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OB/OGが語る

PwCコンサルティング 人事部ディレクター(新卒採用チームリーダー)が語る、人生100年時代のキャリア選択とは

健康寿命が延び、これからは人生100年時代が来ると言われる。働き方も多様化し、人生そのものも多様化している現代において、“最初の就職先”を選ぶ時に考えるべきこととは。PwCコンサルティング合同会社で様々な業界のコンサルティングを担当し、現在は人事部で新卒採用の責任者を務める金子氏にお話を伺った。

〈会社紹介〉
世界4大会計事務所のひとつであり、158ヵ国・736拠点(都市)に236,000人以上のスタッフを要するプロフェッショナルファームであるPwCグループ。PwCコンサルティングはその一員として、グローバルネットワークが持つ幅広い業界専門性やナレッジを活用するとともに、PwC Japanグループにおけるディールアドバイザリー、監査、税務、法務のスペシャリストと緊密に連携。経済環境が厳しさを増し、ますます複雑化する経営課題に対し、グローバルレベルの支援体制で企業経営を多角的にサポートしている。

〈人物紹介〉
金子 賢典
人事部ディレクター(新卒採用チームリーダー)
2003年入社 新卒
入社後、サプライチェーンマネジメントのコンサルタントを担当。主に物流や工場の業務プロセス、製造ラインにおける業務改善のコンサルティングを手掛ける。その後は電子部品や半導体業界を担当し、主にメーカーや商社における様々なプロジェクトを成功に導く。2016年より人事部に異動し、かねてから強い意欲のあった新卒採用業務を担当。人事部ディレクター(新卒採用チームリーダー)として、責任者を務めている。

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10年後に振り返ったとき、納得できる今を。

―――本日はよろしくお願いします。ご自身の学生時代を振り返って、どのようなことを考えて就職活動をされていたのでしょうか。

私は大学と大学院で哲学を学んでいました。小難しい本を読んで、論文を書いて、ゼミで議論してという日々を送っていまして、資本主義経済とは正反対のところにいる人間だったんです。当時は学者志望だったので、就職活動を始めたのも一度は社会を知った方がいいだろうという考えからでした。世の中にどんな仕事があるかもわからず、とにかく人に聞くしかないと色々な業界の先輩を訪ね、30人くらいにOB訪問をしました。その中にコンサルをしている先輩がいて「コンサルの仕事は社内で転職を繰り返すようなものだ」と話してくれたんです。ひとつのプロジェクトは短ければ2~3ヶ月で終わり、お客様も仲間も場所も変わる、そういう仕事だと。その話を聞いたとき、コレ!だと思いました。その頃の私は、何かを始めては飽きて・・・を繰り返していたので「飽きない仕事」を求めていたんです。そこからコンサル業界に絞り、「こんな人になりたい」と思える先輩がいたことから当社を選びました。

―――入社の決め手は「人」だったということですか?

そうですね。その先輩に憧れた理由は直感としか言えなくて、説明はできないのですが。恋愛と一緒ですね。実は最後は3社で悩んでいて、色々な情報を分析して最適解を見出そうとしたのですが、1ヶ月くらい考えても答えは出ませんでした。そのときに、自分で意思決定するしかないと強く思ったんです。これは勝つ保証のないギャンブルと同じだと思い、もしも失敗して10年後に振り返ったとき「自分で選んだのだから」と悔いの残らない決断をしようと思いました。そのために自分なりに出した軸が「人」だったんです。これは私の場合なので、人それぞれ軸は異なるでしょう。当時の私は、憧れられる人がいる会社に入ると自分の成長も早くなる、そう考えました。

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2年で辞めるつもりが、天職に。

―――当初は学者志望だったとのことですが、心境の変化があったのですか?

入社当初は、2年くらい働いてまた大学に戻るだろうと思っていたんです。あの頃は本当に何もわかっていなくて、仕事というのは体力や知力、時間などを切り売りして、生活の糧を稼ぐ「労働」だと思っていました。でも最初に担当になったプロジェクトで、その後の人生が大きく変わることになります。プリントメーカーのお客様で、主に海外のアフターサービスネットワークを再構築するという案件でした。先方のご担当者様は、その道25年、50代の大ベテランの部長さんです。一方こちらは、入社したばかりの新人。最初はその方が話す内容すらわからなかったので、当たれる資料には全部当たり、人に話を聞き、インターネットで調べ、なんとか食らいついていました。

―――その頃、どのような気持で過ごしていたのですか?

もう、ただただ無我夢中ですね。この人に信頼されるためには何をしたらいいか、それだけをひたすら考えて1年間ほど動き続けていました。そしてどうにかプロジェクトを成功させることができたときに、その部長さんから「飲みにいこう」と。小さなラーメン屋さんに連れていっていただきました。夜も深くなり、そろそろお開きというとき、その部長さんが「ありがとね」と、ぽろっと言ってくれたんです。その一言を聞いたとき、気づくと私は号泣していました。一生懸命努力して目の前の人が喜んでくれることが、自分の喜びにもなる。仕事は生活の糧を稼ぐだけでない、なにかプラスαがある。本当に遅かったのですが、ようやくそう気づくことができたんです。お金にならない価値があるし、そういうもので人は動かされ、世の中は回っている。私にとって、大転換と言える気づきでした。この経験から辞めずに続けることになり、今ではコンサルの仕事は天職だと思っています。

―――どういった点が天職なのでしょうか?

コンサルの仕事って、お客様に正解を提示することだと思われるかもしれません。でもそうではなく、正解はお客様の中にあって、それを上手く言語化して、お客様の様々な部署を繋げることが大切なんです。お客様の考えを翻訳してあげて、みんなが乗れる形のストーリーにして、お客様に動いていただく。このように人をサポートしたり、舞台をつくったり、僕自身は言わば黒子的な仕事が好きなのだと、いくつものプロジェクトを経験する中で気づきました。

常にチャンスに飛び込める自分でいる。

―――人生100年時代と言われる今、仕事についてはどうお考えですか?

おそらく今の大学生は、80歳くらいまでは働くでしょう。働く時間が増える中で、ひとつの会社のひとつの仕事だけで乗り切ろうと考えるのはリスキーです。時代が変わる中で、仕事がなくなったり、会社さえもなくなったりする可能性がある。だから自分は何ができる人なのかを、履歴書ではない何かで発信できるようになるべきで。私はそれをバッチと呼んでいます。コンサルのスキルもそのひとつだと言えるでしょう。学生の皆さんもそれはよくわかっていて、専門性の高い仕事を選ぶ人が増えているように思います。

―――そのような社会の中で、若い世代はどんなことを意識したらいいでしょうか。

世の中が今後どう変わっていくか、誰にも予想はできない時代なので、あまり未来を決め打ちしない方がいいと思っています。その分、目の前にやりたいことやチャレンジしたいことが現れたときに、全力で取り組める自分であるようにしておく。これは私自身がキャリアの中で意識してきたことです。そのためにはまず健康でないといけないし、チャンスに気づけるようにアンテナを常にはっておかないといけない。とにかく自分の可能性を増やすことを大切にしてきました。その結果コンサルの仕事を経て、もともと興味があった採用の仕事をしています。これまでの私のキャリアは、大学生の頃の自分には、想像もつかないものですね。

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自分の「好き嫌い」を真剣に考える。

―――仕事を選ぶ上で大切なことは、どのようなことでしょうか?

最も大切なのは、マッチングだと思います。自分にマッチした仕事をすることが、自分のため、会社のため、そして社会のためになるはずです。ではマッチするとは何なのか。私は人間の頭は3段構造になっていると思っていて、1つめは情報や知識という「ナレッジ」、2つ目がスキルや能力という「ケイパビリティ」で、多くの人が仕事を選ぶ時にこの2つの領域で考える傾向にあります。例えば外資系コンサルであれば、経営学や会計学が必要だとか、英語が話せないとダメだとか、ロジカルシンキングやプレゼンテーション力が求められるとか。そういう話になりがちです。これは学生のせいではなくて、企業がそういう話をするからでしょう。でもそれらは入社してから身につけられ、成長させられるものです。それに対してどうにもならないものが、3つめの「価値観」だと私は思っています。もう少しブレイクダウンするとそれは「好き嫌い」ですね。

―――「好き嫌い」と考えるとわかりやすいですね。

20数年生きていれば、心の中に好き嫌いのスイッチみたいなものが完成されていて、それは変わらないものです。コンサルの仕事を好きで楽しめる人は、合っている価値観を持った人でしょう。そういう人は5%もいないんじゃないかと思っています。でもその人がコンサルの仕事に就けば、仕事が楽しいので言われなくても勉強をするし努力もするので、いくらでもスキルがついていきます。だから自分の好き嫌いに敏感になって欲しいし、仕事もそこでマッチングして欲しいですね。私自身、先ほどお話した最初のプロジェクトのとき、なぜあんなに頑張れたのか、当時はわかりませんでしたが、今思うと好きだったから、価値観が合っていたからだと思います。私は運良くそういう仕事に出会えました。でもみんながみんな運が良いわけではないので、本当に真剣に考えて欲しいですね。

―――価値観のマッチングをする上で、学生にアドバイスはありますか?

本当に難しいことを言っているのはわかっています。ひとつアドバイスすると、誰にでもこれまでの人生で何か無我夢中になれた経験があるはずです。文化祭でも、部活でも、サークルでも、ゲームでも何でもいいのですが、そのままだと仕事とマッチングできないので、抽象化してみるんです。例えば文化祭であれば始まりと終わりがあって、色々な人が役割分担しながら取り組んで、本番がきて、終わって打ち上げする、みたいな。これってコンサルという仕事とつながる部分があるかもしれない。例えばゲーム好きであれば、内容にもよりますが一人でやって努力したら直線的にスキルが上がっていって、ボスキャラがいて•••というプロセスの中で何が自分を魅了してハマっているのか。うまく抽象化できれば、次はそれと似たような仕事がないか探してみる。こうして自分なりに考えたあとで、いろんな仕事のOBに会って価値観を聞き出し、自分の考えをぶつけてみるといいと思います。簡単なことではないのですが、今の段階でそれをできたら、とても強い。正解はありません。世の中かがこう言っている、友達がこんな風に考えているというのは関係なく、自分自身を深ぼることが大切です。あきらめずに考える、行動する、そしてまた考える。これを繰り返せばきっとマッチする仕事が見つかるはずです。頑張ってください。

―――参考になるアドバイス、ありがとうございました。