志望動機とは?
志望動機とは、『自分と企業が同じ方向を向いている』ということを証明するためのものです。
企業は、ES(エントリーシート)や面接で、「あなたはどういう価値観で、何をしてきたのか」「たくさんの進路の選択肢がある中で、どうしてうちの会社で働きたいのか」を聞いてきます。
上記の質問に応えるために、自分と会社の『will(やりたいこと、ビジョン)』『can(強み、価値観、特性)』『must(ビジョン達成のために譲れないこと)』が一致していることを証明する必要があります。
ガクチカが主に、この『can(強み、価値観、特性)』を証明するのに対し、志望動機は主に、『will(やりたいこと、ビジョン)』と『must(ビジョン達成のために譲れないこと)』を証明するのに必要です。
志望動機の構成要素
志望動機の構成要素は大きく5つです。
1 将来の『ビジョン(やりたいこと)』
2 『ビジョン(やりたいこと)』の背景にある原体験
3 『ビジョン』を達成するための必要条件
4 業界選択とその理由
5 企業選択とその理由
考え方や書き方、伝え方と合わせて、後ほど詳しく解説していきます。
志望動機の考え方
本章では、志望動機の考え方を『ビジョン(やりたいこと)』の考え方から、順を追って解説します。
『ビジョン(やりたいこと)』を考える
まずは、志望動機の根本となる「ビジョン(やりたいこと)」を考えていきます。
この「ビジョン(やりたいこと)」は、自分軸と社会軸の二つの軸から考えることが重要です。自分軸は、「関わりたい分野・熱量を注げること・喜びを感じること」を考えることで導き出します。また社会軸は、「解決したい社会課題・社会から必要とされていること」を考えることで導き出します。
例えば、自分軸は下記のようなものです。
・過去の経験から、人を感動させたとき喜びを感じる
・何かものを考えて作るのが好きである
一方、社会軸は下記のようなものです。
・日本のものづくりを再度活性化させたい
・感動を起点に、人々のモチベーションを動かし、一人ひとりが生き生きと活動する社会を作りたい
上記の自分軸と社会軸の共通項を考えると、「ものづくりを通して、世界を感動させたい」というビジョンが見えてきます。もし、上記の自分軸と社会軸が思いつかない場合には、過去/現在の行動に対して「なぜ?」を繰り返し問いかけてみましょう。
例えば、サークル活動に対して、「なぜ?」を問いかけてみます。
「なぜこの活動をしようと思ったのか」
「なぜ活動での困難を乗り越えられたのか」
「なぜここにやりがいを感じなかったのか」
などと問いかけていくと、下記のような理由が出てくるでしょう。
「〇〇な状況にやりがいを感じるから」
「〇〇な現状に苛立ちを感じるから」
「〇〇が自分の強みであるから」
「〇〇の大切さを知ったから」
後は、将来に転用するだけです。下記のようなビジョンが出てくるはずです。
「〇〇というやりがいを求めていきたい」
「〇〇という現状を変えていきたい」
「〇〇な強みをさらに磨きたい」
『ビジョン(やりたいこと)』に必要なもの・譲れないものを考える
次に、「『ビジョン(やりたいこと)』を考える」で考えた『ビジョン(やりたいこと)』のために必要なもの・譲れないものを考えていきます。
『ビジョン(やりたいこと)』と『現状』のギャップを考えることで、必要なもの・譲れないものは見えてきます。具体的には、必要かつ譲れないスキル・環境・事業などです。
先ほどの「ものづくりを通して、世界を感動させたい」というビジョンであれば、
・1つの商品に対して主体的にじっくり取り組める環境か
・相手が何に感動するか把握した上で、ものづくりができる環境か
・グローバルな規模で働ける環境か
などといった、必要なものと譲れないものが見えてきます。
業界を絞り込む
業界の絞り込みは、「『ビジョン(やりたいこと)』に必要なもの・譲れないものを考える」で考えたものを、より明確化することによって行います。
この際には、企業説明会やOB訪問を通して情報を収集し、業界を広げることを意識しましょう。
例えば、先ほどの「ものづくりを通して、世界を感動させたい」というビジョンの場合、この段階では、メーカーや広告業界、テレビ業界を考えることができます。
しかし、必要なものを明確化していく中で、必要なもの・譲れないものとして
・1つの商品に対して主体的にじっくり取り組める環境か
・相手が何に感動するか把握した上で、ものづくりができる環境か
・グローバルな規模で働ける環境か
を考えると、上記に当てはまるものは、「メーカーである」と絞ることができます。
企業を絞り込む
最後に、企業を絞り込みます。「それぞれの企業の特徴を比較し、どこなら一番ビジョンが達成されるか」という視点で考えていきます。
例えば、
・相手が何に感動するか把握した上で、ものづくりができる環境
→A社は市場調査に力を入れており、「相手が何に感動するか把握した上で」という条件を達成可能である。
・グローバルな規模で働ける環境か
→A社は、積極的な海外進出を行っている
などのように考えていきます。
志望動機の書き方『3ステップ』
志望動機の型を理解する
志望動機の型は、下記6つの要素を抑えることが重要です。
1 結論
2 ビジョン(やりたいこと)
3 原体験・価値感
4 業界選択
5 志望企業の特徴
6 結論
これを踏まえると、以下のようになります。
1 結論
例:「私はA社を志望している。」
2 ビジョン(やりたいこと)
例:「〇〇というビジョンを最も達成できる場所だと考えるからだ。」
3 原体験・価値感
例:「〇〇をやりたいと考える理由は、〇〇の経験からである。」
4 業界選択
例:「〇〇を達成するためには、〇〇をする必要がある。〇〇が最もできるのは、A業界だと考える。」
5 企業選択
例:「特に、A社は、〜〜だ。」
6 結論
例:「だからこそ、私はA社を志望する。」
型に合わせて志望動機を書いてみる(例文付き)
次に、「志望動機の型を理解する」で解説した志望動機の型 に合わせて、志望動機を書いてみましょう。
「2.志望動機の考え方」で考えた志望動機の要素の中から、メインとなるストーリーを組み立て、キーポイントを抑えていくことも重要です。
以下が例文です。
―――――
私は市場調査から一貫してものづくりに携われることから貴社を志望している。
私は、ものづくりを通して世界を感動させることをビジョンとして掲げている。
私はイベントサークルでの活動を通して、相手を感動させることの喜びを強く感じた。また感動体験を通して参加者のモチベーションを動かすことに成功した場面も多くあり、感動こそが一人ひとりが生き生きと活動する社会の源泉と考えている。
このビジョンの達成には、メーカーが最適であると考えている。なぜならば1つの製品に長期的に深く関わることができるからである。自身の専門性を高めることで多くのことが可能になり、これによりはじめて相手の心を動かす品質の高いものが完成できると認識している。
業界内でも貴社を志望する理由は、市場調査への注力度合いの高さにある。相手を感動させるものづくりには、まず相手のことを知る必要があると私は強く感じている。そのため市場調査から製品製作まで一貫して携われる貴社こそが自分のビジョンを達成できる場所であると考えている。
―――――
ES(エントリーシート)の設問に合わせる(例文付き)
「型に合わせて志望動機を書いてみる」までできたなら、後は、ES(エントリーシート)の設問に合わせていくだけです。
ESでは、
・この業界を志望する理由を、そう考えるに至った原体験とともに教えて下さい
・弊社を志望する理由を、そう考えるに至った原体験とともに教えて下さい
・弊社で成し遂げたいことを教えてください
などの設問を通して、志望動機が問われます。
例えば、「この業界を志望する理由を、そう考えるに至った原体験とともに教えて下さい」という設問に対して、先ほどの「型に合わせて志望動機を書いてみる」で示した例文を使って、答える場合、下記のようになります。
―――――
私がメーカーを志望する理由は、市場調査から一貫してものづくりに携われるからである。
私は、ものづくりを通して世界を感動させることをビジョンとして掲げている。
私はサークルでの活動を通して、相手を感動させることの喜びを強く感じた。イベントを>通して環境問題について考えてもらう機会を作っていたが、感動体験を通すことで参加者>のモチベーションが引き立った場面が多くあった。そこから私は感動こそが一人ひとりが生き生きと活動する社会の源泉と考え、上記のようなビジョンを掲げている。 このビジョンの達成には、メーカーが最適であると考えている。なぜならば1つの製品に長期的に深く関わることができるからである。自身の専門性を高めることで多くのことが可能になり、これによりはじめて相手の心を動かす品質の高いものが完成できると認識している。実際サークル活動においても、長期的にイベントに携わることで知識や経験が蓄積され、それにより参加者が欲しいと感じている要素をイベントに組み込むことが可能になった。そのため私はメーカーを志望している。
―――――
変更した点は大きく3つです。
①結論の言い回しを調整する
②原体験の量を増やす
③企業の絞り込みは書かない
上記のように、設問によって、「3-b.型に合わせて志望動機を書いてみる」で作成した志望動機の原案をチューニングすることで、ES(エントリーシート)の志望動機を書くことができます。
【内容別】志望動機の例文12選
就活における志望動機は、企業に魅力を感じたポイントごとに整理すると書きやすくなります。ここでは、志望動機を「魅力を感じた内容別」に例文とともに解説します。
「先輩社員に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
貴社のインターンシップに参加した際、現場で働く先輩社員の方々が、常にお客様目線を大切にしながら、課題解決に向けてチームで主体的に動いている姿が非常に印象的でした。
中でも、若手でありながら大きなプロジェクトを任されていた先輩社員の話を伺い、自分も早い段階から成長機会を得られる環境に強く魅力を感じました。
私も将来的には、貴社のようなチームの中で信頼され、価値を生み出せる存在になりたいと考え、志望いたしました。
■採用担当者の視点では?
この例文では、「先輩社員に魅力を感じた」という軸をベースに、インターンシップでの具体的なエピソードを交えて志望動機を構成しています。企業研究の一環として社員と接点を持った経験は、熱意やリアリティを伝える材料として非常に効果的です。特に「どのような点に魅力を感じたのか」(主体性、成長環境など)を具体的に示すことで、企業側にも共感の伝わる内容になっています。
また、単に「憧れました」で終わらせず、「自分もこうなりたい」「この環境で働きたい」といった自己の将来像と企業の特長を結びつけることがポイントです。
「社風に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
企業研究やOB訪問を通じて、貴社は部署や役職を超えて意見交換が活発であり、風通しの良い社風であると感じました。社員一人ひとりが自分の意見を発信しながらも、チームとして成果を追求する姿勢に共感しました。
私は学生時代、異なるバックグラウンドを持つメンバーと協力してプロジェクトを進めた経験があり、その中で「自由に意見を言い合える環境」の大切さを実感しています。貴社のような社風の中で、互いに刺激を受けながら成長していきたいと考え、志望いたしました。
■採用担当者の視点では?
「社風に魅力を感じた」という志望動機は抽象的になりがちですが、この例文では企業研究やOB訪問を通じて得た具体的な情報に基づいているため、説得力があります。
採用担当者としては、「なぜその社風に惹かれたのか」「自身の経験とどう結びつくのか」が明確に語られているかを重視します。その点で、この例文は学生自身の価値観や経験と企業文化の相性が伝わってくるため、納得感があります。
「社風が良さそうだった」だけで終わらず、「その社風の中でどう活躍したいか」まで言及していることが、好印象を与えるポイントです。
「形のある商品に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
私は、形として人の手に渡る商品を通じて、多くの人の生活に影響を与えられる点に魅力を感じ、貴社を志望いたしました。特に貴社の商品は、デザイン性と機能性の両面において多くの支持を得ており、私自身も長年愛用しています。
大学ではマーケティングを学び、商品がどのように企画・開発され、ユーザーに届くかという一連の流れに強い関心を持ってきました。今後は、自らも商品づくりに携わり、目に見える形で人々の暮らしに貢献したいと考えています。
■採用担当者の視点では?
「形のある商品に魅力を感じた」という志望動機は、モノづくりやメーカー志望の学生に多い傾向です。採用担当者の視点から見ると、ポイントは「その商品への具体的な関心」と「自分がどう関わりたいか」が語られているかどうかです。この例文では、単に「モノが好き」ではなく、「その商品に対するユーザーとしての実体験」や「大学での学び」が志望動機に結びついており、説得力があります。
また、将来的なキャリアビジョンまで言及している点も、企業とのマッチ度を測る上で好印象でしょう。
「形のない商品に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
私は、人々の課題を解決する「形のないサービス」に大きな魅力を感じ、貴社を志望いたしました。中でも貴社のITソリューションは、業界や業種を問わず多様なクライアントの業務効率化や成長支援に貢献しており、私もその一翼を担いたいと感じました。
大学では情報系のゼミに所属し、業務改善に役立つアプリケーション開発に取り組んできました。目に見えない価値を提供するからこそ、課題を的確に捉え、信頼関係を築くことが重要だと考えており、その点に強いやりがいを感じています。
■採用担当者の視点では?
「形のない商品=サービス」に惹かれたという志望動機は、IT業界や金融、コンサルなど無形商材を扱う企業でよく見られます。採用担当者が注目するのは、「なぜ形がないものに魅力を感じたのか」と「その中で自分がどう貢献したいのか」という部分です。この例文では、サービスの価値や社会的役割への理解に加え、自分の経験やスキルとどう結びついているかが明確に語られており、志望度の高さが伝わります。
また、「見えないからこそ信頼が重要」といった視点を持っている点も、無形商材に向く素質として好印象でしょう。
「営業の仕事に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
私は、お客様の課題に向き合いながら信頼関係を築き、解決策を提案していく営業職に大きなやりがいを感じ、貴社を志望いたしました。
アルバイトでの接客経験を通じて、お客様ごとに異なるニーズに応える難しさと、それができたときの喜びを実感しました。営業は、単にモノを売るだけでなく、人と人との信頼を積み重ねる仕事だと考えています。
貴社の営業職であれば、お客様の声に耳を傾け、最適な提案をする力を磨きながら、自分自身も大きく成長できると感じました。
■採用担当者の視点では?
「営業に魅力を感じた」という志望動機はよく見られますが、採用担当者が重視するのは、「営業の本質」をどれだけ理解しているかです。この例文では、営業を“モノを売る仕事”ではなく“信頼を築き課題を解決する仕事”と捉えており、業務理解が深い点が評価されます。
また、アルバイト経験からくる実体験をもとに動機づけがされているため、説得力もあります。企業側としては、営業職で成果を出すには「人と関わる姿勢」「相手視点の思考」が欠かせないため、それが自然に表れている点で好印象な志望動機でしょう。
「研究・開発の仕事に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
私は、自らの知識や技術を活かして新しい価値を生み出す研究・開発の仕事に強く魅力を感じ、貴社を志望いたしました。
大学では材料工学を専攻し、新素材の開発に取り組む研究を行ってきました。その過程で、仮説検証を繰り返しながら一歩ずつ成果に近づいていく研究の面白さと、根気強く課題に向き合う力の重要性を実感しました。
貴社の開発部門では、社会課題の解決に直結する製品づくりが行われており、私もその一員として、技術を通じた価値創出に貢献したいと考えています。
■採用担当者の視点では?
研究・開発職の志望動機において採用担当者が重視するのは、「粘り強く取り組む姿勢」「専門性と志望先との接点」「将来的な貢献意欲」です。この例文では、大学での具体的な研究内容をもとに、研究開発に対する興味と適性を明確にアピールできています。また、扱っている製品や事業の方向性にも触れており、企業研究の深さが伝わります。
単に「研究が好き」という抽象的な動機ではなく、「社会にどう役立てたいか」という視点まで踏み込んでいる点が、実践的かつ前向きな印象を与える好例です。
「SEの仕事に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
私は、ITの力で人々の生活やビジネスを支えるSEの仕事に魅力を感じ、貴社を志望いたしました。
大学では情報系の学部でプログラミングやネットワークの基礎を学び、チームでのアプリケーション開発にも取り組みました。その中で、ユーザーの課題をヒアリングし、要望に合わせて最適な設計を考えるプロセスに面白さを感じました。
貴社は多様な業界のシステム開発を手がけており、広い視野で課題解決に取り組める環境だと感じています。SEとして技術力とコミュニケーション力を磨き、価値あるサービスを提供していきたいと考えています。
■採用担当者の視点では?
SE職を志望する学生には、「技術が好き」だけでなく、「誰の、どんな課題を、どう解決したいのか」が語られているかが重要なポイントです。この例文では、開発経験を通じてSEの業務理解が深まっていることに加え、「ユーザー目線」での開発に興味を持っている点が好印象です。
また、企業研究にも触れており、「なぜその会社でSEをしたいのか」が明確になっているのも評価ポイント。チーム開発や対話の重要性にも言及しており、技術力と対人力のバランスが取れた人物像が伝わる志望動機になっています。
「仕事の進め方に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
貴社の「現場主導でスピーディーに意思決定を行う」という仕事の進め方に大きな魅力を感じ、志望いたしました。
私は学生時代、ゼミ活動で新しい取り組みを提案した際、メンバーと話し合いながら迅速に形にしていくプロセスにやりがいを感じました。その経験から、柔軟に動きながら現場で判断できる環境で働きたいと考えるようになりました。
貴社では、若手でも裁量を持ちながら現場で挑戦できる文化が根付いており、自らのアイデアを活かしながら成長できると感じています。
■採用担当者の視点では?
「仕事の進め方」に注目した志望動機は、組織風土や価値観のマッチ度を図るうえで有効です。採用担当者としては、「その進め方のどこに魅力を感じたのか」「自分の経験やスタイルと合っているのか」が具体的に語られているかを重視します。この例文では、自身の経験と企業のスタイルをうまく重ねており、納得感があります。
また、「ただ裁量が欲しい」のではなく、「その中でどう活躍したいか」まで描けている点が評価されるポイントです。企業との相性を感じさせる、実践的な志望動機の好例でしょう。
「企業理念、事業戦略に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
貴社の「テクノロジーで人々の可能性を広げる」という企業理念に深く共感し、志望いたしました。
私は大学でデジタル教育の研究を行い、テクノロジーが社会にもたらすインパクトの大きさを実感してきました。特に貴社は、理念を実現するために教育・医療・ビジネス支援など多角的な事業戦略を展開しており、社会課題の本質に向き合う姿勢に強く惹かれました。
自身の知識と情熱を活かして、理念と現場をつなぐ一員として貢献したいと考えています。
■採用担当者の視点では?
企業理念や事業戦略に共感した志望動機は、会社との価値観の一致をアピールするうえで効果的です。ただし、理念を引用するだけでは表面的になりがちなので、「なぜその理念に共感したのか」「自分の経験とどう結びついているのか」が重要です。
この例文では、学生時代の学びと企業の方向性がしっかりとリンクしており、志望動機に深みが出ています。また、理念に共感するだけでなく、「自分はどう関わっていきたいか」という視点もあり、主体性や実行意欲が伝わる内容になっています。
「評価制度に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
貴社の「成果主義を基にした公正な評価制度」に魅力を感じ、志望いたしました。
私はこれまでの経験を通じて、成果をしっかり評価され、自己成長に繋がる環境で働くことの重要性を実感してきました。特に、貴社の評価制度は個人の貢献度を正当に評価し、成果に対するフィードバックが明確であると伺っています。
そのような環境で働くことができれば、自分の成長を実感しながら業務に取り組むとともに、会社に対してもより大きな貢献ができると思っています。
■採用担当者の視点では?
「評価制度に魅力を感じた」という志望動機は、学生が自己成長やキャリアアップに対して真剣に考えていることを示す良いアピールになりますが、採用担当者が重視するのは「なぜその評価制度に魅力を感じるのか」と「それが自分のキャリア形成にどう貢献するか」という点です。
この例文では、成果主義という評価制度の特長が自身の価値観や経験にどう合致しているかが具体的に表現されています。また、評価制度を通じて自己成長を望む姿勢と、それを会社への貢献に繋げたいという前向きな意欲が伝わるため、好印象を得られるでしょう。
さらに、企業研究がしっかりと反映されており、具体的な評価制度の内容に触れながら、自分がその制度の中でどう活躍するかが描かれている点も評価されます。
「教育制度に魅力を感じた」
■例文
私は、貴社の充実した教育制度に大きな魅力を感じ、志望いたしました。
大学時代、専門分野を深める一方で、自己成長に繋がる学びの機会を重視してきました。貴社の「新入社員研修やキャリアアップ支援を強化する」制度は、単にスキルを学ぶだけでなく、社員の成長を全面的にサポートしている点が非常に魅力的です。特に、メンター制度や資格取得支援制度など、具体的なサポートが整っている点に感銘を受けました。
これらの制度を活かして、専門的な知識をさらに深めながら、自分のキャリアを着実に積み上げていきたいと考えています。
■採用担当者の視点では?
「教育制度に魅力を感じた」という志望動機で採用担当者が重視するのは、「なぜその教育制度に魅力を感じたのか」と、「自分がその制度をどう活用し、どう成長していきたいか」が明確に表現されているかどうかです。
この例文では、教育制度に対する具体的な理解が示されており、どのような要素に魅力を感じたのかがはっきりしています。また、「自己成長」や「キャリアアップ」を目指す前向きな姿勢が伝わり、企業が求める「自己成長を積極的に追求する姿勢」を持っていると評価されるポイントです。
教育制度について具体的に言及し、その中で自分がどう活用していくかが語られているため、説得力があり、採用担当者にとって好印象でしょう。
「勤務地に魅力を感じた」を志望動機にしたい場合
■例文
私は、貴社の勤務地に魅力を感じて志望いたしました。特に、貴社が拠点を構える都市は、私の地元であり、家族や友人と近くで生活できる点に大きな安心感があります。
また、その地域は経済の発展が著しく、今後さらに成長が期待されるエリアです。私は、地域社会に貢献できる仕事を通じて、自分の成長を実感しながら、地元に密着した生活を送りたいと考えています。
貴社での勤務を通じて、地域の発展にも貢献できると感じており、仕事に対してモチベーションを持って取り組めると確信しています。
■採用担当者の視点では?
「勤務地に魅力を感じた」という理由での志望動機で採用担当者が評価するポイントは、「なぜ勤務地が魅力的なのか」と「その地域でどのように貢献したいのか」に焦点を当てているかです。
この例文では、勤務地が地元であり、家族や友人との距離感を大切にしている点がしっかりと伝わっています。また、単に「地元が好きだから」ではなく、その地域での成長や貢献意欲にまで言及しているため、仕事に対する真剣さが伝わります。
さらに、地域経済の発展に触れることで、企業への理解と地域貢献への意識が高いことを示しており、採用担当者にとって、会社の価値観と一致している学生像が見えるため、好感が持てるでしょう。
志望動機の伝え方
最後に、面接での問われ方と伝え方を回答例とともに解説します。
回答は、常に結論ファーストで、聞かれたところだけを答えるように意識しましょう。
志望動機の問われ方と回答例
例①「改めて、なぜ、なぜうちの会社なの?」
■良い回答例
「市場調査から一貫してものづくりに携われるからです。私は、ものづくりを通して世界を感動させることをビジョンとして掲げています。だからこそ、1つの製品に長期的に深く関わることができるメーカー、そして、その中でも特に、市場調査と海外進出に力を入れている御社を志望しています」
■悪い回答例
「自分は、サークルで、相手を感動させることの喜びを強く感じました。だから、ものづくりを通して、世界を感動させたいと思っています。」
例②「〇〇さんが成し遂げたい社会は〜という社会ということでしたが、なぜそれを成し遂げたいのか、改めて教えてもらえますか?」
■良い回答例
「ゼミの研究で〜〜〜という現状に違和感を覚えたからです。改善するために〇〇に取り組みましたが、それだけでは不十分だと感じました。だからこそ、△△に挑戦し、〜〜な現状を変えて、〜〜な社会を実現したいと考えています。」
■悪い回答例
「私は、〇〇に取り組みました。その結果、〜〜〜だと感じました。」
例①②のどちらも、良い例と悪い例の違いは下記2点です。
・聞かれたことに、正確に答えているかどうか
・結論ファーストで答えられているかどうか
面接では、聞かれたことを正確に、結論ファーストで伝えるように心がけましょう。
ガクチカ・原体験と連携する
志望動機を伝える際には、ガクチカ・原体験と連携することを心がけましょう。
「3.志望動機の書き方」でお伝えした、志望動機の原体験は志望動機の根拠として、そして熱意を伝える素材として非常に重要なものとなります。同じようなビジョンを持った就活生が複数いた場合でも、この原体験とのつながりをしっかり伝えることで、面接官に熱意を証明することができます。
ガクチカは「1.志望動機とは?」でお伝えした、『will(やりたいこと、ビジョン)』『can(強み、価値観、特性)』『must(ビジョン達成のために譲れないこと)』のうちの『can(強み、価値観、特性)』を証明するものでした。
一貫性が重要な面接の場において、上記の『will』と『can』と『must』 のつながりを証明するのがとても重要です。志望動機の中でも、ガクチカとの連携は常に意識して対策をしましょう。
実際に伝える練習をする
ここまで、志望動機の考え方に始まり、書き方、伝え方を伝授してきましたが、実際に伝える練習をすることは非常に重要です。
ビズリーチキャンパスでは、志望動機に悩む就活生に向けて様々なコンテンツをご提供しております。
・個別相談会
内定者と1on1の面談をすることができます。志望動機の書き方、伝え方を改めて相談するなど、志望動機の壁打ちをすることができます。
・アンバサStudyカフェ
自由にルームを選択することができ、学生同士で模擬面接をしたり、お互いの就活の悩みを共有したりできる場です。
・模擬面接会
内定者と1on1で面接練習をすることができます。「面接で志望動機をどう伝えるか」の練習をすることができます。フィードバック付きなので、良い点そして改善点がわかるはずです。
いかがだったでしょうか?
志望動機は、考え方さえ理解すれば、熱意の伝わる良いものを作成することができます。
本記事で紹介した内容をもとに、対策を進めてみてくださいね!
人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!
ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
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・難関企業内定者による就活対策講座を毎日開催
・先輩が『いつ・何をして・何に悩んだのか』を綴った就活体験記。就活全体像や時期別の悩みの具体的な解消方法がわかる
ぜひビズリーチ・キャンパスご活用し皆様にとって最適なキャリア選択を実現してください。