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三井物産株式会社

三井物産で働くAIエキスパートとインフラ開発のプロ。活躍の秘訣は「やりたい」という気持ち。

インタビュー

三井物産は、時代の変化を成長のチャンスと捉え、つねにビジネスモデルを進化させてきた大手総合商社です。今回は、中核分野の一つであるプロジェクト本部で働く本多さんと経営企画部・デジタルトランスフォーメーションチームで全社のデジタル化を推進する金下さんにお話を伺いました。

<企業紹介>
「金属」「機械・インフラ」「化学品」「エネルギー」「生活産業」「次世代・機能推進」という6つの事業を主軸にして、さまざまなビジネスをグローバルに展開している三井グループの大手総合商社。個人の能力を発揮しやすい自由闊達な風土を活かして、社員ひとりひとりが能力の最大化に努める。あらゆる国と地域において、そこに住む人々の夢溢れる未来作りに貢献するサービスとソリューションを提供することをミッションとする。

<人物紹介>
本多恵久実
プロジェクト本部
物流インフラ事業部
2008年入社
大学を卒業して、三井物産に入社。以来ずっとインフラ・プロジェクト本部に在籍し、途上国などのインフラ開発に専念してきた。これまで担当した地域は、中東・シンガポール・メキシコ・北米など多岐に渡る。

金下裕平
経営企画部
デジタルトランスフォーメーションチーム
2016年入社
大学を卒業して、三井物産に入社。エネルギー本部に配属となるものの、大学院で培ったAI研究の知識を活かしたいと入社半年で経営企画部・イノベーション推進室に異動。現在は、経営企画部・デジタルトランスフォーメーションチームで全社的なデジタルの活用を推進している。

新規事業案件をともに担当した仲。

―――本日はよろしくお願いします。さっそくですが、お二人の経歴をお聞かせください。

本多恵久実様(以下、本多):2008年に大学を卒業して、三井物産に入社しました。入社後はインフラ分野のプロジェクト本部に配属となり、それから現在に至るまでずっと同じ部署で仕事をしています。最初の担当は、中東地域です。カタールやクウェートにおける発電所や海水を淡水化するプラントの建設案件などに携わりました。その後は、2011年から2年ほどシンガポールに駐在し、新規のインフラ案件を担当。2013年から5年間は、帰国してメキシコや北米地域の石油、ガス関係の新規案件を開拓。現在は、物流インフラのチームでコンテナターミナルなどの港湾事業を主に行っています。

金下裕平様(以下、金下):2016年に大学院を卒業して、三井物産に入社しました。入社直後はエネルギー本部に配属となりましたが、大学院で培った「ディープラーニング」というAIの研究知識を活かしたいと考えていました。入社して半年ほどでAI知見のある人材として、全社のデジタルトランスフォーメーションを推進していた経営企画部のイノベーション推進室にうつることができました。現在は、経営企画部内で再び異動をし、デジタルトランスフォーメーションチームとして、デジタル知識を活かして業務に取組んでいます。

―――お二人はとても仲が良さそうですが、もともとお知り合いだったのですか?

金下:はい。私がイノベーション推進室にいた頃、チームで「Karugamo Works(かるがもワークス)」という社内起業プロジェクトの運営を担当しました。本多さんはそのプロジェクトに「サーモンを陸上で養殖する」という新規事業案で応募していたのです。その事業案は審査を通過し出資参画まで進んだため、その時からよくお話しする機会がありました。今では、姉さんと慕うほど仲が良いです。

―――新規事業仲間なのですね。出資参画まで至ったとのことですが、現在はどのようなご状況なのでしょうか?

本多:一緒に事業案を提出した同期が、そのまま事業会社に出向して役員として活躍しています。「三井物産のさかなクンが挑む陸上養殖」としてメディアに取り上げられたこともあります。とてもおもしろい案件でしたが、私はもともと「インフラがやりたい」という想いがあったので、彼に夢を託して今の仕事に専念しています。

―――インフラに強い想いがあるのですね。

本多:そうですね。学生の時から海外に興味があり、就職活動中も「発展途上国でインフラを整える仕事がしたい」と思っていました。

―――そう思ったきっかけは何でしょうか?

本多:学生の時に、中国やタイの農村でボランティア活動をしたことがあります。その活動を通じて、ボランティアやNGOの活動には限界があると感じました。「本当の意味でそこに住んでいる人の生活を改善するには、その人達の働く環境を整えないとだめだ。インフラを整えて製造業が盛り上がるようにすべきだ」と。この時、インフラの仕事しようと決意しました。

―――他の総合商社も受けましたか?

本多:受けました。就職活動では、いろいろな会社の方に会って話をしたのですが、なかなか仕事のイメージが掴めず悩みました。最終的に三井物産を選んだ決め手は「会社が好き」「仕事が楽しい」という人が多かったからです。3人の社員と会って、働きがいのある会社だと確信しました。

―――金子さんの就職活動の様子もお聞かせください。

金下:大学院時代は研究に夢中だったため、就職活動中も研究の世界に進むことも考えていました。当時は、まだディープラーニングを知っている人が少ない時代。「こんな技術があるのか」と感動して、教授を説得し、友人を誘い、研究を進めていました。とにかく自分発信でプロジェクトを実行することが楽しかったです。社会で働くなら、こんなふうに新しいことを見つけて形にしていく仕事がしたいと思い、研究室の教授にもそのように相談。その時に総合商社を勧められました。

―――そうなのですね。教授からは具体的にどんなアドバイスを?

金下:「日本の攻めの組織といったら商社に決まっているだろう」とアドバイスをいただきました。教授は経産省に勤めてから大学教授になった方です。私ともやりたいことが一致してプロジェクトを立ち上げたほどでしたので、とても尊敬し、信頼していました。その教授が「商社はカルチャーとして攻めの組織。金下くんに合っていると思う」と勧められ、「なるほど」と納得。そのため私の就職活動は商社一本でした。

関係者を巻き込み、偉大なAI企業・研究者を粘り強く口説き、AI事業をつくる日々。

―――入社前後でギャップはありましたか?

金下:入社前の印象は、「大企業で専門性を活かしたビジネスを本当にできるのだろうか」と不安に感じていました。

本多:最初の配属は、エネルギー本部でしたね。

金下:はい。それでも、諦めずに「これがやりたい」と伝え続けていたら、周囲の上司や先輩が後押しをしてくれるようになり、イノベーション推進室へ異動するチャンスを貰いました。そのチームは、当社の16ある営業本部から寄せられてくる「AIを使ったらこんな事業もできるの?」という質問に対して、「それは面白いからぜひやろう!」や「いや、もっとこうした方がいい!」といった議論を深め、事業開発を営業本部とともに進める部署でした。まさに「新しいものを形にしていく」という想いが集まる場所。「商社は攻めの組織である」ということを実感できる場所でもあり、会社としても部署としても、この場所は自分に合っていると感じました。

―――現在のチームではどんな仕事をしているのですか?

金下:現在のデジタルトランスフォーメーションチームでは、IT/AI関連の知見を持ったメンバーが集まり、全社的なデジタル化を推進しています。営業本部が抱えるあらゆる案件に対して、最新のデジタル技術を活用した問題解決の方法を提案し、実行を支援することが我々の仕事です。

―――具体的な事例はありますか?

金下:分かりやすい例は、2017年に出資した株式会社Preferred Networksとの協業事例です。同社は世界的にも有名なAIのメガベンチャーで、その取組みの一つに、世界のヘルスケア領域にイノベーションを起こすともいわれるディープラーニングによる高度ながん診断技術を開発していました。「この技術を三井物産のヘルスケア領域で活用できたらどんなに素晴らしいことか。事業化で私たちの出番はないか。」そう考えた私たちのチームは、社内のヘルスケア部門を巻き込みながら、Preferred Networksと議論を重ねた結果、2018年12月に米国で新たな合弁会社Preferred Medicine, Inc.設立に至りました。現在、事業化に向けて米国関係者と毎週電話会議をしています。

―――他に印象的な仕事はありますか?

金下:世界トップレベルのAI研究者Andrew Ng先生との仕事です。Andrew Ng先生は、スタンフォード大学のコンピューターサイエンスの教授であり、Googleのあらゆる製品にAIを広げようとする取組みであるGoogle Brainの共同設立者でもあるディープラーニングの先駆者のひとりで、私にとっては絶対的な憧れの存在。その先生と仕事ができるなんて、夢のような話でした。

―――なぜそのような凄い方と仕事をすることに?

金下:先生は「様々な業界にAIを導入したい」と考えていました。その活動の一環で、米国関係者経由私たちのところにアプローチがありました。ある日、ふとメールを見たら「Andrew Ng先生に会ってみますか?」と連絡がきていて、舞い上がる気持ちで「会いたい!」と即答。上司とともに、すぐアメリカに飛びました。お会いした時は、感動で手が震えました。こんなチャンスは2度とないと思い、上司とともに「三井物産には世界中でさまざまな産業があるので、AIでそれらの課題を解決したい!」と粘り強く口説き続けました。結果、三井物産を戦略的パートナーと位置付けてくれて、「AI技術を活かしながら、三井物産が世界中に保有する幅広い産業の事業資産や顧客の課題解決を目指したい。」と言ってもらえたのです。

―――その後、先生との事業はどうなったのでしょうか?

金下:先生が設立したAIファンドという会社に出資して、今まさにチームメンバーで事業創出を進めているところです。世界を牽引するような方たちと一緒に仕事ができている、こういう経験は、三井物産で働く醍醐味だと思います。

インフラ開発をしているけど、感覚としては「何でも屋」です。

―――本多さんが行っているインフラの仕事について教えてください。

本多:インフラの仕事は、何千億というほどの規模がとにかく大きい一方で、実は担当者は2~3人しかいないことが当たり前です。入社してまもなくの若手社員が担うこともあるし、トラブルが起こることも多いから、主体性や柔軟性が必要な仕事だと思います。

―――これまでに大変だった仕事のエピソードをお聞きしたいです。

本多:印象深いのが、クウェートの海水淡水化プラントの建設案件です。海水を淡水にして飲み水にする施設を作り、お客様に引き渡すのがミッションでした。しかし、途中で下請け会社の資金繰りが悪化。「もうクウェートのマーケットからは離脱し、私たちは手を引きます」と。日本なら通用しないことですが、下請け会社は本当に撤退しようとするのでとても困りました。結局は、三井物産が下請け会社に融資をして仕事を続行。完工時はすでに納期を大遅延していました。

―――なるほど。なかなかやっかいな出来事ですね。

本多:その後も問題が続きました。プラントは無事に完成。「試運転が終われば、やっとお客様に引き渡せる」という時に、客先が「プラントと都市を繋ぐ水道管はまだできてないよ」と。水道管がなくては試運転ができず、完工しなければ工事代金も頂けません。仕方が無く、淡水化した綺麗な水を海に戻す方法での試運転を提案しました。しかし、「イスラムの世界では水が聖なるものだから、それだけは勘弁してくれ」とお客様は大慌て。結局は、違う方法を考えて試運転を行いました。

―――トラブル続きの案件だったわけですか。

本多:はい。今でこそ笑って話せますが、当時は入社2年目。まだ何もわからない時に放り込まれた大型の複雑な案件だったから、すごく大変な思いをしました(笑)。

金下:その引継書は私も見たことがあります。びっくりして同期にも見せました(笑)。自分だったらちょっと心が折れるかもしれません。

本多:本当に大変でした(笑)。

―――他国へのインフラ普及には、政治的な事情が絡むこともありますか?

本多:そうですね。政権がかわると、進めていた案件が白紙になることもあります。そのため、政権がかわる前には出来る限りの策を打つ必要があり、「〇日迄に偉い人と交渉して覚書を締結せよ」という緊急ミッションが発動することも。前にいたチームの出来事ですが、他国の国営石油会社の総裁、いうなれば国の大臣クラスの方たちに慌ててアポイントをとり、空港に呼び止めて直談判したこともあります。

―――他国の大臣を呼び止めて直談判ですか。ハラハラする状況ですね。

本多:とにかく案件のためにあらゆる手段を尽くすから、商社の仕事は「何でも屋」だと思ってもらうといいかもしれません。政治の動きを見ながら働いたり、大臣級の偉い方たちにアクセスしたり、とっさの判断でいろんな人を巻き込んで大きな事態を動かす経験は、とても面白いと思います。最終的に案件がカタチになると達成感も大きいですよ。

「やりたい」という気持ちは大事にしてください。

―――働いてから実感した三井物産のいいところは何ですか?

本多:金下さんの話にもありましたけど、三井物産にいるというだけで、普段なら絶対に会えないような人に会えるのは大きな魅力だと思います。「本多です」というだけで大臣にアポを取れるわけがないけど、「三井物産です」といえばそれができる。このネットワークの広さは財産の一つです。

―――金下さんはどう思いますか?

金下:私は「やりたい」が通りうる自由な社風が魅力だと思います。入社後は、思っていた以上に「あれやりたい、これやりたい」という主張を尊重してもらえていると感じています。

本多:三井物産では、むしろ「あなたは何がしたいの?」って聞かれることの方が多いですよね。

金下:そうですね。ひとりひとりにやりたいことがあるのは当然。会社としては、「本人の意思と能力を最大限に活かしたい」という考えがあるのだと思います。

―――この先、やりたいと思っていることを教えてください。

本多:私は、これからもっとたくさんのインフラ案件を担当したいです。

金下:本多さんはいつもエネルギッシュですよね。いつも新しい案件を抱えていて、他の人より活動量も多い。そのエネルギーの源は何なのでしょうか?

本多:あまり自覚はしていませんが、しいて言うなら、「自分の世界を広げていくのが好きだから」だと思います。学生の時は高校でホームステイをして大学で留学をして、社会人で海外の仕事をして。まだまだもっといろんな国に行って、友達を作って文化を知って、どんどん興味を広げていきたいと思っています。金下さんは、この先何をやってみたいですか?

金下:なるほど。それなら私が「これ面白い!」と思ってAIに夢中になっているのと共通するかもしれません。私はバイオに興味があるので、ヘルスケア領域を積極的にやっていきたいと思っています。ディープラーニングはヘルスケア領域に大きく貢献できる技術なので、自分の手で世の中にインパクトを与える事業を作れたらと。三井物産で働いてからというもの、私のデジタル分野への熱はどんどん増している状態です。せっかくもらった機会なので、ひとつでもふたつでも次世代の礎になるような事業を作りたい。

―――最後に学生へメッセージをお願いします。

本多:学生と話していると、先々を心配しすぎている人が多い印象を受けます。特に女性の場合は、結婚・出産・育児というライフプランを想定して、「商社みたいな忙しい働き方はできないよね」と思っている人が多い。でも、商社の仕事に興味があるならやってみたらいい。今やりたいことを優先して、状況が変わったらその時に考えたらいいですよ。できることは今のうちにやってください。自分のなかで壁を作ってしまうのはもったいないと思います。

金下:「やりたいことが決まってないから商社にいく」という学生は多いのですが、理系や院生みたいなエキスパート性の高い人こそが三井物産で働くのは楽しいと思います。ギラギラしていてやりたいことがある人なら、特に働きがいが感じられる環境です。間違えて「あなたの考えていることは部署と違うからやめなさい」という社風の会社に入ってしまったらせっかくの想いに蓋をすることになるけど、当社のように本気でぶつかれば「じゃあやってみる?」と言ってくれる懐の広い会社なら、自分の知識やスキルを存分に発揮できるはず。専門性があって行動力があって、そんなギラギラしている人はぜひうちにきてください。

―――三井物産の社風や働く魅力がよくわかりました。本日はありがとうございました。

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