前編は こちら
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<後編の内容>
・パナソニック(株)会社見学スペシャルツアーの様子
・ご協力者へのインタビュー
・参加学生へのインタビュー
・編集後記
関西の5大学(関西学院大学、近畿大学、甲南大学、神戸大学、立命館大学)から集まった78名・16チームで実施された、
キャリアデザインコンソーシアム2023 in 関西。
各チームからの熱いプレゼンテーションの末、
優秀チームとして選ばれた4チームが東京・汐留にあるパナソニック(株)の本社ビルに招待されました。
本編では、会社見学スペシャルツアーの様子、そして学生とご協力者へのインタビューを、有志の学生が執筆した記事を通してお伝えします。
<会社見学スペシャルツアー参加者の集合写真>
パナソニック(株)会社見学スペシャルツアーの様子
関西から新幹線で、一同東京へ。
「初めてオフィスビルに入った…!」と、興奮冷めやらぬ様子の参加者。
その後の社員の皆さんとの座談会やオフィスツアーも、感嘆と歓喜の声に溢れていました。
パナソニックグループ社員の皆さんとの座談会
<座談会の様子>
パナソニックで働く若手社員の方々に就職活動、働き方についてのお話をしていただきました。
就職活動では何を重視して仕事を選ぶべきか?がよく議題にあがったように感じます。
私は週休2日、育児休暇の有無等が重要かな、と漠然としかイメージできていませんでしたが、家賃補助の有無、長期雇用、転職が選択できる会社か?等も重視すべきだと改めて考えさせられました。
働き方においては、企画、営業、人事など様々な分野から仕事内容をご紹介していただきました。
仕事内容はそれぞれ全く違いましたが、皆さんが顧客に良い商品を届けたいという価値観のもと、働いておられました。こういった企業で自分も働きたいと感じます。
この座談会までは仕事についてしんどい、大変そうというマイナスイメージしか持てませんでしたが、自分の価値観に合った企業を選択することで、楽しみながら働けるかもしれないと前向きに捉えられるようになったので社員の皆さんには本当に感謝したいです。
(文:道本景太)
“働く”を実験する「worXlab」の見学へ
「worXlab」とは、「『働く』を実験する」をテーマにしたワークプレイス。
オフィスワーカーがいきいきと健やかに働けるウェルネス環境を提供し続けることで企業の持続的発展に貢献する、人起点の空間価値創出を目指しています。
(パナソニックグループHPから引用)
<worXlabの説明資料>
オフィスの概念が変わりました!
オフィスのエントランスには「ウェルカムウォール」があり、心地よい風と光で訪れた人を歓迎します。
オフィスの中へ入っていくと「空間見える化ソリューション」があり、オフィスの混雑状況が一目で分かるようになっていました。
また、「光・音・音質のゾーニング」では、仕切りがない空間であるにも関わらず「Caféゾーン」「Focusゾーン」などといった、まったく別の空間が創り出されていました。
それぞれのゾーンによって流れているBGMが異なり、一歩中に入るとジャズが聞こえるのに、一歩外にでると何も聞こえないといった不思議な体験をしました!
また、一見普通の会議スペースが一瞬にして休憩スペースに変化する「WELL体感ルーム」を実際に体験させていただきました。
映像、光、音、香り、空気を利用して人が心地いいと感じる空間を瞬時に創り出され、会議の合間の短い時間で心身ともにリフレッシュさせることができ、効率的な働き方ができる空間でした。
大学もこのスペースのように、集中できる空間とリフレッシュできる空間を兼ね備えた教室を設置すれば、学生の勉強の質が向上するのではないかなと思いました。
最先端の技術が凝縮されている空間を体験することができ、非常にわくわくしました!
こんなオフィスだったら…!!!
先輩の話を聞いていると、近年コロナ禍を経てリモート勤務を行う企業が増えていると感じています。
就職活動を考える上で、自分にとってリモート勤務は非常に魅力的だと感じていましたが、「こんなオフィスだったら毎日出勤したい!」と思いました。
オフィス全体を通して開放的な印象を感じるにも関わらず、最先端の技術によって様々な場面に応じた独立した空間を生みだしていることに驚きました。
また、集中するための空間を創出するだけでなく、リラックスする空間、五感を刺激する空間などオフィスの概念を覆すような仕掛けがたくさんあり感動しました。
このような多くの刺激を受ける空間だからこそ生まれる技術やアイデアがあるのではないかと思いました。
(文:三宅 康恵)
<worXlabのウェルカムウォールの前で。※室内は撮影NG>
ご協力者の一人、原様へのインタビュー
パナソニック(株) エレクトリックワークス社
ソリューションエンジニアリング本部 ソリューション事業統括部
アーキテクチャ Well-Beingカテゴリー カテゴリー長 原様
本企画に参加しようと思った背景を教えてください
主に2点あります。
一つは、学生の皆さんにパナソニックのメンバーがどんな仕事をしているか、また、パナソニックで働くことにはどんなやりがいがあるかを伝えたかったからです。
仕事のイメージが具体的に持てていない状況のなかで、安易に仕事を選んで、自分がやりたい仕事ではなかった・・・となれば、すぐに会社を辞めてしまう。これは学生と企業の双方にとって良くありません。ですから、この機会を通して、少しでも具体的な事業の内容や仕事の中身に触れていただきたかったですし、学生の皆さんの仕事選びの一助になればと思い、参加しました。
二つ目は、(本企画で)与えられたテーマに対して、必死に、愚直にビジネスアイデアの創出に取り組んでくれている学生の皆さんに自分の経験知を還元したかったからです。
実は初開催の前回のコンソーシアムにも参加しましたが、大学1年生、2年生の皆さんが十分にビジネスが分からないなか、必死に取り組んでくれている、そういう学生の皆さんのチャレンジに対し、自分も貢献したいなと思い、今回も協力させてもらいました。
参加した感想をお聞かせください
テーマを与えられた上で、ビジネスプランを考えるという経験をしたことがある学生さんは少ないにも関わらず、顧客の課題を分析し、提供価値を試行錯誤しながら考え抜いている姿に感心しました。きちんとお客さまの課題を書き出し、分析し、対応する提供価値を考えるという一連のプロセスを、分からないなりに、よく導き出せているなと感じました。
また、学生さんのアイデアはコンセプトのネーミングも含めて斬新でした。我々社員だけで考えていたら出てこないような発想がたくさんあったと思います。我々は、事業や仮説の確度を上げようと躍起になりますが、一方で知らず知らずに意外性のあるアイデアが出にくくなっているかもしれません。斬新な発想でアイデアを出してくれたのはすごく有難かった。これからZ世代に軸足が移っていくなかで、皆さんの声や発想が大きな学びとなりえますね。
また、実際に企業に直接インタビューをしていたチームもありましたが、これは勇気が必要な行動ですよね。若さならではの行動力を感じました。年を重ねると守りに入るところも少なからず出てくる場合がありますが、改めてチャレンジしていかないといけないなと感じさせてもらいました。斬新なアイデアや突破力、現場主義は仕事する上でもすごく大事なことで皆さんの行動には目を見張るものがありました。
チーム活動の重要性
パナソニックの経営基本方針に「衆知経営」(衆知を集めて経営に活かすこと)という考え方があるように、仕事は一人でできることは限られているんです。
意見が合う人も合わない人もいるし、そういうなかでどうチームをまとめていくか、そして、個性を活かし、いかにメンバーのモチベーションを保っていくかが大事なんですよね。一人でネットを見て調べるより、複数人で議論した中でいろんな個性から化学反応が生まれると思いますし、人はそれぞれ強みも違いますので、会話や議論を通じて相手から学ぶことも多いと思います。
イノベーションはゼロから生まれるものは限定的で、なにか既存の価値の組み合わせで起きることが多いんですよね。知識やスキルが異なる人たちが集まるだけでイノベーションが起きることもあります。一方で、何を目指すかというゴールを明確にすることはとても大事で普段から意識しています。ビジョンやゴールがあればそこに到達するまでの道のりは多少違ってもいい、ただゴールが違っていたらチームとして機能しない。
もう一つは、乗り越えるべき課題をクリアにすることを意識しています。その方がメンバー同士が協力するんですよね。共通の課題があることで互いに協力しやすくなり、ゴールと課題を乗り越えたいという思いがあれば、よりチームがまとまります。今後、チーム活動を行う際にはまずはゴールと課題をクリアにすると良い活動に繋がると思います。
学生へのメッセージ
世界を感じる機会をたくさん作ってほしいですね。様々な国の文化、背景に触れると、他国と日本の価値観の違いを知ることができる。世界のなかで日本がどういう位置づけかを常に意識しておくと良いと思いますし、また、世界でどのようなトレンドが流行しているのかに関心を持つことを心掛けてほしい。日本と海外を幅広く俯瞰することで、物事の「中庸」が見え、適切な判断ができることも多い。
少し小難しいことを言いましたが、知らない世界を知ることは単純にわくわくしますし、世界に多くのネタが転がっていると思います。社会に出てから、ビジネスにも活きてくると思いますので、あまり肩肘張らず、若いうちから世界を体感してほしいなと思いますね。
(文:道本景太)
参加学生へのインタビュー
<インタビューの様子>
関西学院大学の木下さん、甲南大学の沖宗さんに話を伺いました。
三宅:まずイベントに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
木下:一年間大学生活を送ってみて「このままでいいのかな?」という漠然とした不安がありました。この不安を払拭するために「何かにチャレンジしてみよう!」という想いで参加しました。
沖宗:「企画」に興味を持っていましたが、何も行動に移すことができていませんでした。そんな時に大学のキャリアセンターからのメールでこのイベントを知り、何かを知るチャンスになると思い参加を決めました。
三宅:企画を通して楽しかったことや難しいと感じたことを教えてください。
木下:僕たちのテーマは「大学で検討中のイノベーションハブへの提案を考える」というものでした。このテーマを考える上で「大学」「学生」「企業」の三つの視点から考えることが難しかったです。また、自分が何年考えても思いつかないようなアイデアを、他のメンバーがすぐ思いつくという場面がありました。「その観点があるのか!」といった気づきができて楽しかったです。様々な大学、他学年と交流することでより多くの発見があったと感じました。
沖宗:私たちのテーマは「“新しい洗濯ライフ” をテーマにしたビジネス提案をしてください」というものでした。
このテーマを与えられたとき、何から考えればいいのか全く分かりませんでした。
しかし同じグループのメンバーが「社会問題から考えるのはどうか?」という提案をしてくれて、目から鱗でした。
ここからグループ全体での提案の方向性が決まり、自分のアイデアを出せるようになりました。
一度壁を乗り越えたらグループワークがスムーズに進むようになり、楽しさを感じました。
三宅:このイベントを通して学んだことを教えてください。
木下:チームでやればここまで完成度の高いものができるということを学びました。
一人では到底ここまでのものは提案できなかったですし、チームで力を合わせることが出来て良かったです。
沖宗:最初から自分たちで提案することが初めてで、はじめは何をしたらいいか分かりませんでした。
しかしこのイベントに参加してペルソナを設定することなど、基本的な提案のプロセスを学ぶことができました。
今後の様々な場面で生かしていきたいと思います!
また、大学も学部も違い、それぞれ生活する環境が違うからこそ、集団で意見を出し合うことで多角的な視点からアイデアを出すことでき、良いものが生まれることを実感しました。
<新たな強みに気づけたと語る、木下さん>
三宅:このグループワークを通して見つけた自分の強みがあれば教えてください。
木下:「そんな観点を持っているんだ!」と言われることがグループワークの中であり、自分の武器だと思いました。
独特な価値観をもっていることが強みだと認識しました。
沖宗:アイデアを0から生み出すことではなく、1から10に発展させることが強みだと気づきました。
アイデアを発展させるだけでなく、0から生み出せる能力も高めていきたいと思いました。
三宅:今回の経験を今後にどう生かしていきたいですか?
木下:何事にも一歩踏み出して積極的にチャレンジすることを大切にしたいです。
漠然とした将来への不安からこのイベントに参加させていただきましたが、まさか優秀チームに選ばれてパナソニック㈱会社見学スペシャルツアーにご招待いただけると思ってもいませんでした。
今後も積極的にチャレンジする気持ちを持ち続けていきたいです!
沖宗:何事に対しても「知る」ことを大切にしたいです。グループワークだけでなく、パナソニックグループの社員さんとの座談会でもたくさん学びがありました。
「自分が知っている情報量が少ないと必然的に選択肢も狭まってしまう」ということを多く方がおっしゃっていました。
今後自分のキャリアを考える上でも「知る」ために積極的に行動していきたいです!
三宅:お二人とも貴重なお話ありがとうございました!
(文:三宅 康恵)
編集後記
◆立命館大学 三宅さん
学生二名のインタビューとオフィス見学ツアーのレポートの執筆を担当させていただきました。
学生さんへのインタビューでは、同じイベントなのにそれぞれ学んだことや気づいたことが異なっていました。このインタビューで、自分も含めそれぞれ違う観点で成長できたのかなと感じました。
また、オフィス見学ツアーのレポートでは自分が体験したこと、感動したことを思い出しながら、「worXlab、すごかったな」と改めて感じました!
このイベントを通して本当に貴重な体験をさせていただきました。非常に悩んだ末に参加を決めたのですが、素敵なチームメイトに出会え、すこし自分に自信がついた気がして参加してよかったと感じています。今後「何事もまず行動!」の気持ちで様々なことに挑戦していきたいです!
今回のイベントに携わっていただいた全ての方々に感謝申し上げます。貴重な体験をありがとうございました!
◆関西学院大学 道本さん
今回のインタビューや座談会を通して、パナソニック社員の方々から貴重なご意見をたくさんいただきました。
皆さん自分の考えを言語化するのが上手で、漠然としか考えられていなかった自分の働き方が少し明確になったように感じます。
今後もこの会を通して学んだことが生きるように様々なことに挑戦していきたいと思います。
このような貴重な場をご用意頂き本当にありがとうございました。