企業紹介
JFE商事株式会社の最大の強みは、川上から川下まで「鉄」に関するすべての商売を担っていること。日本を代表する鉄鋼メーカー・JFEスチールをはじめとするJFEグループの中核商社として、原材料調達から加工・流通までの一貫したサプライチェーンにより、お客様のあらゆるニーズに対応。素材から製品まで、鉄から生まれる限りない可能性を国内外96社のネットワークでグローバルに提供している。
人物紹介
JFE商事株式会社
ステンレス・特殊鋼板部
ステンレス室
横井 礼
2019年入社。ステンレス材を取り扱う部署に配属となり、国内営業を担当。翌年10月より約2年間、海外トレーニーとして台湾へ赴任。帰国後は海外経験を活かして、国内営業と貿易の双方で活躍する。
「鉄で生きていく」かっこよさに憧れて、専門商社を志望
―――本日は、宜しくお願いします。まずは、就職活動についてお聞かせください。
祖父が商社で働いていて海外生活が長かったこともあり、もともと商社が身近な存在でした。その影響を強く受けて育ったため、中学生の頃から漠然と海外で働くことに憧れがありました。就職活動では、商社を第一志望業界として、そのビジネスのまわりにある銀行やコンサルティング会社も見ていました。軸にしていたのは「グローバル」と「社会的意義の大きさ」。総合商社は3社ほど受けましたが、専門商社はJFE商事だけでした。
―――JFE商事に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
説明会で話を聞く中で、「鉄」の社会的意義や規模の大きさを知り、強く興味を持ちました。偶然そこで出会った当時の人事の方に、社員に会ってみないかと声をかけていただいて、後日その場を設けてもらいました。ざっくばらんに話をさせていただいた社員さんがとても魅力的な方で、さらに惹かれましたね。
―――どんな方だったのでしょうか。
その時はまだ、自分の中で総合商社と専門商社の違いが明確にわかっていませんでした。その方が言っていたのは、総合商社と専門商社ではアプローチの仕方が違うと。たとえば鉄道の案件を例にすると、レールから周辺の不動産まで総合的に取り扱う業態が総合商社。鉄鋼商社はレールなどの鉄鋼にまつわるすべてのものをパッケージ化して提案するところだよ、と。自分はどちらかというと、いろんなことをやりたいというよりは、一つのものに特化した商売がしたいなと。「鉄で生きていく」という姿がかっこいいなと思い、この道を選びました。
―――最終的な決め手になったポイントはどんなところですか?
実は一度、内々定をお断りしているんです・・・。最後に金融業界と迷い、家族の助言に影響を受けてそちらに行こうと決めて。辞退をした後にJFE商事の人事の方から連絡があり、面談の場を作っていただきました。そこで、「もし別の商社に行きたいっていうんだったら止めない。でも、あなたがこれまで就活で話していたことは、本当にその業界とマッチしているだろうか。もちろん、自分の進路だから自分で決めるべきだけど、そのギャップにいつか苦しむんじゃないか?」と、考える機会をくださったんです。最後まで親身に向き合ってくれたことが本当に有難くて。一晩真剣に考え、やっぱりもう一度お願いしますと申し出て、JFE商事に入社をすることができました。今ここにいるのは、その方のおかげですね。
―――人の魅力もあったということですね。
それは本当にあると思います。人事の方も、社員の方も、本当にフランクで。入社した後も、その印象は変わりません。年次が上の人に対しても、先輩というより“年の離れた友達”みたいな感覚で、仕事の相談もしやすいですし、飲みにも気軽に誘いやすい雰囲気がいいですね。自分がそうありたいと思っていたコミュニケーションと社風が近かったことも、JFE商事に魅力を感じた理由の一つです。
成長を実感した、海外トレーニーでの経験
―――入社後はどんな仕事をされていたのでしょうか。
1年目から現在と同じステンレス特殊鋼板部ステンレス室で、国内営業を担当していました。就職活動時から「グローバルに働きたい」と言い続けていたので、正直ギャップはありましたね。でも、上長から「国内を知らなければ海外は語れない」と言われていましたし、ここでしっかり自分の価値を出せなければ、海外に行ったところで活躍できないなと。なので、1年半本気で取り組みました。任された業務以外にも、自分から積極的に先輩の仕事をフォローしたりしていましたね。そうしているうちに、「そこまでやるなら本気で考えるよ」と上長に認められ、2年目で海外トレーニーとして台湾の台北支店へ行くことができました。
―――台湾での海外トレーニー生活はいかがでしたか?
まず、最初の半年間は中国語の勉強に集中していました。午前は語学学校、午後は大学に通い、オフィスに顔を出すのは週に1回ほど。学生時代に第2外国語で中国語を学んではいましたが、話せるレベルではまったくなかったので、ほぼ1からの勉強でした。半年過ぎてからは、まずは台北支店のことを知らなければいけないので、社内資料の作成をしながら商材のことや売上比率、取引先について学びました。3~4ヵ月経って、ようやく全体像が把握できるようになり、そこから本格的に営業研修をはじめたという流れになります。
―――中国語での研修は大変でしたか?
そうですね。商談は当然中国語ですが、台湾のお客様は英語も話せます。でも、自分が台湾にいながら相手に英語を使わせてしまっている状況がどうしても嫌で。最初の半年間が終わった後も、終業後に自分で語学学校に通って中国語を勉強する日々を送っていました。私は台湾のメーカーから仕入れて、それを台湾と日本以外の海外に売るという仕事をしていたので、仕入れが中国語、売りは英語でした。ビジネス英語も難しく、先輩にひたすら聞きながら覚えていきました。
―――一番思い出に残っているエピソードを聞かせてください。
指導員の先輩社員とともに、フィリピンのゼネコン向けにステンレス商材の引合をいただいた時のことです。すでに他商社で取引がある中での提案ということで気合が入っていたのですが、価格を提示したところ2度も失敗をしてしまいまして。その一つの理由が、市況価格よりも割高であるとのこと。本当にそうなのかと、台湾の人脈も使って現地コイルセンターにヒアリングをし、自分なりの資料”をつくって最後のチャンスにご提案しました。すると、為替と製品の入庫時期を加味していなかったということを理解していただき、先輩のフォローも有り商談を決めることができました。もちろん価格だけでなく、ステンレス商材以外にニーズがあった普通鋼と組み合わせてパッケージ化できたことも、お客様にメリットを感じてもらえたポイントだったと思います。台北支店としてもそのゼネコンとのお付き合いが初めてだったということもあり、一つ結果が残せたのかなと感じています。
―――海外に行って、学びになったと感じたことを教えてください。
一番感じたのは、商慣習の違いですね。日本では、メーカーとお客様の間に商社が入ることが前提でビジネスをすることが多いのですが、海外ではそうじゃない。間に挟むことでマージンを取られるという意識が強いためか、商社を挟まないビジネス形態が当たり前でした。メーカーを担いでどこかに売ろうとしても、自分でやるからいいよと言われてしまう。商社の人間である自分の価値を感じてもらえるように、お客様と商談をする中ではお客様にとって有益な情報を提供することを意識していました。
―――海外トレーニーを経験して、ご自身の成長を感じますか?
現地でTOCFLという台湾中国語(華語)検定の資格も取りました。取るようにと言われたわけではないのですが、一つやり遂げた証として取得しようと思って。そういう意味でも、実力はついたと勝手に思っています(笑)。2022年7月に日本に帰ってきた後も中国と台湾を担当しているので、現地の方とはできる限り中国語でやり取りしています。中華圏の新聞も読めるようになったので、現地の生の情報を取り入れることができますし、幅が広がりましたね。
―――ほかに、海外に行ってよかったと思うことがあれば教えてください。
お酒が弱かったのですが、だいぶ強くなりましたね(笑)。台湾ってウイスキーを好む文化があるんですよ。世界のウイスキーをブラインドテイスティングする大会で、有名なヨーロッパブランドを差し置いて無名の台湾ウイスキーが優勝したという実績があるほど、注目されているお酒がありまして。これが本当においしくて、自然と飲めるようになっていました。あまりに好きになりすぎてお土産に数本買って帰国したのですが、もったいなくてまだ1本も開けていません(笑)。
大きな消費大国で商売をする、グローバル人材になりたい
―――現在の仕事内容についても教えてください。
現在は、ステンレス特殊鋼板部ステンレス室で、国内営業と貿易を両方担当しています。国内営業であっても、お客様は海外とやり取りされているところが多いので、海外の情報をメリットに感じてくださる方もいます。まさに今日も国内のお客様に「台湾を経験していることもあって、生の情報を持ってるね」と言っていただき、少しでもお役に立てたことが嬉しかったですね。
―――「鉄」を扱う面白さはどんなところに感じますか?
鉄は本当にいろんな産業に使われています。こんなところにも?という新しい発見が多く、知れば知るほど好奇心をくすぐられる幅広さがありますね。学生の方々からすると、「鉄って何?」と思われるかもしれないですが、すごく面白い世界なのでぜひ知ってほしいです。
―――今後の目標について聞かせてください。
短期と中期と長期でそれぞれ目標があります。短期では、台湾での経験を活かして、今の部署の貿易比率を上げていくことです。上長からも、貿易は基本的に横井がやるようにと言われているので、JFEスチール材の輸出に関しては自分が旗を振って数量を伸ばしていけるようにしたいです。中期では、いわゆる消費大国と言われる中国やアメリカなどの大きな国に行って駐在を経験する。台湾とはまた違う大きな規模の商売をしてみたいと思っています。長期目標は、投資案件を取り扱える人材になることです。大きな国でトレーディングを経験した後は視野も広がっているはずなので、国を交えて投資の話ができる人材になれるよう、勉強していきたいと思っています。
―――では最後に、就職活動をする学生に向けてアドバイスをいただけますか?
好奇心を持つことが大切だと思っています。学生時代に知る業界や企業はごく一部。私自身も今になって、こういう業界があったのかと知ることも多い。大手企業だけでなく、中小企業でもベンチャーでも、良い会社は本当にたくさんあります。いろんな業界に興味を持って、行動して、たくさん話を聞いてみてください。自分の可能性を狭めずに、好奇心を持って幅広く就活してほしいなと思います。
―――海外トレーニーで力をつけた横井さまの今後のご活躍も期待しています。本日はお忙しい中、ありがとうございました!
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