毎年、様々な経歴を持った新卒メンバーが入社しているFUNDBOOK。今回は、投資銀行部門の内定が決まっていながらも、FUNDBOOKへの入社を決意したという京都大学4年生の中井をご紹介します。
少年時代から古典文学を好むなど「個性的だ」「変わっている」と言われることが多かった中井。就職活動においても、「普通」の枠に押し込められるのではなく「自分らしさ」を発揮できる環境を求めていたといいます。
中井の目にFUNDBOOKがどのように映ったのか。そして、この場所で実現したいと願った夢とは。入社を決めた背景から、今後の目標についてインタビューしました。
<Profile>
中井 進太郎(なかい しんたろう)
福岡県出身。現在22歳。京都大学経済学部4年。小中学校はサッカーに熱中し、高校でもサッカー部へ。部活引退後から受験勉強に勤しみ、京都大学へ進学。大学では、サッカーサークルやアルバイト、公認会計士の資格取得の勉学に打ち込む。会計と経営を専攻していたことから、アルバイト先の飲食店で人員コストの最適化を提案し、営業利益の向上に尽力。就職活動では投資銀行部門の内定を獲得しながらも、2021年4月FUNDBOOKへ入社予定。
父の影響から形成された「個性的」な価値観
中井さんは幼少期から「変わっている」と言われることが多かったとお聞きしました、どのような少年時代を過ごしていたのでしょうか?
中井:無表情で目つきが悪く、小さいころは何を考えているのかわからないとよく言われていました。その上、興味のあるなしがハッキリしていたので、先生によっては思い通りに動かない子として怒られることも多かったです。
周囲の友人が夢中になっていたアイドルや音楽、ファッションなど、そうした流行りものにも興味が持てず、よくシェイクスピアやゲーテといった古典文学を中心に本を読んでいました。
何百年と読まれ続けている古典文学なら間違いないと思って手に取ったところ、やはりその読み通り面白くて。特に好きなのは、高校時代に読んだゲーテの『若きウェルテルの悩み』でした。
確かに、それは一般的に見ると「個性的」と言われそうですね。誰か影響を受けた方がいらっしゃったのでしょうか?
中井:特に誰かに憧れたというわけではなかったんですが、変わり者だった父の影響が大きかったのかもしれません。家では自分のことについて全く話さないので、どんな仕事をしているのかも実は知らないんです。
しかし、そんな父の様子に対して私自身全く違和感を持っていないので、もしかしたら父に似ているのかもしれないとは思っています。おそらく父も、私がどんな会社に就職しようとしているのか知らないと思います。そんな父や私とは対照的に、母と姉は誰とでも仲良くなれるフレンドリーな人たちなんです。私も父も、母たちが知っていればいいかという感じで、落ち着いているんだと思います。
それで家族のバランスが取れているのですね。
中井:はい、私自身はそれで十分だと思っているのですが、やはり傍から見ると変わっていると思われるのだろうなというのは分かります。京都大学の経済学部を目指したのも、シンプルに「偉くなりたい」と考えたからです。そうすれば、周りから指摘されることもなくなるかな、と。もちろん悪い点は叱ってもらいたいと思いますが、「個性的」というだけで理不尽に怒られたくないと思っていたんです。
課題解決のために新しいことを生み出すような仕事をしたい
そこからの京都大学合格。どのような勉強をされていたのでしょうか?
中井:とにかく効率を重視しました。私の場合、どんなに頑張っても集中力は3時間しか持たないことがわかったので、3時間勉強して、ご飯を食べて、1〜2時間寝て、また3時間だけ集中して……というのを徹底していました。1日10時間以上勉強する受験生もいましたが自分自身のやり方でベストを出せれば大丈夫と思っていたので、特に焦ることもありませんでした。大学に進学してからの簿記1級の取得(2020年11月に受験し合格)や公認会計士の資格勉強も同じように取り組みました。
公認会計士の資格を目指したのはどういった理由からでしょうか?
中井:特に高尚な理由があったわけではなく、会計の知識は将来どの分野に進んだとしても役に立つものだと思ったからです。ニュースを見ているときも、その根拠となる数値的な情報を見て内情がわかるようになれば面白いのではないかと考えてのことでした。
実際に、アルバイト先で学んだ知識が役に立ったとか?
中井:はい。大学2年生から飲食店のアルバイトを始めました。人と話すことが苦手だったので、接客業を経験すれば克服できるのではないかと思ってのことでした。そのアルバイト先で、会計の知識を活かす場面がありまして。
私が会計の勉強をしていることを知った店長から「お店の業績をよくできないか」と相談を受けたんです。そこで、学んでいた「付加価値」と「非付加価値」に分類して取り組んでいく考え方を伝えました。例えば、お客様に料理を早く提供するというのは「付加価値」、食器を洗うときの水の量を抑えていくというのは「非付加価値」……といったように、お客様にとって価値のあるものにパワーを注ぎ、価値にならないことにかけているコストを削減していくようにしたんです。
特に積極的に取り組んだのは人員コストの最適化でした。当時は、アルバイトスタッフのシフトも、入れるだけ入ってもらって、その場の感覚で担当エリアも任せていました。それを客数に応じた最適な人数を算出し、ランダムに担当していたエリアを集中して任せることで、作業効率が上がるようにしたんです。
受験勉強のときもそうでしたが、いかに効率を良くしていくかを考えるのが得意なのですね。
中井:目の前にある課題をどう解決していくのか頭を使って考えるのが好きなので、大学4年生になる直前まで公認会計士になろうと思っていたんですが、それは自分のやりたいこととは少し違うんじゃないかと考えるようになりました。公認会計士は新しいことを生み出す人をサポートする仕事ですが、私はその新しいことを生み出す側になりたかったのだと思い直したんです。そのため、そのまま公認会計士の資格取得は目指しつつ、少し遅いスタートにはなりましたが就職活動をすることにしました。
FUNDBOOKは“個性”が評価される職場だと感じた
就職活動ではどんなところを重視していましたか?
中井:目指したのは、金融やコンサルティング業界でした。ゼミで会計と経営を学んでいたので、その知識が活かせる業界ではないかと思いまして。就職活動を行うなかで、多数の企業説明会に参加してみたのですが、最終的にはそこで働いている人たちの「人柄」が大事だと思いました。
もともと「変わっている」と言われていたこともあり、この個性が馴染めるかどうかが重要だと考えたんです。
個人的に、人は仕事という面において「優秀で面白い人」「優秀で真面目な人」「優秀ではないが面白い人」「優秀ではないが真面目な人」の4タイプに分類できると思っています。投資銀行部門などの大きな組織では「優秀で真面目な人」がたくさん活躍しているなと感じました。果たして、その環境で素の自分を出してしまったら、浮いてしまうのではないだろうか、と悩んでいたところに、FUNDBOOKと出会ったんです。
FUNDBOOKの魅力は?
中井:先ほどお話した4タイプにおける「優秀で面白い人」が集まる会社だと思いました。役員陣からは「M&A仲介において求められるのは秀でた論理的思考力だけではなく、経営者の心を掴む人間的な魅力が必要だ」というお話をしていただきました。それは、まさに私が目指している将来像に近いものだと思いました。
実際に、先輩社員の皆さんと話してみると、その魅力に引き込まれる方ばかりでした。フランクにプライベートな話もされたと思ったら、ビジネスに関する高い知識も持ち合わせていて。個性的なのに、真摯に仕事にも向き合っている姿に憧れを持ちました。
そして、私自身の個性について「面白くていいよ」と受け入れてもらえたことが大きかったですね。また、他の内定者とも会う機会があり、私が言うのもなんですが「個性的だな」と思うメンバーばかりでした(笑)。
「帰国子女です」や「芸能事務所に芸人として所属してました」など、経歴から個性の強い人が多くて。ただ、個性はバラバラでも、皆上辺じゃなく本音で向き合いたいというところは共通しているので、すごく居心地がいいんですよね。
「本音で向き合いたい」というのは大きいですか。
中井:実は、FUNDBOOKに入社を決意した後、選ばなかった道も経験しておきたいと、コンサルティング会社でのインターンを経験しました。そこでは3日間、新規事業を考えて3年分の決算書を作って提案するチームに配属されました。そこで考えたのは、新卒採用時に学生の能力値を数値化して企業に提案できるサービスでした。しかし、社員の方から「ビジネスをわかっていない」というような厳しい指摘をいただいたんです。
私としては納得のいくまで意見交換をする意気込みだったのですが、チームのメンバーからは面倒そうな眼差しを受けまして……残りの2日間は苦しかったですね(笑)。個人的には、言いなりになって我慢するのは一番後悔することだと思ったので、自分の考えはしっかり主張しておきたいと考えているのですが、それが環境によっては迷惑がられることもあるんですよね。
そうした姿勢をFUNDBOOKでは歓迎してくれるので、改めて自分に合っている場所を見つけられたんだと思いました。
表面的な情報よりも、自分で感じることを大切に
今後、FUNDBOOKでどのような活躍を目指していますか?
中井:入社後は、まずM&Aにおけるテクニカル領域のサポートを行うセールスアナリティクス職を希望しています。企業概要書や提案書の作成、ストラクチャー構築等、会計の知識を最大限に活かせると思ったためです。そして十分にM&Aに関する知識を学んだ上で、ゆくゆくはM&Aアドバイザーとして実際に課題を抱えているお客様と向き合いたいと考えています。
また、将来的には、M&Aを通じて日本の農業を取り巻く課題も解決していきたいです。大学の授業で銀行の方の特別講義があり、そこで日本の食について考える場面があり、就職活動中にも出会う人出会う人に「農業についてどう思いますか?」と聞いてみたんですが、プラスの意見というのがなかなか聞こえてこなくて。実際に、農業体験にも5日間行ってみたんですが、人手不足、後継者不在など、問題が山積みであることも経営者の方から直接お聞きしたので、なんとかしなければという危機感を持っています。
気になることに対して素早く行動に移せることも、大きな強みですね。
中井:思い立ったら即行動するようにしています。先日も、農業のほかに物流はどうなっているんだろうと思い、物流会社のインターンに行ってきました。すでに整備されている世の中の動きはどうして成り立っているんだろうと考えてみたら気になってきたんです。
「一を聞いて十を知る」という言葉がありますが、個人的には「一を聞いて十の疑問を持つ」というのをモットーにしています。例えば、話の中から「もっと詳しく聞きたい」と思うことを3つ以上、「そもそもなぜそうなっているのか」という背景の面から3つ、「反対意見はどうだろうか」と否定的な側面から3つ……といった形で。
その疑問を解決するため、ネットで調べて終わりではなく、自分の中で仮説を立て、それが合っているかどうかをできるだけ当事者の声を聞いて結論を導くようにしています。
最後に、FUNDBOOKに入社を検討している方へメッセージをお願いします。
中井:学歴を活かして名のある大企業に就職するのは、確かに自慢できることだと思います。ですが、最終的には周囲の評価よりも自分に合っている会社を選ぶことが何よりも大切だと思います。表面的な情報だけではなく、仕事の内容を精査し、その上で自分のやりたいことがあり、一緒に働きたい仲間がいる場所かどうかを見極めるのかが、就職活動の本質だと実感しました。
FUNDBOOKは、「個性的」を褒め言葉として言ってくれる、面白い人が集まっている会社です。「仕事ができるだけでは物足りない」という、積極的な姿勢を大いに買ってくれるところに、他の会社にはない魅力を感じています。学ぶことに貪欲で、素直にアドバイスを聞きながらも自分の軸がブレない方。ぜひ一緒に働けるのを楽しみにしています。