【電通デジタル 内定者インタビュー】就活浪人を経験したからこそ、本当の自分と向き合えた。
就活をはじめると自己分析、業界分析など準備することが多く、戸惑う人も多いはず。早稲田大学の兵藤さんは、就活をはじめてみたものの違和感を感じ、就職浪人することを決意。そして1年後、第一志望の電通デジタルから内定を獲得します。周りの動きに流されず、就職浪人を選んだ兵藤さん。何を考え、どんな決断をしてきたのでしょうか。その軌跡をインタビューしました。
株式会社電通デジタル: 電通グループのデジタルマーケティング専門会社として2016年に設立。クライアントのマーケティング課題に対して、「コンサルティング」「開発・実装」「運用・実行支援」を行い、総合的なソリューションを提供している。各企業、デジタルリテラシーの必要性が叫ばれる今、社会的期待度も高い。
電通デジタル/内定者
兵藤友哉(ひょうどう ともや)
早稲田大学 文化構想学部 表象・メディア論系
根っからのデジタル好き。趣味はカレー屋さんめぐり。勤務地になる新橋は、ランチ激戦区。いろんなランチを試せるのが、入社後の楽しみのひとつ。
ハッカソンの受賞、アメリカの大規模イベントに出展
-----就活はいつ頃はじめましたか?
大学3年の夏に、広告系企業のインターンに参加しました。プログラムを通していろんなことを学べて、非常に楽しかったです。ただ、インターンってある意味会社からの接待だなって。仕事体験といいつつも、実際の仕事に求められるクオリティやスピード感はわかりませんでした。と、同時に自分の知識が全然足りてないことを痛感。社会で求められる知識量と今の自分にはギャップがあった。だから、もっといろんな知識や経験を積んでから、社会に飛び込みたいと思いました。
-----夏休みのインターンが終わって就活が本格化するまでは、どのように過ごしましたか?
たまたま知り合いの紹介で「Sensors」(日テレの番組で、最先端テクノロジーやクリエイティブを紹介するWEBメディア)のライターを始めることになりました。その仕事の中でも、自分の知識不足を実感。一方で、同じ頃、手伝いとして参加していたIoTのプロジェクトチームが東大のハッカソン(*)で優秀賞を受賞。さらに、3月にアメリカで開催されるSXSW(サウス・バイサウスウエスト)に出展することが決まりました。
*ハッカソン…IT用語のHack と Marathonをかけあわせた造語で、プログラムの開発やサービスの考案などを、短期間に(1日~1週間)集中してつくりこんでいき、アイデアや技術など、その成果を競い合うコンテスト。
――大きなチャンスですね。SXSWは、音楽、映画、インタラクティブメディアのトレードショーとして世界から注目されるイベント。兵藤さんたちは、どんなプロダクトを展示したのですか?
「BUBBLY」という、ストリートミュージシャンを応援する投げ銭デバイスです。観客が投げ銭をすると、センサーが反応し、シャボン玉が発生。それがステージの演出につながるという仕組みです。小さなステージを作って、現地のアーティストさんたちに生ライブをしてもらいました。パフォーマンスが始まり、シャボン玉が広がると人も集まる。ワクワクしました。結果、合計300~400人くらいの方が来場。「BUBBLY」は、特別な技術ではなく、すでにある技術の組み合わせ。しかも、製作コストも安い。それなのにアイデア次第で、こんなにたくさんの人の記憶に残るんだなと反響の大きさに驚きました。
このまま就活を進めることに、違和感を覚えた
-----3月といえば、就活が本格的に始動する時期ですね。アメリカから戻って、就職活動を始めたのですか?
友達はみんな就活を始めていました。話を聞くと「よくわらないけどとりあえず説明会にいく」という状態。みんな本当に自分のやりたいことがわかってるのかな?と疑問を感じました。私自身は自分のことがわからないまま就活を進めることに違和感を覚えていました。それに、SXSWから帰ってきたら、受けたいと思っていた会社のエントリーシートの締め切りが過ぎてて(笑) ショックでしたが、冷静に考えるきっかけになりました。今のままでは自己分析は不十分だと思ったし、やりたいことについてもちゃんと考えき切れていなかった。一方で「BUBBLY」のプロジェクトは、商品化に向けてずっと続いていました。そして、それが楽しかった。このまま中途半端に就活に進むより、もう少し色々やりながら、自分自身について考えてみたいなと。思い切って、就活浪人という道を選びました。
----その後、あらためて就活をしようと思ったきっかけはなんですか?
もともと、大きなことをやってみたいという気持ちがあったので、企業ならば色んな経験ができるのでは、と考えました。それに、スタートアップで何か始めるにしても、一度会社に入って揉まれたほうがいいなと。というのもセンサーズのライターや「BUBBLY」は、学生としての活動なので、その環境では社会人として期待されることが掴めなかった。だから、まずは社会人としての基礎を身につける必要があると考えました。就活を本格的に始めたのは、2017年の2月。卒業を控えた友人たちとの旅行中、「エントリーシート見るよ」という友人の言葉に甘えて、がっつり自己分析につきあってもらいました。それまでのいろんな活動の中で、自分の特長はつかんでいましたが、エントリーシートに落とし込むことで考えがまとまり、就活する上での自分の核や輪郭がはっきりしました。
自分のことがわかっていれば、就活はうまくいく
----電通デジタルに決めた理由を教えてください。
急速な進化を続けるテクノロジーと、その発達に追いついていない社会。企業のITリテラシーを上げていくことは不可欠です。自分は、その問題を解決する手助けをしたいと思いました。自分の中で、受けたい企業像はきちんと掴めたので、面接を受けたのは4社だけ。電通デジタルは、説明会で聞けた話がまさに自分がやりたいことと合致していて、ここだ!と。自分は特定の領域、技術に捉われたくなかったので、総合的なソリューション提供ができるという点も、合っていると感じました。設立間もない会社なので、OBOG訪問はできなかったのですが、内定者懇親会に50人の社員さんが参加してくれて。そこでたくさん話を聞けたのはよかったですね。自分の中で入社するイメージが固まりました。
-----最後に就活生の皆さんにアドバイスをお願いします。
自分のことって自分ではよくわからないと思うんです。私もそうでした。だから、とにかくピンボールみたいにいろんな場所に飛び込んで、じっくり自分を観察しました。その中で自分はどう感じ、どんな反応をするのか。そこに一貫してあるものは何か。それを見つけたときにはじめて自分の輪郭がわかってくると思います。だから行動を起こし、自分を知ることが大切だと思います。たとえば、飲み会の企画ひとつとっても、お店選び、連絡、司会進行、場作り、会計・・・、いろんな変数がありますよね。その中で自分は何が得意で、何が苦手なのか。努力してカバーできること、人に任せたほうがいいことは何か。いろいろと分析できる。そうやって自分のことがわかれば、会社選びもブレずにうまくいくはずです。もう、私の就活は終わりましたが、まだピンボール的にいろいろ活動しています。社会人になる前に、自分に足りないことを学んだり、得意な分野を見つめなおしたり。社会人としていいスタートが切れるよう残りの時間も充実させたい。私もまだまだ。これからも努力を続けていきます。