自己PRとは?
自己PRとは、自分の強みや特徴を企業に伝えるためのアピールです。
これまでの経験をもとに、「自分はこんな力を持っていて、それを仕事でどう活かせるか」を具体的に伝えることが大切です。企業は「一緒に働きたい人かどうか」を自己PRから判断しています。
自己紹介との違いは?
就活の面接でよく混同されがちなのが「自己紹介」と「自己PR」です。どちらも自分を伝える場面ですが、目的が異なります。
自己紹介は、氏名や所属、簡単な経歴などを話し、自分がどんな人間かを面接官に知ってもらう導入的な役割となります。一方、自己PRは「自分の強みをどう企業に活かせるか」を伝えるためのもので、より選考に直結する内容が求められます。
つまり、自己紹介はあくまでアイスブレイクや前置きであり、自己PRは自分を売り込むプレゼンの場。混同せず、場面に応じて使い分けることが大切です。
面接官が自己PRで見ている4つのポイント
面接官は、自己PRから次の4つのポイントを見ています。
①どのような人なのか(人柄や性格)
②自社とのマッチ度
③コミュニケーション能力
④入社後に会社で活躍できるか
ただ強みを語るだけでなく、「自分がその会社でどう貢献できるか」まで伝えることが大切です。
①どのような人なのか(人柄や性格)
新卒採用では、即戦力となるスキルよりも「どんな人なのか」という人柄や性格が重視されます。企業にとっては、これから育てていく前提での採用となるため、一緒に働く仲間としてふさわしいかどうかが大切なポイントなのです。
自己PRは、あなたの価値観や考え方、日々の行動からにじみ出る“人となり”を伝える場でもあります。強みの裏にあるエピソードや背景を丁寧に話すことで、面接官にあなた自身を深く理解してもらえるチャンスになるでしょう。
②自社とのマッチ度
企業が自己PRで重視するものの1つが「自社とのマッチ度」です。どれだけ優秀な人でも、社風や価値観が合わなければ早期離職につながる可能性があるため、企業は「うちの雰囲気に合うか」「長く働いてくれそうか」を見極めようとしています。だからこそ、自己PRでは自分の考え方や行動が、その会社の方針や文化とどう重なるかを意識して伝えることが大切なのです。
企業のことを理解し、共感している姿勢は、面接官に好印象を与える大きなポイントになります。
③コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、どの職種でも求められる基本的なビジネススキルです。社内のチーム連携はもちろん、上司やお客様とのやり取りでも欠かせません。
自己PRでは、相手に伝わるように話せているか、質問にしっかり答えられているかなど、話の中身だけでなく“伝え方”もチェックされています。話す内容に自信がなくても、誠実に、わかりやすく伝える姿勢が伝われば十分評価につながります。
面接は自分の「伝える力」を見せるチャンスでもあるのです。
④入社後に会社で活躍できるか
企業が就活生の自己PRで見ているのは、「この人が入社後にどんな活躍をしてくれそうか」という期待値です。つまり、アピールする強みが仕事にどう活かせるのかがポイントになります。
例えば「調整力」や「継続力」などの強みが、入社後の業務でどんなふうに役立つのかを具体的に伝えられると説得力が増します。企業は、ただ優秀な人を採りたいのではなく、「うちで力を発揮してくれる人」を求めているという意識で臨むことが大切です。
自己PRの作成ステップ
自己PRは、伝えたいことをただ並べるだけでは響きません。大事なのは、相手が納得しやすい順序で話すこと。
以下の4ステップを意識すると、説得力のある自己PRに仕上がります。
①結論から話す
②理由やエピソードを話す
③得られたこと・学んだこと
④仕事にどう活かしていくか
この流れを意識するだけで、あなたの魅力がしっかり伝わる自己PRになるでしょう。
①結論から話す
自己PRでは、まず最初に結論から伝えることがとても重要です。
これは「PREP法」と呼ばれる話し方の基本で、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(再度結論)という流れで構成されます。
最初に自分の強みを明確に伝えることで、面接官はその後の話を理解しやすくなり、印象にも残りやすくなります。「私の強みは○○です」とはっきり伝えることで、伝えたいポイントがブレずに相手に届きやすくなるのです。
話し出しでつまずかないためにも、この順序はしっかり意識しておきましょう。
②理由やエピソードを話す
自己PRでは、ただ強みを伝えるだけでなく、「なぜそう思うのか」を裏付けるエピソードが重要です。自分の強みを実感したきっかけや、その力を発揮した具体的な出来事を交えて話すことで、説得力がぐっと増します。
内容は、アルバイトや部活動、ゼミ活動、ボランティアなど、自分が主体的に関わった経験から選ぶのが一般的です。ポイントは、状況・行動・結果を順を追って簡潔に伝えることです。以下のテンプレートを活用すると、わかりやすくまとまります。
【テンプレート例】
「○○の経験を通じて、△△力を身につけました。例えば、□□の場面では、自分から××を行い、結果として◇◇を達成しました。」
このように、流れを意識して伝えることで、あなたの強みがよりリアルに伝わるでしょう。
③得られたこと・学んだこと
経験をただ語るだけでなく、その経験から「自分が何を学んだか」「どう成長したか」を伝えることが重要です。企業は、学生時代の経験そのものよりも、そこから得た気づきや価値観、そして今後にどう活かしていこうとしているかに注目しています。
例えば、失敗から学んだ粘り強さや、周囲と協力する中で培った調整力など、自分なりの学びを整理しておくと、自分らしい自己PRになります。
エピソードの結末として「この経験を通じて、私は○○の大切さを学びました」といった一文を加えることで、話に芯が生まれるでしょう。
【テンプレート例】
「この経験を通じて、私は○○の重要性に気づきました。今後もこの学びを大切にしながら、より良い行動につなげていきたいと考えています。」
自分の成長を自覚している姿勢は、企業にとっても魅力的に映るはずです。
④仕事にどう活かしていくか
自己PRの締めくくりでは、自分の強みや学んだことを「入社後どう活かしていきたいか」まで伝えることが大切です。面接官は、あなたが会社でどんな役割を担い、どう貢献してくれるのかを具体的にイメージしたいと思っています。そのためには、企業の仕事内容や求める人物像を理解したうえで、「自分の強みがこういう場面で役立つ」と結びつけることがポイントです。
ここまで伝えることで、あなたの強みが“その会社で活きる力”として、よりリアルに伝わります。
【テンプレート例】
「この強みを活かして、貴社では○○のような場面でチームに貢献したいと考えています。目の前の仕事に丁寧に向き合いながら、着実に成長していきたいです。」
未来への視点を加えることで、前向きな姿勢や意欲が伝わり、面接官の印象にも残りやすくなるでしょう。
好印象を与える自己PRの答え方
就活における自己PRには、「押さえておくことで好印象を与えやすくなるポイント」があります。やみくもに自己PRを考えるのではなく、” 好印象を与える自己PRの答え方”を意識することが重要になります。
企業が求めている人材を把握する
自己PRで好印象を与えるには、企業が求めている人物像をきちんと把握し、自分の強みと重なる部分を伝えることが大切です。企業が大切にしている価値観や、仕事に求める姿勢と一致するアピールができれば、「うちに合いそう」と高く評価されやすくなります。企業が求める人材は、公式サイトの採用ページや企業理念、説明会やOB・OG訪問などから知ることができます。しっかりと情報収集をして、相手に響く自己PRを準備しましょう。
企業理念に合った内容を入れる
自己PRに企業理念とつながる内容を盛り込むことで、「企業理解が深い学生だな」と面接官に好印象を与えることができます。
企業理念は、その会社が大切にしている価値観や方向性を示すもの。そこに共感し、自分の経験や考え方と重ねて伝えることで、「この人はうちで活躍してくれそうだ」と思ってもらいやすくなります。
企業理念は採用サイトや会社案内に記載されていることが多いので、事前にしっかり読み込んでおきましょう。
自信を持って明るく答える
自己PRでは、話す内容だけでなく「伝え方」も印象を大きく左右します。
自信を持って明るく話すことで、面接官に前向きな印象を与えることができるでしょう。目線はうつむかず、相手の目を見るように意識し、背筋を伸ばしてはきはき話すことがポイントです。手振りは大げさでなくてOK。言葉に合わせて自然に動く程度なら、話にメリハリが出て聞きやすくなります。
堂々と話す姿勢には、それだけで「信頼できそう」と思わせる力があるのです。
【エピソード別】自己PRの例
自己PRを考えるうえで、「どんな経験をもとに話すか」で悩む人も多いでしょう。
ここでは、アルバイトや部活動、ゼミなど、就活生に多いエピソードごとに自己PRの例文を紹介します。自分に近い経験を見つけて、伝え方の参考にしてみてください。
大学のゼミ
ゼミ活動は、自己PRに使いやすいエピソードの1つです。特にディスカッションや発表、グループ研究などを通して得た気づきや、自分の役割を振り返ることで、強みを具体的に伝えることができます。
例えば「人の意見をまとめるのが得意」「論理的に考える力がある」「周囲の意見を尊重しながら自分の意見も伝えられる」など、協調性や主体性、思考力といった社会人に必要な力をアピールできます。
【例文】
私の強みは、相手の意見を受け止めつつ議論を前に進める調整力です。ゼミではメンバー間で意見が対立することも多くありましたが、そのたびに双方の主張を整理し、共通点を見出す役割を担ってきました。その結果、ゼミ内の話し合いが円滑になり、発表内容にも一体感が生まれました。この経験から、相手を尊重しながら自分の考えを伝える力が身についたと感じています。今後はこの力を活かし、社内外での信頼関係構築に貢献していきたいです。
留学経験
留学経験も、自己PRとして非常に効果的なエピソードです。異なる文化の中で生活し、言語や価値観の違いに直面しながらも自分なりに乗り越えた経験は、行動力や柔軟性、語学力といった強みの裏付けになります。
また、知らない土地で自ら学びに飛び込んだ姿勢は、チャレンジ精神や適応力のアピールにもつながります。単に「海外に行った」だけで終わらせず、どんな困難があったか、それをどう乗り越えたかを具体的に伝えることがポイントです。
【例文】
私の強みは行動力と異文化への適応力です。大学2年時に半年間、オーストラリアに留学した際、最初は語学力や生活習慣の違いに戸惑いましたが、現地の学生と積極的に交流し、課題やプレゼンにも挑戦しました。その結果、語学力が向上しただけでなく、どんな環境でも自ら動いて学ぶ姿勢が身についたと実感しています。この経験を活かし、仕事でも新しいことに前向きに挑戦し、柔軟に対応できる人材を目指したいです。
サークル・部活
サークルや部活での経験は、チームで取り組む姿勢やリーダーシップを伝えるのに適した自己PRの材料になります。仲間と目標に向かって努力した経験は、協調性や責任感を示すうえで説得力があります。
また、チームの中心としてまとめ役を担ったエピソードがあれば、組織の中での立ち回り方や行動力もアピールできます。成果の大小よりも、そこで自分がどう動いたか、何を意識していたかを具体的に伝えることが大切でしょう。
【例文】
私の強みは、チーム内の意見をまとめて前に進める力です。大学ではテニスサークルの副代表を務めており、大会の運営や練習スケジュールの調整を任されていました。メンバーの予定が合わず、話し合いが難航することもありましたが、それぞれの意見にきちんと耳を傾けて”納得できる着地点”を探るよう心がけました。その結果、全員が納得できる形で予定を組めるようになり、参加率も上がりました。この経験から、周囲の声を踏まえて動くことの大切さを実感しました。社会に出てからも、チームで気持ちよく働ける環境づくりに貢献していきたいです。
アルバイト経験
アルバイト経験は多くの学生が持っている身近なエピソードですが、その中でも「どんな姿勢で取り組んだか」「どんな工夫をしたか」を伝えることで、他の人と差をつけることができます。特に継続力や臨機応変な対応力、周囲との連携など、社会人として必要な素養をアピールしやすい場面です。
忙しい時間帯の対応やクレーム対応など、自分が工夫したり、改善に関わった経験を具体的に伝えると、説得力が増します。
【例文】
私の強みは、物事を継続する力と、その場に応じた柔軟な対応ができるところです。大学1年から3年間、カフェでアルバイトを続けてきました。特に混雑時は、お客様の要望に素早く対応しながら、ミスが起きないように仕事の優先順位をつけて動くよう意識していました。また、新人スタッフが増えたタイミングでは、対応フローを見直してわかりやすい形にまとめて共有したことで、業務の流れがスムーズになり、クレームも減りました。現場で状況を見極めながら周囲と連携して動く力は、今後の仕事でも必ず活かせると考えています。
インターンシップでの経験
インターンシップでの経験は、実際の業務に触れた上での自己PRとして、非常に説得力があります。短期間であっても、課題に直面したときにどう動いたか、どんな成果を出したかを具体的に伝えることで、行動力や課題解決力をアピールできます。
また、企業で働く人々と関わる中で学んだ姿勢や視点も、自分の成長を語るうえで重要な要素になります。現場でのリアルな気づきや対応が、評価されるポイントです。
【例文】
私の強みは課題に対して主体的に行動する力です。大学3年時に参加した広告会社のインターンでは、実在する商品のプロモーション案を考えるグループワークがありました。当初は意見がまとまらず進行が滞りましたが、私は全員の意見を可視化するツールを提案し、議論を整理しながら進行役を担いました。その結果、最終発表では「企画力と構成力が伝わる」と高評価をいただきました。この経験を通じて、状況を客観的に見て動く力と、チームで成果を出す難しさと楽しさを実感しました。
ボランティア活動
ボランティア活動は、主体性や社会貢献意識を伝える上で効果的な自己PRの題材です。自らの意思で取り組んだ経験は、それだけで行動力や責任感の表れとされ、高く評価されやすい傾向があります。
また、現場での人との関わりや工夫したこと、困難をどう乗り越えたかなどを具体的に伝えることで、自分の強みや価値観をしっかりアピールできます。
「なぜ参加したのか」「どんな気づきがあったか」も合わせて伝えると、説得力が増します。
【例文】
私の強みは、相手の立場に立って行動できる力です。大学2年のとき、地域の子ども食堂でボランティアに参加し、子どもたちと関わる中で、一人ひとりの気持ちやペースに合わせて接することの大切さを学びました。特に人見知りの子には、無理に話しかけるのではなく、同じ目線で一緒に遊ぶことで少しずつ信頼関係を築きました。この経験を通じて、相手を思いやる姿勢と、場に応じた柔軟な対応力が身についたと感じています。今後も、相手の気持ちに寄り添いながら行動できる社会人を目指したいです。
面接でやりがちな自己PRのNG例
自己PRは、自分の魅力を伝える大事な場面ですが、内容や話し方を間違えると、かえってマイナス印象を与えてしまうこともあります。
ここでは、「就活の面接でやりがちな自己PRのNG例」を紹介します。よくある失敗例を知っておくことで、事前に対策して自信を持って本番に挑めるでしょう。
回答時間が長い
自己PRでありがちなのが、話したいことが多くなりすぎて回答が長くなってしまうケースです。内容がまとまっていないと、面接官に伝わりづらくなるだけでなく、「要点をまとめる力がない」と評価されてしまうこともあります。
自己PRは1分〜1分30秒ほどに収めるのが理想的。事前に話す内容を整理し、聞き手が理解しやすい構成を意識しましょう。
企業が求めている人物に合っていない
自己PRで自分の強みを語っても、それが企業の求める人物像とズレていると、「うちで活躍するイメージが湧かない」と判断されてしまいます。
企業は自社に合う人材を採用したいと考えているため、採用するメリットが見えないと評価が下がりがちです。企業の求める人物像を事前にしっかり調べ、自分の強みとどこが重なるかを意識して伝えることが大切です。
根拠のない内容
「選考を通過したい」という気持ちが強くなると、つい印象のよさそうな言葉で強みを盛ってしまいがちですが、根拠のない自己PRは逆効果です。エピソードが伴わない抽象的な話は説得力に欠け、面接官から「本当にそうなの?」と疑問を持たれてしまいます。
企業は実体験を通じて得た力や価値観を重視しているため、具体的な行動や成果をもとにしたエピソードがあるかどうかが評価の分かれ目になります。背伸びせず、自分の言葉でリアルな経験を語ることが大切です。
まとめ
自己PRは、ただ強みを話すだけでなく、「この人と働きたい」と思ってもらうための重要なアピールです。伝え方の工夫や企業とのマッチ度を意識することで、印象は大きく変わります。
自分らしいエピソードを整理し、自信を持って伝えられる準備をしておきましょう。
面接での自己PRに関するよくある質問
面接で自己PRするには何を話せばいいですか?
面接で自己PRをする際は、自分の強みを軸に「どんな経験からその強みを得たか」「その強みを入社後どう活かせるか」を具体的に伝えることが大切です。アルバイトや部活、ゼミなどのエピソードを交え、説得力のある話にしましょう。企業の求める人物像と自分の強みが重なる部分を意識して話すと、より好印象につながります。
自己PRと自己紹介は何が違うんですか?
自己紹介は、名前や大学、専攻、簡単な経歴などを伝える“挨拶”のような位置づけで、面接の導入として使われます。一方、自己PRは自分の強みや特徴を具体的な経験をもとにアピールし、「入社後にどう活躍できるか」を伝える場です。目的が異なるため、内容も使い分ける必要があります。
人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!
ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
・誰もが知る人気大手企業から、特別座談会・選考免除・特別選考ルートなどのスカウトが届く
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ぜひビズリーチ・キャンパスご活用し皆様にとって最適なキャリア選択を実現してください。