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三井物産株式会社

三井物産が「ソーラービジネス」で東北エリアに貢献した新規事業とは

インタビュー

それぞれが熱い想いを持ち、自分の仕事に取り組んでいる三井物産の社員たち。数々の大きなプロジェクトを手掛けていますが、それを支えているのは、ひとりひとりの情熱です。そのエネルギーはどこから生まれ、何を成し遂げているのか。日々の仕事の中にある喜びとやりがい、また困難や苦悩を語ってもらったインタビューです。

<プロフィール>
三井物産株式会社
先端材料事業部
濱田 愛
2009年入社
大学時代にインド企業でのインターンを経験。入社後は戦略企画、太陽光発電所の開発、米国での研修、液晶パネルの製造受委託等に携わり、現在は歯科業界での新規事業立ち上げを手掛ける。

<企業紹介>
「360°business innovation.」をコーポレートスローガンに掲げ、「金属」「機械・インフラ」「化学品」「エネルギー」「生活産業」「次世代・機能推進」の6つの事業分野において、多岐にわたるビジネスを展開する総合商社。多種多様な事業知見から生み出される総合力を組み合わせ、日本および世界各国と地域に付加価値の高いサービスやソリューションを提供している。

インドでのインターンで、ビジネスの面白さを知った。

———就職へ向けて、学生時代にどんなことを考え、どんなことを行っていましたか?———
大学四年生のときに1年間休学してインドへ行き、現地の企業のインターンシップに参加しました。海外で勉強するよりも、これまで学んだことをアウトプットしてみたいと思ったんです。インターン先は、カシミアのストールを販売していて、日本を含む海外にも展開しようとしていた企業。社員はみんなインド人で、私のほかにロシア人とイタリア人のインターン生がいました。私の仕事は、インド人の上司と一緒に日本や香港へ出張して、商品を置いてもらえるようにバイヤーに交渉することです。最初は英語にも苦労し、なかなか売れませんでしたが、日本市場における商品コンセプトの不在やインド製品に対する日本企業の不信感等の問題に気が付き、現地の工場でハンドメイドしている動画を製作して見せるなど次の出張機会に改善することで、日本の大手百貨店やセレクトショップに置いてもらえるようになりました。インターンの経験で学んだことは、論理的に導いたアイデアだけでは人は動かないということ、情報は現場にあるということ、ビジネスも熱意や気配りから始まるということです。似たようなストールは世の中にたくさんありますが、説明の仕方や、お客様とどんな関係性を築けているかで、いい商品だと思ってもらえるかどうかは変わる。ビジネスって面白いと実感しました。また、インドと日本の商習慣や価値観の橋渡しをする役割をしたことも大変だけど面白かったですね。これらの経験から、仕事を通じて世界中の人と出会い、自分でビジネスをつくってみたいと思うようになったことが商社に興味を持ったきっかけです。就職活動ではいくつかの商社に内定を頂きましたが、三井物産には熱い人が多いと聞き、そういう人たちと一緒に働きたいと思って入社を決めました。

諦めなければ、必ずいい出会いやアイデアが訪れる。



———これまで携わってきた仕事や、印象に残っている仕事を教えてください。———
入社直後は戦略企画室で決算管理や戦略立案のサポートを経験し、その後ソーラービジネス事業部へ異動して、太陽光発電の開発に携わりました。この2年間は、今思い返しても本当に濃厚でしたね。元々弊社は太陽光パネルの物流や輸出を手掛けていたのですが、中国、韓国、台湾の安価な太陽光パネルの台頭によって国内メーカーは苦境に立たされていました。そのため三井物産が自ら太陽光発電所を開発して、そこで国内メーカーのパネルを使用するという大きな戦略転換を図ったのです。再生可能エネルギー特別措置法が成立するタイミングだったことも後押しになりました。また、発電所の開発といっても、リスクリターンや社会貢献といった観点から様々なビジネススキームに挑戦したことも弊社ならではだと思います。その一つが、弊社が売電をするのではなく、完成した複数の発電所を年金基金など低利でも安定的な利回りを求める投資ファンドへ売却するスキームです。
国内産業を守り、発展させるんだという強い想いはあったものの、当時10名ほどいたメンバーに発電所開発の経験者はいなく、発電の仕組みを勉強するなどゼロからのスタート。毎週のように地方へ出向いて土地を探し、自治体などの土地所有者と交渉して土地の賃貸契約を結んだり、建設会社と折衝したりと試行錯誤しながら開発を進める日々でした。
私が担当した案件で特に印象に残っているのは、東日本大震災の被災地である宮城県東松島市の発電所です。自治体の方から「環境未来都市として一刻も早い復興を目指したい」という相談をいただき、話を聞きにいくと、現地は壊滅状態で電柱も立っていないような状況。被災した海岸沿いなので人も住めず、企業や工場もありません。ここに発電所を設置すれば土地を有効利用できて、現地の方の復興の希望となる。そう強く思いましたが、東松島は景観を守るため規制が厳しかったり、瓦礫が残っていたりと、困難が数多くあったんです。でも現地の方の熱い想いに触れるほどに、絶対に諦めたくないという気持が湧いてきました。市役所で大きな地図を広げ「ここはどうだ?こっちならいけるかも?」と自治体の方と一緒に場所を探して車を走らせたり、東北電力へ説明に行って電柱を立ててもらったり、我々の事業を意気に感じてくれた工事の方が夜通し瓦礫を撤去してくれたり、1つ1つ問題を解決して着工に漕ぎ着けたときは、現地の方の涙も見られました。また、震災当時に苦労された話を伺い、完成した発電所は非常時には地元の人がコンセントをつないで電気を使えるように設計しています。運転が安定したタイミングで市民ファンドに売却し、地元の人たちが発電事業からの利益を得られるようにしました。
当時は寝る暇のない程忙しかったですが「今日はこれしよう、あれしよう」と、毎日会社にいくのが楽しみで、1日も早く、1ヶ所でも多く発電所を建てたいという想いに溢れていました。なぜそんなに夢中だったのか。今振り返ると、次から次へ起こる問題に挫けそうになっても明確なビジョンやミッションがあり、「いざとなったら俺が責任を取るから自由にやってこい」と言ってくれる上司や、些細な悩みや喜びも全て共有できる仲間がいたからだと思います。また同じ部署の仲間だけでなく、パートナー企業や社内のコーポレート部署、そして完成を楽しみに待ってくれている自治体の方々など、応援団がたくさんいました。結果として、2年間で25箇所に発電所を設立し、その全てに国産のパネルを使用しました。この仕事を通じて、諦めないで考え、動き続けていれば必ずいい出会いやアイデアが訪れて、形は変わったとしても実現できるという自信がつきました。「俺たちは絶対に負けない、なぜなら諦める気が全くないからだ」と上司が冗談まじりに言っていたことがありますが、本当にその通りだと思います。

人の想いに触れ、仕事に本気で向き合うほど、情熱が湧いてくる。

———現在はどんな仕事を手がけていますか?———
弊社が出資しているアメリカ企業での研修や液晶パネルの製造受委託商売、育休を経て、現在は先端材料事業部で新規事業の立ち上げを行っています。フィールドは歯科業界で、目下の目標は国内の歯科市場にイノベーションを起こすこと。80歳の平均残歯数を見ると、スウェーデンが21本、アメリカが17本あるのに対して、日本は9本ほどしかありません。理由は明らかで、定期検診受診率がスウェーデンで90%、米国で80%あるのに対して、日本はたったの2%しかないんです。歯の健康はQuality of Lifeにも繋がりますし、全身疾患にも関わります。また今やコンビニより多い歯科クリニックは厳しい競争に入っているなか、まだまだアナログで人材不足が顕著であるなど様々な課題があり、だからこそ私達にできることは多いと考えています。新規事業の立ち上げがミッションなので、日々の業務において与えられる仕事はありません。大学教授と会って情報を得ることや、面白いベンチャー企業があれば訪問して投資を検討するなど、何ができるかを自分で考え、行動しています。私たちが本当に恵まれていると思うのは、先輩方が築いてきてくれた「三井物産」という会社への漠然とした期待感があるので、大抵の方が会ってくれることです。その期待に応えるべく、必死に自分ができることは何かと模索しているのが実際なんですけどね。「三井物産です」といきなり行っても、取り扱いはさせてもらえません。だからまずは突破口となるような、当社ならではの革新的なアイテムを持つことに注力しています。他にも、日本人の口腔事情を向上させるべく患者さん目線でのサービスの開発など、パートナー企業とともに、いくつかのビジネスを検討しているところです。
これまでの経験でしみじみ思うのは、情熱というのは勝手には湧いてこないけれど、つまらない仕事はないということです。その業界の課題を知って我が事のように憤ったり、魅力的で応援したくなる人と出会ったりすることが、情熱を湧かせてくれる。どうせ働くなら情熱を傾けたいですし、三井物産にはそういう先輩がたくさんいます。みんな自分のライフワークとして仕事をしていて、稼ぐというのは事業を継続する上で当たり前ですが、「この業界はこうあるべきだ」とか「あのベンチャー社長を絶対応援したい」とか、熱く語る人が本当に多いんですよね(笑)。歯科業界の開拓も、元々はひとりの先輩が「新たな領域に挑戦しないといけない」と独自に調べ始めたことが始まりだったんです。そこから組織ができ、会社として大きな予算をかけて市場調査をして、どんどん広がっていきました。そんな人たちと一緒に働くのは、とても楽しいですよ。私自身、これまで新規ビジネスの立ち上げに携わってきて、その面白さにすっかり魅了されました。これからも様々な領域で、新たな挑戦を続けていきたいです。

目の前の課題と本気で向き合い、情熱を傾けるから仕事が楽しくなる。そして、そんな姿勢で働く人たちが集まっているから、さらにエネルギーが膨らむ。今回のインタビューを通じて、三井物産の社員たちが生き生きと働いている理由のひとつが、よくわかりました。

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