営業職ってどんな仕事?
実際のところ、「この会社の商品・サービスのことだけは知っている」という状態で、採用担当者が納得する志望動機は作れません。「志望動機に何を書いていいのかわからない」なら、まず「自分はこの会社に入ったら、毎日どんな仕事をするのか」ということをよく知ることが重要です。
学生の皆さんが企業選びでもっとも注目するのは「扱う商品がなにか」という点で、志望動機にもその会社の商品やサービスについての思いを書いているケースがいちばん多いパターンです。
しかし、それ以外にも「仕事のスタイル」「自分の得意なことが活かせるか」という点で営業職について知ることが、入社後に「こんなはずじゃなかった」とならないためにも必要です。
まずは営業という仕事について、その仕事スタイルを知るためによく使われるチェックポイントをご紹介します。
新規開拓営業とルート営業
「新規開拓営業」は読んだ通り、「新規取引先を開拓することを中心とした営業スタイル」のことです。仕事のほぼすべてが新規開拓営業、という会社の代表的な例は住宅メーカーです。一方、ルート営業は「決められたルートを回るように、既存の顧客を回って契約を継続して得ることを中心とした営業スタイル」のことです。例えば自動車部品メーカーなどが挙げられます。実は、例で挙げたような「どちらか一方に極端に偏っている」という企業よりも、割合は異なりますが、一人の営業マンがどちらも担当する、という会社が少なくありません。企業によっては「新人のうちは100%新規開拓だが、顧客が増えてきて、5年目にはルートセールスだけになる」というような場合もあるでしょう。この点を確認したい場合は、説明会やOB訪問で「新人のときと、中堅社員になったときで割合は変わりますか」「毎年何社くらいの新規取引先を開拓することを目標にしていますか」などの質問をしてみましょう。
法人営業と個人営業
「法人営業」はお客様が法人、「個人営業」はお客様が個人、という意味です。BtoB企業、BtoC企業とも言ったりします。法人営業の例は素材メーカー。「化学素材」を個人にセールスすることはありませんよね。「教科書の出版社」のように、お客様がごく限られた相手というケースもあるでしょう。絶対に「個人営業」しかない業種は案外少ないのですが、「植毛」業界などがあてはまります。カーディーラー(車の商社)は個人営業しかないように思えますが、ディーラーによっては法人向けセールスのほうが取扱高が多かったりするケースもあるでしょう。
外勤営業と内勤営業
営業と言えば外回り、と考える方も多いのですが、実は「営業だけれども会社から一歩も出ない」という仕事もあります。お客様からの受注を電話で受け付けるテレフォンオペレーターや人材コーディネーターなども「内勤の営業職」です。
企画営業とは?
よく質問をうけるのが、「企画営業職」についてです。共通の定義はないのですが、およそ「個別のお客様向けに、自社の商品をカスタマイズしたり、膨大な商品点数のなかから何をオススメするかの裁量が営業に任されている」という仕事スタイルに「企画営業」の名がつけられているケースが多くあります。自分独自のアイデアを求められる仕事がしたい、という場合は、自分の挑戦してみたい仕事内容と、その会社での仕事内容がきちんと一致しているか、よく確認する必要があります。
営業職に求められる能力や資質
商品とお客様、仕事のスタイルの組み合わせが無限にある営業職。そういった意味では、「自分に向いているスタイルの営業職はどんな人にも必ずある」と言っても過言ではありません。「毎日100社近い企業を訪問し、新しいパンフレットを配布して、5分~10分の立ち話で少額の受注をとる営業」と、「担当企業は2社のみ。1年に一度、億単位のプロジェクトを提案する営業」に必要な能力や資質が同じはずはありません。とはいえ、もちろんどんなタイプの営業職の方にも「ある方がいい」能力と資質があります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力、というと「明るく快活、誰とでも仲良くなれる」といったイメージをもつ方も多いのですが、そうではありません。コミュニケーション能力とは、「相手を動かす能力」のことです。「相手の問題点を的確に把握することで相手を動かす」ことができる人、「相手の気持ちに共感することで相手を動かす」ことができる人など、自分の働きかけがきっかけで周囲の人が「行動」をした経験を思い出してみましょう。それがあなたの「コミュニケーション能力」を表す特徴的な出来事かもしれません。
好奇心
お客様への興味・関心を高く持てる、という意味で好奇心が旺盛なタイプはどんな営業職でもよい影響があるでしょう。
前向きさ
いいときもあれば悪いときもあるのが「営業成績」です。どんなに努力しても、相手の状況ひとつで、期待していたような結果に結びつかない、ということもあります。そんなとき、「次にまた頑張ろう」という前向きさが営業へのモチベーション維持につながります。
営業志望動機の書き方
志望動機を書く上でのポイントは、「自分にはこの仕事ができると思う理由」を書くことです。仕事研究がじゅうぶんでない状況で志望動機を書こうとすると、「この会社の商品・サービスがよいと思う理由」になりがちですが、とくに「みんなが好きなのがアタリマエ」の商品やサービス(例えばお菓子メーカーやおもちゃメーカー)で、「好き」を表現しても、あなたを選ぶ理由にはなりません。以下のポイントを意識して書き出してみましょう。
自分の能力をどう活かせるのか
自己PRを書く、ということではなく、「こんなことをしてきて、こんなことができる人なら、ウチの仕事に興味をもつだろうなあ」と感じてもらえるかという点が重要です。
なぜその業界を選んだのか
必ずしも企業選びの「軸」が業界にあるとは限りませんが、伝えやすい、というメリットがあるので、志望理由が「業界」という単位であるなら記載するとよいでしょう。
なぜその企業を選んだのか
数ある企業の中で、最終的に「この1社を受けよう」と思った理由を最後にまとめると、熱意が伝わりやすい志望動機になります。
3つのポイントを反映させた志望動機の例文
【例:ソフトウエア企業の営業職】
学祭実行委員、新入生歓迎実行委員の活動を通して、「カタチのないものを、チームで作り上げる喜び」を知りました。お客様によってひとつひとつ異なるご要望のシステムを、ユーザー、技術者たちとチームを組んで作り上げていくこと、納品後も長くお付き合いが続くことに魅力を感じ、ソフトウエア業界を志望しました。なかでも貴社は、営業職からシステムコンサルタントへのキャリアアップ支援に力を入れておられ、「明確なレベルアップ」が意識できる点に、特に惹かれています。
志望動機、これでいいかな…そんなときは
面接が進むにつれて、どんどん重要度が高くなるのが志望動機。「きちんと企業研究ができているな」「こんな志望動機なら、志望度合いも高いのだろうな」という判断レベルを、企業側も選考を進めるにつれて上げていくからです。
もちろん、エントリーシートは企業によっては最終面接まで面接官の手元で参考にする重要書類。本命企業なら、エントリーシート段階でも力を入れて志望動機を書きたいところです。とはいえ、「会社のこと」を理解していないと伝わらない志望動機は、自己PRよりも難易度は高めです。「志望動機、これでいいのかな…」と不安になったときは、実際にその会社で活躍している先輩社員に客観的に見てもらうのがいちばんです。また、営業職を志望しているなら、「初対面の目上の人と、きちんとしたマナーで問題なく話せているな」という印象を持ってもらうのも重要です。
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一次情報を得て、自分の未来を見つけに行こう
採用ホームページやニュースなどのメディアを読んで、業界・企業研究に励むことはとても大事なことです。 しかし、それらの多くは二次情報に過ぎません。何かしらのバイアスがかかっており、正しい情報であるかどうかは自身で選択していかなければなりません。
情報収集で重要なことは、「どれだけ新鮮な一次情報」を得られるか、ということ。 そしてその一次情報を得る手段としては、「とにかく人と出会う」ことが重要になります。
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