こんにちは。ビズリーチ・キャンパス編集部です。
前回の「『外資系』だから英語は必須?外資系投資銀行に英語力は必要なの?(選考段階編)」に引き続き、今回は、「外資系投資銀行における実務において英語力が必要とされるのか」という疑問に答えてみたいと思います。
前編では、選考の各段階においてどのような形式でどのような英語力が求められており、どのような対策が有効なのかについてを言及してきました。
前編の内容は、
・選考前にTOEICで900点以上を取っておくと安心、これは地道な努力が必要
・英文ESや英語面接があるものの、事前の準備と対策で突破可能
という2点に集約することができます。
今回は、選考段階ではなく、その後について。
つまり、実際に外資系投資銀行に入社した後、実務において、どのような英語力が必要とされているのか、また内定後の英語研修について言及していきます。
結論=必要
結論を言ってしまえば、「Reading」「Writing」「Listening」「Speaking」全ての能力が全ての部署で必要とされています。
当たり前ですが、「外資系投資銀行」と言うからには、「本社が外国にある外国資本の投資銀行」であるわけで、トップは外国語を話す外国人です。
全社的な公用語はもちろん英語ですし、トップと直接やり取りを行う日本支社の上層部も英語を用います。
国外から英語話者が日本支社に異動となり、上司や部下が外国人となる場合も多々あります。
また、グローバル化が進み、国境の二文字が形骸化した昨今、こと金融業界においては世界を相手に仕事を行うことが当たり前になっています。
日系投資銀行ですら入社前にTOEIC900点が求められる時代です。ましてや外資系投資銀行には、なおさら必要だと言えるでしょう。
ただし、英語を使う頻度や求められるレベルは、企業内の部門によって若干異り、フロントオフィスよりミドル/バックオフィスの方が求められる傾向にあります。
ここでは部門別に、英語力の必要度合いをみていきましょう。
(参考)外資系投資銀行内部の部門について
各企業にもよりますが、投資銀行内部の部門の構成はこのようになっています。
●フロントオフィス
・資本市場部門
・投資銀行部門
・マーケット部門
●ミドル/バックオフィス
・リサーチ部門
・オペレーション部門
・テクノロジー部門
詳細は以下のリンクをご覧ください。(https://br-campus.jp/articles/report/106)
フロントオフィス
フロントオフィスの投資銀行部門や資本市場部門では各々が担当するクライアント企業や市場によって、マーケット部門では各々が担当する金融商品によって、さらにそれぞれの部門内における年次によって、英語力の必要度合いや必要能力が異なります。
投資銀行部門とは、企業間のM&Aを仲介する役割を担います。
その担当する企業や買収相手企業が外資系企業であれば、業務において英語を用いることになるでしょう。
資本市場部門においても同様です。
資本市場部門とは、株式や債券発行を通して企業の資金調達を仲介する役割を担います。
その担当する企業や、上場する証券取引所、債券の発行市場によっては英語を用いることになるでしょう。
またマーケット部門は、様々な金融商品を機関投資家に対して売買する業務を行いますが、その金融商品の内容によっては英語が必要になってくるでしょう。
さらに、英語の必要度合いと必要とされる能力は年次によって異なってきます。
投資銀行部門や資本市場部門などでは、基本的に、アナリストやアソシエイトなどのジュニアバンカーが、収益の責任を負わずに、調査や分析、資料作成を担当し、VPやMDなどのシニアバンカーが収益の責任を負い、案件獲得を担当します。
このため、1年目から約7年目までのジュニアバンカーは、基本的に調査や資料作成時において「Reading」「Writing」の能力が必要とされます。
また、8年目以降のシニアバンカーは、案件獲得や相手企業との交渉時において「Listening」「Speaking」の能力が必要とされます。
また、昇進するにつれて、投資銀行本社と会議を行なったりすることも増えていくでしょう。
概して、英語力が必要とされると言っていいでしょう。
ミドル/バックオフィス
結論、リサーチ部門はフロントオフィスと同程度の英語力が、それ以外のミドル/バックオフィスでは、フロントオフィスより高度な、「Reading」「Writing」「Listening」「Speaking」全ての能力が必要とされます。
リサーチ部門は、株式や債権などの金融商品を中心に、為替や各企業の動向、日本経済、はたまた世界経済までを徹底的に分析し、その内容をマーケット部門や投資銀行部門に渡したり、「レポート」として内外に発信したりする部門です。
そのため、企業訪問などの調査時においては「Listening」「Speaking」の能力が、外国向けレポートの記述時においては「Reading」「Writing」能力が求められると言えます。
それ以外のオペレーション部門やテクノロジー部門などの部門においては、契約書の作成や、本社・各国支社などの連絡のために英語を恒常的に用いることとなります。
基本的に帰国子女が多く採用され、ビジネス英語を話すことが前提となっています。
内定後の英語研修について
外資系投資銀行ではその必要度ゆえに、内定後および入社後の英語研修が非常に充実しています。
入社前において、日系投資銀行がせいぜい3ヶ月のSkype英会話研修が行われるのに対し、外資系投資銀行では3ヶ月の対面型英会話研修が行われます。
え、差異がわからない?
前者が月4000円程度で受講可能なのに対し、後者は月15万程度の費用を要します。
このように入社前から一人一人に手厚い英語研修が行われるのです。
また入社後においても、年間数十万円の研修費用助成を受けることができたりと、各企業によって差異こそありますが、手厚い研修体制が継続していきます。
最後に
今回は外資系投資銀行の実際の業務において、英語力が必要とされるかをまとめてみました。確かに外資系投資銀行では高い英語力が必要とされています。ですが、このグローバル化社会において日系企業でも英語力が必要とされないことはありません。英語力の三文字に臆することなく、外資系投資銀行の門戸を叩いてみてはいかがでしょうか。
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