阪神電気鉄道株式会社 と阪急電鉄株式会社 (開発業務は阪急阪神不動産株式会社が担当 )
では、2014 年 10 月の工事着手以来 、「梅田1丁目 1番地計画 (大阪神 ビルディング及び新阪急 ビ
ルの建替計画)」を推 し進めてまいりましたが、本日 2022 年 2 月 25 日 (金 )にⅡ期工事部分が竣工
し、全体竣工を迎えました。これを受けて、3 月 24 日 (木)には高層部分にオフィスゾーンが開業し、西
日本最大のターミナルである大阪 ・梅田エリアでも屈指の立地を誇る大型複合ビル「大阪梅田ツインタ
ワーズ・サウス」が全面開業します。
なお、オフィスゾーンの入居テナントには、ダイキン工業株式会社、東洋紡株式会社、エイチ・ツー・
オー リテイリング株式会社などが決定しています。
また、本建物の開業に伴い、4 月 1 日(金 )には、阪急 うめだ本店が入居する梅田阪急ビルを「大阪
梅田 ツインタワーズ・ノース」に改称し、近接する両ビルを「大阪梅田ツインタワーズ」と総称することとします。
本建物の概要
1.竣工日(全体竣工 )
2022 年 2 月 25 日 (金 )
2.施設の概要 (詳細は別添 「ご参考 」を参照
3.建物周辺図
4.特徴
(1)オフィスワーカー専用 フロアの設置
12 階に、入居企業のオフィスワーカー専用のサポートフロア「WELLCO」を設置しました。栄養士
監修の健康的な食事ができる「カフェ」や、ミーティングから個人 ワークまで多様 なニーズに応えること
ができる「ラウンジ&ワークスペース」、リフレッシュや運動不足 の解消にご利用いただける「フィットネ
ス」等の機能を提供し、創造性豊かな仕事 と多様な働 き方 をサポートします。
(2)健康増進への配慮
オフィスゾーンでは、上記の「WELLCO」のほか、緑あふれる屋上広場などゆとりある共用空間を整
備しており、それらを通じて建物全体でオフィスワーカーが健やかに働くことができる環境を提供します。
また、共 用部 及び専用 部 の一 部には、オフィスワーカーのウェルビーイングに寄与する以 下の設
備を導入 しています。
・生体 リズムに合わせて色温度や明 るさを制御することで、快適性や知的生産性の維持向上に
つながる「サーカディアンリズム照明」
・疲労・ストレスの軽減や作業効率の向上を図 ることができる新開発 LED「VitasolisTM (バイタソ
リス)」(日亜化学工業)を用いた照明
・天井面に設置 した放射パネルを冷却 ・加熱 し、送風することなく温度ムラのない快適な空間を
つくる「輻射空調 」
設 計 者 :UDS 株 式 会 社 ・株 式 会 社 ヨシモトアソシエイツ
エントランス ラウンジ
カフェ フィットネス
これらの取組の結果 、本建物では、利用者の健康や快適性の維持 ・増
進を支援する建物の仕様 、性能 、取組を評価する「CASBEE-スマートウェ
ルネスオフィス」で最高 ランク(S ランク)の認証 を取得 しました。
(3)環境への配慮
本建物 では、外皮断熱や外装 フィンを用いた日射遮蔽 の導入、自然換気 システムの採用 、LED
照明や太陽光発電設備の設置など、さまざまな省エネ・創エネ施策を通 じ環境への配慮に取 り組ん
でいます。
また、エネルギー効率の向上に寄与する以下の設備を導入 しています。
・発電効率の高いコージェネレーションシステム
・発電時の排熱を利用する空調熱源設備(ジェネリンク)
・共用部の一部に、建物の外部に近いゾーンから執務室にかけて段階的な温度設定を自動的
に行うことにより省エネを図 る「シークエンス空調 」
・専用部の一部に、乾燥剤 (デシカント)で空気中の湿度をコントロールすることにより空気環境
を整える「デシカント空調 」
さらに、熱源機器の種類やそのエネルギー源を複数組み合わせることで、季節や負荷量に適合 し
た最適なエネルギー利用を実現 しているほか、入居企業の消費エネルギー量 を見える化 して、省エ
ネを促進するなど、建物の各所で環境への配慮を進めています。
これらの取組の結果 、本建物 では、標準的 なオフィスビルと比べ約 25%の CO2 削減を実現し、
「DBJ Green Building 認証」で 5 つ星(2016 プラン認証)を取得したほか、「CASBEE 大阪みらい」で
S クラス、「コージェネ大賞 2020」で優秀賞 、「サステナブル建築物等先導事業」に採択等の評価を
いただいております。
なお、2022 年 4 月 より、大阪梅田ツインタワーズ・サウス/ノースの両ビルでは、共用部 とオフィス専
用部で使用する全ての電力 (※)を、CO2 フリーの再生可能エネルギー由来の電力に切 り替えること
といたします。これにより、入居企業の環境対策に資するとともに、建物所有者と入居企業が一体とな
って脱炭素社会の実現に取り組むこととなります。
※コージェネレーションシステムによる自 家 発 電 分 を除 く。
(4)感染症対策
新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス の 感 染 症 対 策 の 一 環 と し て 、「 混 雑 監 視 シ ス テ ム 」 を 導 入 し て い ま す 。
「WELLCO」等に設置 したカメラやセンサーにより混雑状況を把握し、入居企業専用の WEB サイトを
通 じて情報を提供することで、密を避けながら諸施設をご利用いただくことが可能となります。
また、80 人乗 りのシャトルエレベーターなど一部のエレベーターでは、非接触ボタンを採用するとと
もに、空気清浄機を設置 してエレベーター内の空気環境 を良好な状態に維持 しています。
このほか、「WELLCO」内では、阪神園芸株式会社が取 り扱 う「デオファクターカーサ」(※)を使用
して、壁面等を制菌施工 しています。
※高 濃 度 天 然 ミネラルを主 成 分 とした液 剤 で、ウイルスや有 害 菌 を減 少 させることができ、その効 果 が壁 面 に塗 布
するだけで長 期 間 持 続 します。
(5)BCP・災害への対応
地 震 の揺 れを低 減 する先 進 の制振構造や、地 震 発 生 時 に建 物 の健 全性 を短時間で判 定 する
「構造ヘルスモニタリングシステム」を採用するほか、以下 の取組により、災害発生時における在館者
の安全確保 と入居企業の事業の継続(早期復旧)が可能 となっています。
・自家用発電機を設置 し、停電時にも最大 72 時間の電力供給が可能
・テナント用発電機の設置スペースを確保(一部区画のみ)
・津波等による浸水 リスクに備え、防災センターを 2 階に、重要基幹設備 を 9 階以上に配置
・信頼性の高い耐震性高架水槽を採用し、災害時にもトイレ洗浄水等が利用可能
・館内のデジタルサイネージを活用 し、災害時に緊急情報等を発信
また、災害発生時の帰宅困難者の一時滞留 スペースとしてカンファレンスゾーンを、津波発生時
等の一時避難 スペースとしてカンファレンスゾーン・屋上広場・2 階デッキ等 をそれぞれ活用すること
にしています。このほか、1 階の建物周辺の歩道にマンホールトイレを備え、梅田エリアの防災性の向
上にも貢献 しています。
(6)良好な街並みの形成
本建 物は、都市の中 に息づく「梅田木立 」をコンセプトに、時の移 ろいを生み出 し自然 を感 じるデ
ザインを基調 としています。
低層部は、百貨店の外壁 をアルミパネルで覆 うダブルスキン(二重外壁 )を採用 しており、パネル間
には六甲山系 ・淀川水系に自生する樹種 を中心 とした植栽 を配置 しています。また、パネルと植栽
の隙間から垣間見える百貨店の賑わいに加え、夜間には光 と影の巧みなコントロールで木立の息遣
いを思わせる動的演出を加えたライトアップを行 うことで、街のアイコンとなる景観を形成 します。
高層部のオフィスゾーンは、庇 と垂直 フィンによる奥行 きのある外装 とし、刻々と変わる空の表情 を
映 し込む意匠性 と内部への日射遮蔽を両立 させ、快適で健康的なオフィス空間を実現 しています。
これらにより、ランドマーク性のある特徴 的 な外観 にするとともに、環境負荷 を低減 し、街 と調和 し
たデザインとすることで、大阪のエントランスにふさわしい街並みを築 き上げました。
ご参考
「梅田 1 丁目 1 番地計画 (ビル名称 :大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」について
本計画地は、大阪の中心地である梅田地区にあり、その中でも大阪のメインストリートの一つである
御堂筋の北側の起点に位置 しています。本計画では、大阪神ビルディングと新阪急ビルの間の道
路上空 を活用 した両ビルの建替 と周辺公共施設の整備を一体的に行うことにより、都市機能の高
度化や防災機能の強化、公共的空間の創出、良好な景観の形成等を図り、国際競争力の強化に資
する快適で質の高い街づくりを進めてきました。
そして、「大阪梅田 ツインタワーズ・サウス」は、百貨店 ゾーンとオフィスゾーンのほか、梅田地区に
おけるビジネス活動の活性化に資するカンファレンスゾーンからなっており、本ビル周辺では、地下 ・
地上 ・デッキレベルでの 3 層歩行者ネットワークを強化 し、街の回遊性を高めました。
1.施設構成
■百貨店ゾーン [2021 年 10 月 8 日に先行オープン済 ]
新 しくなった阪神梅田本店は、「毎日が幸せになる百貨
店 」をコンセプトに、ライフスタイルの提案や手軽に今を感
じることができるトレンドの集積に注力 し、売場で独自の
体験を提供 しています。また、「食の阪神 」の強みを活か
し、地下 2 階から地上 9 階までの売場のうち 4 フロアが食
品 ・飲食関連となっています。
現在は地下食品売場の一部で工事 を進めており、2022
年 4 月 6 日にグランドオープンします。
■オフィスゾーン
高層部分 (11 階~38 階 )に、最新の設備 を備えた、1 フ
ロア当たり貸室面積 約 3,500 ㎡、天井高 2.9mの開放感
あふれる大型オフィスを整備 しました。コンセプトとしては、
「つながる梅田の中心 」「おもてなしサービスのあふれるビル」
「ウェルビーイングを実感 」の 3 つを掲げており、ワーカー一人
ひとりに快適なオフィス環境を提供 します。
■カンファレンスゾーン
道路上空を建築利用することで生まれる大空間 を活用 して、11 階に、大小 2 つのホールとホワ
イエからなる約 4,000 ㎡の「梅田サウスホール」を整備 しました。本ホールは、「ビジネス情報発信の
場」「国際的に活躍する人材育成の場」「多様な人材による交流の場」として活用することにしてお
り、梅田地区におけるビジネス活動を活性化 し、国際競争力の強化に資することを目指 します。
■屋上広場
低層部分の屋上に、賑わいと交流の場を創出するために屋上広場を整備するとともに、都市環境の改善に資する屋上緑化等 を推し進め、オフィスワーカーや来街者向 けにゆとりと潤いのある豊かな空間を提供します。
2.主な周辺公共施設の整備等の概要
「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」の周辺では、以下のとおり 3 層 (地下 ・地上 ・デッキレベル)の
歩行者ネットワークを強化することにより、歩行者空間の快適性 と利便性の向上を図 り、周辺地域
の活性化や都市の再生に貢献 します。
■地 下
・ 大阪駅前地下道 (都市計画道路大阪駅前 1 号線 )の拡幅整備及び日常維持管理
・ 敷地周辺のバリアフリー化
・ 敷地周辺の地下道の整備
■地 上
・ 敷地周辺歩道の拡幅、美装化及び日常維持管理
・ 広場空間の整備 (計画地内の西側敷地 )
■デッキレベル
・ 新梅田歩道橋の美装化 ・耐震性の向上
・ 敷地内通路の整備
【整備等のイメージ】
3.工事施行の経緯