【1ヶ月遅れの入社証明書】入社式中止の知らせに届いた桜。「今できること」を探る力が未来の希望に
FUNDBOOK 戦略人事本部の市川です。
今年、新型コロナウイルスの影響で多くの企業が入社式を断念しています。
当社でも、ギリギリまで実施できないかと検討してきましたが、中止という決断をせざるを得ませんでした。
コロナ禍だから仕方のないこと。でも、本当にこのまま「中止です」でいいのだろうか……。
そんなモヤモヤを抱えていたときに、ある連絡が入りました。
■中止になった入社式に思わぬ提案
「会場に飾るはずだった桜の花を、オフィスのエントランスにお持ちしましょうか? 少しでも入社式の雰囲気を味わっていただきたいと思いまして」
それは、入社式会場となるはずだった『アンダース東京』担当者・筒井さんからの思わぬ提案でした。
会場用にオーダーしてあった桜を、本社オフィスのエントランスに持ってきてくれるというのです。
もちろん、会場とオフィスでは天井の高さも異なります。サイズを調整し、さらにインテリアにマッチする鉢まで用意してくださったのです。
そのホスピタリティ溢れる粋な提案に、私たちは心を打たれました。
それと同時に、思ったのです。
従来と同じ入社式はできないけれど、他に「今できること」があるのではないか、と。
■FUNDBOOKが「式」を大切にする理由
FUNDBOOKは、M&A仲介を通じて多くの経営者と従業員を幸せにしていきたいと考えている会社です。
M&Aが成立した際にも「成約式」という、企業同士の結婚式のようなセレモニーを行なってきました。
「式」とは人生の節目に「素晴らしい未来」に願いを込めて行なうもの。
「式」を大切にするという想いは、当社が提供しているサービスの根本にもなっているのです。
だからこそ、当社では毎年、本社オフィスの入っている虎ノ門ヒルズ内の『アンダーズ東京』にて、入社式を開催してきました。
代表取締役CEOである畑野からの祝辞、経営陣紹介、そして入社証明書の授与、新入社員の答辞……厳粛な雰囲気の中で、社会人として歩み出す決意を新たにする場所として大切にしてきたのです。
「入社式」は新入社員たちにとって、一生に一度の機会。
それを「中止しました」の一言で終わらせたくない!と、オフィスに咲いた桜を見て改めて思いました。
■「今できること」で新入社員を迎えよう
そこで感染対策を徹底し、少人数グループに分けて、新入社員をオフィスに招きました。
代表・畑野からのメッセージ、そして新入社員代表答辞を行う女性社員のお父様からのサプライズのお手紙も、私から代読させて頂きました。
このお手紙は事前に人事部から依頼をさせていただいたもの。
「娘さんが入社式で新入社員代表となりました。緊張する会なので、お祝いの言葉をかけてあげてください。そして渡すときに、読ませてください」
と、こっそりご連絡を差し上げたのです。
入社式は、会社や新入社員にはもちろん、そしてご両親にとっても、大きな節目になるもの。どんな思いでこの日を迎えたのか、この門出には多くの人がその背中を押してくれていることを知ってほしいと考えてのことでした。
そしてグループごとに、あの桜の下で記念撮影も。
はじけんばかりの彼らの笑顔に、やはりあのまま「中止」で終わらせなくて本当によかったと、心から思いました。
仕事は決して楽なことばかりではありません。うまくできないと悩んだり、思わぬ壁にぶつかったりするでしょう。
そんなときに、決意と覚悟を持って社会人として歩み出したこの日のこと、みんながその歩みだしを応援してくれたことを忘れてほしくない……そう願いながら、2020年度の小さな小さな入社式は幕を閉じました。
■1ヶ月遅れの入社証明書
そして、4月28日。1ヶ月遅れになりましたが、1人ひとりの名前が記されたBook形式の入社証明書が、改めて51名の仲間のもとに渡りました。
新入社員たちは今リモート研修という慣れない環境の中で、社会人生活をスタートしています。
コミュニケーションも取りにくい中で、少しでもあの桜の記念写真が、親御さんからの言葉が、そして入社証明書が、彼らの心の支えになってくれたらと願ってやみません。
今回のコロナ禍における「入社式中止」は、多くの学びを得る機会になりました。
「できない」で終わるのではなく、「今できること」を模索すること。
これからの世界を希望を持って生きるためには、この「今できること」を自ら探す力が必要なのではないでしょうか。
私たち人事部もその力を磨き続け、FUNDBOOKという会社そのものが、社会にとって希望を発信できる存在になれたらと思っています。