<企業紹介>
世界60拠点以上で、約8,000人の社員が活躍するシスメックス株式会社。人々の体や疾患の状態を調べる「検査」領域で、世界190カ国に事業を展開、多くの分野で世界シェアNo.1を獲得。「ヘルスケアの進化をデザインする」というMissionの下、日々進歩・発展するヘルスケア業界において、世界初、最高品質の製品・サービスを生み出すことにより、業界を先導してより良い医療を実現させることを目指している。
<人物紹介>
高橋 淳(写真右)
経営管理本部 経営管理部 経営管理課
2012年入社
2010年に慶應義塾大学 総合政策学部を卒業後、2年間JICA(国際協力機構)による国際協力事業でウガンダに赴任。2012年に新卒で入社後、国内営業、海外事業管理を経験。2016年からSYSMEX EUROPEへ赴任し、経営企画部で経営管理に従事。2018年4月より現職。
濱岡 史泰(写真左)
SCM本部 PSI部 診断薬PSI課
2015年入社
明治大学 政治経済学部を卒業後、新卒で入社。在学時に就活を一度やめて、メキシコに留学。入社後は、
長野で営業を経験後、SCM本部に異動。事業部・生産部門と連携し診断薬供給体制強化、プロセス改革に取り組む。国内市場およびアジアパシフィック地域を担当。2018年4月より現職。
就活をやめて、海外に飛び立った
―――本日は、宜しくお願いします。お二人とも就活を2回経験したとのことですが、1回目の就活のことについて聞かせていただけますか。
高橋 淳(以下、高橋):僕はすごく行きたい会社が1社だけあって、そこだけ受けたんです。でも落ちてしまって。その会社に受かるために準備できることは全て実施し、悔いは無かったのでさっぱり諦めることにしました。他に興味がある会社もなかったし、やりたいことがなくてどうしようか悩んでいるころ、地方創生のゼミで知り合った人がJICAでウガンダに行くと聞いて「おぉ、それは面白そうだ! 自分も行きたい」と直感的に思ったんです。大それた理由とかなくて、ホントにたまたまそう思ってしまて(笑)。そこからJICAに受かるために必死に勉強して合格後、2年間非正規職員としてウガンダに行きました。
濱岡 史泰(以下、濱岡):すごいわかります。自分も似たような感じです(笑)
―――濱岡さんも海外に行かれたのですか?
濱岡 史泰(以下、濱岡):そうなんです。1回目の就活の時に周りに流されてやっている感じがして、自主性がないなって思ったんです。「あぁ、受け身の自分は違うな。それだったら、やりたいことをやろう」と決心。就活を途中でやめて、メキシコに留学することにしました。メキシコにしたのは、大学で中南米とスペイン語の勉強をしていたので、中国、東南アジアの次のマーケットはラテンアメリカになると言われていて、スペイン語を話す人口も世界のTOP5に入るので、一回本場で勉強しようということでメキシコに行きました。
―――海外に行くことへの周囲の反応は、どうだったんですか?
濱岡:ブーイングの嵐ですね(笑)
高橋:同じです(笑)。「新卒という黄金チケットを捨てるのか?」と心配されました。プレッシャーがすごかったですね(笑)
―――それでも、二人ともやりたいことをやろうと海外に飛び立たれたんですね。
高橋:今さら失うものはなかったですし、流れに任せようと思い、そのとき楽しそうなところに行きました。
濱岡:自分もやりたいことしたいことをしようと周りに反対されても行きました(笑)
やりたいことをやる大切さ
―――高橋さんは、ウガンダではどのようなことをしていたのですか?
高橋:ウガンダでは、現地の教員養成学校で物理や化学を教えていました。授業だけでなく色んなことに全力でやったらすごく面白くなって「何をしても生きていけるんだ」と実感できたことは良かったです。向こうには仕事をせずにどうやって生きているのかわからない人がいっぱいいましたからね(笑)。
何をしてもどうにかなると思えたので日本に戻って就活を始めてみたものの、就活には苦労しました。アフリカに関わる仕事をしたいという想いがあったので海外売上高が高い企業を中心に活動しましたが、JICAの経験を「結局は、遊びでしょ」と捉える企業が多くて。その中でシスメックスだけは「いい経験したね」と面白がってくれて懐が大きいな、と。シスメックスは、海外売上高が全体の8割を超えていましたし、医療系であればアフリカとの関わりもあると思い、入社を決めました。
濱岡:僕も、メキシコでやりたいことをたくさんやって、非常にいい経験になりました。日本に戻ってきて再び就活を始めてそのとき軸として持ったのは、グローバルに働きたいというもの。業界や職種にこだわりはありませんでした。ただ、最大の疑問点はグローバルで働くってどういうこうだろう、と(笑)。その疑問を解決してくれそうなインターンやワークショップを探していて、目に留まったのがシスメックスでした。シスメックスのインターンに参加してグローバルに働くことは理解できましたが、そのときは第一志望ではなかったので色んな企業を受けました。50社は受けましたかね。最終的に企業選びで大事にしたのは、自分らしくいれるかどうかでした。面接で自分を偽ったり、あまりにも事前準備をしすぎると入社後に苦労するなと思い、ありのままで面接を受けられて自分らしさを全開に出せる企業に入ろうと考えました。
―――濱岡さんにとっての「自分らしさ」とは、なんでしょうか。
濱岡:自分のキャラクターがそのまま出せるということです。会社であっても自然と笑えて、陽気に元気に楽しく働ける。そんな会社で働けたら最高じゃないですか(笑)。
高橋:それは最高ですね(笑)
濱岡:何をしたいかも大事ですが、どういう環境で働きたいかを大事にしたんです。結果的にそれがシスメックスでした。
本当の意味での“グローバルに働く”とは
―――お二人とも、グローバルに働きということでシスメックスを選んでいますが、それは叶っていますか?
高橋:もちろん、叶っています。しかも、JICAでの経験も役立ちました。南アフリカにある弊社の現地法人がJICAに企画を応募するプロジェクトに参画させて頂きました。弊社の製品を日本政府の援助を得てナミビアに導入するという構想だったのですが、JICAなので日本語でレポートを出さなければならないし、そもそも提出方法からしてわからないということで日本人のサポートが必要となり、私に白羽の矢が立ちました。
日本人しかできない仕事を任されたことも嬉しかったですし、南アフリカの現地法人で一緒に仕事出来たのもすごく楽しかったです。
濱岡:私は、いまPSI(生産(Production)・販売(Sales)・在庫(Inventory)の頭文字)部で営業現場と工場の調整役を担っています。その中で私たちが扱う試薬品の新しい需要予測のモデルを確立させようとインド人のパートナーと奮闘しています。来週からはインドネシアから統計学に詳しいインターンシップ生も加わり、3人でプロジェクトを推進させます。この会社で働いて思ったのは、グローバルに働くことって、大前提として“みんなが違う”ってことなんですよね。
―――詳しく聞かせていただけますか。
濱岡:弊社は、本当に多国籍企業なので、みんなが違うことを認めることが大事なんです。そもそも関東と関西でも違うじゃないですか。アメリカやヨーロッパやアジアになるともっと違う。だから、その多様性を認めた上で、みんながみんな違うことを大前提として働く。これがグローバルかな、と。言葉が違うことや英語が使えることは関係なくて、結局何をしたいのか何を伝えたいのかがあれば充分なんです。だから、英語を使えればそれでグローバルかといえば、それは違いますね(笑)
高橋:いいこと言うなぁ(笑)。でも、本当にそうだと思います。グローバルに働くということは、相手がどんな人なのかを考えて仕事をするということ。それは、日本人であっても同じです。シスメックスは、海外売り上げが大きいので、メールや電話で英語を使うことは当たり前。大事なのは文化も習慣も考え方も違うのでそれを理解して仕事する。色んな人がいてすごく楽しいですよ。
ありたい自分を考える。“たまたま”でもその場で全力でやる
―――お二人の今後の目標を聞かせてください。
高橋:数字や管理に弱いこともあり、今の経営管理本部にいるので会社の仕組みや経営を学び、今後はやったことがない事業開発や商品開発を経験したいです。自分のバックグランドがアフリカなので、いつか南アフリカには赴任したいと思っていますが、基本的には現地のことは現地の人に任せる方が良いと思っています。でも、今の経営管理本部にいるのは、現地ではできないスキルを身につけられると思って仕事をしているので、今後は事業開発の経験を身につけて現地でできないことを実現できるようになったら、いつか赴任してみたいですね。
濱岡:自分も同じく、事業開発や商品開発をやってみたいです。「つくって」「売って」というのは、営業時代と今の部署で経験できているので、今後は、経験したことがない「考える」という企画側を経験したいです。
―――最後に就活生にメッセージをお願いします。
高橋:伝えたいことは、たまたま流れでたどり着いた環境であったとしても全力でやったら何か新しい発見が見えてくるということですかね。自分はウガンダにたまたま行って、行ったら面白くて全力でやったことで得るものがあった。それが今では自分のバッググランドになり強みになっています。たまたま選んだ中でも思いっきりやることってすごく大事です。
濱岡:僕が就活生に伝えたいことは2つあります。一つは、やりたいことがある人は、それを貫いて下さいということ。もう一つは、やりたいことがわからない人は、自分がどうありたいかを考えてみてくださいということ。僕はやりたいことはなかったけれど、ありたい自分はありました。ありたい自分が明確になれば、そういう人材を必要としてくれる会社はきっとあります。そういう会社で働けば、楽しい仕事ややりたい仕事がきっと見つかる。僕が、そうです(笑)。やりたいことがわからなくてもありたい自分を考えてみるというのは、良い方法です。僕たち二人とも一度就活をやめて海外に行っています。そのときそのとき、やりたいことを全力でやれば道は必ず拓けます。応援しているので、頑張ってください。
―――お二人とも面白いお話、本当にありがとうございました。