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三井物産株式会社

三井物産が掲げる「挑戦と創造」とは、どんな仕事なのか。

インタビュー

「人の三井」という言葉があるほど、人間力や多様な個、一人ひとりが抱く想いを大切に考えている三井物産。そんな社員一人ひとりにDNAとして根付いている文化が、「挑戦と創造」です。採用マネージャーが経験した「挑戦と創造」とは一体どんな仕事だったのか。思い出深い仕事を通してわかる熱き想いや苦悩をざっくばらんに語ってもらいました。

<プロフィール>
三井物産株式会社
人事総務部人材開発室
マネージャー
新卒・キャリア採用担当
清水 英明
2007年入社
大学院時代に青年海外協力隊に参加。大学院修了後に新卒として入社後、営業、戦略立案、事業投資支援などを経て、現在は新卒・キャリアの採用を担当。

<企業紹介>
「360° business innovation.」をコーポレートスローガンに掲げ、「金属」「機械・インフラ」「化学品」「エネルギー」「生活産業」「次世代・機能推進」の6つの事業分野において、多岐にわたるビジネスを展開する総合商社。多種多様な事業知見から生み出される総合力を組み合わせ、日本および世界各国と地域に付加価値の高いサービスやソリューションを提供している。

青年海外協力隊に参加してわかった、自分の視野の狭さ。

ーーー学生時代に青年海外協力隊を経験したとのことですが、どんな学生時代だったのでしょうかーーー

私はもともと環境問題や食料問題に興味があり、大学院を2年休学して、青年海外協力隊に参加しました。当時は国際協力のスペシャリストになりたいという想いがあり、就職する前に本当の現場を知りたいと思い、フルコミットできる最善の方法だと思い参加しました。アフリカ/マラウイ共和国で果樹栽培の指導員をしながら思ったのは、金銭や技術援助をしたところで、それが次の収益に繋がらなければ一瞬で消えてしまう。人々の生活を支えているのは、「経済」という現実でした。そんな中、欧米の人たちが現地でビジネスを展開しているのをみて驚愕しました。現場に行くまでは、漠然と搾取しているといったイメージがあったのですが、全く違う。現地で雇用を生み出し、様々なサービスを提供している。持続性のあるビジネスモデルをつくることで、そこで暮らす人たちが本当に幸せそうで、自分の視野が狭かったことをまざまざと思い知りました。
自分がやりたかった国際協力というアプローチを通じた環境問題や食糧問題の解決という道は、間違っていたのかもしれない。そんな風に思いながら、大学院に復学。その後、就職活動を始めても、いまいちピンときませんでした。様々な企業の話を聞いても、何のためにそれをするのかわからなかったのです。当時は、もしかしたら自分は世の中から必要とされていないのかもしれない、とも思い悩んだりしていました。そんな日々の中で、目の前がパっとひらけたのは、とある商社の方の話が聞けたときです。ある国で無駄になっていたものを工夫し、取引先の新製品の原料として開発。それが日本で爆発的人気商品になり、現地で原料加工工場を設立し、その国で新たな産業が生まれたというのです。この話を聞いて、自分もこういう仕事を通して、色んな国々の農村を元気にしたい。商社で出来る仕事の幅広さを知り、この業界に興味がわきました。
三井物産に惹かれたのは、OB訪問した先輩が「当社は営利企業だから利益をあげることは大前提。でも、利益は事業の継続や次の成長に向けて必須だけれど、ただ単に利益を得たい、というだけならファンドなどに行けばいい。当社の本質的な目的は、三井物産がいることで、社会や顧客に今までにない新しい価値を提供する役割・使命を果たすことで、その結果として利益を得ているのだ。それが三井物産の仕事なのだ」と熱く語ってくれて心にすごく響いたのが、きっかけです。

本当の「挑戦と創造」は、目の前の仕事にある。

ーーー入社後の経歴を教えてくださいーーー

入社後は、食品原料部でチョコレート原料と乳製品原料の輸入営業、海外の関係会社管理等の担当をしたのち、入社5年目の2012年からシンガポールに駐在しました。アジア・大洋州本部戦略企画室で戦略立案や事業投資の実行支援等を経験して、2015年に日本に帰国しました。戻ってからは再び食品原料部で乳製品原料の輸入営業を経験して、2017年1月から現在の人事総務部に配属になりました。今は、新卒採用とキャリア採用を担当しています。2007年に入社してから2017年の今日まで一番長く在籍した部署は、食品原料部になります。なので、人事の仕事ではなく、営業時代のことを話したいと思います。

私たちのDNAともいえる言葉に「挑戦と創造」があります。これまで色々な仕事を経験してきましたが、「挑戦と創造」を語る上でお伝えしたい仕事は、日本に戻ってきてから担当した粉乳在庫の仕事です。
日本に帰任して早々、上司から「対応に困っている粉乳在庫がある。それを担当してくれ」と言われたのですが、その粉乳は国際相場がどんどん下落している原料。当社が保有している在庫は売れば売るほど赤字になるのです。日本に帰任する前から、もともと存在を認識していた在庫だったので、まさか自分が担当することになるとは…、「勘弁してくれよ」という気持ちでした(笑)。
それでも仕事なので販売していくのですが、売れば売るほど赤字が増えていく。周囲の営業担当は黒字を積み上げているのに、自分だけ赤字。自分の無力さも感じ、辛い日々を送っていました。でも、辛かったのは赤字を増やしていることよりも、「この仕事は何のためにやっているのだろう」ということ。仕事の意義や意味が見いだせなかったのです。
そんな中で、辛い状況を救ってくれたのは、実は同じ上司の言葉でした。「これだけ多くの営業担当がいる中で、お前にこの仕事を任せた理由がわかるか。この苦しい問題に正面から立ち向かえるのは、清水しかいないから任せたのだ。」と熱く言われて、ハッとしました。この仕事を他人事として捉えていた自分に気づいたのです。上司の立場に置き換えて考えたとき、実は一番苦しいのは、自分ではなく、この上司だなと。赤字はどんどん増えていき、結果として部署の決算責任を負うのはこの上司。その上司に対して「なんでこんな仕事しているのだろう」という自分の仕事の仕方というのはありえない。そう思った瞬間にスイッチが入りました。
販売するたびに赤字になっていくなら、仕組みから解決する必要があります。そもそも、何故在庫を抱えてしまったのかと言うと、粉乳原料を日本のお客様に安定的に供給するという使命を果たすためという想いがありました。確かに、どんな市況でも安定して原料を供給できる体制は重要です。ですが、ちょっとタイミングを誤っただけで損が出てしまうのは、当社としても安定的にビジネスができず、結果的にお客様への安定供給も実現できない。であれば、安定供給のための一定の在庫は確保しつつ、在庫を売ったら同じ値段で産地から買って在庫水準を保つという仕組みに転換してしまえば、赤字にならないのではと考えました。後から整理すると非常にシンプルで簡単なように聞こえてしまうと思うのですが、様々な葛藤を経てこの考えに辿りつき、新しい調達・販売方法を仕組化し、何とかこの苦境を脱出しました。そして今はちゃんと黒字になるビジネスモデルに生まれ変わりました。

「挑戦と創造」という言葉は、壮大な仕事だけを想像してしまいがちですが、実は違うと思うのです。目の前にある課題に真摯に取り組む一つ一つの積み上げこそが「挑戦と創造」のはじまりで、その結果として壮大な仕事ができるということなのではと思います。苦しい課題から逃げずに、手足と頭を本気で使えば使うほど、その分だけ大きな学びを得られる。粉乳在庫の仕事は、本当に成長を実感できた仕事でした。
なぜあれほど頑張れたのか。自己成長やキャリアのためだと思われがちですが、当時の私の心境は、自分のために頑張ろうではなく、この熱い上司の課題を解決したい、食品原料部の問題を取り除きたい。その一心でした。なんだか自分のために頑張ろうでは、頑張れない性分みたいです。ひたすら上司と食品原料部のため尽力する。ただ、それだけ。だから、頑張れたのかなと思います。

いま目の前の仕事に全力になる。

ーーー求めている人材を教えてくださいーーー

今までもこれからも、全力投球してきた・したいと思っている人でしょうか。全力に頑張ってきた対象は何でもいいのです。これまでの人生を精一杯生きてきて得られたもの、その結果、得られなかったものをちゃんと自分でわかっていることが大事だと思います。「いま100%満足しています」という人よりも、これからもっと頑張りたいけど、ここがまだ足りてないと自覚している人と出会いたい。そう思うのは、自分がそうだったからかもしれません。青年海外協力隊に参加して、全力投球して燃え尽きて、何が足りてないのか振り返って、そこからさらに一歩踏み出せた自分がいた。就職活動を通して、人生が大きく変わりました。皆さんにとっても、就職活動は色んなチャンスになります。勇気を出して行動すれば、様々なことに出会える機会になる。私は人事という仕事を通してそのことを伝えたいと思っています。
全力投球な人を採用したい理由はもう一つあって、新しいビジネスを成功させる要因の重要な要素だと思っているからです。ビジネスを立ち上げる張本人がすごく燃えていて、その熱量を周りに伝播させられるかどうかで、そのビジネスの成功度合いは、大きく変わってきます。そもそも新しいことを立ち上げようとしている人が冷めていたら、何事も成しえません。熱いハートが伝播するからこそ高い成果が出せる。だからこそ、若手たちには眩いばかりの情熱を燃やしていて欲しい。私が尊敬する先輩たちは、みんな火傷するくらい熱いですから(笑)。

よくこういうインタビューや学生から聞かれることに、「将来の目標は?」があります。実は私、将来の目標は敢えて持たないようにしています(笑)。私は、「目の前のことが全て」と思うようにしています。だから、まさにこの瞬間でいえば、このインタビューになります。全身全霊を注いで、いま話しています(笑)。同じように学生への説明会のときは、目の前の学生のことだけを考えています。
多くの人はキャリアパスに目標やゴールを設定して、そこから逆算して行動をしていると思います。もちろん、私も仕事においては、解決したい課題設定から逆算して仕事を組み立てていますが、キャリアパスについては違います。自分はキャリアの目標を設定して、そこに到達できない、あるいは近づかない仕事を担当してしまったら、集中力が分散してしまう気がしてしまうのです。実はそれに気づかされたのが、先ほどの粉乳在庫の仕事です。「この仕事は何のためにやっているのだろう」と考えた瞬間に魂が抜けてしまっている。そうではなく、「これがまさに自分の仕事だ」とフルコミットした瞬間から、もう一段高いステージに行ける。大事なのは、目の前の仕事に全力になっているかどうか。全力で挑んだ結果として、新しいチャンスが得られ、自分の足跡が残り、これが自分のキャリアパスだと自信を持って言える。そんな風に考えています。
そもそも青年海外協力隊に参加していた当時の自分は、三井物産で採用を担当することになるとは思ってもいませんでした。だからこそ、あのときから今までの人生の軌跡は、心の底から誇りに思っています。それは、常にフルコミットして進んできた人生で、その結果として自分では想像もしていなかった大きなチャンスを頂いてきたから。いまは将来どうなりたいとかは深く考えずに、目の前の仕事に全力で挑んでいます。たぶん数年後の自分も、人生の軌跡に誇りを持っているのではと思います。
でも、OBOG訪問などの会話で「将来の目標はありません。今が全てです!」とだけ話したら、どういう人なのか全く伝わらないですからね(笑)。自分なりの全力投球をしてきたこと、したいことを自分自身で咀嚼して、自分の言葉でぶつけてくれたらと思います。逆に、社員にも全力で質問をぶつけてくれたらと思います。そのような会話を通じて、自分自身の想いが段々と明確になっていくと思います。自分が納得のいく就職活動をするためにも、まずはOBOG訪問を全力投球で頑張ってみてくれたらと思います。当社の社員も全力で対応したいと思っています。

三井物産が何より人を大切にし、仕事に対して愚直に取り組む真摯な姿勢に非常に感銘したインタビューとなりました。学生には多くの可能性が広がっているからこそ、多くの社員と出会って欲しいと考える三井物産。OB/OG訪問を通して、様々な機会を拡げてみてください。

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