こんにちは!ビズリーチキャンパス編集部です。
今回は広告業界について。
就活を意識し始め、業界研究を進めていくうえで、多くの人が一度は興味を持つ広告業界。
華やかで、楽しそう、そして芸能人にも会えるかも・・・そんなイメージのある広告業界ですが、実際にどのような仕事をしているのかイメージしにくいですよね!
就職活動の選考もかなり倍率が高く、エントリーシートが通過できず面接に進めない、、、なんて学生も多く存在します。
そこで、日本を代表する大手広告代理店である、電通・博報堂を取り上げ、広告代理店について考えていこうと思います!
広告代理店ってどんな仕事をしているの??
広告代理店の仕事は、一言で表すと「宣伝」業務です。
各企業や官公庁をクライアント(広告主)とし、そのクライアントが望む販売促進やイメージアップのために宣伝を行うことが大まかな仕事内容です。
分類してみると、以下の三つになります。
・営業(広告枠の買い付け・イベントの企画)
・マーケティング(市場の分析や調査)
・クリエイティブ職(実際にCMやキャッチコピーを考える)
これらのように、広告代理店の業務は多岐にわたります。
数ある広告の中でも、皆さんの生活の中でイメージしやすいのはテレビCMではないでしょうか?
商品を宣伝したい企業や官公庁などが広告代理店に依頼し、広告代理店が各テレビ局に対して営業を行います。そして、テレビCMを放送してくれる枠を買い取り、その枠で放送するという流れでテレビCMが出来上がります。つまり、広告代理店は「クライアントとメディアをつなぐ」という媒体の仲介業務を行っているのです。
それだけでなく、クライアント宣伝・広告業務に対するコンサルティングも行っています。
「どのように宣伝すれば商品の魅力が伝わるのか?」
「なにを伝えればクライアントのイメージアップにつながるのか?」
など、広告業務全般を担う”総合コンサルタント”として活躍するのが広告代理店です。
広告業界の国内市場はどうなっているの?
広告業界の市場規模はどうなっているでしょうか?
国内市場規模は2016年時点で約6兆8000億円となっています。イメージしづらいですが、なかなか大きな市場規模といえます。
では、広告業界の売上ランキングを見てみましょう!
順位 企業名 売上高(100万円)
1位 電通 1.560.132
2位 博報堂 669.333
3位 アサツーディ・ケイ 306.801
4位 大広 115.200
5位 JR東日本企画 107.336
参考:広告経済研究所「広告と経済」
以上のようになっています。一位と二位の間で倍以上の差があり、また二位と三位の間でも倍以上の差があることが分かります。
日本の広告業界において、電通と博報堂がいかに独走状態で売り上げを出しているかがよく分かります。また、電通と博報堂は子会社や傘下の会社を多く抱えており、これらも含めて計算すると、日本の約40%の広告費が電通と博報堂で占められていることになります。
電通と博報堂が持つ影響力の大きさも、ここからわかるのではないでしょうか。
広告業界の世界市場について
先ほど、日本の広告業界についてお話ししましたが、続いては広告業界の世界市場を見ていきましょう。
世界規模で広告業界を見てみると、その規模は5500億ドルに到達するといわれています。
規模はまだまだ拡大すると予測されており、広告業界は更なる成長が見込める業界です。
では、世界規模でみたときの広告業界のランキングを見てみましょう!
(売上高から、媒体費や広告制作費などの費用を差し引いた「売上総利益」を元にしたランキングです。)
順位 企業名(国名) 売上総利益 (100万$)
1位 WPP(イギリス) 18.693
2位 オムニコム・グループ(アメリカ) 15.134
3位 ピュブリシス・グループ(フランス) 10.648
4位 インターパブリック・グループ(アメリカ) 7.614
5位 電通(日本) 6.297
6位 アクセンチュア(アメリカ・イギリス) 2.923
7位 ハバス (フランス) 2.430
8位 アライランス・データ・システムズ(アメリカ) 2.141
9位 IBM(アメリカ) 2.125
10位 博報堂DYホールディングス(日本) 1.822
※参考:「Advertising age」Agency Report 2016
というランキングになります。電通が5位、博報堂が10位となっています。
日本のトップクラスの広告代理店ともなると、国際競争力があり、世界のトップと戦っていける売り上げを出しています。
世界的な視野で見たとき、電通と博報堂の売り上げは約3.5倍の差があることが分かります。日本市場での差が約2倍であったことから、電通がいかに海外展開に力を入れているかが分かります。
電通と博報堂の海外展開は?
国際競争力を持つ電通と博報堂ですが、海外での展開はどのようになっているのでしょうか?
まずは電通。電通は近年、世界各国の企業をM&Aにより買収し、急速に世界展開を進めています。
2013年にはイージス・グループ(イギリス)を買収し、電通イージス・ネットワーク社を設立。ここを世界展開の拠点として、更なるグローバル化を進めています。
現在、世界の140か国・地域で事業を展開しており、世界で活躍する広告代理店としての名をとどろかせようとしています。すでに売上総利益における海外事業比率は全体の50%以上を占めています。
次に博報堂。博報堂は、世界展開をしている電通に対して、アジアを中心とした展開を今後の海外戦略としています。
アジアの新興国での体制を強化することにより、これからの成長が予想されるアジア諸国での基盤を強くしているようです。
売上総利益における海外事業比率は約10%で、電通と比べると低い数値ですが、今後伸ばしていくと予想されています。
電通は「M&Aを通した海外展開」、博報堂は「アジアを中心とした基盤づくり」と、両社の間には大きな戦略の違いがあることがわかります。
電通の海外M&Aはデジタル企業が半数!?
積極的に海外の広告代理店をM&Aしている電通ですが、2014年度に実施したM&Aでは、そのおよそ半数がデジタルエージェンシーでした。
デジタルエージェンシーとは、技術革新によりデジタル媒体(インターネット、SNSなど)が急成長している現代において、「デジタル」を媒介として新たな広告やサービスを扱う企業のことです。
なぜ電通はデジタルエージェンシーを中心に買収しているのでしょうか。
それは、「広告」という媒体の変化にあります。
従来、広告というのはテレビや雑誌、新聞などのメディア媒体を中心として活躍してきた宣伝媒体でした。しかし、現代のデジタル社会化により、従来の広告では消費者がクライアントの思うように動かなくなってきています。
また、世界の動きとしてデジタル領域が急成長していることからも、広告業界もそれに合わせてデジタル領域を強化し、クライアントのニーズに合わせた広告を作れるようにする必要があります。
そこで、広告と現代のデジタルなメディアを組み合わせ、新たな広告の形である「デジタル広告(いわゆるインターネット広告)」を作り上げる必要ができてきたのです。
つまり、海外のデジタルエージェンシーを買収することで、現代に社会に適した形の広告(デジタル広告)を作ろうとしているというわけです。
そんな潮流を察知し、電通はデジタルメディアエージェンシーとしては、世界三位になるまでに成長を遂げました。
ライバルは広告業界だけではない?デジタル広告の市場競争について
電通がいかにデジタル広告に力を入れているかが分かりましたが、デジタル広告に目をつけているのは電通だけではありません。ライバルは多数存在します。
まずは、デジタル広告業界の現状を見てみましょう。
日本におけるデジタル広告費の割合は、全体の約20%(少しずつ上昇しています)であり、テレビの31%に迫る広告媒体となっています。
一方、世界におけるデジタル広告費の割合は、2018年には37.6%になるとされており、すでにトップシェアであったテレビの35.9%を抜き、最大の広告メディアとなる見込みです。
これらから、デジタル広告が主流になってきていることがわかります。
急速に成長している領域は当然ビジネスチャンスがあるため、多くの企業が参入し競争も激しくなっています。
まずはベンチャー企業。
日本では、最近はAbemaTVの急成長でも知られるサイバーエージェントを筆頭に、多くのベンチャー企業が参入してきています。
次にコンサルティングファーム。システムコンサルティングを行うIBM、総合コンサルティングのアクセンチュアなどもデジタル広告事業に参入、大きな売り上げを上げています。
このように、広告業界だけでなく、他業界もデジタル広告領域に事業を拡げており、デジタル広告事業の市場競争は熾烈なものとなっていることがわかります。
まとめ
これまで、電通と博報堂という日本に二大広告代理店を軸に広告業界についてみてきました。最後に全体の内容のまとめておきます。
まず、電通については海外M&Aを繰り返すことにより、徐々に主流になりつつあるデジタル広告事業の強化に力を入れています。また、海外展開にも力を行っており、売上高の半数が海外事業という結果を残しています。全世界を市場として事業を行っていることが分かります。
それに対して、博報堂はアジアを中心に海外展開を進めるほか、デジタル広告に強い傘下の会社(DACなど)を活かした事業展開を行っています。
また、日本の広告業界第三位であるアサツーディ・ケイは、これまでWWP(世界一の広告代理店)と資本及び業務提携していましたが、これを解消し「ベインキャピタル」に買収され、完全子会社化されました。これにより、ベインキャピタルと共に現代のニーズに合わせた広告代理店へと変革していくことが予想されます。
各社ともに、現代の社会のニーズに合わせた形の広告代理店へと進化しようとしていることが見て取れます。それぞれの事業展開、そして広告業界の今後はどのようになっていくのでしょうか。
経過を追いかけていき、就職活動の選考では、広告業界について更に語れるように勉強していきましょう!
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