スタイレム瀧定大阪株式会社(本社:大阪市浪速区 代表取締役社長:瀧 隆太、以下スタイレム)と、ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、国際研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」において、2023年ISS搭載予定のトリポーラスを繊維に応用した「Triporous:Space QOL Series」のリラクシングウェアに引き続き、同シリーズのインナーウェアを提案し、開発を行ってきました。その結果、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載可能と判断され、2024年以降にISSに搭載される予定です。
これまで、スタイレムはソニーと協働しながら籾殻から作られたトリポーラスを繊維アパレル分野へ応用したウェア素材やホームテキスタイルなどの開発・提案を行い、人々の生活をより豊かにするために様々なシーンに寄り添い、社会課題の解決に取り組んできました。開発・提案の1つとして宇宙特有の環境と限られたリソースの中での宇宙生活のQOLの向上や、地上生活における様々な課題を解決することを目指し、JAXAの「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」にソニーと協働でトリポーラスを繊維に応用した衣類や生活用品「Triporous:Space QOL Series」を応募しました。
その後、2021年11月に「Triporous:Space QOL Series」がISS搭載を目指すアイデアとして選定され、宇宙での実用性を考慮しながら開発を進めた結果、2022年7月には、JAXAによる厳正な審査を経て、(当シリーズのアイテムの一つである)リラクシングウェアがISSに搭載可能と判断され、古川聡宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションにおいてISSに搭載されます。また、継続開発していたインナーウェアが新たにISSに搭載可能と判断され、2024年以降にISSに搭載される予定です。
■トリポーラス(Triporous™)とは ※トリポーラスはソニーグループ株式会社の商標です。
・ソニー オフィシャルサイト:https://www.sony.com/ja/SonyInfo/triporous/
・スタイレムのトリポーラスに対する取り組み:https://www.stylem.co.jp/sustainability/initiative/triporous/
■「Triporous:Space QOL Series」インナーウェアについて
「快適さ、心地よさ、清潔さ」をキーワードに、インナーウェアのTシャツとボクサーパンツを開発しました。
・清潔さ:トリポーラスを繊維に応用することにより消臭・抗菌効果を発揮し、ウェアを清潔に保ち、繰り返し着用することができます。
・着心地・快適性:
-自然に体にフィットし、快適さを感じる最適な編組織であるベアフライスを採用しました。天然のナチュラル感を持つコットンと、柔らかな風合いを持つレーヨン、程よいフィット感を生み出すポリウレタンをインナーウェアに最適なバランスで組み合わせています。体にフィットすることで、より高い消臭抗菌性を持ち、吸水速乾性により汗を吸収し、不快なべたつきを緩和します。また、コットンの一部には、繊維のアップサイクルシステムL∞PLUS®(※1)により、製造工程で発生する端材を再資源化したコットン繊維を使用しています。
※1 L∞PLUS®(ループラス) https://www.looplus-kurabo.com/
回収した繊維製品や生産工程で発生する端材を、倉敷紡績株式会社(クラボウ)独自の開繊・反毛技術で再資源化し、様々な繊維製品へとアップサイクルする取り組みです。
-インナーウェアの製造においてはグンゼ株式会社(以下、グンゼ)に携わっていただき、グンゼ独自開発の製法「CUT OFF®」(※2)を取り入れ、生地端を切りっぱなしの仕様にしています。また、身頃を丸胴仕様にし、縫製部分はフラットシーマーを採用することでミシン縫い目が肌にあたるストレスを極限まで軽減しています。デザインにおいても、可動域が広く肩や腕が動かしやすく、脱ぎ着しやすいラグランスリーブを採用しています。
※2 CUT OFF®(カットオフ®)
グンゼ独自開発の製法を使用した、切りっぱなし可能な衣類のことです。襟・袖口・裾に縫い目がないので、縫い目が肌にあたるストレスを軽減させます。
■今後の展開
「Triporous:Space QOL Series」のインナーウェアは、2024年以降のISSへの搭載を予定しているほか、消費者の皆様にも購入・着用いただけるよう一般販売を予定しております。
スタイレムは、「世界中を、それぞれの『らしさ』で彩る。」というビジョンの実現のために、「人々にワクワクを 産業にソリューションを 環境と社会にサステナビリティを」というパーパスのもと事業活動を行っています。今回のトリポーラスを使った商品開発や提案も、当社のビジョンやパーパスに沿った取り組みであり、引き続き自社で創造する力を磨きながら他社との共創を積極的に行うことで、人々の生活をより豊かにするために社会的課題の解決や地球環境への負荷軽減に貢献し、新しいマーケットやニーズの創出を進めてまいります。
■参考URL
・ 宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策の募集
https://iss.jaxa.jp/med/partner/71532.htmll
・ 宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くするビジネス共創プラットフォーム「THINK SPACE LIFE」
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/projects/think-space-life/