就職活動において、面接後のお礼メールは必ずしも送る必要はありません。しかし、感謝の気持ちを伝えたいと考える場合には、いくつかの注意点をおさえておくことが重要です。お礼メールを送ることで、面接官に良い印象を与えることができる一方で、内容やタイミングを誤ると逆効果になることもあります。
本記事では、お礼メールの必要性や、送る際に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。これを参考にして、効果的なお礼メールを作成しましょう。
面接後のお礼メールは必要か?
結論からいうと、お礼メールは必須ではありません。
株式会社マイナビ「マイナビ転職」がおこなったアンケート結果によると、転職活動の経験がある1,744名のうち「お礼メール・お礼状を送ったことがある」と回答した人は23%となりました。お礼メールを送るのは少数派であるといえるでしょう。
出典:「マイナビ転職」―「面接後、お礼メール・お礼状は送るべき?基本の書き方や例文、注意点を解説」
一般的には、お礼メールの有無が選考結果に影響を与えることは少ないと考えられています。もちろん、送ることで印象が良くなる可能性もありますが、その効果は限定的です。
お礼メールを送ることで、面接官に感謝の気持ちを伝えることができるため、マイナスにはならないでしょう。しかし、あくまで選考の結果に大きな影響を与えるものではないという点を理解しておくことが重要です。
お礼状はメールと手紙どちらがベスト?
お礼状を送る際に、メールと手紙のどちらが適しているかについて考えてみましょう。
基本的にはどちらの方法でも問題ありませんが、スピード感を重視するならメールが最適といえます。
面接後、企業側は多くの候補者の合否を検討しているため、迅速にお礼を伝えることが重要です。メールであればすぐに送信できるため、面接での印象が新鮮なうちに感謝の気持ちを伝えることができます。
一方、手紙はより丁寧な印象を与えることができるため、特別な配慮を示したい場合には有効です。ただし、手紙は郵送に時間がかかるため、相手が受け取ったタイミングによっては、すでに自分の印象が面接官の中では薄くなっている可能性があります。
そのため、一般的には、面接後のフォローアップとしてはメールを選ぶほうが良いでしょう。
どちらを選ぶにしても、面接での感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切です。
面接後のお礼メールはいつまでに送る?
面接後のお礼メールは、基本的には当日中に送るのが望ましいです。面接の直後に送信することで感謝の気持ちを新鮮な言葉で伝えることができ、面接官の記憶にも残りやすくなります。
しかし、メールを送る時間が深夜になってしまう場合は注意が必要です。深夜にメールを送信すると、相手に「常識がないのでは」「生活リズムが乱れているのでは」といった印象を与えることがあるためです。場合によっては、ビジネスマナーに欠けると見なされることもあります。
面接当日中のメール送信が深夜になってしまうのであれば、翌日の午前中に送信するほうが良いでしょう。
面接後のお礼メールの書き方
ここでは、お礼メールを書く際におさえておくべきポイントを詳しく解説します。
まず、件名は簡潔に設定しましょう。ただし誰からのメールであるかがすぐにわかるようにすることも大切です。「面接のお礼(〇月〇日、〇〇大学〇〇 〇〇)」といった形式が適しています。これにより、受取人がメールの目的をすぐに理解できるだけでなく、あなたの情報も一目でわかります。
メールの先頭には宛名を記載します。先方の会社名や肩書きを正しく書きましょう。面接官の名前がわからない場合は、「採用ご担当者様」といった表現を使っても問題ありません。
本文の冒頭では、面接日、大学名、学部名、そしてフルネームを記載します。例えば、「〇月〇日に面接を受けました、〇〇大学〇〇学部の〇〇です」といった形で始めましょう。
お礼の言葉は無理に過剰な表現をする必要はなく、シンプルなもので構いません。その分、面接で印象に残った具体的なエピソードに触れるとよいでしょう。例えば「面接中にお話しいただいた〇〇プロジェクトの取り組みが非常に印象的でした。私もその一員として貢献できるイメージが湧きました」といった内容が良いでしょう。より志望が高まったことを伝えることができます。
最後にあらためてお礼を述べ、「今後の選考結果を楽しみにしております。お忙しいところ恐縮ですが、返信は不要です」といった結びの言葉で締めると良いでしょう。お礼メールは、面接後の大切なフォローアップの一環ですので、丁寧に書くことを心がけましょう。
例文1
件名:面接のお礼(〇月〇日面接、〇〇大学〇〇学部〇〇)
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
お世話になっております。本日面接のお時間をいただきました〇〇大学〇〇学部の〇〇です。
このたびは貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
面接中にお話しいただいた御社の「新製品開発プロジェクト」について、特に市場調査を基にしたユーザーのニーズを反映させる取り組みが非常に印象的でした。私も大学での研究を通じて消費者行動に関する分析をおこなっており、その知識を活かして御社のプロジェクトに貢献するイメージが持てました。
面接を通じて、御社で働くことへの志望が一層高まり、私自身もその一員として成長できる場であると感じました。
あらためて、面接の機会をいただきましたことありがとうございます。今後の選考結果を心より楽しみにしております。お忙しいかと思いますのでご返信には及びません。
何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇大学〇〇学部〇〇 〇〇
メールアドレス:xxxx@xxxx.xx.xx
電話番号:xxx-xxxx-xxxx
例文2
件名:お礼のご連絡(〇月〇日面接、〇〇大学〇〇学部〇〇)
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。本日面接を受けました、〇〇大学〇〇学部の〇〇です。
本日は面接の機会をいただき、心より感謝申し上げます。面接中にお話しいただいた「環境保護プロジェクト」について、特に企業としての持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みが非常に刺激的でした。私も大学で環境科学を専攻しており、リサイクルやエコロジーに関するプロジェクトに参加してきた経験があります。その経験を活かして、御社のプロジェクトに貢献できることを強く望んでいます。
また、御社のチームが一丸となって目標を達成する姿勢に感銘を受け、私自身もその環境で成長しスキルを磨きたいと、御社で働くことへの志望が一層高まりました。
あらためて、面接の機会をいただきましたことにお礼申し上げます。貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
〇〇大学〇〇学部〇〇 〇〇
メールアドレス:xxxx@xxxx.xx.xx
電話番号:xxx-xxxx-xxxx
お礼メールを送る際の注意点は?
お礼メールは、相手への感謝と熱意を伝える手段になり得ます。しかしただ送れば良いというわけではなく、いくつかの注意点があります。ポイントを理解し、次のステップへとつながるお礼メールを送りましょう。
定型文を送らない
お礼メールは、定型文をコピーして使い回すのではなく、その都度自分の言葉で表現しましょう。どの企業にも通じる定型文を使うと先方にも定型文であることが伝わり、マイナスの印象を与える可能性もあります。
できるだけ自分の言葉で、面接中に話した内容や印象に残ったエピソードを盛り込むことで、相手に対する感謝の気持ちがより強く伝わります。また、オリジナルの内容は、あなたの個性や熱意をアピールする良い機会にもなります。
こうした配慮・意識は、実際に入社してからも求められるスキルです。ビジネスパーソンとしてふさわしいことをアピールするためにも、原則として定型文のメールは避けましょう。
メールの長さに気をつける
お礼メールは、簡潔で読みやすい内容にすることが大切です。長すぎるメールは、相手にとって負担になることがあります。感謝の気持ちを伝えることは重要ですが、冗長な表現や余計な情報は避け、相手がスムーズに読み進められるように配慮しましょう。
理想は、数文から数段落程度で、要点をしっかりと伝えることを心がけましょう。「○○について深く知ることができたことが嬉しい」「企業の理解が深められて有意義であった」などの内容を具体的かつ端的に述べることは重要です。
上記をおさえられていれば、短くても、心のこもっていると感じられるため、十分に相手に自分の気持ちを伝えられます。
フォーマルな言葉遣いを心がける
お礼メールでは、フォーマルな言葉遣いを心がけることが重要です。カジュアルすぎる表現や、友人に送るような軽い言葉遣いは避けましょう。
特にビジネスの場では、敬語や丁寧な表現が求められます。「お世話になりました」や「ご指導いただき、ありがとうございました」といった丁寧な言葉を使うことで、相手に対する敬意を示すことができ、またビジネスに必要な常識を備えていることも伝えられます。
メールは、本文に使われている文章そのものが、自分の印象となります。だからこそ、メールの本文は「ビジネスシーンに即した人材」を印象づけるためにも、フォーマルな雰囲気に調整することが重要です。
プライベートな情報は避ける
お礼メールではプライベートな情報や個人的な話題は避けましょう。ビジネスの場で、例えば家族や知人の話といった私的な情報を盛り込むと、相手に対して不適切な印象を与える可能性があります。プライベートな情報が多すぎると、メールの本来の目的がぼやけてしまい、相手にとって重要なメッセージが伝わりにくくなります。
また、面接官は多忙な中で業務をおこなっているため、私的な話題に時間を割く余裕がないことが多いです。ビジネスメールでは必要な情報に集中することが大切です。
返信を期待しない
お礼メールを送っても、企業からの返信は期待しないようにしましょう。感謝の気持ちを伝えるためのメールであるため、相手が必ずしも返信をする義務はありません。特に多忙な面接官の場合、たくさんのメールを受け取っているため、全てに対して返信することは難しいことがあります。
逆にいえば、返信がないからといって、必ずしも面接に落ちたわけではないことを心に留めておきましょう。お礼メールは、あくまで自分の気持ちを表現する手段であることを忘れずにいましょう。
お礼メールがマイナスな印象を与えてしまうケースとは
内容や送信タイミングなどに注意を払わないと、せっかくのお礼メールがマイナスの印象を与えてしまうことがあります。
ここでは、お礼メールが逆効果になるケースをいくつか紹介します。
誤字脱字がある
お礼メールに誤字や脱字が含まれていると、受け取った側に不信感を与えることがあります。就職活動においては、細部にまで気を配る姿勢が求められます。誤字脱字は、あなたの注意力や真剣さを疑わせる要因となりかねません。
たとえメールの内容が良くても、誤字が目立つと印象が悪くなるため、送信前に何度も見直すことが大切です。もし、誤字脱字を見逃していないか不安があるなら、友人や家族にチェックしてもらうのも良い方法です。正確な表記とフォーマルにふさわしい言葉遣いを心がけ、丁寧なメールを送りましょう。
本文の内容が薄い
お礼メールの本文が薄いと、相手に対して感謝の気持ちが伝わりにくくなります。単に「本日はありがとうございました」とだけ書いたメールでは、お礼メールとしての情報量が不十分です。
面接での具体的なエピソードや学びを盛り込むことで、より印象的なメールになります。例えば、面接官からのアドバイスや興味深い話題について触れることで、相手に対する関心や感謝の気持ちを示すことができます。内容が充実していると、あなたの熱意や意欲も伝わりやすくなりますので、しっかりと考えて書きましょう。
送信タイミングが遅い
お礼メールの送信タイミングも非常に重要です。前述のとおり、面接後、できるだけ早く送ることが望ましいです。遅くとも24時間以内には送信するように心がけましょう。遅れてしまうと、面接官から、自分の記憶が薄れてしまい、あなたの印象も弱まります。
また、タイミングを逃すことで、他の候補者と差をつけるチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。迅速な対応は積極性や誠実さをアピールする良い機会ですので、ぜひ意識しましょう。
お礼メールに関するよくある質問
面接後のお礼メールは、感謝の気持ちを伝えるだけでなく、良い印象を与えるためにも重要です。しかし「こういったケースはどう対応したらいいのか」疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、お礼メールに関するよくある質問を解説します。
面接が複数回ある場合は、毎回お礼メールを送るべき?
面接が複数回おこなわれる場合、各回の面接後にお礼メールを送ることが望ましいです。特に、異なる面接官と面接をおこなった場合、それぞれに感謝の意を示すことで、丁寧な印象を与えることができます。ただし、内容は重複しないように工夫し、各面接での具体的なやり取りや学びを盛り込むと良いでしょう。誠意や関心が伝わりやすくなります。
電話は避けたほうがよい?
面接後にお礼の電話をかけることは、一般的には避けたほうが良いでしょう。電話は相手の都合を考慮せずに話しかけることになるため、相手が忙しい場合や会議中であった場合には、迷惑になることもあります。
特に緊急性がない場合には、メールで感謝の気持ちを伝えるほうが適切です。メールであれば、相手が都合の良いタイミングで確認できるため、より丁寧な印象を与えることができます。
返信がきたらどう対応する?
お礼メールを送った後に返信があった場合は、できるだけ早く対応することが大切です。返信が来た際には、「ご返信いただきありがとうございます」といった感謝の言葉を最初に述べると良いでしょう。
その後、選考結果を待っている旨を伝え、「選考結果をお待ちしています。どうぞよろしくお願いいたします」と簡潔に書くと、相手に良い印象を与えることができます。丁寧かつ迅速に対応することを心がけましょう。
面接官が複数いた場合にはどうしたらいい?
面接を受けた際に複数の面接官がいた場合、お礼メールの宛先について悩むことがあるかもしれません。しかし、全員に個別にメールを送る必要はありません。宛先を連名にして、一通のお礼メールを送ることで、効率的に感謝の気持ちを伝えることができます。
お礼メールで新たな質問をしてもいい?
お礼メールを送る際に、面接で聞き忘れたことを質問するのはマナー違反とされています。お礼のメールは、あくまで感謝の気持ちを伝えるためのものであり、追加の質問をすることで相手に負担をかける可能性があります。
面接官は、選考結果を待っている候補者に対して、スムーズに進めたいと考えているため、質問を持ち込むことは避けるべきです。
もしどうしても聞きたいことがある場合は、選考が終わった後に別途メールを送るか、次の機会に尋ねるようにしましょう。
関連リンク:インターンのお礼メールの送り方。感謝の気持ちを伝えよう
まとめ
面接後のお礼メールは、必ずしも送る必要があるわけではありませんが、送る場合は注意が必要です。適切なタイミングや内容、敬語の使い方などを意識することで、相手に良い印象を与えることができます。
逆に、誤った内容や遅すぎる送信はマイナスの印象を与える可能性もあるため、慎重に考えることが大切です。お礼メールを通じて、あなたの誠実さや礼儀正しさをアピールし、就職活動をより良いものにしていきましょう。
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