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株式会社ファーストリテイリング

ファーストリテイリング人事部長が語る、新卒社員への期待とキャリアプラン

インタビュー

<企業紹介>
ファーストリテイリングは、ユニクロ、ジーユー、セオリー、ヘルムート・ラング、プラステ、コントワー・デ・コトニエ、プリンセス タム・タム、J Brandという8つのブランドを展開。企画から生産、販売までを一貫したプロセスで管理することで、高品質な服をリーズナブルな価格で販売している。20以上の国と地域に出店を進め、世界No.1のアパレル製造小売業を目指している。今回は人事部の山崎さんに、現場を経験する意義や、店長の仕事で身に付くスキル、新卒社員に求めることなど、幅広いお話を伺いました。

<取材対象者>
株式会社ファーストリテイリング
山崎麻紀
人事部 部長
2001年入社
会社が掲げる大きな目標や理念に可能性を感じ、2001年に新卒入社。1年半後に店長になり、新店舗の立ち上げを含め、3年間で3店舗の店長を経験する。その後エリアマネージャーとして9店舗のマネジメントを1年半ほど手掛けた後、2007年に人事部に異動。中途採用、新卒採用、スタッフ採用、グローバル採用などあらゆる採用チャネルを経験し、2017年より現職。

お客様と直に接しながら、経営力を磨く

― 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。採用に長く携わっておられますが、キャリアのスタートは現場だったと聞いております。まず、入社当時のことをお話いただけますか?

はい。新卒で入社しまして、まずは店長や新店の立ち上げ、エリアマネージャーなどを経験し、2007年から人事として幅広く採用に携わってきました。私が入社した2001年当時は、まさにファーストリテイリングが急成長している時期。今ほど知名度もなく、「フリースの会社」という印象しかありませんでした。その会社が、当時の年商1000億円ほどを10年後に1兆円にして、世界No. 1になろうと言っていたのです。最初は信じられませんでしたが、やろうとしていることは「あらゆる人が良い服を着られるようにする」と非常にシンプル。自分たちは何者で、どこに向かっていて、何をしようとしているのかが明確で分かりやすく、話を聞いていくうちに、本当にできるかもしれないなと。また「あらゆる人」というキーワードに込められた、年齢や性別、国籍、地位など一切関係なく世界中の人に広く貢献する仕事にも惹かれまして、それは今も変わっていません。

― 新卒入社で活躍している方の多くが、キャリアの最初に店長を経験しています。その理由はどういったことでしょうか?

私たちは服の商売をしている会社なので、事業会社として企画、生産、物流、販売、管理系と様々な仕事があり、各部門が連携してビジネスをしています。その全てに共通して欠かせない要素は、お客様の立場に立ち、本当に世の中に喜ばれるものを提供できるかどうか。それを学ぶためにどこが最適かを考えると、お客様との直接の接点がある店舗になります。店舗はあらゆる部門とつながっていて、会社として「これが今の私たちの最高レベルです、見てください」とお客様にプレゼンテーションをする場。全部門の力が結集した場所で、会社の戦略を知りながら、お客様が求めていらっしゃることを直接感じることができます。本部で活躍する中途入社の社員たちも、できるならば一定期間店舗を経験して学びたいと言っています。

― 確かに、店長の経験から得られるものは多くありそうです。

そうですね。もうひとつ、身につけられる大きなスキルが経営力です。店長の仕事は、会社がお客様に最終プレゼンテーションする場を、リーダーとして何数十人のメンバーを率いて、日々決断しながらマネジメントすること。その仕事を分類すると、人事、売り場のマネジメント、商品管理、業務マネジメント、売上管理、損益管理の6つがあり、そこには経営者として必要な力が集約されています。お客様の求めることを直に感じながら、経営者として必要な力をバランスよく身に付けることができ、それは将来どの部門へ異動しても、海外に赴任しても、あらゆる仕事の礎になります。

入社から数年後には、本部や海外で活躍

― 店長を経験した後、どのようなキャリアがあるのでしょうか?

経営の中でも店長は「店舗経営」を担っていますが、弊社には他に「商品経営」と「管理経営」があり、職種でいけば150以上あります。これからは、店舗での現場経験を礎に、3つの経営それぞれで活躍する人がますます必要になってきます。さらに日本の本部はグローバルヘッドクオーターとしての役割があるので、日本で入社される方には、グローバルにビジネスをリードすることや、各国、各拠点と繋がって、一緒にビジネスを創造、変革していくことが求められます。

― 具体的には、どれくらいのスパンでキャリアアップしていくのでしょうか?

例えば入社1年で店長に昇格し1年間店長を経験した後、本部へ異動して経験を積み、素養があれば海外の仕事を手掛けてもらう。もしくは店長を経てエリアマネージャーを経験した後、すぐに海外の拠点で店長を育成しながら、その地域の新店オープンを担ってもらうなど、こうしたキャリアアップのスピードは年々早くなっており、入社5年程でおよそ半数は、本部や海外で仕事をしています。また店舗経営でキャリアアップするとしても、キャリアの途中で本部を経験してまた店舗に戻るなど、幅広い経験を積み、活かせるようにしています。

― 本部や海外勤務へのステップがそれほど早いとは、知らない学生も多いのではないでしょうか?

確かに店舗での働き方はイメージできても、本部の仕事はなかなかイメージしにくいかもしれません。今後は、日本か海外かロケーションに関係なく、グローバルにあらゆる人と繋がって、変革をリードできる人材に成長頂く必要があるので、多くの社員が店舗経営を礎に、本部勤務や海外勤務を経験していくようになっていきます。実際、海外拠点のCOOの9割は新卒入社で、店舗を経験した人たちです。また、私が入社した頃は本部の大部分は中途入社でしたが、今は新卒の店舗出身者が増えています。ここから先は、生え抜きで商売の現場を知っていて、さらに本部で専門性を発揮しながら活躍し、グローバルに変革をリードしていける人たちを増やしたいと考えています。現在の弊社の展開先は26の国と地域ですが、あらゆる人に届けるという意味ではさらに拡大する必要があります。成長の余地は日本よりも海外が大きいですから、そこを担える人を求めています。

どんな時も、お客様や世の中のためを考える

― 店長として活躍するほどキャリアアップが早くなるのでしょうか?

店長への昇格試験があるのですが、例えば最初の半年のスタートダッシュがよくて早く合格する人もいれば、2年半かかる人もいます。でも、そこは個性の違いもあって、すぐに店長になったからといって、その後、早く昇進していくとは限りません。ただ、店長まで行けばその先へアクセスするチャンスが大きく広がるので、そこまでは突破してほしいです。店長への試験は自社の商売を本質的に理解し自ら課題解決しているか、普段から時事問題やニュースに触れながら視野を広げ、勉強する習慣が身についているかなどを、総合的に評価します。

― 店舗での売り上げなど、数字も重要なのでしょうか?

最初の頃は、売り上げや利益に対してそれほど貢献できる段階まで到達していないことも多いです。だから結果よりも、店舗経営としての素養を身につけられたか、課題解決に対してアプローチできたか、実際に行動を起こせたか、といったプロセスに重点を置いています。基礎が身に付けば自ずと結果が付いてくるので、店長以降は評価基準として結果の比率が上がります。また弊社は役割ごとの成果に応じて評価をするグレード制をとっているので、各グレードでの期待・役割に対してどれくらいコミットしたかが問われ、グレードが上がるほど結果が重視されます。

― 活躍する若手社員に共通する特徴はありますか?

ひとつ目は、自分たちが何のために仕事をしているのかを分かっていることです。言うなれば顧客志向なのですが、お客様に喜んでいただく、もしくは世の中のためになることを起点に物事を考えられるかどうかです。例えば「自分がこうしたいから」「自分が店長になりたいから」という考えに留まっている人は、残念ながらなかなか成長しません。活躍している人は、最も厳しいお客様から見た時に、本当に満足いただけるかどうかを全ての仕事の基準としていて、それは日々の積み重ねで大きな差になります。
ふたつ目が、仕事は自分ひとりではできないと分かっていることです。その人自身が優秀かどうかだけでなく、周りの人にどれだけ協力してもらえるかがとても大事。つまりチームをつくり、リーダーシップを発揮して、最高のパフォーマンスを発揮できるかどうかです。それをわかっている人は、相手と信頼関係の構築を大切にし、小さい仕事に見えることもおろそかにしないで全て吸収しようと向き合います。反対に「これはスタッフさんがやることだから関係ない」と軽視してしまうような人は、実はそこにいいチャンスが転がっていることに気付かず、スルーしてしまう。そういう人は結果的に成長が鈍化しやすくなります。

― 入社したばかりの時は、自分で結果を出したいと思う人も多そうですね。

はい、特に最近はみなさん優秀なので、何か問題があっても自分の力で解決しようとしてしまうのは、新入社員がぶつかりやすい壁でもあります。あともうひとつ、「常識を変える」と言っている会社でもあるので、健全な批判性を持つことも必要です。上司が言うから正しいと鵜呑みにしたり、マニュアル通りだから正解だと考えたりしないで、本当にこれがいいのだろうか、常識だと思い込んでいるけど本当は違うのではないかという発想が大切です。正しいことは時代とともに変わって当然です。むしろ変えていかないと会社は変わらず、お客様へのサービスも商品も進化していきません。

自分たちの世代だから、生み出せるものを

― ご自身の今後の目標を教えてください。

自分がやることはこれだと固執して、しがみつくように仕事と向き合うことはしたくないと思っています。今は年商2兆円を超え、私が入社した頃に掲げていた目標を実現できています。また「あらゆる人へ」という部分は変わらないので、これからどう実現していけるか、ワクワクしています。この先は世界中のお客様と向き合い、もっと期待に応えていかなければなりません。特に近年はSDGsもそうですが、商品だけでなく事業活動そのものを含めて、お客様にとって誇りに思えるか、買う価値があるかという、企業姿勢そのものが問われています。正しいことにこだわりながら、本当に良い服をつくり、あらゆる人に提供していくというビジネスそのもので、世の中に新しい付加価値を提供していけたら嬉しいと切に思います。私自身、そこにいかに貢献していけるか。これまで店舗経営と管理経営を経験してきているので、ゆくゆくはどこかの地域を統括するかたちで、商売全体を見ていきたいです。

― 最後に、就職活動をしている学生にメッセージをお願いします。

コロナ禍に就職活動をする学生の皆さんは不便も多く、大変な思いをしているかもしれません。でも、歴史の中で後から振り返ると、世の中のターニングポイントとなる激動の時を学生として過ごしているのは、とても貴重なことかもしれません。だから、苦労を強いられて大変だと捉えることもできますが、視点を変えてみて、逆転の発想で、この時代に多感な学生生活を送りながら物事を学び、考えられるチャンスだと捉えることもできます。ぜひ、ここから自分たちが世の中を変えていくんだとか、これまでの世代の人には思いつかないような、世の中がもっとよくなる新しいサービスを立ち上げるんだという気概を持って、頑張ってほしいです。

― そういった気概のある学生にとって、まさに御社は最適な場所ですね。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

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