図案作家・有田昌史さんと「リソグラフ」のスペシャルコラボ!
今年誕生40周年を迎える、デジタル印刷機「リソグラフ」。教育機関や企業などで使われる一方で、近年はZINE(小冊子)やポスターといったアート表現の手段としても注目が高まっています。今回そんな「リソグラフ」を使って、図案作家の有田昌史さんに新たな創作に挑戦していただきました。
あえてインクを重ね、狙った色に 【動画インタビューはこちら】
有田さんにお願いしたのは4色を使った「ポスター」の制作。予め用意しておいたデザインPDFをスタジオに持ち込み、いざチャレンジ開始です。使うのは2色機の「リソグラフ」。まずは、理想科学のロゴや「40th」「1980」といったキーワード部分に当たるパープルと蛍光ピンクの2色で版を刷り、続いてゴールドとグレーのインクを重ねた版を刷ります。「普通のゴールドだと強すぎる気がして、あえてグレーを重ねた。狙い通りの色が出ましたね」という有田さん。確かに彩度が抑えられ、落ち着いた鉛に似た色に変化しました。最後に4版を重ね、レトロ感と先進性を感じさせるポスターが完成しました。
さまざまな2色の組み合わせを楽しむ
4色印刷の後は、2色のさまざまな組み合わせを試してみました。目の粗い紙や厚みのある紙など、その都度インクの乗り方を見ながら、異なる紙の種類も試していきます。ゴールドと濃紺で刷る際、「薄い透け感のある包装紙のような紙があれば」のオーダーに出てきたのはハトロン紙。印刷して手に取った有田さんは「まさにイメージ通り!」と大満足の様子でした。
「色の組み合わせも紙の相性を見るのも、PC上だけの作業では決して味わえない面白さ。想像を超える仕上がりになったときの喜びも大きい。『リソグラフ』で創作する醍醐味の一端を味わえた気がしますね」。初挑戦ながら、すっかり「リソグラフ」に惚れ込んでしまった様子の有田さんでした。
「4色は色の重なりで豊かな表情をつくれるし、2色はシンプルだからこその力強さが出る」。「こうして印刷の現場で実際にトライアンドエラーでいろいろと試せるのが『リソグラフ』のよさですよね。いいものをつくるには、こういう偶発性は不可欠です」と有田さん。