<5つの時期とは>
01:就活スタート(準備)期
02:夏インターンシップ期
03:秋冬インターンシップ期
04:本選考期(秋冬IS以降)
05:意思決定期
<プロフィール>
Nさん/男性
東京大学/学卒
工学部機械工学科
ガクチカ:体育会, 部活動
内定取得先:証券・投資銀行・M&A
入社予定先:金融(証券・投資銀行・M&A)
♯投資銀行 ♯逆転内定 ♯東京大学
01:就活スタート(準備)期
ーーいつから就活を開始したか?
学部3年生の4月。
コンサルへの興味があったが、周りは院に進むので、周囲の多くの人が就活始めていない中でのスタート。コンサルに興味を持ったのは、高校同期が受けていた影響だった。
研究にあまり興味がなく、院進するつもりがなかったこともあり、文系就活を目指した。
ーー何からスタート・準備したか?
①就活アプリ(ワンキャリア、ビズリーチ・キャンパス、外資就活)の登録
始めたといえども、就活が0からのスタートだったので、まずはアプリを入れるところから始めた。
②ガクチカの文章作成
ESを書くためにガクチカをまとめることから始めた。ガクチカづくりや就活の進め方は基本的に独学だったが、24卒の友達にガクチカを書いたものを送って添削を受けていた。
ーー応募までの志望(見ていた)業界・企業は?
コンサル、外資系投資銀行。
知名度が高いところや難しいところ、年収などを見て、選んだ。この頃はかなりミーハー就活だったと思う。
情報を得る手段としては、主にネットの記事を見ていた。
ーー応募までの過ごし方や意識した準備は?
志望動機の作成と志望業界の関連書籍を読むこと。
投資銀行業界に関する本や、コンサル志望が読む本を読んでいた。
この時期は就活のことを何も知らなかったので、まずは業界理解が必要と考えて本を読んでいた。
この時期に読んだ本は3~4冊。
ーー応募までに困っていたことは何か?
ケース面接。
コンサルの選考で必要だが、周りにコンサル内定者がいなかったので、対策を一緒にしてくれる人がおらず、困っていた。
結局対策は自分でやるしかなかったので、ケース面接用の本を読んで対策していた。
ーーこの時期はどんな心境だったか?
就活のレベル感というものを知らなかったので、1つくらいは夏インターンシップに参加できるだろうと思っていた。
ーー応募までに「やっておいてよかった」と思うことは?
ガクチカをある程度のレベルまで完成させること。
自分は主に部活のことをガクチカで話していた。
ガクチカの概要としては、新しい運動を始めるために、ボクシング部に入部して、ボクシング部で未経験からどのように結果を残していったかなどを話した。
夏インターンシップの人物面接はガクチカが聞かれることがほとんどなので、ガクチカに対する質問や深堀りの対策をしておくのが良いと考える。
ーー応募までに「やってけばよかった」と思うことは?
就活仲間を作ること。
情報共有やケース面接などの壁打ちができるので、1人で就活をするのではなく、コミュニティに参加したり、友人と協力するのが良い。
02:夏インターンシップ期
ーーいつからインターンシップに応募を開始したか?
学部3年生の4月から。9月くらいまで活動していた。
ーーこの時期に志望(見ていた)業界・企業は?
上位コンサルと外資系投資銀行。
出した理由としては、志望業界の中で上のランクの企業を目指していたから出した。
ーー何社に応募したか?
10社くらい。
コンサルと外資系投資銀行はほとんど同数出していた。上位コンサルはほとんど出したが、そもそも会社数が少ないので、全部の企業に出してもこのくらいの数になった。
ネットの記事、コラム、企業のHPなどから情報を得て、選考対策や志望動機などを考えていた。しかし、結果として夏インターンシップは0社通過だった。
ーーインターンシップで体験したこと/分かったことは?
通過がなく、参加できなかった。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
とにかく金融知識がなかったので本を読み、コーポレートファイナンスについて学んだ。
もともと投資銀行しか受ける気がなかったので、コーポレートファイナンス中心に知識を得ていった。
この時期は10冊近く本を読んだ。コーポレートファイナンスに興味があったので、本を読むのは辛くなかった。
ーー当時困っていたことは?
ガクチカや志望動機の精度。
面接が集団だった時、上位層と比べるとガクチカで見劣りする面もあった。そもそも企業のレベルが高いので、周りの就活生の経験のレベルが高かった。
この時期にはあまり解決しなかった。のちに秋冬インターンシップで知り合った人と壁打ちして適切な表現を見つけることや、伝わりやすさなどを追及して、経験のすごさではなく、パーソナルが伝わる話し方で評価されることを目指した。
ーーこの時期はどんな心境だったか?
何とかなると思っていた。
理由としては、秋冬から日系投資銀行のインターンシップが始まることや、コンサルのGDなどもレベルが下がるため、あまり危機感はなかった。
ーーこの時期の内定は?
外資系コンサル(学部3年生の7月)。
通年採用で一番最初のタームに選考を受けた。志望度としては滑り止めだと思っていた。フローはES→SPI→GD→個人面接→最終面接。早期内定は精神安定剤となった。
ーーこの時期に「やっておいてよかった」と思うことは?
面接に場慣れすること。
今後も面接は続くから、早いうちに面接に慣れておくことは重要だと考えた。
ーーこの時期に「やってけばよかった」と思うことは?
夏インターンシップは日系も出すこと。
この時期に日系投資銀行のインターンシップを受けておくことで、優遇が取れるので、投資銀行志望は外資系だけでなく日系も出すといい。
03:秋冬インターンシップ期
ーーサマーIS後は、いつから再度ISに応募を開始したか?
学部3年生の10月。12月までの期間でインターンシップ選考を受けて参加していた。
ーーこの時期に志望(見ていた)業界・企業は?
投資銀行もしくはFAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス。コンサルの金融部門のこと)。
コンサルよりも金融のほうに興味が湧いたので、戦略コンサルや総合コンサルは受けるのをやめて、投資銀行とFASを中心に受けた。
夏インターンシップの時期は戦略コンサルしか出してなかったが、経営よりファイナンスに興味があり、投資銀行に絞った。
ーー何社に応募したか?
10社くらい。
日系投資銀行と外資系投資銀行の本選考を受けた。投資銀行に志望業界を絞っていたので、応募は基本的にこの2業界。ほぼ夏同様にネットのアプリ、コラム、企業HP。投資銀行はOB訪問する文化がないので、行わなかった。
3社通過した。
ーーインターンシップで体験したこと/分かったことは?
優秀な学生が多かった。
6人ワークでM&A提案をする際に、リーダーシップがある人など、知識だけでなく、能力面で優秀な人がいた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
本を読むこと。
夏インターンシップ期に引き続きM&A関連の本を読んでいた。M&Aに興味があったことと、志望業界につながる知識を得られたので、この対策は有効だったと思っている。この時期は5冊読んだ。
ーー当時困っていたことは?
OB/OG訪問
志望動機に企業の求める答えとの乖離がないかを知りたかったが、周りに志望業界の内定者がいなくて困った。
解決策としては、インターンシップに参加した際に、社員さんと話してブラッシュアップしていった。
ーーこの時期はどんな心境だったか?
何とかなると思っていた。
理由としてはインターンシップに参加できたので、選考のスタートラインに立てていると考えたため。
ーーこの時期の内定は?
メガバンク証券(最終的には辞退する)の投資部門。
志望度は高い。内定までのフローとしては、本選考経由。ES→webテスト→面接4回。2人の面接官と30分ずつ話すことがほとんどだった。
志望動機としては、ハードワークから成長機会を見出すことと、M&Aを進めたいという理由で志望すると伝えていた。
ーーこの時期に「やっておいてよかった」と思うことは?
金融知識をインプットしておくこと。
理由としては、気になったニュースなどから、金融知識を問う問題が出たりしたから。
ーーこの時期に「やってけばよかった」と思うことは?
インターンシップに参加した際は、積極的に社員さんと話すこと。
OB/OG訪問ができない分、実務に対する認識の乖離が生まれやすいので、その乖離をなくすために一次情報を得るのは大事。
04:本選考期(秋冬IS以降の時期)
ーー時期は?
学部4年生の4月。
ーーこの時期に志望(見ていた)業界・企業は?
投資銀行。
M&Aに興味がある気持ちは変わらず、本選考から採用人数が数名だとしても、挑戦したいと思った。
ーー何社に応募したか?
5社。日系投資銀行のみエントリーした。
この時期は選考対策の一環でネットの記事と最近のニュースから情報を得ていた。
書類選考は5社とも通過した。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
ニュースを見ること。
投資銀行のよくある質問でニュースが出がちなので、常に調べていた。
ーー当時困っていたことは?
他社比較。
本選考だと他社比較が聞かれる機会が多かったから、他社との違いを見出すことに困っていた。自分は株式、社債、M&Aなど、その会社なりの強さを見て判断したり、研修制度から比較していた。
ーーこの時期はどんな心境だったか?
少し心配だった。
理由としてはインターンシップ経由の内定者が出ており、投資銀行はインターンシップ経由の内定者がほとんどだったから。
ーーこの時期に「やっておいてよかった」と思うことは?
金融知識のインプット。
ニュースについて聞かれたときも、そもそもの知識がないとそのニュースについて意見を言うことはできないし、M&Aに興味があるのにほとんど知識がなければ本当に興味があるとは思われないので、知識をつけていく事が重要。
ーーこの時期に「やってけばよかった」と思うことは?
就活仲間を作ること。
自分はインターンシップに参加して友人はできたものの、1人で活動することが多かった。
情報共有や面接対策ができるので、就活仲間を作ったりコミュニティに参加することはしておいた方がいい。
05:意思決定期
ーー時期は?
学部4年生の6月。
ーー最終的に何社から内定を得たか?
投資銀行2社と外資系コンサルのFASに内定して3社内定。
ーーこの時期はどんな心境だったか?
自分の志望業界から内定をいただけたから満足していた。
ーー最後はどこと迷ったか?
投資銀行2社。
一方はM&Aの部署に配属されるのが確定な上に、内定者の中で自分だけがM&A部署(エグゼキューション専門(M&A完了までの事務処理的な部分のこと))に進むことができる点で嬉しかった。
もう一方はローテーションでM&Aの中でもエグゼキューションだけじゃなく、オリジネーション(M&Aに向けたマッチングや営業など)の部署も経験できるなど、様々な部署を経験できることと、年収が高いため。
ーー最後の決め手または決め方は何か?
人、給与、やりたいこと(M&A)。
少数精鋭な入社予定先に魅力を感じたので、選ぶ際の決め手となった。加えて、年収が日系投資銀行の中で一番高い点や、ジョブローテーションで様々な業務が経験できる点も魅力だった。
ーー意思決定において困ったこと/悩んだことは?
社員の話はポジショントークになるので、外部から見た意見が知りたかった。
社員は自分の会社に入ってほしいからこそ、良いところをアピールするが、中立的な判断をしている人の情報を知りたかった。解決策としては、企業HPにある社員インタビューを見て、比較した。
ーー就活全体を振り返っての思い、やり直すとした場合に見直すことは?
夏インターンシップにもっと真剣に取り組むこと。
日系投資銀行に出さなかったことは心残りであった。
夏インターンシップに1社くらいは行けると思っていたが、結果は伴わなかったため、より多く出してもよかったと思う。
FASは投資銀行に比べ扱うM&Aのサイズは小さい分、オリジネーションからエクゼキューションまで一貫して扱う。
デッド・エクイティファイナンスで直接支援できるのは投資銀行であり、ダイレクトな資金調達支援ができる点も投資銀行の魅力である。
社員さんの雰囲気は堂々としている人が多かったので、面接の雰囲気は堂々としていた方が良い。
基本的に外資系投資銀行も日系投資銀行も相性の面が大きいので、インターンシップに参加できなくてもくよくよしないことや、FASも候補に入れるなど、リスクヘッジも重要だと感じた。
外資系投資銀行が人気だが、日系投資銀行の魅力を挙げておくと
①案件数の多さ。外資に対してディール額は小さくなるものの、幅広く様々な案件に携われるので、経験を多く積むことは可能。
②日本の商慣習への精通。外資系より日系企業に理解があるので、真に価値あるピッチが可能。
そのため、なんとなくの理由で外資系銀行を受けるのではなく、なぜ日系ではなく外資なのかを言語化しないと、日本人である以上通用しない。