グループディスカッションの目的って?
そもそも、グループディスカッションとは、大量の学生を短時間で見極める選考であり、大きく分けて二つの目的で実施されます。
短時間で大量の学生を選考する
グループディスカッションは、多くの学生を選考する企業にとって短時間で選考することができるメリットがあります。そのため、グループディスカッションは選考の序盤に行われることが多いです。
面接では見られない能力を見る
グループディスカッションのもう一つの目的は、面接では見られない能力を選考基準として見ることです。面接では見られない能力は5つあり、協調性・積極性・コミュニケーション能力・発想力・論理的思考力が人事の評価ポイントとなっています。
人事の評価ポイント
グループディスカッションの目的は理解できたでしょうか。ではここからは、実際に人事は就活生のどんなところを評価するのか詳しく見ていきましょう。
協調性
自分のことしか考えない人間は、会社にとっては不利益な存在になりかねません。グループディスカッションでは、グループの生産性を高める人物であるのか、協力して課題を解決できるかなど協調性がある人物なのかを評価ポイントとしています。
積極性
積極的な学生には、議論に参加する意欲やコミュニケーションを取ろうとする態度を見ることができます。あまりにも積極的な自己主張が強い発言は、かえって人事にマイナスな印象を残します。人事に評価されるには、グループの場を保たせながら自分をアピールすることが重要です。
コミュニケーション能力
社会人にとって必要不可欠なコミュニケーション能力。学生であっても短時間の議論の中でこれまで培ったコミュニケーションを発揮できる人物を人事は求めています。
発想力
学生を正社員として採用する国は、ほとんどありません。その中で日本の企業が学生を採用するのは、若者らしい着眼点を持つ発想力を求めているからです。ただ発想力と言っても的外れの発言をするのではなく、論理的で筋の通った発言をしなければなりません。
論理的思考力
「たぶん」や「おそらく」など抽象的で具体性のない考え方や意見は、根拠も信ぴょう性もなく社会人には求められない能力と見なされます。反対に論理的思考力をもつ学生は、入社後でも、具体的で説得力のある意見を述べることができます。
グループディスカッションに必要な役割
議論には、欠かすことのできない役割があります。グループディスカッションで必要な役割は、大きく分けて4つです。司会・書記・タイムキーパー・討論者の4つになります。この内、討論者以外を説明していきます。
司会
短い時間の中で複数人をまとめる役割として「司会」が必要です。主に司会は、学生が各々に発言する意見をまとめ、グループの意見を結論付ける役割を持ちます。司会には、効率的に多くの学生から情報を得ることで、短時間でグループをまとめられるスキルが必要となります。
書記
ディスカッションでは、多くの意見が飛び交う中、それら意見を記録する人がいなければなりません。それが、意見を記録する「書記」です。書記として評価されるには、意見を要点にまとめ上げ、発言した意見を振り返りやすくさせる能力が必要となります。
タイムキーパー
ディスカッションが白熱している間に意見がまとめられず終わってしまうことはよくあります。その時にグループ内で必要とされるのが「タイムキーパー」です。タイムキーパーの役割は、制限時間の中で逆算して結論に導けるタイムスケジュールと時間経過を知らせるサポーターです。グループが円滑に結論へと導けるように時間を管理する能力がポイントになります。
グループディスカッション突破のコツと注意点
グループディスカッションについてはある程度理解することができたが、突破するコツや注意点を知らない。そんな人でもあらゆる企業に通用するコツと注意点を説明します。
開始前には緊張を解いておく
グループディスカッションでは、限られた時間の中で複数人の学生と議論しなければなりません。ディスカッションが始まっても緊張したままであれば思うように発言することは難しいです。緊張するなとは言いませんが、リラックスした気持ちでGDを受けましょう。隣に座る人と世間話や就活の話などで打ち解けておくと、ディスカッションが始まっても緊張しにくいですよ。
議論のスタート地点を定める
わからないまま頭ごなしに発言するのは、議論の邪魔や無意味な意見とみなされて面接官の評価は芳しくはありません。そこで、議論を始める前に課題定義を理解することが重要です。たった数十分の間の議論で、前提となる課題をすぐに理解できるのか、課題定義からそれた発言をしていないかを面接官は見ています。課題の解釈は、人によって捉え方や思考で違いますが、与えられた課題の範囲で議論になっているかを問われていると考えましょう。
論点を明確にする
課題定義を理解できたら、次は課題となる論点を明確にします。論点を明確化することで発言の説得力が増し、意見が反映されやすくなります。論点といっても簡単には思いつけない人でも、どんな課題に面しても対応できるフレームワークがあります。
○ 3C
カスタマー(消費者・購買者)、コンペティター(競争相手・競合他社)、カンパニー(自社)を3Cと呼びます。3Cは、戦略を考える際に論点を作る枠組みとして必要なフレームワークです。これらの三要素を洗い出すことで、内部と外部の問題を抽出することができます。
○ 4P
プライス(価格)、プロダクツ(製品)、プレイス(場所)、プロモーション(広告)を4Pと呼びます。4Pは、マーケティングに欠かせないフレームワークであり、4つのバランスが保てないとすれば問題として抽出することができます。
クラッシャーには要注意
GDにまつわる失敗や愚痴の中で必ず話題に上がるのがクラッシャー。クラッシャーには、様々なタイプがあり、「自己中心的な否定論者」や「仕切れないリーダー」、「終盤の論点崩し」など多くの就活生に迷惑をかける人物です。そのようなクラッシャーがいた場合、他人の意見を否定する否定論者には否定する意見の代替案を提示してもらうなど、グループ全体の空気を読みながらグループで課題を解決できる方向にクラッシャー自身を動かしましょう。
お題タイプ別対策法
突破のコツや注意点は理解できたでしょうか。しかし、GDには大きく分けて4つのタイプがあるのです。それぞれの対策法を説明します。
課題解決型
課題解決型のグループディスカッションとは、あるお題やテーマに沿って課題を解決することを指します。以下のテーマを例に対策法を説明します。
○テーマ例:若者が観たくなるテレビ番組を考えてください
○対策
⑴課題定義を共有…若者がよく観るテレビは何か?実際にある番組や自分で思いつく番組案を提示します。
⑵時間配分…課題定義→アイデア提示→アイデアの選択とまとめ→アイデアをブラッシュアップ→発表原稿や資料制作→発表者の練習→予備の順番で時間を配分しましょう。
⑶アイデア提示…この例では5W1Hを意識して、論点とする「若者が観たくなるテレビ番組」が5W1Hに過不足がないかを明確化することでアイデアを作りやすくなります。
ディベート型
ディベート型のグループディスカッションとは、いくつかのグループに分かれて課題に対して賛成または反対など、2つの意見を議論するものです。ディベートでは、自チームの意見が論理的でありながら、相手に反論できるかどうかを注視されています。
○対策
⑴意見を述べる順番として、結論→根拠→具体例→結論の順番に話します。
⑵相手の意見に反論できる準備をしておきましょう。
自由討論型
自由討論型のグループディスカッションとは、課題解決型やディベート型とは異なり、思考力よりもチームで協力する姿勢や自分の意見を述べているのかをポイントにしているディスカッションです。
○対策
⑴相手を否定するだけではなく、自分の意見を述べます。
⑵ディベート型同様に結論→根拠の順番で話しましょう。
⑶クラッシャーがいる場合や役割分担ができていない場合は、促すようにチームをまとめます。
選択型
選択型のグループディスカッションとは、複数の選択肢の中から1人ないし1つを選択して議論するディスカッションです。
○対策
⑴テーマに対して、選択した理由と結論を述べ、反対意見に反論できる結論を導くようにしましょう。
⑵選択型でNGとされる「多数決」での決定は避け、グループ全員が納得するように議論します。
グループディスカッション対策にオススメの本
1人ではGDの対策は大変と考えている人は、ぜひ本を読んでみてください。プロが教える本であればコツが掴めるかもしれません。
ロジカル・ディスカッション
これまで論理的(ロジカル)と述べてきましたが、論理的に意見を考えることはしたことがないでしょう。言葉でわかっても論理的な思考がよくわからない、という人でも論理的思考力を身に付ける方法として、「ロジカル・ディスカッション」が役にたちます。ロジカル・ディスカッションでは、議論に必要とされている論理的思考の解説からトレーニング方法まであらゆる方法を熟知することができます。
東大生が書いた議論する力を鍛えるディスカッションノート
この本は、議論の例題を語り口調で書いてあるため、論理がどういうものなのか理解していない人でも簡単で読みやすい本になっています。コラムや実践的なケーススタディを元に議論を論理的に行う方法などが書かれており、テーマ例を参考にしながら実践に移しやすい本として多くの就活生に評判がある本です。
志望企業に合った対策をしたいなら…
希望する企業のグループディスカッションを対策するなら、一番はOBに質問することです。OBと話すことで、過去にどのようなグループディスカッションが行われてきたのかを知ることができ、対策に繋がります。そのために、積極的にOB訪問をしてみてください。
GD対策は必要。でも、本質的なキャリア形成をしたいなら
GD対策は、内定の確率を上げるのに必要なことですが、はたして「内定を獲得すること」は真のゴールといえるのでしょうか?
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