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企業研究

あらゆる産業を支える「鉄鋼流通」のプロとして、2つの総合商社の一翼を担う

専門商社をわかりやすく紹介する「専門商社の魅力とは!?」シリーズ。今回は、鉄鋼を商う伊藤忠丸紅鉄鋼。大手総合商社2社の鉄鋼部門が統合したことによって誕生した、「鉄鋼総合商社」と呼ばれる同社の強みや働く魅力について、人事責任者の方に話を聞いた。

企業紹介
伊藤忠丸紅鉄鋼(以下、MISI:Marubeni-Itochu Steel Inc.)は2001年10月1日に伊藤忠商事の鉄鋼部門と丸紅の鉄鋼製品部門が分割統合して誕生した、鉄鋼総合商社である。2つの総合商社の一部門を担う会社だからこそ成し得る、広範囲かつ専門性の高いサービスを提供。51カ国80拠点に及ぶ強力な海外ネットワークで、グローバルに事業を展開する。

人物紹介
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
人事総務部長代行
兼)人事企画チーム長/兼)採用・ダイバーシティ推進チーム長
野村 容
1994年、丸紅入社。11年間法務部に所属し、伊藤忠商事と丸紅の分割統合に伴う法務業務にも携わる。その後、経営企画部、広報部、タイ・バンコク駐在を経て、2014年より人事部。採用・人財開発課長として、採用・研修関連業務を統括する。2017年よりMISIに出向し、3年間人事を担当した後、丸紅のエネルギー・金属グループにおける人事課長として帰任。2022年4月より現職。


人類の進化・発展に不可欠な素材、「鉄」の魅力

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―――これまでのキャリアについて簡単に聞かせてください。


丸紅に入社したのは1994年になります。世界を飛びまわりながら働く営業職を夢見て商社に入社したつもりが、配属されたのは法務部。青天の霹靂ではありましたが、おかげで仕事の基礎を学べたのと、目の前の仕事と真摯に向き合っているうちに仕事に楽しさを感じるようになりました。30歳前後の頃には他ではなかなか経験できない大きな仕事も担当でき、非常にやりがいを持って働くことができました。2001年、伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼部門を分割統合し、MISIを設立する際の法務業務を担うという貴重な体験をさせてもらったことが心に残っています。

―――MISI設立当時の法務業務をご担当されていたとは、かなりの重責ですね。


いや、ものすごく大変でしたね。「会社分割」という新しい法律に基づいた統合としたため、必死に勉強・研究しましたし、これができるのは自分しかいないという高揚感もありました。会社分割計画書を日本で最初にドラフトしたのは私じゃないでしょうか。(笑)どんなに残業が重なっても、疲れたとか逃げ出したいとかはまったく思いませんでしたね。それぐらいアドレナリンが出っぱなしで、本当にやりがいのある仕事を経験できたかなと。一方で鉄鋼部門が統合されて別会社になってしまうと、鉄鋼の先輩や同僚が新会社に転籍することになるので複雑な想いもありましたが、会社分割が株主総会で承認された夜に鉄鋼の先輩と飲みながら、「ありがとう」と言ってもらえた時には号泣してしまいました。

その後は、経営企画部、広報部と管理部門で様々な業務を経験させてもらいました。広報部時代にアセアンの広報窓口として3年間バンコクに駐在し、ASEANとインドを飛びまわってメディア対応をした経験も思い出深いです。帰国後、2014年より人事部に異動となり、今年の4月より縁あって今のポジションについています。

―――現在担当されている仕事内容について教えてください。


メインで担当しているのは、新卒採用やキャリア採用などの人材採用業務です。また、2つの課のチーム長を兼任していて、人事企画チームでは人事制度や人事異動、研修、グループ会社の労務関係サポートを、採用・ダイバーシティ推進チームでは、人材採用のほかに女性活躍推進やシニア活用、障がい者雇用、世界に約140社あるグループ会社のナショナルスタッフの育成・登用などにも対応しています。

―――「鉄」の魅力はどんなところに感じていらっしゃいますか?


「鉄」はあらゆる産業に使われている、なくてはならない素材です。地球上に存在する物質の中で最も重量を占めているのが、実は「鉄」。それだけ豊富で、さらに安価で手に入る唯一無二の素材です。3,000年以上前にヒトが鉄を発見したことで、文明・文化を飛躍的に発展させたように、また現代においても鉄があらゆるものに使われているように、昔も今も鉄は人類の進化・発展を支えています。ただ、日本には石油・石炭・鉄鉱石などの資源がありません。食糧なども含め資源のない日本に資源を輸入する、日本でつくったものを海外に輸出することで日本のプレゼンスを高めていく。商社の存在意義はすべてこの2つに帰結すると思っています。

総合商社が総合力を発揮するための、一翼を担うMISI

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―――御社の強みについて教えてください。


なぜ2つの総合商社の鉄鋼部門を分割統合してMISIが誕生することになったのか、という話にもつながります。伊藤忠商事と丸紅のルーツはもともと同じ。1858年に伊藤忠兵衛が麻布の持ち下り商いをはじめたのが両社の創業です。その後分割・統合を繰り返し、戦後GHQの財閥解体により2社は別々の道を歩むことになりました。そしてそれぞれが形を変えながら日本の産業とともに発展を遂げ、総合商社化していきました。

しかし、1990年代にバブルが崩壊、90年代後半のアジア通貨危機の影響もあり、総合商社は業績不振に陥り、総合商社冬の時代と言われました。当時の総合商社には、選択と集中によって専門商社となった会社や、合併を選んだ会社も。その中でも鉄鋼不況と言われた時代とも重なり、総合商社の鉄鋼部門は大変厳しい時代を迎えていました。

総合商社全体が苦しい中、正直鉄鋼ビジネスをやめるという選択肢もあったと思います。しかし、鉄は産業のコメ、鉄を使わない産業はほとんどありません。取引先もインフラ、建設、自動車、電機、エネルギー資源と産業のほとんどをカバーし、顧客数も圧倒的なものがありました。鉄は総合商社が総合力を発揮する中核にあったと言えます。むしろ鉄をやめたら総合商社の看板を下ろさなければならない。当時の伊藤忠商事と丸紅の経営陣は鉄鋼から撤退するのではなく、お互いの鉄鋼部門を分割統合し、総合商社No.1の鉄鋼部門にしようと考えたのです。一つになることで取扱量を大きくし、業界の中で生き残りをかける勝負の決断をしたわけです。そして誕生したのがMISI。2つの総合商社が総合力を維持・発揮するために、MISIが誕生したという背景があります。

―――総合商社が総合力を発揮するためには、「鉄」が欠かせないということですね。連携して進めているビジネスにはどのようなものがありますか?


たとえば、丸紅の案件では、発電所を建設する案件に対してMISIが鋼材を提供することもありますし、中東のガスパイプライン建設に鋼材を入れる案件もありましたね。不動産部隊がオフィスビルやマンションを開発するときにはいつも声がかかります。伊藤忠商事との案件では、出資した鉱山の鉄鉱石を輸送するため、内陸から港までの鉄道レールをMISIが提供しました。食品カンパニー主力事業会社に対し、製品の缶詰となる素材も長く扱っています。こちらから伊藤忠商事と丸紅両社に案件の相談をすることもありますよ。他部門と一緒になってビジネスをする、総合商社の一翼を担っていると言えると思います。もちろん、総合商社の鉄鋼部門は他商社にもありますが、MISIは伊藤忠商事と丸紅という2社の総合商社のネットワークやリソースとともにビジネスができるという点は大きいです。

―――たしかに、そこは他社にない差別化ポイントですね。「鉄鋼総合商社」と呼ばれる理由もわかります。


ビジネススタイルは大きく分けて2つ。貿易をはじめとした「トレード」と、バリューチェーン構築に価値のある事業会社に投資をして経営に参画する「事業投資」。MISIには世界に約140社のグループ会社がありますが、「トレード」と「事業投資」を両輪にビジネスを展開しています。従いビジネススタイルも、総合商社とほとんど変わりません。これも我々が鉄鋼の専門商社ではなく、「鉄鋼総合商社」と呼んでいる理由です。言い換えると、最初から鉄鋼に配属が決まっている総合商社と言えるかもしれません。

―――そのほか、MISIの特徴について教えていただけますか。


何よりもコミュニケーションを大切にしているということですかね。それぞれの組織体制も取引先も全然違う2社の鉄鋼部門が一つになった経緯があるので、お互いを知るために必然的にコミュニケーションが大切にされました。それが功を奏し、設立以来一度も赤字に陥ることなく業績を伸ばし、2021年度は過去最高益を記録しました。順調に拡大している背景には、こうした活発なコミュニケーションを大事にする社風によるところも間違いなく大きいと思います。その風土は設立から20年以上経った今ではしっかり根付いていると感じますし、大切にされています。風通しの良さで言えば、伊藤忠商事や丸紅を上回っていると思いますよ(笑)。

当事者意識を持って、最後までやり抜く力を

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―――MISIで働く魅力、ご自身ではどんなところにあると感じていますか?


やはり、社会インフラから身近なものまであらゆる産業と関わり社会の発展に貢献していると感じやすいところが鉄鋼業界の魅力だと思います。そんな中でMISIは、総合商社の一部門のような位置づけでありながら、鉄鋼分野に集中して専門性を深めていくことができる。鉄の需要は今後も伸びていきますし、社会の発展のためにやらなければいけない課題もたくさんあります。業界の中では、人類はまだ鉄の可能性の10%しか引き出していないと話す人もいるんですよ。それだけ、まだまだ進化できる素材だということ。こうした業界にどっぷりと浸かって、社会に貢献していく仕事には魅力がありますね。

―――こんな学生に出会いたい、という人物像を聞かせてください。


MISIでは、企業理念に「MISI FRONTIER SPIRITS」という大切にするべき7項目を掲げています。その中で私が一番共感しているのが、当事者意識を強く持ち、主体性を発揮するという意味の「当事者として」。振り返ってみると、これまで自分自身が仕事をする上で常に意識してきたことでもあります。他人のせいにせず、すべてを自 分事として捉えて、できることを全力でやる。これが、途中で投げ出すことなく最後までやり抜く力になりますし、仕事の楽しさにもつながっていきます。ぜひ、そこに共感できる人と一緒に働きたいですね。

―――最後に、就活生へ向けてアドバイスをお願いします。


人に会うということはとても大切です。今や就職活動もデジタル化が進んでいますが、できる限りリアルで会ってほしいですね。極端なことを言ってしまいますが、業界が同じであればどこの会社に入ってもやることは大きくは変わらないかもしれない。ただ、そこで働く「人」は絶対に違います。どんな人が働いているのか、魅力的な社員はいるか、社風はどんな雰囲気なのか、自分が直接感じたことを大事にして会社を選んでいただきたいです。私は就活していた頃、100人ぐらいの方にお会いしましたが、それぐらい頑張ってよかったなと今でも思います。自分の足でまわって決めたからこそ、最後に納得感がある。覚悟をもって入社出来ました。ぜひ皆さんにとっても、最後まであきらめずに納得のいく就職活動にしてほしいと思います。

―――「鉄鋼総合商社」と呼ばれる背景や、その特徴についても理解が深まりました。本日はお忙しい中、ありがとうございました!


伊藤忠丸紅鉄鋼のマイページ/インターンシップ応募はこちら

◆マイページ

https://mypage.3050.i-webs.jp/misi2024/

◆インターンシップ応募

https://www.misi-recruit.com/internship/index.html