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三菱重工業株式会社(三菱重工エンジニアリング株式会社)

【三菱重工】完成まで6年超。国や企業を超え、チームでつくるプラントエンジニアの仕事とは。

インタビュー

化学プラントを通して国内外の未来を拓く「三菱重工」で、ワクワクしながら毎日楽しく働く1人の「リケジョ」。マレーシアから帰国したばかりの彼女に、プラントエンジニアの具体的な仕事内容や海外で過ごした2年間、将来の目標などについて語っていただきました。

<企業紹介>
世界に類のない総合機器メーカーとして、国内はもとより世界各地であらゆる産業や都市生活を支えている「三菱重工業株式会社」。
エンジニアリング分野はその中でも事業の海外比率が高く、グローバルに事業を展開している。総合機器メーカーである三菱重工の中にあって、製造ではなく、エンジニアリングを事業の中心にしていることが特徴だ。
2018年1月に事業会社化し、三菱重工エンジニアリング株式会社として、更なる事業の発展を目指している。

<人物紹介>
阿部 志保美
2010年入社 
三菱重工エンジニアリング株式会社
装置エンジニアリング部
機械設計グループ
工学部物質工学科出身
千葉県生まれ。大学・大学院へ進学後、新卒で三菱重工に入社。プラントエンジニアとして化学プラント事業に携わる。マレーシアの肥料プラントプロジェクトの完成を見届け、先日帰国した。

“大きなもの”ってワクワクしませんか?

もともと海外で働きたいと思っていたのですが、その中でも特に、色々な国の人たちとチームを組み、各専門分野のプロフェッショナルたちが協力して、皆で1つの大きなものを作り上げていくというプラントエンジニアの仕事に、とても魅力を感じていました。
就職活動では製鉄や材料系の企業も幅広く見ましたし、メーカーなども考えましたが、研究職は私には向いていないことを自覚。世界中を駆け回って何かを作るほうが面白そうでしたし、大きなものをつくることにすごくワクワクしたんです。

私が就職した頃は今ほど「リケジョ」が注目されていたわけではありませんでしたが、プラントエンジニアの道に進んだ女性は、同じ大学院の研究室をはじめ、身近に割といました。女性だからと言って気後れするようなことは特になかったですね。
OB訪問をしたときには、会社の雰囲気について電話で色々と教えていただいたり、機械グループの女性の先輩に会わせていただき、直接お話を伺ったりすることもできました。働き方について尋ねると、「自分次第でどうとでもなるよ」というなんともスッキリとした回答(笑)。働く女性としてとても自立していたし、いい雰囲気の会社だなと妙に安心しました。

三菱重工はプラントだけをやっているわけではなく、さまざまな事業分野と最先端の技術を擁する会社です。社内には、私が普段お取引させていただいているメーカーさんと競合する製品を扱っている部署もあります。何か困ったことがあったら、専門の部署に意見やアドバイスをもらえるというのは、この会社の大きな強みですね。

2年間の“出張”という長期プロジェクト

入社1年目、新入社員は業務に関連するテーマに沿った論文を作成して発表するという研修を行います。
2年目からは、本格的な業務を担当するので、マレーシアの肥料プラント建設プロジェクト「SAMUR」に参加しました。お客さまはマレーシア国営の石油公社グループです。マレーシアのサバ州は豊富な天然ガス資源を有しており、その天然ガスを原材料とした化学肥料を生産、販売することで、産業や農業の振興に役立てたいという目的があります。私たちが建設するのは、その天然ガスを化学肥料に変えるためのプラントです。

まずは先輩の指導を受けながら、プラントに使う機械品の発注をお手伝いするところから始まります。各メーカーさんから見積書をいただき、技術仕様を確認したり、コストや信頼性を検討したりしながら、発注までは半年ほどかかります。その後図面をチェックし、発注通りに作られているか、技術的に問題は無いかなどを細かく見ていく期間が約10カ月。さらに製品が出来上がったら、メーカーさんの工場へ出向き、出荷前の入念な検査を行います。
そこまでで、既に1年以上経過しています(笑)。入社4年目の頃は、検査のために各メーカーさんの工場へ行くことが多かったです。見積書や図面については、今でこそどこを見るべきか分かるようになってきたものの、当時は何がなんだかさっぱり。最初は戸惑いしか無かったですね。出来の悪い新人で申し訳ない気持ちでいっぱいです(笑)。先輩には本当にお世話になりました。

検査が終わると出荷され、長い時間をかけて現地へ運ばれます。同時にマレーシアでは建設部隊が土地ならしや工事の準備を始めており、機械品が到着するとその据え付けに取り掛かります。大体の設置が終わると、次は現地での試運転。その段階で私たち機械グループの人間が現地入りするんです。
つい先日まで、私、マレーシアに2年間出張していました。試運転を経て、ようやく引渡しまで終えて帰国したのですが、2011年から始まったプロジェクトでしたから、本当に長かった。期間はそれぞれのプロジェクトによって異なりますが、大体1プロジェクト4~5年くらいかかります。
ちなみに友人には、「2年間マレーシアに出張する」と言うと驚かれましたね。「出向や赴任じゃなくて、出張なの?」と。確かにかなりの長期出張ですが、うちの会社では結構普通のことなんですよ。それだけ1つのプロジェクトが長い証拠。大きなものをつくるには、時間がかかりますからね。でも、だからこそ、楽しいんです。

夢だった海外で働くということ

マレーシア入りが決まったときは、「やっと行ける!」という心境でした。海外で働くという夢もありましたし、本当はもっと早く行きたかったくらいです。横浜のオフィスで図面を見ているだけでは想像しづらいんです。横浜での知識をもとに現地で実物を確かめたり、現地での経験を活かして横浜で仕事をしたりと、どちらかだけではなく早く両方を知らなければ、とずっと思っていました。

建設現場は外周が4.5kmほどの広大な土地で、初めは道路もまだ舗装されておらず、ぐちゃぐちゃの工事現場。でも、その光景を前に私は、とにかくワクワクが止まりませんでした。
現地では据付が終わっても、プラント本運転の前に機械単体での運転試験、その前に、フラッシング(配管の汚れの除去)など、プラントを正常に動かすための準備作業が欠かせません。さらに、輸送・保管中や据え付け中に壊れてしまった箇所の交換部品を手配したり、現場からの疑問に対して図面を見ながら答えたり、それでも不明なことがあればメーカーさんに直接問合わせたり。早め早めに不具合を見つけて対応し、問題になりそうな点を潰していくといった地道な作業の繰り返しです。それでも機械品は動かしてみて初めて問題が発覚する事も多く、スケジュールに遅れないようにその対策を打たなければならないので、気の抜けない日々です。問題が起きれば、運転記録を調査したり振動を計測して簡易解析を行ったり、横浜のオフィスや社内の研究所、メーカーさん、所内の他のグループなど、様々な方の力を借りて原因究明を行い、対策を考えて現地で実施します。

三菱重工から技術者としてマレーシア入りしていたのはおよそ100人。プロジェクトのために作られた会社の宿舎で、共同生活を送っていました。
同じ敷地内にはパートナー企業の宿舎もありましたし、現地マレーシアの土木会社の方々なども含めると、プロジェクト全体に携わる人数は延1~2万人にものぼります。
色々な問題に全員で取り組みながら大きなプラントを作り上げていく。就活時に抱いていたイメージとも、ほとんどズレはありませんでした。「やっていて楽しい!」「入社して良かった!」という想いしかありません。マレーシアに行くことが決まった時、すでに結婚していたのですが、旦那さんには、前々から「私はいつか海外に行くからね」と念押ししていました(笑)。

お客さまにプラントを引渡した後も、今は保証期間として現地スタッフと連絡を取り合いながら、引き続きサポートを行っています。
今回の「SAMUR」プロジェクトでは、メーカーさんを選ぶところから完成まで、一通りすべての流れを見ることができたので本当にありがたかったです。「現地で起きたあのトラブルは、初期の図面の段階でもっとこうしておけば良かったのでは」とか、「要求した仕様は本当に正解だったのか」とか、すべてを振り返ってフィードバックができる。この経験は、次のプロジェクトに活かしてもっとよいものをつくり上げたいです。

今度は、寒い国で違うプラントをつくってみたい

近い将来の目標は、KP(キーパーソン)と呼ばれる、チームのリーダーになることです。KPはプロジェクトに関わる全ての機械品を見る必要がありますから、そのためにももっとたくさんの知識と経験を身に付けなければなりません。

「SAMUR」ではポンプ回転機の一種を主に担当してきましたが、今度は別の回転機やユニット品も担当してみたいですね。ユニット品とは、プラントの中にあるミニプラントのようなもので、ポンプやタンクや配管などの、さまざまな機械品が組み合わされた設備物のことをいいます。またプラント自体も、ポリエチレンやメタノールなど他にもさまざまな種類がありますから、肥料プラント以外のプロジェクトにも挑戦していきたいです。
それから、マレーシア以外の国にも行ってみたいです。いま行きたい国は、と聞かれたらロシアと答えます。寒い地域なので、たとえば電熱線を這わせて液体が凍らないようするなど、マレーシアとは設計が全然違ってきます。そうなると用意する資料から全て仕様を変えていかなければなりません。とても勉強になるはずです。実は寒いのは苦手なんですが、現地でちゃんと動いたときには、きっと感動するだろうなと思います。

もちろん知識と経験だけではKPにはなれません。数百億という規模のプロジェクトにおいて機械チームのメンバーをまとめる統率力、誰に対しても強くものを言える交渉力、何かあったときに矢面に立つ責任感など、まだまだ課題は多いのですが…。
でも、やっぱりプラントエンジニアの仕事は面白いです。目標達成に向けて、これからもチームみんなで力を合わせて大きなものを作り続けていきたいですね。

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