給与ややりがい、安定性など…人が仕事に求めるものは実に多岐にわたります。そのなかで、もしあなたが「目の前の人からの感謝を肌で感じ、自分自身が誇れる仕事をしたい」と思っていらっしゃるのなら、M&Aアドバイザーという仕事は天職に感じるかもしれません。
今回登場するのは、そうした気持ちを胸に、メガバンクからFUNDBOOKに転職したM&Aアドバイザーの石原です。M&A業界未経験入社メンバー内で、最速昇格を果たしたエース的存在として活躍中。その功績が評価され、大阪支社の立ち上げメンバーにも抜擢。組織の更なる成長に向けて全社から期待を寄せられています。
M&A業界未経験ながら目覚ましい実績を残している石原が大切にしていること、そして今後のビジョンについて聞きました。
<Profile>
石原 大輝(いしはら だいき)
千葉県出身。現在30歳。横浜国立大学経営学部卒業。金融系に務める父親への憧れから、「ビジネスマン」が幼少期からの夢となり、金融業界への就職を念頭に横浜国立大学経営学部へと進学。銀行やコンサルティング会社、証券会社への選考を中心に就職活動を行った後、みずほ銀行に入行。法人営業コンサルタントとして活躍する。2018年1月に株式会社FUNDBOOKへ入社。
「お客様を幸せにする」そう胸を張れる仕事がしたかった
新卒入社のタイミングで、みずほ銀行へと入行された理由を教えてください。
石原:もともと父親が金融系の企業で働いていたこともあり、自然とその背中を追うようにキャリアを考え始めたのがきっかけです。大学は経営学部に進学し、そこでの学びを活かすべく金融業界を志望。ご縁があったみずほ銀行に入行しました。
今思うと、当時はまだ金融業界に身を置くことそのものが目標になっていて、具体的にどのような仕事をしたいというビジョンまで描けていなかったところもあったかもしれませんね。まずは幅広く挑戦していくための最適解として、軸足を固めるべくメガバンクという安定した環境を選択しました。
実際に、どのような業務を担当されていたのでしょうか?
石原:法人営業として、中小企業に向けた融資・運用・事業承継等の提案を行っていました。新卒1年目にして、中小企業の社長に直接提案をすることは魅力的でしたが、銀行の方針に従ってお客様都合ではないサービスをご案内することも少なくありませんでした。
組織が大きくなるほど、各人が担当する業務の種類が増え、果たさなければならない目標数字も大きくなります。その数字を割り振られた現場のメンバーは、お客様の真の利益になるのかどうかより、自分たちのノルマを達成することが最優先になってしまうということも、大手企業の営業マンには珍しい話ではありません。
私自身もそうした感覚に駆られることが何度もありました。必要というわけではない商品をお客様に「お願いします」と提案して、「仕方ないな」とお付き合いでご契約していただく。そのようなやりとりのなかで「これは誰の幸せに繋がっている仕事なのだろうか」と悶々とすることもありましたね。
そこで転職を意識されたのですね。
石原:メガバンクはそのスケールメリットを活かしてできることもたくさんあります。そこで働く一員として将来を約束された安心感はありますが、大きな組織を維持していくために必要な業務が増えていくこともあります。自分の役割上、本筋ではないように感じられる仕事も遂行していかなければならないという現実を知りました。
また、同じ頃にベンチャー企業を担当することになったのも、転職を意識するうえで大きなきっかけとなりました。アプローチしたベンチャー企業のなかには、セミプロのカメラマンと「プロに撮ってほしい」と願うユーザーとをマッチングさせるプラットフォームの制作をする企業など、まだ世の中にないサービスをイチから創り出そうとしている方々がいました。
もちろん、そうした事業は必ずしも成功するかはわかりません。マネタイズできるようになるまで苦労も少なくないのです。しかしそれでも、それらの苦労さえも楽しみながら、とてもイキイキと働かれているのが印象的でした。そこにあるのは、このサービスを通じて世の中の人々が幸せになるはずだと思う強い想い。傍から見ていても、その情熱をひしひしと感じ、自分の心の中にもその火種があることに気づかされたのです。
その熱量の高い仕事ぶりに触れて、私も「そのように働きたい」という想いが芽生えました。せっかく働くのであれば、「人を幸せする」と誇りをもって取り組める仕事を、と考えて転職することを決めたのです。
メガバンクという安定した環境を飛び出すことに、不安はありませんでしたか?
石原:私自身はまったく不安はありませんでした。ただ、転職を決意した時期と結婚が重なっていたこともあり、周囲からは「このタイミングでなぜ?」といった疑問の声がありました。
しかし、身近な人が応援してくれたんです。妻も「好きなことをしたほうがいい」と背中を押してくれましたし、当時の上司も「わかった」と快く送り出してくださったのが心強かったですね。
設立間もないFUNDBOOKの「内定者第一号」に
転職先として様々な業界があるなかで、M&A業界に惹かれた理由は何だったのでしょうか?
石原:M&Aは、企業の命運をかけた大きな決断を迫られるもの。そして、比較的多くの関係者を巻き込む決断になるので、それまでのお付き合いを理由にご契約いただける商材でもありません。
当然ながら、その分難しい面も多々ありますが、オーナー様はもちろん、そこで働かれている従業員の皆様にとって最も幸せになれる道を選択するお手伝いをしていく仕事ですので、「目の前の人を幸せにしたい」という私の希望に即したキャリアだと考えました。
なかでも、FUNDBOOKを選んだ理由を教えてください。
石原:私が転職活動をしていた2017年当時、FUNDBOOKは前身のBuySell Technologies社からスピンアウトして創業するというタイミングでした。そのため、私が実質「中途採用の内定者第1号」だったのです。その何もかもが新たなスタートということに、純粋にワクワクが止まりませんでした。
また、代表の畑野と面談をした際に聞いた、壮大なビジョンにも心動かされました。ここからM&A業界そのものを新しく築いていくという気概、これまでにない仕組みを創って世の中を変革していくのだという熱い想いは、まさに私が憧れたベンチャーマインドそのものでした。それらが入社の決め手です。
実際に入社してみた感想はいかがでしたか?
石原:強く感じたのは、代表をはじめとする役員との距離の近さです。メガバンク時代は、同期ですら何百名もいて顔と名前が一致していることのほうが少なかった。それに比べて、当時のFUNDBOOKでは毎日全社員と顔を合わせますし、代表の考えを直に聞くことができます。そのため、今会社がどこに向かっているのかを肌で感じられ、仕事により精を出して取り組むことができました。優秀な中途メンバーや新卒メンバーが増え、日々組織が拡大している現在でも、経営陣が積極的にビジョンや方針を発信してくれるので、その環境は変わりません。
また、自らの成果の会社へ与える影響の大きさを実感できるのも、面白いと感じました。誰がどのように頑張っているのかが明確なので、しっかり評価してくれるところもやりがいを持てた部分です。ありがたいことに、最初のMVPを獲得することもでき、より一層モチベーション高く日々の業務に取り組めています。
逆に、厳しさを感じた部分はありますか?
石原: 創業したばかりのタイミングの入社だったので、会社の知名度がほとんどない状況からのスタートでした。会社名を伝えても相手が知らないケースが多く、話を聞いてもらえないことも多々ありました。
前職では、「みずほ銀行です」と名乗れば話を聞いてもらえるのが当たり前だったので、会社の看板だけでは通用しないことが最初に感じた厳しさです。
また、お客様との関係性においても意識の変化が求められました。メガバンク時代は年齢が若かったということもあり、どちらかといえばお客様に「かわいがっていただく」というスタンスのほうがお話を進めやすい場面が多くありました。
しかしM&Aアドバイザーは、むしろお客様から「頼りになる」と思っていただけるような存在にならなければなりません。「困っていることを真っ先に相談したい」「我が子のように育ててきた会社の行く末を任せたい」と信頼していただく必要があります。そのために、知識を身に着けていくことはもちろん、落ち着きのある言動や、説得力のある印象を持ってもらえるよう一段と心がけました。
新たなチャレンジを通じて自分を磨き続けられる環境
MVPの獲得や、M&A業界未経験メンバーのなかでの最速昇格など、華々しい活躍を遂げられていますが、そのポイントはどこにありますか?
石原:まずは「GIVE」「GIVE」「GIVE」で、仕事に取り組むことでしょうか。目の前のお客様を幸せにするために、どのような価値を提供できるのかを考えていくことに尽きると思います。
特に、M&Aは状況に応じて、その企業に合ったスキームの提案をしていく必要があります。そのために会計士やファンドと知恵を絞り合い、最適な答えを導き出せるよう意識しています。その結果、お客様から直接深く感謝していただけたときには、「やってよかった」と心から思います。
2018年に初めてM&Aのお手伝いをさせていただいた運送会社のオーナー様から、その翌年に年始のご挨拶のお電話をいただきました。そのお元気な声を聞くことで「あのとき本当に幸せになる選択をサポートすることができたのだ」と実感しましたし、こちらまで幸せになりました。
大阪支社の立ち上げメンバーにも抜擢されたそうですね。
石原:これも成長期にある会社ならではのやりがいです。支社がゼロから立ち上がる瞬間は成熟した組織ではなかなか経験することはできません。そのような貴重なタイミングで声をかけていただいたときには、迷わず「やりたいです」と即決しました。
ベンチャーでは変化が激しい分、そこに対応していくために自分自身にも成長していくことが求められるので、この環境に私自身も大きな成長機会を得ることができたと感じています。大阪支社も順調に組織を拡大しています。今後もさらに新しいメンバーを迎え入れて拡大を続けていくフェーズですので、より力をつけて支社全体を盛り上げていくような活躍を目指していきたいですね。
どのような方が、FUNDBOOKのM&Aアドバイザーとしての適性が高いと思われますか?
石原:やはり大前提として「誰かを幸せにしたい」という想いが大事だと、個人的には考えています。その想いを実現するための手段として、より的確なアドバイスができる知識量が必要ですし、学び続ける知的好奇心も欠かせないでしょう。また知識があったとしても、お客様の心に寄り添うコミュニケーション能力がなければ、信頼してもらえません。
もちろん、物事には大きな流れがありますから、運やタイミングに左右されることも少なくありません。そのチャンスを掴むまで粘り強く続けるガッツもなければ活躍は難しい。知力、精神力、体力……と「ビジネスの総合格闘技」と言えるくらい様々な能力を磨き上げていく職種です。
そうした努力を「しなければならないこと」ではなく、「するのが楽しい」と思えるようなメンバーがFUNDBOOKには集まってきています。そうした仲間と働く日々は、刺激も学びも多いので、自然と高め合い、切磋琢磨できる環境は無二と言えるのではないでしょうか。
今後、どのようなビジョンを持っていらっしゃいますか?
石原:当面はM&Aアドバイザーとして、より多くのお客様を幸せにしていきたいと考えています。そのためにできることを模索しながら、自分自身の能力をさらに磨き続けていきたいですね。現在は、中小企業診断士の資格取得を目指して勉強しております。
また、ゆくゆくはメガバンク時代の経験、そしてM&Aアドバイザーとしての知見を活かして、より総合的に金融に関する相談役になることができればと思っています。現在は、融資については銀行担当者、経営についてはコンサルタント、会社の将来についてはM&Aアドバイザーなどと、役割が必要以上に分断されている印象を強く感じております。
しかし本来は、経営課題はつながっているものですので、それらの壁を超えてトータル的に経営をサポートできるサービスを創り上げたいです。そして、お客様がより幸せになる選択肢を提供できる存在になりたいですね。FUNDBOOKなら、そのような業界の固定観念を取り払うチャレンジも実現することが可能だと思っています。