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株式会社日本政策投資銀行

日本政策投資銀行が開催する「人気のインターン」は、いったい何が身につくのか。

インタビュー

より良い日本の実現に向けて取り組む、政府系金融機関DBJ。人事部の採用担当として働く濱田さんは、学生たちがもっとDBJの仕事内容を理解できるよう、昨年から新たにインターンシップを実施しました。単なる数字を扱うだけの金融機関ではない、DBJの役割や志を語っていただきます。

<企業紹介>

日本政策投資銀行(DBJ)は、政府100%出資の金融機関として「金融力で未来をデザインします」という企業理念のもと、「戦後復興」「国際競争力の強化」「都市再開発」「環境対策」等それぞれの時代の課題に向き合い、各産業や大規模プロジェクトへ最先端の金融手法を用いて金融面から日本経済をサポートしている。

<人物紹介>

濱田 一利

2008年入社
人事部 人事課 調査役
高知県出身。地域の活性化に携わりたいという目標を持ってDBJに入行。投資部門、審査部、四国支店での業務を経て、入社10年目を迎える現在は人事部で新卒採用を担当している。

日本中の企業とともにあり続けてきた銀行で、地域活性化に携わりたい

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―――10年前、ご自身はどのような就職活動をされていましたか?―――

就職活動を始めた当初は、金融に限らず、メーカーやデベロッパー、商社、公務員など、さまざまな業界を見て回っていました。たくさんの企業で色々な話を聞いて絞っていったのですが、自分が興味を持てるかどうか、選び方としてはフィーリングに近かったかもしれません。あとは先輩から、「金融機関って、様々な業界に対して色んなアプローチができる飽きない仕事だよ」と聞いていたのも、大きく影響した気がします。幅広い分野のことを勉強させてもらえる職場が良いなと思っていました。
ただずっと、どこの面接でも私が一貫して言っていたのは、「地域活性化に携わりたい」ということ。私は以前から、地域に人が集まる仕組みをつくっていきたいという強い思いを持っていました。DBJと言えば投資や融資だと言われていますが、私の場合はそういったことよりも、「地域活性化」「地域ににぎわいを」と言い続けて採ってもらえた。DBJはもともと「日本開発銀行」という名前で、地域の企業を地銀さんとともに支援してきた銀行です。そう考えると、DBJは私にとってぴったりだったんでしょうね。

また、残念ながら当時私はOB訪問はできなかったのですが、合同説明会やイベントの中で、DBJの職員数人と座談会のような形でお話をさせてもらいました。そのときに「この銀行の人って魅力的だな」と感じ、急激に惹かれていった記憶があります。
実はDBJから内定が出る少し前、大手保険会社からも内定をいただいており、大変悩んでいました。その企業にも、とても魅力的なリクルーターさんがいらっしゃったからです。けれども最後はやはり自分のやりたいことを優先させて、DBJに入ることに決めました。

ベンチャー企業や地域の企業を支援する、DBJの仕事

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―――入社後は、人事の仕事をやっているのですか?―――

いえ、人事部に来たのは3年前です。DBJは2~3年で仕事をローテーションしていきます。最初に担当したのは、投資の仕事です。1年目は、上場前の少し小規模な企業に投資して上場をサポートする、ベンチャー投資をやっていました。やりたかった地域活性化とは少し違いましたが、最初からやりたいことだけをやれるとは思っていませんでしたし、地方には規模の小さな会社が多いですから、企業を見る目を養うことができました。ベンチャー企業には情熱溢れる社長が多く、ファンドマネージャーの方々もかなり個性的な方ばかりでしたので、社会人になって早々に自分の知らない世界に触れられて、何もかもが面白かったですね。

その後は審査部を経て、高松市にある四国支店へ。四国支店時代も非常に楽しかったですよ。四国4県を営業エリアに持っており、四国全域を出張で回りながら、地方の企業を支援していました。これこそまさに、地域活性化に近い仕事ですね。なかなか「これをやれば人が集まる」「観光客で町ににぎわいを作れる」といったダイレクトなことができたわけではありませんが、例えば、新しく工場を建てるとかスーパーマーケットを作るとか、そういった設備資金をDBJが融資します。工場やスーパーマーケットができると、その地域に雇用が生まれます。そして仕事があれば給料が発生して、そこで買い物をして、という一連の経済の流れができていく。近くにお店があればお年寄りの方にとって便利にもなる。地方に住む方々の生活を支える仕事だったので、非常に楽しかったです。
地方の企業が元気であることは、地域活性化の大前提です。特に四国の場合は、愛媛県の造船や製紙、徳島県のLEDなど、国内外でトップシェアを誇るものづくりをおこなっている企業が、意外に多くあるんです。そういう企業をDBJが資金面でしっかり支援していくというのは、地方にとって非常に大切なことです。

喧嘩して仲間割れしたチームが、プレゼンで優勝した理由とは?

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―――現在人事部では、どのような仕事をされていますか?―――

業務は多々ありますが、新卒採用をメインでやっています。昨年2月からは、冬と夏にインターンシップを始めました。夏は1DAYだけなのですが、冬は5日間しっかりおこない、冬だけで合計60数名に参加してもらっています。
インターンをやろうと思ったきっかけは、もっとDBJのことを理解してもらいたいという思いからです。「日本政策投資銀行」って、学生にとっては少し分かりづらいですよね。合同説明会などで、DBJの役割やプロジェクトの中身なども話をしているのですが、我々がどういう視点で何を考えながら案件に関わっているのか、そもそもなぜその案件に関わるのか、ということまでは、なかなか説明しきれない。だから、インターンを開催することで、少しでもDBJの意義や仕事内容を理解してもらいたく、スタートしました。
ちなみにインターンのコンテンツとして配布資料は、A4サイズで合計30枚以上になります。これを全て自前でつくっています。パートナー企業と一緒につくりあげるのではなく、自分たちの実際のプロジェクトをもとに考案し、どのように表現すれば、学生が私たちの仕事を理解できるか自問自答しながらつくりました。過去に実際に取り組んだ案件がベースですので、このインターンに参加すれば、投資とは、企業分析とは、ありとあらゆるスキルが身につくインターンだと自負しています(笑)

―――5日間のインターンの、具体的な内容を教えてください。―――

1日目はまず、実在の大手企業を題材にして企業分析について勉強します。有価証券報告書、アニュアルレポート、決算説明書など、すべて実際に公表されている情報を学生に配布して、「上司に“この企業の現状を教えて”と言われたら、あなたはどう報告するか」といった方向で分析をおこなってもらいます。定量面、定性面から、DBJが長年培ってきた分析手法などを学び、2日目にはそれぞれの分析結果を発表します。次に投資についての講義を実施。数十ページほどの、とある企業の投資に向けた資料を読み込みながら、いくつかの課題に取り組んでいきます。この資料というのは、過去にDBJが手掛けた投資案件をもとに作成していますので、臨場感のある内容となっています。最初に勉強したことを活かした企業分析や資料からだけでは分からないことをヒアリングで引き出していく作業を経て、弊行の経営陣に対して今回の投資へGOサインを出してもらうためのプレゼンをおこなう。これらを、学生にはチームに分かれて取り組んでもらい、最終プレゼンで優劣を競います。

―――前回のインターンでは、どのような結果になりましたか?―――

このインターンでは、実際の仕事と同じくチームビルディングが最終プレゼンの出来に繋がってきます。どれだけ深くチーム内で議論ができたかが重要なのです。ときには意見が合わず喧嘩して一時は仲間割れしてしまったチームもあったのですが、前回優勝したのはその仲間割れしたチーム。皆が本気で意見を言い合えていたということでしょうね。チーム内の意見がスムーズに纏まることが良い結果に繋がるとは限りません。
あとは今年から、単に学生たちにDBJの仕事への理解を深めてもらうだけではなく、最後にチーム内でお互いの良かったところを褒め合うことで、自分はチームでどのような役割を果たせたのか、どのような性格の人間なのか、自己分析についてあらためて考えてもらうという試みも追加しました。せっかくチームで濃厚な5日間を過ごすことですし、何か今後の就職活動に活かせるようなお土産を持って帰ってもらいたいという想いから始めました。

―――インターンの評判はいかがでしたか?―――

前回も前々回も評判は良く、満足度も高かったので大変嬉しいです。DBJのインターンに参加して、業務の理解度や志望度を高めて、最終的にDBJに入行を決めてくれた内定生もいますので、上手くいっていると私は思います。
また、インターン参加者の学生が他の優良企業に就職したとしても、将来的にその企業はDBJのお客さまにもなり得ますから、インターンを通してDBJの仕事を知り、DBJを好きになってもらえるだけでも、充分に意味のあることだと思っています。

就職活動に悩んだときは、たくさんの人と会って素晴らしい出会いを探して欲しい

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―――濱田さんの今後の目標はありますか?―――

やはり初心に帰り、また地域活性化に繋がる仕事がしたいですね。経営者の伴走と言うか、その企業の向かう先が正しいのか考え、我々もお金を出すことでともにリスクをとり、企業成長に向けた経営判断を後押しするのがDBJの務めです。経営者が思い描く夢や理想の実現にむけてともに走ることができるのは、銀行の醍醐味ですよね。
また、経営者の方々と、いっしょに何か面白いもの、少しでも世の中が良くなるような新しいものを作っていきたいとも考えています。DBJはこれまでに「パスモ」の開発にも関わっているのですが、あれはまさに、世の中の生活スタイルを変えたプロジェクトでした。金融とは単にお金を出すだけではなく、社会を豊かにする、未来をデザインする仕事。あまり知られていませんが、DBJは宇宙や航空分野などにも携わっています。世の中を変えるような次の新しいものが生まれる瞬間に立ち会えればうれしいですね。

―――DBJが求める人物像を教えてください。―――

実は私は、「求める人物像はありません」とよくお話しています。正確に言うと、もちろん銀行として最低限確認しなくてはいけない要件などはあります。しかし、あえて言わないようにしています。例えば「コミュニケーション能力が」とか「協調性が」とか、こちらが何かを提示してしまうと、それに合わせて自己アピールしてしまう学生がどうしてもいるんです。就活は、内定がゴールではありませんから、内定を取るためだけに変なテクニックに走らないでほしい。それよりも、自分が社会に出て何をやりたいのかを素直に考えてもらいたい、ということです。
ただ唯一あるとすれば、自分自身のスキルアップや自己成長のみを求める学生は、DBJには向いていないかなと思います。DBJは政府系金融機関ですので、長期性、中立性、パブリックマインド、信頼性という4つのDNAを承継しており、特に「公に尽くす」ことを大事にしています。向上心をもつことは大切ですが、豊かな日本を作るための仕事をする、そのために常に自己を磨き、努力を継続するのです。

―――最後に、就職活動中の学生にメッセージをお願いします。―――

人事部にいると、就職活動に迷っている学生、焦っている学生をよく見かけます。そういう人は、家で座って悩んでいても答えは出ないと思います。ネットでいくら企業分析をしても、その悩みは解決しません。だったらいっそ、できるだけ多くの社会人に会ってみたらどうでしょう? 私のように、「この人かっこいい」「魅力的だ」と思える方に出会えたら、「自分もその世界に行きたい」「面白そう」と思えるかもしれません。
「就職活動とは、運と縁とタイミングだ」と、私は10年前に尊敬する社会人の方から教わりました。10年経った今も、それを信じています。すべての業界、すべての企業なんて見ることも知ることもできませんから、素晴らしい人と出会えたら、それが1つの巡り合わせと言えるんじゃないでしょうか。

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