経営支援第1事業部マネージャー(当時)
松田 祥吾 Shogo Matsuda
<Profile>
慶應義塾大学経済学部卒業後、2007年にエスネットワークス入社。
入社早々に海外法人2社を含むグループ会社10社の連結決算業務などを経て、年商300億円の東証一部上場企業の経理財務部門BPRや年商5,000億円の小売業の新会社立ち上げに伴う管理部のセットアップ業務を通じてコンサルタントとしての腕を磨く。
入社6年目には非上場メーカーのCFO代行業務を担う。
その後、アパレル企業などの財務DDや小売業のKPI管理体制構築を経て現在に至る。
将来の目標は経営者。
エスネットワークスの流儀でもある「凡事徹底・迅速機敏・傍観必罰・独立自尊」を日々徹底している。
クライアント情報:不動産
過去の仕事への評価から、新たな顧客へつながった。
多角的な不動産事業を展開し、設立から25年連続の増収。
そんな成長著しい会社には、やはり並外れたスピード感があります。
このクライアントは、次のステップとして株式上場(IPO)を目的に、当社へご相談くださいました。
しかし、通常ならば3年ほどで行うこの準備を、わずか1年半という短期でご要望に。
常識的には不可能なミッションを「エスネットワークスなら」とご紹介くださったのは、別のクライアントで以前お世話になった監査法人の先生でした。
当社を高く評価してくださっていたわけです。
まずは通常通り、初回の訪問でニーズや条件をお聞きし、1週間ほどでプレゼンを行いました。
大事なのは、クライアントと当社とで役割分担を明確にし、ゴールをハッキリさせることです。
提案書では、現状分析から目指す姿へ。いわゆる「As-Is」「To-be」によって、どんなギャップや課題があるのかを明確にしました。
そして、具体的な施策とスケジュール、費用なども提示して契約。
これらに約1か月をかけ、プロジェクトがスタートしました。
クライアントの懐に飛び込み、心は、その会社の社員に。
当社側は、プロジェクトマネージャーの私に、スタッフ2名を加えた3人でチームを編成。
私の部署の上司が、プロジェクトの内容に応じて適材適所、他の案件の進捗なども踏まえて配員します。
クライアントのオフィスに私たちのデスクをご用意いただき、経理財務部に属してチームで常駐。
BPO(月次・決算・開示の実務支援)やBPR(システム導入・運用支援)、IPO(上場申請に係る質問対応等)業務を、クライアントの経理財務部社員と共有・分担して進めていきました。
私たちでゴールのイメージをつくり、スケジュールを引き、共同作業の中でアドバイスをしながら、進捗管理していきます。
クライアントの社員も、私たちも、個々にアウトプットしていくのですが、連携や助け合いは必須です。
とにかく期間に余裕がない案件だったため業務はハードで、モチベーションや職場の雰囲気を保つため、飲み会などを催した
り、一緒に外へランチに行ったりなど、職場のよい空気づくりに取り組みました。
「その会社の社員のようになる」というのが、エスネットワークスの文化でありDNAです。
クライアントの社員に、私たちに対する垣根を取り払ってもらうための「振る舞い方」というのが、コンサルタントとしてのスキルやノウハウの一つにはあると思っています。
意思決定を促すキーマン登場。プロジェクトが、一気に加速。
さまざまなノウハウを尽くして業務に当たっていたものの、山積する課題や、上場まで時間がない状況から、現場には閉塞感が
漂っていました。
しかし、そこへキーパーソンが現れ、状況が一変します。
過去に3社のIPOを成し遂げた経理財務のプロフェッショナルが、経理財務部長としてクライアントに入社したのでした。
私たちがクライアントにいくら溶け込んで仕事をしても、やはり部外者ですので、クライアントの意思を決定することはできません。
私たちの提案を、リーダーシップを発揮して経営者へ説得する人が、クライアント側にどうしても必要です。
この方が現れたことにより、私たちに「何を教えて欲しい」「こういう資料を作成して欲しい」というご要望が明確になり、業務が飛躍的にスムーズになりましたね。私たちも、学ぶところがありました。
この案件では、最初からあきらめムードのクライアント社員に対し、「現場の生の情報を吸い上げながら、経営とともに現場を動かす」ことを当社メンバーが実行することにより、クライアント自身の目線が上がり「やればできる」と自信を深めていくところが、とても興味深かったですね。
クライアントの、会社として、個人としての成長に寄与できたと思っています。
この経験を活かしながら、今後も相手に寄り添いたい。
こうして、契約からおよそ1年3ヶ月後、無事に東証二部上場を達成。
これにより、クライアントでは経理財務部が社内表彰を受けられました。
この会社では、営業畑ではない管理方を、しかも個人ではなくチームを対象に表彰したのは、画期的な出来事だったそうです。
また当社内でも、難しいと思われた1年強での上場をやり遂げたことはもちろん、その年の売上高と利益率でNo.1の案件にな
ったことが評価され、プロジェクトリーダーだった私が社内表彰を受けました。
当時、日本全国で年間80社ほどしか上場しない中、その1つを担当し、やり遂げられたことは、私にとって大きな自信になっています。
そして、現場で実態に目を向け、それをデータで可視化し、判断すべきことを指し示すこと。さらに、その際はコンサルティングを受ける側の立場で考えることの大切さを再確認することができました。
今後は、いっそう経営者に寄り添う存在でありたいと思っています。
それは、単に近くにいるということではなく、経営者と議論し、経営者が安心して私たちを信用し、決断してくれるということ。
「安心と決断」をお互いに実感できることを大事にし、これからも当社の付加価値としていきたいです。
MESSAGE TO STUDENTS
エスネットワークスは、「経営者になりたい、経営者を支援したい」と考える人が「自分も成長したい」と集まった会社です。
経営者を支援する立場ですので、まずは「経営者側から見たらどうなんだろう」という視点で考える社員が多いですね。
だから、会社や上司への愚痴や文句が蔓延するような職場ではありません。
そして、会社が人を育てると軽々しくは言えませんが、この案件のように「現場に入る」「経営者との接点をつくる」といった環境を提供することは約束できます。
その中で揉まれ、他社では得難い経験を通じて、格好だけではない、誰の真似でもない自分だけのキャリアを築きたいと考えられる人なら、きっと成長できる。
経営者と共に「考え、悩み、学び、行動」し続けられる「個性的、真面目、熱い」人に、この仕事へ飛び込んできて欲しいですね。