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選考対策

IB志望者必見!投資銀行部門のジョブの対策法とは?⑧

高学歴就活生に圧倒的な人気を誇る投資銀行部門。今回はそんな投資銀行部門に内定するための、インターン・ジョブに参加するにあたって、必要な対策についてまとめてみました。

こんにちは!ビズリーチキャンパス編集部です。

毎年上位大学生の多くがその門戸を叩く外資系投資銀行、通称「外銀」。
ビズリーチキャンパスではこれまで外銀の概観を紹介する(https://br-campus.jp/articles/report/106)とともに、投資銀行部門で必要とされる知識などを紹介(https://br-campus.jp/articles/report/155)してきました。

しかしながら、その人気に反して投資銀行部門の内定者数は、日系でも各社20名程度、外資だと各社5名程度と非常に狭き門となっています。

就活業界最難関とも言える投資銀行部門に内定するために、どのような対策が必要なのか。
前回までの「ジョブの対策法①」ではジョブの全体的な概要を、「ジョブの対策法②」では対象企業の課題の見つけ方を、「ジョブの対策法③」では買収先企業の選定の方法を、そして「ジョブの対策法④⑤」ではバリュエーションの手法について、「ジョブの対策法⑥⑦」では資金調達手段の選定について、解説してきました。

今回は、その次のフェーズ、発表資料の作成について解説していきます。

前回までのおさらい


投資銀行の「ジョブ」「インターン」とは、選考の一環として行われる2〜5日間のグループワークのことを意味します。

その内容としては、「企業価値を向上させよ」というお題目のもと、ある企業が提示され、その企業に対し「M&A」の提案をするという形式のものが大半です。

具体的な流れとしては以下のようになっています。
===============
1.社員から企業価値の算出方法や過去に事例についての講義を受講
2.今回のインターンシップの対象企業の発表
3.対象企業について、強みや弱み、課題を調査
4.買収先企業の選定
5.買収先企業の企業価値評価(バリュエーション)
6.買収に必要な資金調達手段の選定
7.発表資料の作成
8.発表
==============

結論、
「①A社は現在この分野にこんな感じの弱みを抱えているよ
 ②それを解消するためには、B社を買収するといいよ
 ③買収金額は○円になるよ
 ④B社を買収するとこれくらいの利益が出るよ
 ⑤買収するための金額はこういう方法で調達するよ」
という発表を行うことがゴールです。

今回は、発表資料の作成について説明していきます。

発表資料を作成しよう

ここまで、対象企業の調査から、買収先企業の選定、バリュエーション、資金調達手段の選定までを解説してきました。
次は、今までのチームメンバーとの熱い議論や計算を現役バンカーたちに発表していくための資料作りの段階です。

5日間の投資銀行部門のジョブの場合、この資料作成のフェーズに本格的に突入するのは、4日目の午前ないし午後になります。
4日目にもなると、買収のロジックの策定や企業価値評価の複雑なエクセル操作を経て、精根疲れ果てている状態が常です。

ですが、投資銀行部門のジョブはここからが本番です。
いくら稠密なロジックを構築し、精緻なバリュエーションを行おうとも、その成果を論理的かつ網羅的に、そして明解に、審査員たる現役バンカーに発表しなければ意味がありません。
入社して数年はパワポ作成職人になるのでその前哨戦とも言えるでしょう。

しかしながら、発表資料の構成や見栄えが悪いために、低評価をもらってしまう人がいるのも事実です。

そこで今回は、わかりやすいパワーポイントの作成手法について、以下の通りに、簡潔にですが解説を行なっていきます。

①そもそもどのような発表資料が要求されているかを考えよう
②発表時間の制限をもとに情報の取捨選択をしよう
③資料全体の結論を最初にまとめてしまおう
④目次を作り、資料全体の流れをまとめておこう
⑤個々のページのデザインを統一しよう
⑥個々のページでも結論を最初に述べよう

そもそもどのような発表資料が要求されているかを考えよう

投資銀行部門のジョブで要求されている資料とは、「莫大な情報量を端的にまとめあげた発表資料」です。

世の中のパワーポイント資料は、「少ない情報量を認知してもらうための資料」と「莫大な情報量を理解してもらうための資料」の2種類に大別することができます。

具体的な例をあげるのでれば、前者がスティーブ・ジョブズの新製品発表時におけるプレゼン資料など、後者が国家官僚が作成する政策紹介資料などです。
大衆の前でスクリーンに投影することを主目的にした資料と、印刷し眼前で読ませることを主目的にした資料と換言することもできるでしょう。

そして投資銀行部門のジョブにおける発表資料は、発表時にスクリーンで投影されこそしますが、明らかに後者に分類されるものです。
多くの場合、発表資料は一人一部ずつ、印刷され配布されます。

つまり、スティーブ・ジョブズの新製品発表時の資料や、ベンチャー企業の紹介時の資料などのようにセンセーショナルなデザインではなく、効率的かつ適切に莫大な情報量を配置した、理路整然としたデザインが要求されていることをまずは理解しましょう。

発表時間の制限をもとに情報の取捨選択をしよう

発表資料において、全体を俯瞰した時に瑣末な事象は全て末尾のAppendixに入れてしまいましょう。

Appendixとは、日本語で「付属物」と直訳される、要するに巻末資料のことです。

3日間〜5日間の成果を全て話そうとすると間違いなく時間が足りません。
全体のストーリーの中で、情報の粒度が相対的に低いものは全て巻末資料に入れてしまいましょう。

発表してないことに対して、質問のフェーズで何か突っ込まれれば、
「その質問に関しては、Appendixの◯ページをご覧ください」
と返答し、解説すれば大丈夫です。

全体の発表時間を考え、手元にある情報の優先度合いをしっかりと考え、資料全体のスリム化を狙いましょう。

資料全体の結論を最初にまとめてしまおう

発表資料の最初のページに、資料全体の要旨要約のページを入れましょう。

つまり、
「この企業の課題は何で」、
「これらを解消するためにどこを買収し」、
「その買収によりこのようなシナジー効果が生まれ」、
「業績はこのように推移し」、
「買収資金はこのように調達します」
という発表内容のまとめを最初に言ってしまうのです。

人は「自分が今何を聞いているのか」を理解していない時、極度に理解度及び集中度が低下します。
人に物事を理解させるためには、徹底的に前提を共有することでの共通認識の確立、すなわち、「自分が今から何について話すのか」を前提として共有しておくことが不可欠なのです。

「今からこのようなことについて話しますよ」と、プレゼンテーションの最初に資料全体の結論を述べてしまいましょう。

目次を作り、資料全体の流れをまとめておこう

同様の理由で、資料の目次を作りましょう。

「まず、対象企業の現状についての分析を述べ、次にその中の課題を抽出していきます。続いて、それらを解決し得る買収先企業の提案し、そのシナジー効果と業績予想、買収価格とその調達手法と続いていきます」
と、最初に全体の流れを述べてしまえば、聞き手は発表全体の流れを把握することができます。

「自分が今発表全体のどの部分を聞いていて、次に何が来るのか」を聞き手が理解することにより、聞き手の集中度や理解度を高めることができるのです。

発表を効果的にするために、目次のページを作っておきましょう。

個々のページのデザインと体裁を統一しよう

全ページのデザインと体裁を統一し、わかりやすいものにしましょう。

発表のわかりやすさを構成する要素としては、「全体構成・要点の明確化」の他に、「デザイン」というものもあります。
長々と文字を羅列した論文のような資料や、体裁のまとまっていない資料は、最も唾棄すべき資料です。

よく初心者が陥りがちなミスとして、
・資料全体で文字の大きさが揃っていない
・文字の書体が揃っていない
・レイアウトやデザインが揃っていない
などが挙げられます。

文字の大きさが1ポイント違うだけで上司から怒号が飛び、印刷した資料が宙を舞うのが、投資銀行部門の実際の現場です。
体裁やデザインが悲惨な資料を見た審査員たちは、大抵こめかみに青筋を浮かべています。

逆に言えば、綺麗にデザインや体裁が統一された資料を作ることさえできれば、他の班に対しある程度の優位性を確立することができます。

資料の全ページのデザインと体裁を統一し、わかりやすいものにしましょう。

よく投資銀行部門で用いられるのが、1枚の資料を4分割し4つの小タイトルを入れ込む形式です。
その内容の量によっては、2×2の小タイトル構成をその内容の量によって1×2や2×1の構成にして、サイズを合わせると良いでしょう。

個々のページでも結論を最初に述べよう

全体で最初に結論を述べたように、個々のページにおいても結論を提示するようにしましょう。

例えば、図1においては、タイトルの下にこの1ページ全体の結論を端的に述べるためのテキストボックスを用意しています。

先ほどと同じく、聞き手の理解度を高めるためにも。このページではどのようなことを説明し、その結論はなんなのかということを明記しておきましょう。

終わりに

今回は、パワーポイントで作る発表資料に関して、全体的な構成とここのページの構成、レイアウトについて説明させていただきました。

赤子が話すような非論理的な情報構成。
あれもこれもという聞き手の処理能力を超えた情報の投入。
時間制限内に合わせようとして加速してしまう発表速度。
これらは聞き手を混乱させてしまう愚かな手法です。

優れたプレゼンとは、「最大の情報量を、最小の文字と口上で伝達し、相手に理解させる」ことなのです。
そのために、「結論を最初に述べることでの前提認識の確立」「情報量の削減」「統一的かる可読性の高いレイアウト構成」の3つを心がけていきましょう。

もちろんパワーポイントの極意はこれだけではありません。
グラフなどのデータの提示手法など、学ぶべきことは他にもたくさんあります。

パワーポイントに関する多くの書籍がありますので、ジョブ参加前に目を通しておくと良いでしょう。

一次情報を得て、自分の未来を見つけに行こう

採用ホームページやニュースなどのメディアを読んで、業界・企業研究に励むことはとても大事なことです。 しかし、それらの多くは二次情報に過ぎません。何かしらのバイアスがかかっており、正しい情報であるかどうかは自身で選択していかなければなりません。

情報収集で重要なことは、「どれだけ新鮮な一次情報」を得られるか、ということ。 そしてその一次情報を得る手段としては、「とにかく人と出会う」ことが重要になります。

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