなる傾向ですが、そうなれば保険料を払えない人が出てくるでしょう。そのような人は病院には行かずに、ドラッグストアで購入できる薬で、病気を治そうとするのではないでしょうか。そのような人が増えるほど、医薬事業の収益は上がります。JTはそのような未来を、予想しているのかもしれません。
加工食品事業部
JTは加工食品事業にも参入しています。JTグループの加工食品事業では、テーブルマークグループを通じて加工食品を家庭などに届けていますが、インターネット通販でもJTの加工食品を購入することができます。
食の安全に関する取り組みにも積極的で、製造過程で異物が混入しないように、さまざまな工夫を凝らしています。JTグループの加工食品事業では、工場にフードコミュニケーション施設を設置して、見学客との交流を図っています。
JTの加工食品の種類は多様ですが、写真を見るだけでも美味しそうなものが多いです。加工食品事業は顧客のニーズさえ満たせば、長期にわたって売れます。JTは加工食品の将来性を確信しているようで、加工食品事業部に注力しているようです。
過去5年間の売上/利益推移
JTの過去5年間の売上げをまとめました。記載した数値は、JTの公式ホームページの情報を参照し、売上げ欄には売上げ収益の数値を入れ、当期利益欄には売上げ収益の数値を入れました。記載している数値の情報は、全事業所の合計額です。
営業利益率は仕入れ額との関係があり、正確な数値を計算することができませんが、ここでは総資産税引前利益率を入れています。
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
売上(単位/億) | 20,338 | 21,201 | 23,998 | 22,528 | 21,432 | 21,396 |
営業利益(単位/億) | 4,591 | 5,323 | 6,482 | 5,652 | 5,933 | 5,611 |
当期利益(単位/億) | 3,285 | 3,515 | 4,352 | 4,902 | 4,257 | 3,967 |
営業利益率 | 16% | 17% | 18% | 22% | 20% | 19% |
参照:JT公式サイト
この表から分かることは、毎年堅実な売上げを上げていることです。たばこだけの売上げではありませんが、たばこが売上げの半分以上を占めています。喫煙者は禁煙者から、冷たい目で見られることもありますが、この売上げの数字を見る限り、まだまだたばこの需要はありそうです。
次年度の戦略
JTでは次年度の戦略ではないですが、2020年度に向けた目標を公表しています。内容は2020年までに、「高温加熱タイプ」と「プルーム・テックの進化版」の2つの新製品を投入することですが、それによってリスク低減製品(RRP)市場で、40%のシェア獲得を目指そうとしています。
時代の趨勢でリスクの低いたばこが主流になると予想されますが、その市場でシェア争いに勝つことは、JTにとっては死活的な問題です。たばこを吸う人は肩身が狭い時代ですが、そのような時代であっても、JTは果敢にシェアを伸ばそうとしています。
2018年のJTに関するトピックス
これからはJT関連のニュースを、インターネットからみていきます。話題性に乏しいたばこ産業ですが、どのようなトピックスが、インターネット上に流れていたのでしょうか。
JT人気銘柄すべてで、販売本数が低下と発表
日本たばこ協会が7月2日に公表した「平成30年度第1四半期累計紙巻たばこ販売実績」によると、平成30年の第1四半期(4月~6月)の紙巻たばこの販売数量は、前年度比13.4%減とのこと。
全国的にたばこ離れが進んでいますが、実際に売上本数が減っているのが分かります。一時期のようなたばこ会社や、喫煙者に対するパッシングはなくなりましたが、喫煙者に対する偏見は未だ強いようです。喫茶店や公共の場所でも喫煙スペースが少なくなり、喫煙者にとっては住みにくい世の中になってきています。
JTバングラデシュのたばこ事業者を買収して、新しい市場の拡大を目指す
JTはバングラデシュのアキジグループのたばこ事業を、1,645億円で買収すると発表した。アキジグループのたばこは、バングラデシュでは2位のシェアなので、JTにとってはメリットがあります。JTではインドネシアやフィリピンでも、現地のたばこ会社を買収していますが、今後はアジア市場の拡大に注力していくのではないでしょうか。
日本では禁煙者の声が大きいですが、一部のアジアの国ではそうではありません。そのような市場に、JTが注目したのは当然でしょう。
あらゆる産業がグローバル化していますが、たばこ産業までグローバル化するとは、昔の人は予測できなかったのではないでしょうか。
JT海外事業は好調
JTは平成30年12月期の売上高に相当する連結売上収益(国際会計基準)を、200億円上方修正し、2兆2,400億円になる見込みだと発表しました。この上方修正の要因には、海外市場の正確な売上げを、把握していなかった可能性があります。
日本国内ではたばこの売上げは頭打ちですが、海外では販売本数を伸ばしています。このままの流れが進むと、JTは海外に多くの事業所を構える可能性があります。場所が変われば売れない物であっても、売れることがあると昔から言われてきましたが、たばこに関しても真実だと証明されました。
喫煙者に寛大な国は、まだまだ多いのではないでしょうか。そのような国で、JTが販売活動を強める可能性は高いです。
たばこ業界の動向
たばこ業界全体の動向をみていこうと思いましたが、日本国内ではJTの独占企業なので、他のたばこ事業者のデータを集めることができませんでした。ここではJTの売上をみていきます。
たばこ業界の業績推移
年度 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
売上 | 不明 | 2兆3,998 | 2兆2,592 | 2兆2,529 | 2兆1,433 | 2兆1,397 |
2012年度の売上は不明ですが、それ以降は毎年2兆円台の売上を達成しています。
JTの売上が安定している理由は
日本国内では嫌煙権という言葉が登場しているくらい、喫煙者は肩身が狭い思いをしています。実際に喫煙できる場所は、年々減少の一途をたどっています。それにも関わらず、売上が安定している理由はなんでしょうか。まずは下記の表を見てください。
年度 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
海外たばこ販売額 | 1兆2,700 | 1兆3,280 | 1兆3,172 | 1兆1,992 | 1兆2,376 |
国内たばこ販売額 | 7,103 | 6,874 | 6,773 | 6,842 | 6,268 |
参考:JT売上内訳
JTの海外での販売額と国内での販売額を、表でまとめましたが海外での販売額が際立っています。国によっては、日本やアメリカのように喫煙者に対する偏見が少ないのではないかと予測もされます。JTは海外のたばこ産業の買収に積極的ですが、売上をみる限りでは成功しているようです。
JTのOBへの訪問に行く前に準備すべき3つの項目
JTのOBを訪問する場合には、注意すべきことがあります。
JTは財務省所管の特殊会社だと認識する
JTの正式名称は日本たばこ産業株式会社ですが、ただの株式会社ではありません。ある程度の年代以上の人は知っていますが、以前のJTは日本専売公社という特殊法人が経営していました。現在でも財務省所管の特殊会社です。
財務省所管の特殊会社なので、お役所の精神文化が残っている可能性があります。そうではない人もいるでしょうが、古くからの社員は役所体質が残っていて、杓子定規な考えしかできない人もいるでしょう。そのような人は、OBを訪問する学生をこころよく思わないかもしれません。
しかし、敷居の高さは部署によって異なる可能性がありますので、まずはOBにコンタクトを取り、訪問する場所はOBに任せることが大切です。なんといってもOBに迷惑をかけるわけにはいきません。OBは就職のための縁結びの神様でもあり、大切なアドバイザーであることを念頭に置く必要があります。できるかぎりOBが動きやすいように、配慮することが大切です。
事業部によって大きく職務内容が異なることを認識する
JTは多角化経営を進めていますが、事業部によって大きく職務内容が異なる可能性があるので、自分が訪問したいOBの職務内容を確かめておくことが大切です。OBが医薬事業部で働いていれば、たばこ事業部のことを聞いても、まとはずれな答えが返ってくる可能性があります。
OBが複数の事業部を、渡り歩いているのであれば問題はありませんが、基本的に事業部によって大きく職務内容が異なるのは、理解していた方がよいです。OBとは最初のうちはメールでやりとりすることが多いと思いますが、そのときにOBが働いたことがある事業部を確かめておくことが大切です。
自分が希望する事業部に、OBが働いた経験がないことはあるでしょう。それでも諦める必要はありません。働きたい事業部を明確に伝えておくと、OBは他の社員を紹介してくれる可能性があります。
幸運にも、自分の入りたい部署の社員を紹介してくれたOBには、感謝の気持ちを伝えることが大切です。その後に、紹介された社員と連絡を取り合うだけでなく、OBにも経過報告やその他の相談も継続しておく必要があります。
OBやOGには前もって質問が多くなることを伝えておく
JTは公式ホームページを運営していますが、民間の企業のホームページと比較すると、やや閉鎖的な印象を受けます。そのようなホームページからは分からないことが多いですが、ホームページから分からないことは、その場でメモをすることが大切です。
後でOBに分からないことを聞こうと思っても、質問自体を忘れる可能性があるからです。聞きたいことをメモしておくことによって、OBに会ったときに手際よく質問ができるようになります。手際よく質問すれば、OBも時間を有意義に使えて喜ぶはずです。
OBやOGには前もって、質問が多くなることを伝えていた方がよいです。情報がないことは、内部にいるOBやOGに聞くしかありませんが、質問が多くなる可能性があることを伝えておくと、可能な限り時間をとってくれるでしょう。
OB/OGへの質問を準備
これからはOBやOGへの有意義な質問例をみていきます。必ずしも見本通りにする必要ありませんが、見本の質問の意図が分かれば、自分なりに理解して有意義な質問ができるようになります。
不安を払拭する質問・期待の可能性を確かめる質問
- 語学力を活かすことができるか質問する。
- 海外に出張に行く可能性があるか質問する。
上記の質問例は似たような質問に感じる人がいるかもしれませんが、それぞれに違う意図があります。JTは積極的に海外に進出していますが、語学力に自信がありその能力を活かして仕事をしたい応募者であれば、一番目の質問をすることによって、自分の期待の可能性を確かめることができます。
逆に親の介護等で、海外に出張することができない人はいるでしょう。そのような人は遠慮なく、二番目のような質問をすればよいです。不安を抱えたまま就職活動をしても、力強く動くことはできません。JTのような大企業は、出張命令が断りにくいことがあります。
就職活動に役立つ質問
- 新しい事業へ若手も参加することができるか質問をする。
- 社員の意見は取り上げてもらえる会社か質問する。
JTで働きたいと思う人の中には、JTの多事業戦略に興味を持っている人がいるでしょう。そのような人は一番目の質問をすることによって、会社の方針を知ることができます。返ってきた答えが肯定を意味するものであれば、意欲ある応募者にとってはうれしいでしょう。
二番目の質問は、企業の柔軟性を知るときに有効です。柔軟性がある企業は、社員の意見を取り上げる傾向が強いです。そのような企業で働くことができたら、仕事そのものが楽しくなります。JTのような大企業は柔軟性が失われやすいですが、このような質問をすることによって、不安を払拭することができます。
企業で長い間働こうと思ったら、企業の方向性と体質を知ることが大切です。面接の場では本音を言ってくれない可能性がありますが、OBやOGであれば本音で答えてくれることを期待してください。
社内の雰囲気を知る質問
- 会社のイベントの参加者が多いか質問する。
- 休憩時間はなにをしている人が多いか質問する。
JTのような大企業は面接だけでは、社内の雰囲気が分かりづらいです。そして大企業ならではの、疎外感が生まれやすい風土があります。そのような心配がある人は一番目の質問をすることで、社内の雰囲気を知ることができます。
会社のイベントに参加する人が多ければ、仲がよい職場と推測することができます。職場の同僚とは、長い時間一緒にいます。できれば良好な関係でいたいものです。人間関係が苦手な人は、一番目の質問をすることで、少しは安心できるでしょう。
休憩時間の過ごし方も、社内の雰囲気を知るためには役に立ちます。休憩時間に同僚が仲良く将棋をしていたり、談笑したりしていたら、職場のよい雰囲気を感じることができます。JTのような大企業では、派閥が生まれやすいですが、二番目の質問をすることによって、社員同士の人間関係を垣間見ることができます。
JTはいろいろな経験をしたい人にとっては面白い
JTは財務省所管の特殊会社です。専売公社の頃は閉ざされたイメージでしたが、最近では開かれた企業になりつつあります。新しい事業への進出は、開かれた企業の一つの発露ではないでしょうか。
安定を求めてJTに就職するのもいいです。業態が固定された大企業では、新しい経験がしにくい傾向にあります。新たな道を模索しているJTであれば、新規の事業を展開する可能性もあり、大企業ながらベンチャー的要素のある面白い会社といえます。
JTのOB訪問なら、ビズリーチ・キャンパス
ビズリーチ・キャンパスには様々な企業の社員が登録しており、皆様の訪問依頼を歓迎します。
ご協力いただいている社員たちは、様々なバックグランドを持ち、自身のストーリーを歩んでいます。
もしかしたら、あなたのバックグラウンドを理解し、あなたのキャリア形成に寄り添ってくれる先輩がいるかもしれません。
まずは行動をしてみましょう。社会人は皆さん学生の味方です。